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(ARC2 2004-2005)
[2005/12/31]
もう今年最後の書き込みとなってしまった。今日はニコンAi50mmF1.2Sで絞って撮影した絵2枚とEF50mmF1.2で撮影した絵を一枚ギャラリーにアップした。ニコン50mmもF8まで絞るとシャープな絵を撮ることができる。ただアダプタ経由の悲しさか、ここまで絞るとファインダー像から出来上がりを想像することはできない。フォーカスを無限遠としてシャッターを押すだけなので、写真撮影の楽しさは失われてしまう。そんなわけでEF50mmF1.4を買い戻してしまった。
EF50mmも以前ほど悪くは感じない。キャノンレンズらしく、開放からフレアはなくシャープである。ただバックラッシュが大きくLレンズ使いの私には安物という感覚をぬぐいきれない。ただバックラッシュはピントの山がわかりすぎるために気になってきたことかもしれない。
レンズのボケ味について多くのことを試したわけではないが、Ai50mmのフレアが二線ボケを隠している気がする。すなわちAi50mmのほうが開放のボケ味は美しい気がする。キヤノンの単焦点Lレンズは数多く使ってきたが、どのレンズも中ボケが汚くなる。少し焦点のずれた小ボケや完全にはずした大ボケは問題なく美しいのであるが、その中間のボケはどうしても複線ボケのような騒がしいボケになってしまう。バックがそのようなボケにならないように絞りや対象物の距離を調整するのがテクニックというものであろうが、なかなか難しい。この辺がソフトフォーカスレンズを使う意味があるのであろう。
レンズによる色調の違いというのも確実にあるようである。ニコンレンズとキヤノンレンズの好みの調整点というのもかなり違うようである。現像時の調整で全く同じ色にすることも可能であろうが、各色ごとの色相までいじらないといけない気がする。そんなことより、そのレンズの色調を生かした絵つくりをすべきと考える。この辺がAi50mmを完全に捨てられないところである。単焦点といえばレンズ交換の手間は必須であるが、同じ焦点距離のレンズを2本持ち歩いて交換するというのもなかなか大変なことである。まあ重さも大きさもそれほどないので、しばらくは併用を考えなければならない。
[2005/12/28]
ちょっと更新が遅れてしまったが、月曜日にニコン50mmで撮影した日本丸の絵を2枚アップした。
前回も報告したが、このレンズ開放でのフレアがひどく、この手の撮影にはF2.8まで絞らなければならない。アダプタ経由であるので、ファインダーの見えもF2.8の見えとなり、暗くなってしまう。暗くなることに対するピントあわせの問題よりも絞ることによるピントあわせの難しさ(被写界深度の増加)がちょっと問題である。ピントあわせの甘さからかもしれないが、解像感は結構低い気がする。
ニコンのレンズは硬いというのが通説のようであるが、私は上記の理由からむしろやわらかいように感じている。色調の出方もキヤノンレンズにはない独特の色調がある。現在はこのレンズを常用にしようかどうかで悩んでいる。大きさ、ラバーフード、色調など気にいっているところも多いのであるが、絞り連動でないところが、若干つらい。EF50mmF1.4の買戻しも含めてもう少し検討していかなければならない。
[2005/12/25]
2ヶ月ぶり年末の日本に帰ってきた。今回は5D用撮影機材の購入ということで色々購入したが、そのうちニコンの50mmレンズを購入したので、とりあえず近所での撮影2枚をギャラリーにアップした。
このレンズの評価を書く前に今回購入したニコンのアイピースについてちょっと書いておく、今回ニコン用DK21MとEOSアダプタつきのDK17Mを購入しておいた。21Mはそのままつくのであるが、覗き部分が浅く小さく拡大率も小さく周辺収差がある。目を近づけると睫毛があたり目がいたくなるので常用する気になれずあきらめた。DK17MはEOS用アダプタがいるが、こちらの方はだいぶ使用感がいい。ケラレもなく、覗き口も大きいので、こちらの方を常用することにした。ファインダーが大きくなったという感じはそれほどしないが、多少拡大されるのでピント調整もしやすくなった。
50mmレンズはシグマのマクロを勧めてくれたひともいたのであるが、やはり量販店に在庫がないようで、注文も在日中に手に入らないようなので、断念した。ニコン50mmの方はすぐ購入できたのであるが、1.2という明るさも開放での撮影ではほとんど解像感がなくフレアのためにボケボケになってしまうのには愕然とした。開放では完全にソフトフォーカスレンズである。サジなんとかフレアというらしいが、ポートレートはともかく解放ではとてもスナップや風景には使えないようである。今日はあきらめ気分で近所を多少絞って撮影してみたが、色調がキャノンとはだいぶ違う。背面液晶で見ると妙にきれいである。
帰って現像してみると最適パラメーターもキヤノンとはだいぶ違うようである。見直してみるとやはりこれはこれで、いい味も感じられる。ニコンの色というのであろうか。このレンズもしばらく使ってみる価値があると思えてきた。アダプタ経由なので、絞って使うのはEe-Sには結構暗く、あまり気分は良くないがフォーカス調整にはとくに支障はないようなので、明日あたりまた撮影してみたいと思っている。
[2005/12/20 H.K.]
今日は日本帰国を2日後にひかえて前回帰国時の5D購入間もない時に撮影した「みなとみらい21」での撮影から2枚アップした。85mmの曇りでの撮影ということでだいぶ条件が最近の撮影とは異なっている。85F1.2Lはかなり癖のあるレンズで絞って使っても他のレンズとは違った色調を提供してくれる。私はこのくせが好きであるが、特に曇りの日の表現は5Dとの組み合わせですばらしいと思う。
前回はコンデジでも携帯のカメラでも性能は上がって良く撮れるし、足りないのは解像感とか明るさだと書いた。しかし、現在DSLRに要求される画質と性能を持つためにはそんな簡単なことではユーザーが許してくれないことはわかっている。DSLRにおけるレンズによる表現は私のような電気系の人間にはわからにことが多すぎるし、このレンズがなぜこのような特性を持つのかなどはわからないことばかりである。
ただDSLRのカメラ部分の性能に関しては電気的な部分がほとんどであるので、私の分析もそう外れてはいないと思っている。最近D200の縦縞ノイズが問題になっているようである。使ったこともない製品の性能をとやかく言うのはあまり好きではないが、この問題は20Dにおけるパープルフリンジやグレーバランスの悪さと共通していると思える。縦縞は修正可能であろうが、飽和部分に現れるいわゆる「まつ毛」はそう簡単には修正できないと思える。これらの問題は本質的に小サイズセンサーの高画素化の弊害といえる。
高画素化要求によって、一画素のサイズは小さくなる傾向があり、これはダイナミックレンジの減少につながる。ダイナミックレンジはS/Nであるが、カメラとしてどの部分を使うかが重要である。高感度ノイズ抑制の要求からハイレベルに対する余裕がない設計になってきている。20Dにおけるハイレベルのグレーバランスの崩れがパープルフリンジを引き起こし、D200に関してはインターレース読み込みの弊害が問題を強調しているのであろうと考えている。
またもや5D絶賛の結論になって申し訳ないが、5Dは一素子が大きい分、暗部にも明部にも余裕の特性であり、その特性の素直さは色調調整をも、より容易にしているといえる。
[2005/12/18 H.K.]
今日は番外で、5Dではなく昨日手に入れたNokia N70 3G/GSM 携帯電話で撮影した香港アパートの窓からの絵を2枚をアップしてみた。携帯電話関係はBBSのほうに書くことにしているが、カメラ話題なので、本ページのほうにアップしてみた。画像は2枚ともPhotoshopで修正してあるが、この程度であればコンデジの代替には十分なる。
最近日本での新製品の話題はカメラではD200、携帯関係では702NKIIとZERO3であるようだ。私の場合カメラでは5Dを購入したばかりでAPSサイズカメラには興味はないのであるが、携帯電話に関してはそろそろ買い替えを考えていた時期ではあった。NKIIに関しては6680をすでに使っているので、日本での発売を喜んでいるが、自分はもう一つ新しい機種にしておきたかったということで今回のN70購入である。ZERO3はシャープのウィルコム向けのPDAであるが、シンビアンOSとウィンドウズ・モバイルとの競争ということで、興味はある。私自身PHS開発とは深いかかわりがあったので、なおさらである。ただ通話との連携があまりうまく処理できていないようで電話としてはあまり適さないかもしれない。使っていないPHSを契約したままにしているので、もしかすると購入してしまうかもしれない。
さて写真に話題を戻してみると、携帯カメラの絵もうまく処理すれば、DSRの絵とどれだけ違うのであろうかということである。色調に関してはPhotoshopで適当にグレーバランスを調整してやれば、それほど引け目はない。ピクセル等倍での悪さはカメラの問題ではなく、JPEG圧縮率が高すぎるせいだという気がする。周辺が質の悪さはDSRでも優秀でないレンズを選択すれば同じことであろう。
ここからDSRの画質に何を求めるかということを考えると解像度の増加か周辺画質だとか暗部ノイズ特性とかということになるのであろうが、やはりこれは明るく歪みのないレンズを求めるということにつきるのではないかと考えてしまう。
[2005/12/16 H.K.]
前回までは撮影時露出補正を-1で撮影していたが、まだノイズが多いということで撮影露出補正を0として撮りなおしてみた。そのうちの2枚をギャラリーにアップした。
絵の調整自体がかなり濃くなって現実感からは多少離れてきている気もする。あまり濃い調整をするとカメラの性能もレンズの癖もわからなくなるし、WBをいじることなどはさらに罪悪感を感じていたのであるが、最近は考えを変えた。WBをAWBにしたり、自動レベル補正などは単に機械にまかせているだけであって、それでいい絵ができたところで、あまり意味がないことであると考えている。絵が現実から乖離したとしても自分の絵は自分で作り出すのが写真が芸術に近づく方向性だと思う。
とは言っても自分の絵はたいしたものでないのはわかっているが、自分の個性を持ちたいと思っている。最近は濃い絵にこっているが、現像法も前とは多少変化してきた。ここで現在の現像法を少し紹介しておく。潰れと飛びを回避して濃い絵を作るにはトーンカーブを硬調にもっていかなければならない。ただ一義的に硬調カーブを適用してもうまくいかず、表現したい明度レベルを硬調カーブの中央に持ってこなければならない。方法的にはトーンカーブをいじるのではなく、明るさと露出補正を交互に調整して白飛びせずに目的露出が中央になるように調整する。この調整だけで、絵としては見られるようになるが、濃くするためにはコントラストを最大近くまでもってくる。
これで大分絵はこくなるが、実際はグレーバランスのずれとかカブリとかの影響が大きく不自然な色あいとなってしまうので、暗部カブリ調整をいじって黒を黒くする。黒が多少浮き上がり傾向にあるので、シャドウで調整するのではなく、トーンカーブで黒圧縮処理をする。実際には周辺色収差・補正ビネット補正なども適用しなければならない。
これらの適用値は撮影した絵ごとに異なり、撮影時以上に大変な手間である。ただこれもなかなか楽しいもので、冬の夜長にはもってこいである。
[2005/12/14 H.K.]
香港はこのところめっきり寒くなってきた。もうクリスマスである。オフィスはどこもクリスマスの飾りつけになっている。わたしも来週後半から年末年始は日本である。時のたつのは早いもの香港での生活が始まってからもう少しで一年となる。ギャラリーには先週末の数少ない撮影から2枚追加した。
今日は撮影露出とノイズの関係をもう一度振り返ってみた。私の現在の撮影標準はISO100で-1EVである。絵をみればわかると思うが、結構ノイズが乗っている。ISO100でありながらこんなにノイズが多いのは撮影露出補正値が低いこともあるが、トーンカーブの特性にもある。リニア(カンマ適用)現像では通常暗部ノイズしか目立たないもので、現像時に暗部をつぶしてしまえば、結構ノイズの少ない絵が得られる。私の現像カーブは硬調設定で中央部のトーンカーブが立っているので、ノイズレベルは中間調が多くなる。
ノイズも中間調で多い場合は銀塩に近い乗り方をするので、なんとなく雰囲気は出せるのであるが、ないにこしたことはない。ノイズを抑えるためには前回も述べたように露出をしろとび寸前の許容範囲まで上げなければならない。20Dの場合許容範囲内でもカーブの非直線性からパープルフリンジを出していたが、5Dではこれまでの撮影では経験をしたことがない。明部レンジに余裕があるということであるが、常に許容値ギリギリにもってくるのは絵によって露出補正値を+/-しなければならない。曇りの日は空が入っていれば-1EV、入っていなければ0EVでほぼ問題ないのであるが、晴れの日はもうちょっと複雑である。
スタジオ撮影の場合は露出を測って固定にして撮り続ければいいし、風景撮影の場合はじっくり何度も取り直しをすればよい。しかし、ほとんどの場合はスナップであるので、いちいち露出を考えるのは結構面倒なものである。スナップについては画質云々よりもシャッターチャンスが重要であると人はいうが、どうもこの辺に自分の考えをはっきりさせられないでいることが今の悩みの原因なのかもしれない。
[2005/12/12 H.K.]
昨日は日曜日で天気もまあまあであったが、このところ毎週でかけていたので、ゆっくりと休養することにした。それでもアパートの窓から少し撮影してみた。2枚ほどギャラリーにアップしてみた。前回のタイの写真は撮影の本番のつもりであったのに、露出を-2EVにしたまま撮り続けていたので、現像後のノイズがかなり多くなってしまった。2日もいたのにこれにきずかなかったのは本当に撮影する気があるのかと反省している。どうも最近は注意力散漫になっている。ということで、遅きにしかりであるが、アパートからの撮りなおしとなってしまった。
露出をアンダーに設定しようとするのは、RAWで撮ったとき白飛びからさえ免れればどうにでも調整できるというおごりである。今回の絵でも露出は評価測光-1EVである。5Dは明部の直線性が良くなったので、もう少しオーバーぎみのほうが、ノイズレベルを抑えられると思うが、一枚一枚露出を調整するのがおっくうで低めの設定で撮り続けてしまう。もっと一枚一枚集中して撮るというように改めなければいけないと思っている。
現像法に関しては後でゆっくり時間をかけて弄り回すことができるので、ついこちらのほうに走ってしまうが、撮影時の失敗は完全に回復はできないものである。これまでに比べピントの失敗が大幅に減ってきたので、露出の失敗が目立ってきただけなのかも知らないが、写真を撮るという作業は本当に色々のことに気を配りシャッターを押さなければならないということを今頃思い知った。
それはそうとして今回は絵に相当の現像時調整を加えてあるが、どうであろうか。
[2005/12/11 H.K.]
今日もバンコクでの撮影から2枚ほどアップした。現像法は検討を終了したわけではなく、どの絵にも共通の現像法という考えは捨て、個別の絵に適した調整を行うということで、相変わらずトーンカーブの調整などを検討している。現像という作業は銀塩写真でもモノクロ現像でトーンカーブを作り出すのと同じことである。写真の楽しみとして現像作業は欠かせないプロセスであると思う。
5Dの画質のすばらしさは序叙に世の中に認められてきている気がするが、その特性のよさは私も含めサンプル写真や投稿写真を見てもわからないし、ましてや他人のいうことなど信用に足らず、使って見なければ実感できないものであると思う。5Dがいいところをひとことでいうことは難しいがそれらの長所がぼとんどすべてフルサイズ化によってもたらされたものであると私は感じている。ファインダーの視野の大きさピントの合わせやすさなどもAPSカメラでは今後も実現は難しい(不可能)であると思っているし、20D後継にこれを期待することはできないと考えている。キヤノンにとってあるいはキヤノンユーザーにとって20DクラスのAPS−Cの存在価値は薄くなってきていると思える。
もちろん5Dに欠点がないわけではない。その一つが連写性能というものがあるが、メカによる制限とフラッシュ書き込み速度による制限である。20Dはメカ的に5fpsであるが、これはかなりギリギリの設計になっていると思える。何度かのファームアップで私の20Dは何とか動作してたが、ミラーアップが固定されずにErr99を頻発する。これは1D系のように内部抵抗の低いニッケル水素電池を使うか大型のバッテリーを使わないと全温度範囲で安定に動作させることは難しいと思うし、1系が小型にできない原因ともなっている。
もちろん5Dの画質の良さがセンサーサイズによることを述べているので、同じフルサイズである1DSより良い訳でないが、この大きさの制限から私を遠ざけている。もう一つはフラッシュ書き込み速度の制限であるが、これはバッファ容量の問題でないことは明らかである。36枚分のバッファ容量あれば足りるという人もいるが、1200万画素のRAW書き込みには現在のDIGIC2ではいくら高速CFを使っても一枚あたり1.5秒かかり、36枚分の書き込みにはフィルム交換より時間を費やすことになる。スポーツ撮影でなければ、ポートレート撮影などでは瞬間速度よりも持続速度が重要である。当然画素数の多い1DSではこれがハードルになってくる。
結局何が言いたいかというと、現時点で5Dは私にとっては理想のスペックであり、今後もしばらくはこれ以上のカメラが出てくることはないだろうということである。ただ、これはあくまで私にとってであることを付け加えておく。
[2005/12/09 H.K.]
今日もバンコクでの撮影から夜景を2枚ほどアップした。今週はタイ国王の誕生日とかで、電飾と人が集まっているとのことで、車の中から夜景を撮影した。車の中からではなかなかいい構図は得られないが、それよりも夜景の撮影は苦手感があり、まだまだ練習がたりないようである。とにかく点光源は飛ぶので、露出をどう設定するかいつも悩んでしまう。出来は相変わらず良くないのであるが、とりあえず雰囲気だけでも。
さて5Dにしてから35mmはすっかり広角になってしまった。これは50mmのレンズがほしいところである。EF50mmF1.4は手放したレンズで、見かけも写りもなんとなく特徴がないという記憶しかないので、再購入は前回見送ってしまった。キヤノンも50mmF1.0Lを発売停止にしてから、50mmのLレンズは出てこない。ここはアダプタで他社レンズという図式にはしたくなかったがどうもその方向にいきそうである。フルサイズになった関係上手持ちレンズもみなおさなければならない時期に来ているが、年末の日本帰国までには購入レンズを予定しておかなければならない。
写真の現像法に関しては前回述べたようにあまり検討することがなくなったが、それではつまらないので絵を個別にいじることにした。色温度・トーンカーブ・コントラスト・彩度などを個別に調整して、現実感よりも表現方法について考え違った絵をつくることを考えていきたい。現像法の検討もレタッチの前段階で、うまく色がでないなどの不満から始めたことなので、考えようによっては一歩前進かもしれない。
[2005/12/07 H.K.]
今日もバンコクでの撮影から3枚ほどアップした。あまり多くの絵は撮れなかったが、香港のQuerry Bay Parkだけの撮影とはまた違った絵を撮ることは現像法に関してもまた違った方法がとられるべきであることがわかった。
今回は室内でのポートレートと少しの屋外ポートレート、夜景の撮影ができたが、それぞれトーンカーブの特性を変化させる必要があった。しかしまたトーンカーブを自作しないでもCamera RAWにある露出補正・明るさ・コントラストなどを変化させることによってほとんど問題なく、自作のトーンカーブをシュミレートできるということにも気づいた。
グレーバランスに関しては調整しなくとも良くなったし、トーンカーブもバーをスライドさせれば良くなったし、もう現像法の検討という作業がほぼなくなってしまったことは、うれしいような悲しいような複雑な気持ちである。撮影技術よりも現像法ということに重きをおいてきた私のカメラ趣味であるが、今後は撮影技術を磨かなければ良い写真はとれないという考えに重心を移さなければならなくなってしまった。これは写真趣味としては本来あるべき方向性であるに違いないが、これは現像法検討の試行錯誤よりもさらに焦点のつかみにくい試行錯誤を強いられることを覚悟しなければならない。
もっとも、いまさら写真家になるつもりもなく、あまり考えすぎると趣味も楽しいものではなくなってしまう。うまいへたを気にすることなく、もっと気楽に多くの写真を撮っていけたらとも考える。
[2005/12/05 H.K.]
昨夜バンコクから香港に帰ってきた。バンコクは30度を越えていたが、香港に帰ってみるとかなり寒くなっていた。香港ももうコートが必要な時期である。さて今回バンコクではあまり風景撮影はできなかったが、5DによるKOIのポートレート撮影ができたし、それなりの5Dおよび現像法の評価もできたので、まあ成果はあったと思う。ギャラリーにはストロボ発光と非発光の絵を2枚アップした。
これまでこのホテルの室内ではストロボを使わないとボケた絵しか撮れなかったのであるが、やはり5Dのピントの見易さはこれまでのカメラとは比べ物にならない。開放でもピントは合っている。もちろんストロボ使用の絵のほうが、解像感ははるかに高いがポートレートははっきり撮れれば良いという訳ではない。ストロボ非使用の絵のほうが、やわらかな仕上がりである。この部屋の光の条件は悪く日中の外光もガラスの色によってかなりバランスが悪く、現像時の調整をかけてある。もう少しシャッタースピードを下げればノイズも少なくなったとは思うが撮影中はあまり頭がまわらない。
それにしてもD30から比べればずいぶんと解像度は上がったものである。D30では顔のアップしか撮れなかったが、10D、20Dではバストアップまで撮れるようになった。5Dでは全身撮影をピクセル等倍まで拡大してもピントの甘さはない。5Dで顔のアップなどをとろうものなら恐ろしいほどの解像度である。この差は画素数の差よりもはるかに大きくやはり、ピントの精度の向上が大きいと感じている。私の場合MFであるので、やはりピントの見易さにあるのではないかと思う。
過去D30と10DではM型スクリーンを削って使用していたが、20Dでは標準とあまり差は感じなくなった。5Dでは標準でも85mmF1.2Lのピントが見えたことに感激したと報告したが、Ee-Sではピントの合わない部分のボケがさらに大きいので、また見易さも改善されている。
フルサイズが夢だった時代ファインダー視野の広ささえなんとかなればピントあわせも楽になると思ったが、実際倍率の違いでそれほど大きな差はない。どうしてこれだけの差があるかと思うとマット面の凹凸の緻密さが問題なのではないかと最近感じている。フルサイズ用のM型スクリーンも削ると半分の大きさになり、いくら倍率を上げても凹凸が荒くなって、目が良くともピントが確認できないのではないのが原因かなとも思う。
そうだとすれば、ピントのあわせやすさというのも、ファインダー視野の広さ同様、フルサイズでなければ実現できないものだったのかもしれない。
[2005/12/01 H.K.]
明日夜から週末のタイ休暇ということで、今日のうちに3枚ほどギャラリーにアップした。香港島ウォーターフロントでの撮影であるが、色調からわかるように、大分夕日の影響を受けている。絞りに関してはまだ結論がでないままの本番撮影ということになるが、とりあえず20Dとの違いもみたいので、たぶんPモードディフォルトでの撮影になると思う。
今日はColor Management Systemについてちょっと触れておきたい。私がPhotoshopを好んで使うのは、CMSに関する管理がこのソフトの中で一貫してできるからである。もちろん他の現像ソフトでもプロファイルの管理はなされており、各プロファイルに対応した表現はなされているようであるが、ワークスペース内で自由にプロファイルの変換とか指定ができるものはない。ただその分CMSの知識が必要で、へたをすると思考回路が混乱の沼におちこむ。他のBBSサイトでもPhotoshopとDPPの色が合わないということが話題になっていたし、私の場合もモニターキャリブレーションをしたがためにPhotoshopとWindows上の表現が合わないという問題があったが、明確に結論を得ないまま現在に至っている。
このCMSの一筋縄ではいかない管理方法について考察し結論を得たので、覚書として書いておく。まずsRGBとかAdobeRGBとかの論理プロファイルで指定された絵は、CMS管理されたどのモニターで見ても同じに見えなければならない。当然モニターには様々な特性があるので、表示プログラムはモニターの特性を表現したICMファイルを見て表示するわけである。表示プログラムが使うモニターのデフォルトプロファイルはメーカー供給、アドビガンマ、キャリブレーションソフトによって作成されそれが表示プログラムのディフォルトプロファイルとして働く。キャリブレーションではターゲットをsRGBとしてsRGBからのモニターの特性のズレを測定し、これがモニタープロファイルとしてPhotoshopのディフォルトプロファイルになるよう設定する。
したがってモニタープロファイルはどうであれPhotoshop上では正しい色を表現できる。しかしながらキャリブレーション段階でこのプロファイルをPhotoshopとは関係なく画面に適用すると、sRGBモニターでなかった画面もsRGBモニターになるということである。もともとsRGBモニターでないOS状態の表示の中ででもPhotoshopを使えば正しい色を表現するはずだったのにsRGBモニターになってしまったOS上でこのディフォルトプロファイルを持ったPhotoshopで見ると、補正が2度かかることになりPhotoshop上では正しい色を表現できなくなってしまう。Photoshop上で正しい色を表現するにはsRGB調整されたモニターでモニタープロファイルを使わないでPhotoshopを動作させるか、OS上でキャリブレーションされる前の表現をさせておいて、Photoshopをモニタープロファイルをディフォルトとして立ち上げるかどちらかである。
通常・液晶モニターでは補正前の条件ではsRGBとかけ離れており、Photoshopだけ色が合えばよいと考える人はまれである。したがってモニターをsRGBに調整して、Photoshopにモニタープロファイルを読み込ませないほうが良い。通常Windows上では色温度6500度、ガンマ2.2としてグレーバランスを取ればsRGBとしてほぼ通用するモニターとして扱えることがキャリブレーションツールによる検討の結果わかってきた。これの検証方法は簡単で、Photoshopの校正設定でWindowsRGBとモニターRGBに校正してもPhotoshop上の色が変化しないはずである。後者の方法を選択した場合WindowsRGBとMonitorRGB校正設定では色が変わって当然であることは理解に難しくはない。校正設定で見た色は他の表示プログラムあるいはモニター調整されていない状態で見た時の絵の色である。
[2005/11/30 H.K. add]
11月27日撮影のギャラリーアップ分の現像法が現時点のものと異なっていたので、写真データを入れ替えました。また圧縮率の設定を画質8にしていましたが、やはり画質の劣化が大きいので、画質10に戻して再アップしています。
[2005/11/30 H.K.]
今日は月末サービスというわけではなが、これまでになく6枚の大量ギャラリーアップした。たいした写真ではないが、今の私にとってはピンボケ・手振れ・白飛び・フレーミングの傾きがなければ、いい絵である。白飛びまではほとんど失敗はないが、フレーミングの傾きはまだ失敗が多い。
それぞれの絵には個別の色温度とトーンカーブを設定している。今回の現像は彩度とコントラストを白飛び・黒つぶれさせずに取ることを目指しているので、硬調すぎると思われるものもあるかもしれない。コントラストを上げるとこのレンズ135mmF2でも開放ではかなりの周辺減光している。周辺減光したほうが良い絵もあるが、一律にビネット補正をかけている。最近は便利なもので、色収差補正もビネット補正もほとんどわからないぐらい補正してくれる。
周辺減光であるが、これはイメージサークルカブリと反比例の関係にあるが、ビネット補正で完璧に修正されるので、開放撮影のほうが有利であると思っている。またビネット補正をやってみると半径0にしたほうが良いので、周辺減光といっても周辺のみの減光ではなく、減光自体は中心部からすぐに始まっていることがわかる。ということはAPSでも周辺減光の影響を受けているといえるが、明るいレンズで開放撮影したり、コントラストをそれほど上げなければ気にならなかったのであろう。
いずれにしてもレンズごとの絞りとシャッタースピードの関係は、もっと多くの写真を撮ってみないと最終的な最適値を求めることはできないであろう。
[2005/11/28 H.K.]
前回とりあげた、土の色について、他のモニターで見てみるとそんなに色の差はなかったようで、ノートPCの低階調LCDでの諧調切り替わりの谷間にはいっていただけかもしれない。いずれにしても絞りを開けることによるカブリの減少効果は明白なので、昨日は絞り開放での撮影ということにして夕方に出かけた。その中から135mmの絵を3枚ほどアップした。
135mmでは、開放撮影でもほとんど支障のない絵が撮れるので、問題にはならないが、35mmではどうかとうことが気になっていた。しかし撮影結果を見てみるとほとんどの絵でそれほど深度の浅さは感じず、全体にわたってシャープな絵が撮れている。20Dで使ったときは開放にしようものならボケボケで、被写界深度の問題と思っていたが、単にピントが合っていなかっただけらしい。前にも書いたが35mmF1.4の実力が発揮されていなかったようである。ピントが見やすくなると様々な問題を解決してくれる。
前回までは、テスト撮影ということで、ギャラリーアップも生の絵をアップしてきたが、現像方針も決まったことなので、調整後の絵をアップすることにした。個別トーンカーブの調整もだいぶコツがつかめて多少濃い絵を作ることが可能になった。
[2005/11/26 H.K.]
今日はEF135mm2.0Lでの比較写真を掲載した。絞りによる比較を行うとさすが単焦点Lレンズである、開放からピントが甘いことはないのがよくわかる。それはともかくとして、2つの絵は露出補正をそれぞれ行い、最適になるようにトーンカーブを調整している。F1.4のほうはビネット補正を適用しているが、色温度は双方とも同じにしている。さすがにフルサイズ同士なので、それほど大きな違いはなく、説明を加えなければ差はわからないであろう。
まずぱっと見、前回同様F11のほうが全体に赤く、F1.4のほうがすっきりした色となっている。影の部分の色調に注目すると、例えばシャベルカーの後ろにある箱の中の土砂の色に違いがある。もちろん両者はトーンカーブが全く同一ではないが、トーンカーブの調整だけはでこの違いを出すことはできないのはわかると思う。これをどう説明するかといえば、やはりミラーボックス内かぶりであると言い切ることができる。ただし、イメージサークルによるものか、ローパスフィルターの鏡面反射であるのかは判別できない。
また20Dでは、日向であれ日陰であれPLフィルターを使うと色が良くなるという観念があったが、5DではPLフィルター本来の効果はあるが、そう違いは感じなくなった。PLフィルターの減光効果によって絞りが開かれていたのが原因であったかもしれない。今回の実験から絞りは開けるなら開いたほうが良いといえる。
私の現像法に対する方針も少しは先が見えてきた気がする。これまで、全体の色調をWBであわせるとグレーがどうしてもまだらになって、WB固定にして、差は雰囲気だということでごまかしてきたが、WBの調整をしたほうが、白・グレーが美しくなる。またトーンカーブを硬調にして彩度をとろうとするとカブリによるグレーバランスの崩れによって色調がおかしくなったが、5Dではさらに彩度を上げることが可能となった。今後は積極的に個別のWBとトーンカーブを設定を適用していきたいと思っている。
[2005/11/24 H.K.]
今日はまたギャラリーにまた実験的な絵を3枚アップした。下から一枚目と二枚目は絞り値を変えて同じ場所(若干の時間的ズレがあるが)を撮影したものである。一番上は絞り開放の絵をビネット補正して、トーンカーブをいじって仕上げたものである。
これもミラーボックス内カブリの影響度を調べるための試みである。20Dがあればもっと明確な比較ができるが、手元にないので5Dにおいて絞り値を変化させての色調の変化比較である。ミラーボックスカブリは2つ要因があるが、一つはイメージサークルが実際のセンサーサイズより大きいためのカブリと、もう一つはセンサー保護板(ローバスフィルター)の鏡面反射である。そのどちらに対しても絞りを開放にすることにより、その影響を小さくすることができる。絞り開放により、イメージサークルは小さく(周辺減光する)なるし、鏡面反射された光は絞りに邪魔されることなく外に出て行くからである。よって明るいレンズの絞りを開けて撮影するほうが鮮やかな色彩を得られることになる。
アップした実際の撮影結果は、多少明るさの誤差があるので、露出補正値は多少変えてあるが、その他の現像パラメーターは同じである。中央部を見るとわかるが、開放のほうが一見コントラストは低いが、中間調の白がカブリに犯されておらず、すっきりとした色調である。周辺減光もかなりある。絞った絵はどうしてもグレーバランスを言いたくなってしまう。三枚目の絵は開放の絵をビネット補正してトーンカーブを調整して、コントラストと彩度を得たものであるが、絞った絵をレタッチしてもここまでは彩度をあげられない。経験的に鏡面反射に対する影響を軽減できるのはF2.0以下のレンズでなければ効果が出せないが、F1.2の開放では、かなり鮮やかな色彩を得ることが可能である。
ミラーボックスの大きさに起因するイメージサークルカブリはAPSサイズのカメラではこれよりひどいが、EFSを使うかフルサイズでも周辺減光の大きいレンズを使うことである程度解消できる。色々考えるに、カメラメーカーはこんなことはわかっていたことであり、キヤノンの出した結論はフルサイズカメラであり、ニコンの出した結論はAPS専用レンズの充実ということなのであろうと思う。ただファインダー視野の問題とノイズレベルの問題はフルサイズ化に利があるといえる。システムの小型化という面ではAPSサイズということになるのであろうか。
[2005/11/22 H.K.]
今日も先週末の撮影から2枚ギャラリーにアップした。35mmレンズもいいが135mmもピントのあっているところは解像度が高い。やはり12Mという画素数の威力であろうか。ピクセル等倍では5Dのほうが20Dよりレンズに寛容であるせいなのであろうか。いずれにしても出てくる絵が大きくなった。
D30時代の3Mピクセルから比べれば夢のような話であるが、技術の進展は高画素化に貢献してきたが、素子あたりの大きさとノイズの関係は今も昔も変わっていない気がする。低ノイズ化もフルサイズだから出来たというにつきる。ISO100でしか撮影していないが、ISO100では暗部スタティックノイズはダイナミックノイズというか電気ノイズとほぼ同じレベルにある。ISO50に設定すればより良いかと思ったが。ISO50はデジタル化のあとのゲインを下げてあるようなので、現像時露出補正をするのと同じことで、暗部レンジが上がっても明部レンジが狭くなる。ダイナミックレンジとはS/N比のことであり、諧調とはそのレベルをどの位置に配置するかということである。今回のカブリについては暗部レベルがあるレベルより下がらないということで、結果的にダイナミックレンジを下げ、諧調表現を難しくする。
背面液晶が青いということが言われているようであるが、これは本当なのであろうか。私の場合液晶で確認するのはヒストグラムぐらいなので、気にしたこともなかったが、あらためてみて見てもそんな感じはしない。ものによって違うのかもしれないが、私のものは発売日入手の第一ロットである。少しは暗いのかもしれないが、日中ヒストグラムのバックのグレーを見るとかなりきれいなグレーに見える。全体の色が青いのか絵の部分だけのWBが悪いのか、クレームをつけている人の内容がわからない。私の場合それよりもファインダーの黄色のほうが気になるが、実際実物よりは少し黄色く見える。キヤノンの場合銀塩でも黄色よりのカメラが多かった気がするが、まあ普通に使っていればそんなことは忘れる程度である。
[2005/11/20 H.K.]
今日の日曜日は良く晴れていたので、また近所に撮影にでかけた。この時期晴れていても太陽は低くビルの谷間の街角はあまり条件がよくない。従って、いつものQuarryBay公園になってしまった。その中から2枚ギャラリーにアップした。
最近はEF35mm1.4Lを良く使用している。このレンズは5Dではすっかり広角の部類になってしまったが、その解像度は135mmF2.0に迫っている。広い空間を撮影するので、それ以上の性能のような気がする。私はAFはあまり使用せず、親指AFで、確認する程度であるが、ファインダーでの視認性も向上したので、ピントのはずれもまずなくなった。実はこのレンズは20Dで使用している時はAFがひどい後ピンであった。5DにつけてからはAFも結構精度よく働いているようである。
周辺減光については開放では発生するが、特に広角だからという訳ではなく、F1.4程度ではどのレンズでも同等である気がする。イメージサークルによるカブリは周辺減光があることにより、少なくなるので彩度コントラストが高くなる。カブリについてはこのことを頭にいれて色々試してみると納得のいく結果が得られる。APSレンズでは開放値の明るい単焦点レンズはないので、APSで周辺減光することはない。したがって専用レンズでも中々イメージサークルによるカブリを回避することはできないと感じる。
色鮮やかな写真を撮るには周辺が暗く中央部が明るい絵を撮ることだということがわかってきた。投稿写真をみてもこのことに納得できるものが多い。また逆の見方をすれば黒バックのヌードなどはこのイメージサークルカブリの影響を全く受けないわけで、20Dでもきれいに撮れたが5Dにしたからといって色彩が良くなることはないのであろうと思う。
[2005/11/19 H.K.]
今日はギャラリーとしては不適であるが、実験的な絵を2枚アップした。実験であるので、絵の質・内容は問わないでほしい。一枚目は現在のアパートでの室内灯を撮影したもので、二枚目はこの絵から得たWBを適用して室内撮影を現像したものである。
室内灯は白熱電球(200Wの棒状のもの)なので、5000°Kではもちろん黄色になる。これを色温度とカブリ(実際は明部の緑の強さで英文ではTINT)値を色がなくなるように調整した読み値2900Kと+16でAdobe Camera RAW v3.3(ACR3.3)で現像したものである。絵は最も構図的にカブリの影響を受けにくい日の丸写真ではあるので、モノクロと思えるほどグレーバランスは良い。ACRは今回v3.2からアップデートしているが、グレーバランスは大分良く、v3.2よりは改善されている。もっとも現像ソフト自体のグレーバランスはモニタのグレーバランスのズレと拮抗しており、カメラのかぶりによるグレーバランスの乱れとは比べ物にならないほど少ない。
2枚目の絵はそれより以前に撮影した、雑然とした机の上をただなんとなく撮影したもので、5000K現像ではただ黄色いだけで、色はなかったが、WBをあわせると一応それなりの色を出している。室内ではストロボを使わざる得ないと思っていたが、この程度なら自然な感じにストロボなしで撮影することも可能である。ただ明るいレンズでなければできないことはもちろんである。
ACR3.3はまだベーターレリーズであるが、説明には書いてなかったが、グレーバランスが良くなっている。実際は5Dのグレーバランスに合わせたのかもしれないが、この僅かな差では確かめようもない。いま思えば20Dで同じ実験をしてもグレーバランスは悪くなかったのかもしれない。他にACR3.3ではベイヤー変換のアルゴリズム変更とあったが、ピクセル等倍以上で見てみるとだいぶ改善されて、コントラストの強い部分の白の縁取りの色づきが大分少なくなっている。
さて現像ソフトについては、他のものも横目で見ているがACRとPhotoshopとの組み合わせが私にとっては最強と思っている。せっかくの純正のDPPを日本の機械にインストールしてみたもののPhotoshopCS2との連携ができないので、その後触れていない。もちろんピクチャースタイルもどんなものか一度ぐらいみてみたかったが、私の現像スタイルとはかけ離れているので、その後試してみたことはない。
[2005/11/17 H.K.]
今日も先週末の曇りの香港Quarry Bay公園での撮影から2枚ほどアップした。いつになっても終わりのない試し撮りばかりで恐縮であるが、日本では桜木町前の横断歩道が、こちらではQuarry Bay公園が定点撮影やら試し撮りの場所になってしまった。でも同じ場所を何度も撮影することが、現像法やらカメラの評価には役に立つと言い訳しておく。
20Dと5Dの違いというのもWebで他人の撮った絵を比較してもあまり違いはわからない。たぶん私の撮影比較写真を出すことはあまりしていないので、でも多くの人は5Dの違いなどはわからないとは思う。私自身、毎日撮影結果を見ていることによって5Dの表現のよさがわかるのだと思う。もっとも私でさえ20Dの絵を見ることはなくなったので、ほんとうに違いがあるかといわれるとあいまいである。しかし初めて5Dの現像結果を見て感動したことは事実として明確に覚えている。まあ人間の記憶などというものは、上記の事実にしても記憶の色にしても時間とともに忘れ去られるものだということで容赦願いたい。
Dpreviewで5Dの評価結果が詳細になった。客観的判断で手間のかかる作業には頭がさがるし、評価方法も好感がもてるものである。ただ現在のデジ一眼の評価としては、どれも想像どおりの結果であるし、もう少し評価方法というものを現実の写真撮影にそった客観的な方法を見つけ出す必要があるのではないかという気がする。今回問題にしているミラーボックス内カブリなどについては評価の対象に入っていないし、ダイナミックレンジやS/N比に関してもわかる人がみれば、それなりに興味深い点に違いがあるが、普通の人はみんな同じなんだと思ってしまうに違いない。
写真も現像評価のための試し撮りばかりでは意味がないが、本番は遠征したときとか、撮影会などが本番ということになると思うが、日本を離れて久しく撮影会にも参加する機会を失った。5Dでポートレートを撮ってみたいが、バンコクへ行ったときにでもKOIを練習台にして撮るしかないのが現状。今日は雑感だけにしておこう。
[2005/11/14 H.K.]
昨日の日曜日はこちらは曇りということで、曇りの日の試し撮りに近くの公園にでかけた。ギャラリーに2枚アップしている。曇りの日の色温度に関して、これまで5000Kに固執していたが、どうしても見た目と色調が異なり青くなりすぎるということで、WBの設定を変えることにした。色々の方法を試し、結局曇りの日には5700K(あくまでACRの読み値)にすることにした。それにしてもフルサイズは良い。このコントラストと彩度は20Dでは得られなかったものである。遠景のカスミのなかにある近景の小さなボートの色はいままでは明るく諧調のないものになってしまい調整しても黒くはなれこの色は出なかった。
さてWBを変えるということは今までの経緯からいけば、現像ソフトの色温度レバーを移動するという単純な作業ではない。現像後に適用するグレーバランス適用のためのトーンカーブは5000Kにあわせてあるので、5700Kにはそれようのグレーバランス補正カーブを作らなければならない。この補正値の作成は手馴れたもので、目的の色温度で、白い紙を露出を変えて撮影しそれを露出補正なしで、現像してグレーが保たれるようにカーブを作成すればよい。
ここで、結論から先に言うとまたまた大変なことに気がついてしまった。曇りの補正値の測定結果は全くグレーバランスを取らなくても良いぐらいにカメラは正確な値を示している。この調整に先立つこと一昨日室内白熱灯でのグレーバランスの調整を行った。色温度は2700Kこれだけ違えばかなりのグレーバランスの補正が必要と思いきや補正は必要であったが、晴天の補正値より少ない値である。これらの結果はどういうことなのかまたまた頭を悩ますていたが、昨夜撮影データを現像しながら、あることに気がついてしまった。
実はカメラのグレーバランスは一つも間違っていなかったということである。私が正確な色調が得られないのはグレーバランスが悪いせいだという仮説を立ててこれに固執したことが間違いであったにということである。この間違いの原因はミラーボックスかぶりの大きさである。今日夕方になって2700K環境でグレーバランス調整用の撮影をやり直してみた。カブリの影響を受けないように白い紙がイメージサークルをはみ出さないように近づいて撮影してみた。すると案の定グレーバランス調整は必要ないぐらい正確にカメラは出力していることを確認した。
そういえば晴天の日のグレーバランス作成はクリーム色の床に白い紙をおいて撮影した。だから適用後は青みがかった色になったわけである。カブリがフルサイズセンサーをして、一番輝度の高い白にまで、影響を及ぼしていたのかと思うと大きな驚きである。ましてやAPSセンサーカメラの暗部グレーバランスなどはメチャメチャであるに違いない。いまさら20Dのグレーバランスを計りなおすつもりはないが、たぶん20Dもグレーバランスの電気的特性には問題がなかったのではないかと思えてくる。
晴天のグレーバランスは晴天の日向で計りなおしてみることにするが、これは白熱灯での結果からグレーバランスは合っているに間違いない。グレーバランスが問題なければ、現像時の露出補正はグレーバランスに影響を与えないので、現像作業も効率の良いものとなる。
[2005/11/09 H.K.]
今日は先週末の撮影から3枚ギャラリーにアップした。これでギャラリーはすべて5Dでの撮影になった。
毎日撮影後の絵を見直してあれこれ反省しているが、撮影フレームが悪いものや露出のとりかたに問題のあるものもあるが、色調表現や現像方法にこうしたほうが良いというところが見つからない。実際欠点を見つけないと改善の方向性も決まらないのであるが、5Dにしてからあまりこれといった改善の方向性を見つけるのに苦労している。
ただ日本での曇りの日の撮影データーもいくつかあるが、気に入らないものもいくつかあるが、これは撮影方法でカバーすべきものか、諧調カーブを改善すべきか現在思案中である。いずれにしても撮影データーがまだ少ない。もう少し、データーの収集をする、つまり撮影枚数をこなさなければいけないと思っている。
[2005/11/08 H.K.]
今日はコメントなしで2枚ほどギャラリーに貼りました。ところで、5DにしてからJPEG圧縮率をPhotoshopのレベル8にして2Mにサイズを抑えています。ちなみに20Dのときは、10でした。ピクセル等倍以上ではエッジに若干のJPEGノイズが見えますがそう気にならない程度だと思います。
[2005/11/07 H.K.]
昨日は、お天気まずまずの日曜日ということで近所で5Dの試し撮りをした。ギャラリーにとりあえず2枚ほどアップした。結果として、現像法は20Dの時とさほど変えていないのに、強いコントラストと強い彩度には驚きである。カメラの違いがこれほど色あざやかな絵作りだすものかと考えると自分の現像法の検討などは微々たるものでしかないと考えてしまう。
なぜこのような違いが出るのかを考えてみるに、以前にも現像法でどうにもならない問題として触れたミラーボックス内のカブリが思い起こされる。フルサイズ用のレンズはイメージサークルが大きく実際にセンサーにあたる光の同量以上のものが、黒く塗ってあるとはいえ、ミラーボックスの壁面にばらまかれ、その光が反射して結像部の暗部を押し上げる。ヒストグラムで見ると暗部が押し上げられて暗部諧調を失わせるという考えである。前回はこの効果がAPSサイズとフルサイズではどれほどの差を生み出すのかは未知であったが、これほどの差があるとはやはり自分で使ってみなければ実感できないことである。
同時に明るいレンズを開放で使ったときの発色のすばらしさのなぞも解けた気がする。これは明るいレンズを開放で使うと周辺減光が著しくAPSカメラのミラーボックス壁面にあたる光の量が減少し、カブリ量が少なくなるためと推定している。フルサイズミラーボックスでは、周辺減光はあってもカブリ量は少なく絞っても鮮やかな発色になることが証明できた気がする。
もちろんこれを現像法でカバーすることも可能ではあろうが、周辺の色で暗部のグレーバランスは大きく変化し、位置によってその値がことなるので、すべてに最適なカーブなどは実現不可能である。いままでの課題であった木々の緑も5Dでは難なく標準の現像法で実現できている。なんども言うようで恐縮であるが、フルサイズ用レンズで画質を追求するならまさに「5Dは買い」である。
[2005/11/05 H.K.]
香港には3日に帰国?した。もちろん5Dを持ち帰った。20DはEFSレンズをつけて、日本においてきた。これで日本にはD30、10D、20Dが3台つかわれないまま放置してある。バッテリーは4個充電器も4個になってしまったが、充電器一個とバッテリー2個を香港にもちこんでいる。レンズは35mmと135mmを香港に85mmと200mmを日本においてある。50mm付近を使いたいが、やはりEF50F1.4はどうもボケ味がよくないので、再購入を断念した。この付近のLレンズが発売されることを望んでいる。
さてギャラリーには、香港での5Dによる2枚(といってもアパートの窓からであるが)をアップした。夜景については下のほうに20Dによる撮影もあるので比較できる。画角はフルサイズの分だけ広くなっているが、同じ部分を比較すると画素数は少ないはずであるが、解像感はだいぶ違う。ピントの合いとトーンカーブ適用の具合が違うせいかもしれないので、はっきりとはいえないが、5Dのほうが、ノイズの少なさ暗部の色のでかたなどの点ではるかに良い。
35mmもEFS10-22の22mm端と同じ画角になってしまったが、APSの22mmよりもはるかに解像度が高くコントラストがとれている。これは画素数が多くなった分当然とはいえるが、やはり絵が大きくなったように感じるのは欲目だけではないと思う。
グレーバランスとホワイトバランスは5000Kに合わせてあるが、20Dで合わせたときより日陰の色は青くなっている。なぜだかわからないが20Dに戻って検討するつもりもなく、5Dの調整方法も疑う余地がないので、このまま使用しようと思う。
明日はちょっと外にでて付近を撮影してこようと思っている。
[2005/11/02]
ギャラリーに曇りの「みなとみらい・赤レンガ倉庫まえ」を2枚アップした。前述のとおり、開け気味の絞りは周辺のピント不足と周辺減光を伴う。しかし、写真としてはこれで良い気がする。周辺減光はPhotoshopでも補正は効くがあえて補正していない。
フルサイズではこれまで標準として使ってきた35mmレンズが広角になる。手持ちのレンズでは50mm付近がほしいところであるが、50mm1.4は手放してしまった。今回再購入するつもりでいたが、やはり以前に持っていたレンズを買い戻すのは抵抗がある。単焦点Lレンズ信奉者の私には貧弱に見えるし、あまり特徴のない写りを思い出し、どうしても購入をひかえてしまった。35mmF1.4Lの写りはフルサイズでは意外によく、気に入ってしまったので、これを標準にしてしばらく使っていこうと思う。
現像法については前回も述べたが諧調の素直さからくる上質の絵はあまりトーンカーブをいじらないほうがいい気にもさせるし、もっと多くの写真を撮ることのほうが、いまは大事な気がする。Webではこのところポジティブよりもネガティブな意見が多い気がするが、フルサイズは使ってみなければその良さはわからない。所有者もWebで良い良いと書くよりは写真を撮るほうがおもしろいからかもしれない。
とにかく私にとってはもう20Dを使うつもりはないし、サブ機という考えもない。1Dの大きさと重さもほしいとは思わない。故障しない限りはしばらく使っていけそうなカメラである。
[2005/10/31]
5Dの試し撮りとして、昨日曇りの「みなとみらい」を撮影してきた。その中から2枚ギャラリーにアップした。カメラの性能は曇りの日の撮影の出来具合にかかっているし、現像法の検討においても曇りの日の色調をどうハンドルするかがポイントである。
晴れの日の撮影ではF8まで絞れるので、前回の絵のように周辺画質や周辺の解像度には全く問題はない。曇りの日には開放近くまで明けなけれならないため、周辺解像度や周辺減光が出てくる。しかし、これは写真としての性格であって、特に問題視するものではなく、晴れの日と曇りの日には撮影するものが異なっていると考えるべきであろう。同時に現像法に対する視点も異なってくる。
ここ2-3日、5Dを使ってみてフルサイズの余裕というものを感じる。欲張らなくても大きいファインダー倍率、無理に連写を欲張らないシャッター音の軽やかさ。そして、欲張らなくともノイズの少ない諧調特性の素直さである。特に私にとってうれしいのはそのRAWデーターの余裕ある諧調特性である。20Dではノイズ特性やダイナミックレンジを改善するためにそのトーンカーブ特性に多くの無理がみられ、結果グレーバランス補正カーブが相当に複雑な結果になっていた。
5Dのカーブは広い範囲で直線性が良くグレーバランスの補正カーブを作るのに一時間もかからなかったことは特筆すべきで、補正カーブの特性は正確に合っており、これ以上の調整の必要性を感じさせない自信がある。
いわばやることがなくなってしまった空虚感があるが、今後はより多くの撮影から全体の硬調軟調を決めるトーンカーブの設定値を検討していくことにする。
[2005/10/29]
日本帰国により、やっと待望の5Dを手にとることができた。昨日は早速の試し撮り。「みなとみらい」での撮影から2枚アップした。予定どおり-1EVの撮影、グレーバランスも取り直し若干の硬調カーブ適用でアップしている。
このカメラのファーストインプレッションを述べるにはちょっと時期的に遅いが、私なりの感想を少し。手に取った感じは20Dより少し大きい。ファインダーの見えは大きくなったが、もう少し倍率を上げても良い気がする。20Dでは視野の限界からこれ以上はあげられないと感じたがフルサイズならもっと上げられる。上下の枠に反射が見えてしまうほど視界は広い。黄色がかっているとかLCDが暗いというのはうわさどおりであるが、気にするほどではない。シャッター音については20Dのような切羽詰った音ではなく安心感のある音である。シャッターによる手ぶれはかなり少なそうである。
なによりも驚くのはピントの合わせやすさである。135mmではピントリングの調整は微妙でどのカメラでもMFであった気がするが、85mm1.2Lは電動リングであるので、ストロークが長く、ある範囲で合った様にみえていたが、このカメラでは合っている点が狭い範囲であることがわかる。これは標準のスクリーンでも違いがわかり、されにEe-Sにすると意識しなくともピントのズレがすぐわかる。予定通り、今後はEe-Sを常用する方針。
昨日は雲ひとつなく晴れていたので、白い紙を日向で、露出を変えて撮影し、これでグレーバランスを調整。現像時露出補正を行わないグレーバランスの調整は全く簡単でこの設定を今後永続的に使用することができる。案の定グレーバランスはズレていたが、20Dと違ってそのカーブは非常に素直で調整も楽にすんだ。20Dでは適用によって赤くなったが、5Dでは適用によって絵が青くなった。適用の絵は非常に自然で、自然すぎて面白みがないので、調整後に僅かの硬調化カーブをかけている。
いまのところ不満はひとつもない。まさに私の理想とするカメラである。一口にいえは”5Dはすばらしい”である。
[2005/10/26 H.K.]
いよいよ明日から2ヶ月ぶりの一時帰国である。今回は20D最後のアップとして香港の夜景を3枚アップした。といってもアパートの窓からの撮影である。結構スロースピードでもなくトーンカーブをいじっているわけではないが20Dも結構いけるという気がする。色温度はいつもどおり5000Kであるが、WBの調整とかAWBの必要性は感じない。
今後は5Dでの撮影になり、20Dを手にすることは二度とないと思う。ただ5Dになったからといって、よりよく写るとか、色調が良くなるということはない。それはこれまでの現像法の検討で、やれることはすべてやって来たし、RAWの特性が変わってもそれに適応したグレーバランスを見つけることであり、それがカメラによって変わるとしたらいままでの検討は意味をなさないことになるからである。
しかし良くなることに異議があるわけでもなく、良くなればそれにこしたことはないというかすかな希望もある。というのも20Dにはガンマ適用後諧調の下から1/3程度のところにかなり大きなトーンカーブの変極点がある。これがこのレベルのグレーバランスを悪くして、諧調の表現を悪くしており、どうしてもトーンカーブで補正しきれていない。もし5Dでそれほど大きなカーブの変化がなければ、補正も可能であり、さらに良好な絵作りができる可能性がある。
およそ一月入手しながら実際に触ることができなかったのはストレスであった。ただ一週間の帰国でやることが山ほどあり、日本からのアップはあまり時間が取れないと思う。
[2005/10/23 H.K.]
このところ帰国のために仕事に追い込みをかけている都合上、Web更新がおろそかになっている。今日は過去の「みなとみらい」での広角撮影から2枚アップした。グレーバランスの調整も一応完了ということで、今はグレーバランス適用後の露出補正の方法について検討している。調整法をレベル補正からトーンカーブに変更したので、細かな調整が可能であるが、その分仕上がりの安定性に欠ける。それでも露出のプラス補正は安定に出力できる方法を見つけたが、マイナス補正はどうもうまくいかない。これは白飛びしたデーターはどうしても戻ってこないところが、主な原因ではあるが、その他にも色々の障害がある。
もともとデジタルでは、晴れの日の撮影時に露出補正なしで撮影すると白飛びを起こす。これを諧調がないとか、露出の設定値が狂っているといういう人がいるがが、そうではない。もともとカメラは全反射を100%とした平均反射率18%グレーに調整をあわせているが、これはどのカメラもほぼ正確に合っているようである。18%は全反射の2.5EV下であり、ガンマ2.2の場合ヒストグラムがほぼ中央に位置する関係にある。ただ撮影時に撮りたいものがこのレベルにあるとは限らず、暗めのもの露出をあわせると明るいものが白飛びを起こすのは当然の原理である。銀塩ポジの場合明部を圧縮して、+2.5EVよりも飽和点がかなり高いところにある。
デジタルの場合どうであろうか。デジカメ開発者やRAW現像ソフト開発者はそんなことは百も承知で、Photoshopを見る限り白圧縮されているようであるし、露出補正をいじると実際のカメラもそれより高いところに飽和点があるようである。したがって現像前に露出補正を行えば露出オーバーの絵も救うことができる。今回のように露出補正を行わず現像して、グレーバランス適用後に露出補正を行うことは困難である。回避策は撮影時に1EV以上下げてで撮影し、後でプラス補正するしかなのである。
実際にデジカメの場合明度余裕を18%グレーから4EV以上確保しなければならず、暗部ノイズを抑えるためにはダイナミックレンジへの要求度は大きい。ここからは想像であるが、20Dの場合微小信号がノイズの影響を受けないためセンサーからA/D変換までの間にソフトクリップのアンプ(LOGアンプ?)を使い微小信号を拡大し、大信号を圧縮しているのではないかと思われる。これは一般的な方法であり、デジタル変換後もとに戻すかRAWソフトにガンマ値を通知すれは済むことである。しかしながら最近のキヤノンの場合更なるノイズ特性の改善のため各色ごとに増幅度の異なるアンプを使っているのではないかと思われる。この増幅度の違いはデジタル変換後に戻されるのが、これがグレーバランスの悪化をもたらしていると考えられる。たとえばセンサー感度の低い青は増幅度が上げられ、結果明部の青が弱くなり暗部青が強くなる。
これもメーカーにとっては承知の上で、この辺はDigicでうまく調整されているのであろう。ただアナログアンプの特性は理論カーブからの逸脱が大きく完全な補正は難しい。この程度のズレはWBの設定でなんとかなるのかもしれないが、わたしにとっては無視できず、グレーバランスの再補正を余儀なくされる結果となってしまったようである。
[2005/10/18 H.K.]
今日は今年の2月にいなかに帰ったときの撮影した冬枯れの景色から2枚ほどアップした。いずれもグレーバランス調整前にはどうしてこんな写真を撮ったのかと思うほどの絵であったが、グレーバランスを取り直してみるとそれなりに撮影時に感じたなにかが再現されているような気がする。グレーバランスの取れた絵は諧調感が向上する。これまで影の部分の色調が分離していたものがが全体の色調と融和し、表現として生かせるようになったと感じている。
今回の検討の中でグレーバランスの調整方法についていい方法を発見した。グレーバランス調整といえばグレーカードによるのが一般的であるが、雑誌のの付録についてきたグレースケールカードも黄色ばんできたし、プリントアウトも紙の色やインクの色で純粋な無彩色を出すのは困難である。今回最終的に使ったのは空の雲である。私の場合色温度は5000Kであるので、晴れの日の雲を撮影すればよい。明るいところと暗いところで各レベルの色をカラーピッカーで測定しながら補正カーブ適用後のグレーを調整する。このとき撮影した絵に現像時の露出補正を行ってはいけないことは前回述べたとおりであるが、これを逆手にとって露出を変えてアンダーに撮影した雲を使えば、かなり暗い部分までグレーバランスを調整することができる。
ここでホワイトバランス(色温度)についてもコメントしておきたい。最近のカメラではAWBもかなりよくなってきているが、私の場合はAWBの必要性はほとんど感じたことはない。影の部分の色温度が高いからAWBが効果があるということらしいが、確かに色温度に差があるといえグレーバランスが取れていれば不自然さは感じない。WBを変化させても日向と日陰を一緒の絵に入れるととても不自然になる。実際の色温度と現像色温度の差は雰囲気というか空気の色といえるようにするにはグレーバランスの精密さが必要だと感じている。
20Dにおけるカメラのグレーバランスの悪さはアナログ系の直線性の悪さによるものだと思う。特にキヤノンの最近のデジカメではノイズ特性を良くするため各色の増幅度が異なり、A/D変換後にバランスをとっていると思われる。このためアンプの非直線性がグレーバランスを悪くしていると思っている。
いずれにしても20Dの特性検討はもうすぐ終了である。今日時点でEe-Sスクリーンも量販店に入荷したようで、月末が待ちどうしい。
[2005/10/16 H.K.]
このところちょっと更新が滞っていたが、やっとグレーバランスの調整も結論し、ギャラリーに2枚アップした。グレーバランス調整の結果として、ギャラリーの過去の写真も結果を適用してアップし直している。
私の現像法も試行錯誤の繰り返し、錯誤の無限ループから抜け出すことなく放棄してしまうこともあるが、今回は初心に立ち返ることによりうまく収束した。カメラのグレーバランスが悪いことは確かなことであり、露出補正によって色あいが変化していることから始まった調整であったが、露出補正後のデータにグレーバランス調整のトーンカーブを適用していたのが間違いであった。これでは何度やっても合うわけがない。最近は歳のせいか思考理論に誤りを犯すことが多い。
しかるに、グレーバランスは露出補正なしに現像したものを対象に調整しなければならないし、実際の現像も露出補正なしに行わなければならない。現像後補正カーブを適用し、そのあとにレベル補正で、露出補正を行うように手順を変更した。
20Dのグレーバランスは最明部が黄色くなり、中間部が青かぶりしている。空の雲が黄色くなる。今回は明るい白と中間の青かぶりもとれて仕上がりもまずまずである。5Dの入手まであと2週間、5Dはどんなグレーバランスであろうか、これで対応は万全か。
[2005/10/11 H.K.]
昨日は日本が休みだったらしいが、今日は香港の休日である。ところで、先週末無線LANが壊れてしまい、こちらのデパートに買い物に、ついでに本屋を覗くとデジタルマガジンがあったので、購入。5D特集であるが、内容はWebでも見た情報がほとんどであった。5Dということではないが、掲載された写真はいいものも数枚あるが、やはりデジタルの写真は色使いに統一感がなく、空気感が感じられないものが多いという気がした。日本に帰るまでは5Dもお預けであるが、メーカーサイトではいよいよEe-Sスクリーンの発売日が10月20日に決まったようで、今月末の帰国時にはそろって手に入れられそうである。今日は撮影会でのヌードからの一枚と先日のタイ旅行の際撮った夕日を浴びたタイ寺院をバックにしたKOIのスナップである。
現像法の検討は一進一退であるが、ここへきて、やっとPhotoshop上の色とsRGBのモニター表現が一致した。デバイスプロファイルの色温度が6500Kになっていなかったのが原因で、sRGBの表現がまずかったわけではなく、Photoshop上で見ていた色が違っていたらしい。したがって主観調整の原点でるPhotoshop上の表現が違っていたので、現像パラメータやグレーバランス調整を一からやりなおすはめになってしまった。
今日は人肌の表現ということについて考察してみた。前記のとおり人肌の表現は現像法にとって最も微妙であり、主観に頼らざる得ないので、モニタとかPhotoshopのプロファイルなどが狂っていてはとても調整できない。まずは自分のモニタがモノクロの絵がちゃんとモノクロになっているかである。あおみがかったり、まだらになっていたらモニタの調整からやりなおさなければならない。そして、Photoshopのカラーマネージメントはどうか。最終出力の色とモニター上で見る色は一致しているかどうかが重要である。実際自分の過去の出力はだいぶ自分の趣旨とずれていたようだ。(下のほうにある撮影会の2枚の絵もこっそり入れ替えておいた。)
グレーバランスに関しては一番基準にしたい撮影会のヌード等ではグレー点がないため客観的な調整が困難である。方法としては以前からやっているように、多くの屋外撮影からグレーバランスを取ってヌードの絵に適用して主観的にまずいところはないか確認するしかない。スタジオヌードでは明るい肌の色から影の部分まで、グラデーションに不自然なく同一の色が確保されているかチェックする必要がある。これをやって調整してきたが、前述のPhotoshopカラーマネージメント失敗からどうしてもうまくいかなかった。これを修正してやっとまともな色になった気がする。
とはいえ私の現像法は試行錯誤の繰り返し、まだ間違いがあるかもしれないし、もっと良い表現も発見するかもしれない。なにごとも日々の努力と執念であろう。
[2005/10/08 H.K.]
今日は、香港の草花の絵を2枚ギャラリーアップした。木々の緑の絵をsRGBでアップするとどうも色がくすんでしまう。これはモニターの特性上の問題であるらしい。ということで今回は木々の緑の表現ということについて検討してみた。
いままで、色かぶりとかグレーバランスとかを検討し、だんだん表現を現実の色に近づけることに努力してきたが、近づければ近づけるほど木々の緑の鮮やかさはなくなっていくことが、悩みの種である。もちろん木々の緑も色々あって、現実的にはそう鮮やかではないのであるが、銀塩ポジをスリーブで見るとどうしてこの鮮やかさがモニター上で表現できないのかと思ってしまう。原因としてはモニター自体の青の発色の弱さとsRGBの緑領域の色域不足にあるのではないかと思っている。
ただ、sRGB論理プロファイルはAdobeRGBに比べて狭い色域であるが、知覚的なものは論理的な色域で制限されるのではなく弱い色域の成分を強調して、モニターに送ってやれば、その表現を補足することができる。木々の緑の表現を鮮やかにするには実際緑の量を変化させてもあまり効果はなく、赤を現象させ、青を強調することである。全体の色相を+方向にずらしても実現できるが、個別に黄色の色相あるいは青の色相を変えても表現は良くなる。5Dのピクチャースタイルなどではこの辺をいじっているらしいが、これらの小細工は私の求めるところとは相反していることはいうまでもない。
実際にグレーバランスを崩して中央下部の赤レベルを下げると知覚的な緑をきれいに表現できるが、されに暗部の緑がうそ臭くなってしまうことはコンデジ全般に見られる傾向である。私は最近緑の撮影をするときは実際の色を記憶して現像時にそれを確認することにしているが、鮮やかな緑がそんなにないことも事実ではあるが、表現されたものも現実より鮮やかさを失うことが多いことも事実である。
実際緑の悪化原因は色被りによるところも大きいのでこの考慮をいれたフレーミングも必要であろうし、なによりも緑を明るく撮影することである。その意味でPLフィルターも光の直接をおさえもともとの色を出すという意味で効果的なこともわかってきた。モニターの青表現の弱さに関しては、モニターのデバイスプロファイル適用でWebアップすることで色域の狭いモニターでも緑表現はPhotoshop上の表現と同じになるということで過去試みたが見る環境に影響を受けやすいので、現在はsRGBプロフィルとしている。やはり緑の表現は撮影上のテクニックによるところが多いのではないかと思う。
[2005/10/06 H.K.]
今日は香港での撮影から2枚ほどアップした。色かぶりに関しては濃い写真を期待しなければ、そう気になるほどの問題ではないようである。ただグレーバランスの調整にはこのかぶりを考慮してグレー点を調整しなければならないことがわかっただけでも有意義であったと思う。前回の調整値はかぶりの多い絵を多く使ってしまったので、オーバーになりすぎたが、今回はかぶりの少ないもので、グレーバランス値を作成して適用してみた。プロファイルに関してはsRGBでアップするのが良いであろうと結論したので、sRGBでアップしている。
グレーバランスの調整については、まさに試行錯誤の繰り返しであるが、だんだん良くなる手ごたえがある。かぶり具合によってグレーバランス値を選定する手もあるが、かぶりも色温度の違いも雰囲気というか作品の一部として考えるべきであろうと思う。ただカメラによって作る絵の違いはないと思っていたが、色かぶりなどはミラーボックスの大きさとか使用するレンズによって大きく変わってくるということがわかっただけでもひとつ学んだといえる。
さて今回は偽色とその緩和処理について検討してみた。よくローパスフィルターによる解像度の低下をいう人がいるが、輝度信号に関しては多くの場合画素数なりの解像度は確保できており、シャープネス処理のほうがはるかに解像度の低下をまねいていると思える。モアレに関しても多くの場合気にならないレベルにあり、ほぼ満足な特性であると思える。しかし輝度モアレに関しては発生してしまうと輝度信号に相当のボカシを入れないと解消できないので、放置せざるを得ない。
偽色に関しては原理的に少し異なり、ベイヤー配列にあたる光の違いから発生するが、色信号の空間周波数は輝度信号の半分となり、これをローパスフィルターでとることにすると解像度は1/4に低下することになるため設計上そんなことはしないで、電気的なローパス処理で対応している。それが偽色緩和処理であるが、これの適用値によって色解像度はかなり低下している。色解像度というのは多少悪くともそうわからないのであるが、ピクセル300%とかで見ると結構わかる。たとえば青空をバックにした木の枝などは青くなってしまう。これを色収差とかパープルフリンジと勘違いしてしまう場合もあるが、偽色緩和を0とすれば違いがわかる。
Photoshopでは偽色緩和のディフォルト値がかなり大きく細部の色がでていない、適用値を5程度にすればそこそこの解像度が得られるが絵によっては20程度にしないと偽色自体がひどすぎる場合もある。三層センサーという声もあるが、同じ解像度ならRAWデータ量も3倍となるのに輝度解像度は上がらず、高画素化によってピクセル単位の色解像度を下げても全体として十分な解像度を得るという方法が有利であり、技術的動向としては、こちらの方向に向かって行くと思われる。
[2005/10/04 H.K.]
今日もせっかくなので、タイでの撮影を2枚ほどアップした。比較的色かぶりのおきない状況での撮影結果をアップした。モノトーン系なので、色かぶりがおきてもわからないというのが妥当な表現とも言えるかもしれない。
さて色かぶりと、レンズの種類と、グレーバランスの関係を過去の撮影から分析しているが、ある程度の傾向はあるようである。色かぶりに関しては手持ちのレンズの中では35mmが影響を受けやすいようである。EFの中では一番の広角といえるので、ミラーボックス壁の反射光の影響を受け易いというのは私の想像であるが、まんざら外れてはいないと思う。望遠系ではセンサー(ローパス)表面の反射が問題になる気がする。これは大口径のレンズを開放近くで使うと解消する傾向がある。EF−Sレンズについては10−22の広角ズームしか持っていないが、EFレンズに比べて色かぶりはだいぶ少ない気がする。もうすこし望遠域のレンズがあれば色かぶりは気にならない程度になるのではないかと思うが、望遠レンズにおいてはレンズ内の反射も増えてくるため一概にはいえないと思う。
グレーバランスについては前回の補正値は大げさすぎたかもしれないが、やはり暗部で青が強く、明部で赤が強い傾向は見られるので、トーンカーブで現像後に補正値を適用することとした。結果としてはAPSカメラにはそれにあったレンズを使うべきだという感じがする。他のEF−Sも試してみたい気がするが、これからは5Dであるので、20Dでの、この問題に関する検討は、もうすぐ収束方向ということになってしまう。5Dでこの問題がどれだけ改善できるかは期待するところである。
私の5Dは入手完了との連絡があった。あとはスクリーンが今月末の帰国時まで到着してくれればいいなというところである。
[2005/10/02 H.K.]
さっき短い週末のタイ旅行を終えて香港に帰ってきた。さっそく夕日を浴びたタイ寺院の絵を2枚アップした。今回はグレーバランスの適用もしていないし、プロファイルもsRGBでアップしている。ここ4日ほどWEBを更新していなかったがこれはタイ旅行のせいもあるが、ひとつの重要なことを検証していたためである。
多くの絵に作成のグレーバランスの適用を行ってきたが、結果として重要なことにきづいてしまった。曇りの日の絵を前回アップしているが、好き嫌いは別として暗部の赤が強すぎる。ヌードの絵も同様にに暗部の赤が強く中間レベルが黄色くなっている。これはグレーバランスの調整が不完全かとも当初思ったが、原因はグレーバランスの問題ではないということにきずづいた。これは現像法の問題ではなく、カメラ自体(ミラーボックスとレンズを含めた)光学的な色かぶりであると考えるといままでの検証結果と一致する。いままで多くの場合晴れた日の夕方を多くグレーバランスの調整に使用してきた。夕方撮影の通常現像では空の青をかぶって影の部分が青くなる。今回のタイの寺院は寺院の赤い色のために影の青は弱くなり、空の色はひどく、くすんでしまっている。
話をちょっとかえて、最近5Dのユーザー投稿写真が増えてきた。メーカーサンプルとは違い多くの参考になるグレーバランスという観点から絵を見ると全く悪くない。以前から1D系のグレーバランスが良いことからどうにか20Dで同質の絵が得られないかとグレーバランスの検討を始めたわけもあるが、色かぶりがグレーバランスを悪くしているといことならば、20Dではこの絵を得ることはできないということになってしまう。ここでまた仮説をひとつ立てるとすればそれはミラーボックスの大きさの違いとレンズのイメージサークルの大きさの違いである。
フルサイズ用のレンズはイメージサークルが大きくセンサー部分以外のミラーボックス内に光をバラ蒔く。もちろんローパスフィルターの正反射が画質を劣化させるとは良く言われることであるが、そればかりではなく、イメージサークルの大きさも問題があるかもしれない。どちらが原因かはわからないが以前85mm1.2を購入して開放撮影すると緑が鮮やかになり感動したものである。これも2.0以上に絞ってしまうと鮮やかさはなくなることを検証している。
5Dを購入したのは私にとっていいタイミングだったと思う。一日も早く5Dで検証してみたいが、しばらくは使えない。APSカメラにはEFSレンズを使えばこの現象は緩和されるはずである。検証してみたいと思うがEFSでの夕方の撮影があったかどうか。いずれにしろ今月5Dを使えるようになるまではEFSで撮影してみようと思う。
[2005/09/28 H.K.]
今日は5Dの発売日。HKの私のところにも朝から配達確認の電話がローミング転送で入ってきた。妹に連絡して今週末には配達されることになったようで、ひとまず安心というところである。帰国予定は10月末であるので、それまでは日本で眠っていることになる。今週末のBangkokは20Dを担いでの旅行となる。
さて、ギャラリーにはGB調整作業の中から2枚アップした。前回のヌードアップを会社のモニターで見るとどうも黄色になってしまう。私の環境では完璧に色合いは合っているのであるが、機械が変われば色が違ってしまう。人の肌の色はわずかな色の調整で全く変わってしまう。他の人がどんな色で見ているのか気になるが、どうしようもない。ここは素直にsRGBプロファイルでのアップということにするのが良いという方針変更を余儀なくされた。私のモニタではsRGBを色管理なしで見ると色調が紫色によっているが、私のモニタープロファイルを適用すると会社のモニタでは黄色によってしまう。ともあれポートレート以外であればそれほど大きな違和感を感じないので今後しばらくはsRGBでのアップとすることにした。
5Dの発売記念日ということで、5Dの話をすると、私の場合D30-10D-20D-5Dと来ているが、特にD30と5Dはほしくて買ったカメラである。D30のときの入手困難な精神的苦痛は味わいたくないということで、5Dは予約可能となってからすぐに予約した。今後5Dの入手困難はD30ほどではないと思うが、どうなのであろう。5Dに関しては前にも書いた様にすべてに関して私の理想であるのが、フルサイズだからといって腕がよくなるわけではない。ただ20Dと比べればファインダー視野の大きさ、ピクセル等倍での解像度のアップ(ピッチが広いのでレンズ性能が緩和される)とそれでいて大きな絵が得られる点である。さらにノイズレベルの低下も期待できることを考えると実は一日も早く使いたいのである。
[2005/09/25 H.K.]
グレーバランスの調整も順調ということで、ポートレートでの適用と調整を行った。とにかく、人の肌の色合いは非常に微妙で、モニターの再調整までさせられる羽目になったが、なんとか撮影会での絵を2枚アップした。
これまでの私のこだわりは、最近揺るいだとはいえすべての絵に対して同一の現像法であった。つまり、風景は硬調にポートレートは軟調にという区分をしなかった。このためお互いの妥協点を探して設定していたのであるが、今回風景でも軟調現像が可能となり、どちらの絵にも最適な設定を探すことが可能となった。
グレーバランスの正確さによって、どの絵も彩度増加に耐えられるようになり、硬調現像であっても軟調現像であっても色の崩れを起こさなくなっているらしい。ポートレートさえも若干硬調にしたほうが、メリハリが利いてくる。今回の処理はグレーバランス適用後銀塩現像が持つであろうと想像する若干の硬調化トーンカーブをいれてある。これからスナップの絵にも適用してみようと思うがまた現像処理を楽しむことができる。
さて肝心の5Dであるが、今日注文確認のWebサイトを覗いてみると、入荷待ちから出荷準備中に変わっている。もう量販店には入荷済みのようであるので、発売日入手は間違いない。ただそれは日本でのこと、これから妹に配達受け取りの依頼をしなければならない。(案の定Ee-Sスクリーンはまだのようであった)
[2005/09/23 H.K.]
相変わらず、グレーバランス補正カーブ適用の効果を楽しんでいるが、今日は一年前に撮影した、「みなとみらい」での夕方の絵を2枚アップした。どちらもグレーバランス補正適用前の絵はとても見られた色調ではないが、適用によって色彩が安定して雰囲気がでてきた。
さてグレーバランス適用の効果であるが、どの絵に対しても効果がある。悪くなる絵はない。これまで影の部分の色調の醜さから、硬調現像にして、影の部分を捨てていたが、この補正によって明るい部分も影の部分も同じものであれば明るい、暗いはあってもその色相は同じになる。全体として色相の統一性があれば写真としての空気感を失わないという結論に達した。これまで、硬調現像を繰り返し、すばらしい色が出ることに期待を寄せていた自分が恥ずかしい。色彩は作ったものより、自然のままが一番美しいということを思い知った。
このグレーバランスの補正によって、写真を全体としてみたとき、色調の安定性、すっきりさ、高級感がでてくる。全体のWB・色温度は私の場合5000Kに固定しているが、絵によってこれを変える必要性は全く感じない。現像色温度と実際の色温度の差が雰囲気というか空気感であり、WBの設定値は決して空気感を壊すものではないと思う。極端にいえば、モノクロ現像でさえこの雰囲気(空気感)を壊すものではない。しかし、グレーバランスのずれは温度差からくる色相の同一方向へのズレに対してそのズレ方向がバラバラになり、色彩の統一感を壊し、雰囲気(空気感)を壊していると強く感じるのである。
もう少しグレーバランスの調整を繰り返してみたいと思っている。
[2005/09/19 H.K.]
今日は、The day following mid Autum festivalということで、香港はお休み。日本も同じ理由でお休みらしい。天気もまあまあということで、久しぶりに撮影に出かけた。考えて見れば、2ヶ月以上現在のアパートに移ってから写真撮影をしていなかった。古いデータばかりを現像しているとそのときの色調をわすれ脳内で別の色が出来上がってしまう。写真は芸術であるので、現実の色とかけ離れていても一向にかまわないと思うが、現像法検討の目的から逸脱することになるし、そんなことをするのは10年はやい。とにかく最新の撮影から3枚ほどアップした。
グレーバランスの調整により日向の色調と日陰の色調は一致したが、今回はその検証と現実の色とのreal性を保つための現像法再調整が目的である。現像トーンカーブは今回また大きく変わることになった。現実の表現という意味では軟調にトーンカーブを設定したほうが良いと言う結論になり、今回は前回作ったポートレート用のカーブよりさらに軟調に設定した。グレーバランス設定前までは彩度にものたりなさを感じていたが、グレーバランスの効果かどの絵もそう彩度不足を感じない。
グレーバランス調整の効果は大きく、これまで影の部分を捨てていたが、これも写真表現に使えることになり、軟調現像でまた新たな表現を試みることができる。また明日からはもう一度過去のデーターをこのパラメーターで現像して楽しむことができる。
[2005/09/18 H.K.]
この週末は新たなグレーバランス(GB)がお気に入りで、昼夜を問わず以前のデーターの現像し直しに没頭している。ギャラリーには夕方のMM21の広角撮影の絵を2枚ほど追加した。GB調整後の絵をみてしまうと、調整前の絵の色調があまりにもひどすぎて、比較写真も掲載する気にもならなかった。
色々の写真をこのGB調整トーンカーブにかけているが、調整前は影の部分と陽があたった部分との色調が分離していて、もう日陰の部分は捨てるしかなかった。このGB調整カーブにかけることにより、影の部分が陽のあたった部分と同化して、一見ダイナミックレンジが増加したような錯覚にもおそわれる。決して大げさな表現ではないが、写真の中に空気の色が見えてくるのである。
空気感といえば、以前から撮影会でお世話になっている写真家の先生に写真をみてもらうとデジタルの絵は色がきれいだが空気感がないと言われたのを思い出す。この空気感とはいったいなんなのか長い間の疑問であったが、いまわかる気がする。もちろん空気には色があるとは思えないが、季節や時間によってその場にはある色が漂う。その色はすべての色を支配し、その雰囲気の色を作りだすのである。それを写真がいかにその雰囲気を再現できるかが空気感の表現とでもいうのであろうか。
もっと味気ない言い方をすれば、空気の色とは色温であり、それを調整するのはWBである。GBが正しくないとすべての明度レベルにおいて色温に対する各色の位相のズレに一貫性がなくなり、全体としてみたときアンバランスな色彩となってしまう。だからGBの正確性が写真表現には重要であるといのがこれまでの結論である。
銀塩の写真を見たり、Webでも銀塩写真をスキャンしたものを探してみるようにしているが、そのGB特性はいつもうならせられる。どうしてキヤノンはこんなにグレーバランスのずれたカメラを作り続けるのであろうか。ただWeb上でみる1D系の絵はGBの良さが他の普及がたと比べて抜群である。以前に1系と他のカメラでは開発部隊が違うと記事でみたことがあるが、いまでもそうなのであろうか。
5Dのサンプルを見る限り色は1D系ではなく20D系である。GB補正をすればその色は変えられることがわかっているので、1D系がほしいとは思わないが、せめてRAWの色ごとのカーブが素直なものであってほしいと思う。その特性が素直でないためにGBは撮影露出と現像露出によって補正値が変化し、調整をより複雑なものにしているからである。
[2005/09/16 H.K.]
今日は、現像法も落ち着いてきたというところで、PhotoshopCS2のディフォルト現像と私の現像法の比較写真をギャラリーにアップしてみた。下がPhotoshopCS2のディフォルトで上が私の現像法の今日時点の結果である。大きな絵で比べてほしいが、Web用にプロファイル変換しているので、Photoshopに読み込むとデバイスプロファイルが設定されていないモニタで見ると色がだいぶ違ってくると思う。IEかファックスブラウザならば色合いは変わらないであろう。
私の現像法は今回のグレーバランス調整以外にトーンカーブの設定、シャープネスのコントロールなどこれまでの設定が追加されているが、グレーバランス以外は相当拡大してみないと違いはわからないと思う。この手の説明に関してはあまり講釈をいれないほうがよいが、グレーバランスに関しては少しコメントしておく。
とにかくキャノンの最近の絵作りはRAWに関してもグレーバランスが悪い。明るい部分の黄色かぶりと暗い部分の青かぶりは彩度を上げるほど目だってくる。建物の日のあたった部分と影の部分の色が違っている。また日陰の青かぶりは暗部の描写を劣化させる。グレーバランスを取るといままで青かぶりにつぶされていた暗部の色彩が本来の色を取り戻す。
まだまだ微調は必要であるが、だいぶ良くなったと自己満足している。
[2005/09/14 H.K.]
今週は現像グレーバランスのとり方に挑戦してみた。PhotoshopCS2では現像時のトーンカーブ設定をサポートしているが、RGBごとの個別トーンカーブを調整することはできない。現像後Phoshopのトーンカーブ調整にかけて、各色ごとのトーンカーブを調整して、グレーバランスを調整することにした。とにかくトーンカーブは化け物で、ほんの少しの移動で絵の雰囲気はがらりと変わってしまう。ましてや各色ごととなると、確固たる信念がないと訳がわからなくなってしまう。一応ある程度の結果がでたので、ギャラリーに2枚ほど調整後の絵をアップした。
グレーバランス調整は過去グレースケールを写真に撮り、現像データーをカラーピッカーで調べながら行ったが、撮影時の条件が様々であまりうまくいかなかった。今回は数ある撮影データーからグレー点を数多く取り出し全体の傾向をつかむ方法で調整した。現在まで20DRAWに対する私の感想は明るいところで、赤が強く、暗いところで青が強いことである。白い雲は黄色がかってそのくせ、暗い部分は青かぶりしている。日陰の色温度が高いというのが通説であるが、実際目で実物を見ると写った写真ほど青くはない。いずれにしても色温度調整では全体が赤くあるいは青くなるだけなので、グレーバランスはとれない。
傾向を頭の中にいれて、青をS字カーブぎみに赤を逆S字カーブぎみにおいて、各明るさごとのグレー点を探してきてそのバランスを調整していく。このとき緑をいじると訳がわからなくなるので、Gは直線のまま残しておく。ときおり、ポートレートでできたトーンカーブをかけて全体の色調変化がないように、直線の緑に対する赤と青のバランスを調整する。結構たいへんな作業である。結果的には明るい白と暗い部分の青かぶりがとれて、まずますの出来となった気がする。ここでは比較写真はアップしないが、グレーバランス適用前のものに対してすべてが良くなった。もちろんあまり変わらないものもあるが、悪くなるものがなくなるまで調整しなければならない。
5Dは20Dとトーンカーブの傾向は似ているようである。いまから現像法も検討しておかなければならない。もっとも5Dの発売日は早まったものの10月末までは日本に帰れないようなのでそれまで手にすることはできない。まだまだ20Dを使わなければならない。
[2005/09/11 H.K.]
今週は会社のいろいろの行事のため、なかなかWeb更新ができなかったが、やっと一段落ついた。相変わらす古いデーターで申し訳ないが、85mmを絞ってつかうシリーズから2枚更新した。いずれも純色が強いサンプルである。
さて最近は5Dのサンプルも多く出回って評価もまた多くの意見があるようである。私が見るにダイナミックレンジは1Dmk2程度、RAWのカーブは20Dと似ている気がする。最近はダイナミックレンジという言葉がよく使われるが、言葉自体はいささか電気的で私の専門分野である。つまりダイナミックレンジとは最高表現値と最低表現値の差で単純に言えば表現ビット数12bitであるが、ノイズレベルが現状では最低表現値を上まっているので、S/Nがダイナミックレベルということになる。ISO感度を上げた場合は最高表現値が下がり、ノイズレベルが同じとすればダイナミックレンジは狭くなる。
ダイナミックレンジと諧調表現を混同するケースをみかけるが、諧調表現はレンジ内のデータをどう振り分けるかにかかっており、グレーバランスとかデータの直線性などが基本要求であり、最終メディアに対してどう分布させて表現するかということで、私の現像法の目指すところであり、理論的なところよりも芸術的要因が加味されるところである。
どれだけ忠実にあるいは広範に表現できるかはメディアの特性によるところであるが、その順番は昔から評価が決まっており、ポジフィルム、CRT、紙の順番となっている。液晶については、ボジに迫る特性を持たせることが可能であるが、現状ではそのためには高価構成をとらなければならず、ノートPCなど普及品における表現能力は通常CRTより劣ると思われる。そもそもデジタルが銀塩を超えたかなどの論争はあまり意味がなくCRTと紙の表現ならばデジタルと銀塩の差はないであろう。しかし、諧調表現に関しては現像者のテクニックにかかってくることになるので、確立された銀塩の出力を超えるにはそれ相当の技術が必要であるといえる。
センサーサイズについての考えもついでに述べておくと、ブローニーのフィルムにそれようのレンズを使ったほうが35mmフルフレームよりも良いことは否定できないし、APSよりも35mmが良いこは明らかである。なぜそうかということに関していろいろ付随の考慮もあるが、基本的にはレンズによる解像度の限界をサイズ増加によって解消できることが主な要因とおもわれる。レンズの良いところだけを使用するなどという考えは中途半端であり、APSサイズにはEF−Sレンズを使ってその小型性と低価格性を享受しなければ、ユーザーにとってもメーカーにとっても不幸な結果となるであろう。
5Dは35mmカメラとしては初めて35mmカメラ本来のサイズとなった製品である。35mm銀塩と同じ絵(画質)が撮れるカメラである。
[2005/09/07 H.K.]
今日も過去データーから、みなとみらいでの85mmの撮影から2枚アップした。プロファイル変換については色々あったが、前回述べた方法でPhotoshopのワークスペース上とWindowsのIEでの表現はほぼ一致しているようである。日本にあるCRTとこのノートではキャリブレーション後ほぼ合っているので、キャリブレーションされたモニターではほぼ私と同じ色調で見えるはずであるが、会社の液晶では相変わらすひどい色である。
さて5D用のフォーカシングスクリーンEe-Sがヨドバシのサイトで予約受付になっていたので注文していおいた。Web情報ではすぐには入らないとのことであるが、サイトには10月上旬と書いてあるので、期待していいと思っている。別注文なので、遅れてもそう支障はないであろう。フォーカシングスクリーンに関してはD30時代にミノルタのM型を削って入れた思い出がある。フルサイズ用のM型がサイズをあわせると面積ほぼ半分の全く情けない大きさになってたことを思い出す。それ以来絶対的にフルサイズ派になった。10Dでもこのスクリーンを使用していたが、20Dでは標準のものを使っている。20Dのスクリーンは以前のものよりかなり良く、ピントの山は見やすくなっている。
現在の20Dは色々文句は言っているが、APSカメラとしてはかなり良くなっている。10DのRAWに関してはキャノンの現像ソフトに問題があったこともあるが、そうでなくても色彩表現的にかなり問題があった気がする。RGBそれぞれのトーンカーブが異なっており、相当のアンダー撮影と各色ごとの色相調整で、かなり苦労した。現在の20Dではこれらの色調調整も外したし、撮影露出を上げてもそう大きなグレーバランスの崩れはない。なによりも10Dは連続撮影のCF書き込みが遅く、連写枚数は20Dより上なのに10枚も撮影すると30秒から1分ほど待っていなければならない。20Dでは1秒一枚程度のモデル撮影でもいつまでもシャッターを切ることができる。5Dでどう出るかわからないが、80倍速を使えば問題ないと期待している。
5Dが手に入るのは一月以上先のことだと思うが、スナップはISO50で-1EV撮影しようとか、ポートレートはISO100でスポット測光を使ったマニュアル露出にしようなどと想像して楽しんでいる。
[2005/09/02 H.K.]
昨日香港に戻ってきた。日本でいろいろPC関係を購入し、だいぶ環境もよくなってきたが、GoLiveのCS2アップデートは調子がよくない。文章の打ち込みが超スローになって使い物にならず、ソースで文章を打ち込んでいる。さてギャラリーは相変わらず過去写真の現像しなおしをアップしている。人物は軟調が良い。景色の軟調も悪くはないが、やはり色彩に物足りなさを感じるので硬調現像を使うことにしている。硬調とコントラストを強めることとは別の意味であるが、硬調にするとどうしてもコントラストが強くなる。私の場合コントラストのバーは最低にして、トーンカーブですべてを制御しているので、暗部と明部に若干の調整部をおいて完全な飛びとつぶれを緩和しているが、見る環境によって飛びとつぶれが発生してしまうのはしかたがない。
5Dのサンプル画像も多く出回ってきているようであるが、拡大してみるとそれぞれの現像の特徴が出ていて、おもしろい。メーカーサンプルの風景などはなかなかの評判(?)のようであるが、これはどちらかというとキヤノンの現像処理の特徴が強くでている気がする。ベイヤー配列からピクセル化するときにコントラストの大きな小さい物体があると表現が不自然になる。この傾向は以前からで、原理的に存在するはずのない、一ピクセルの諧調の飛んだ点が発生することでこれが、JPEG圧縮でさらに周辺の諧調に影響を与える。この影響を抑えるため私は昔からシャープネスは最小で現像し、現像後1ピクセル以下のガウスぼかしを入れている。
現像法検討においてピクセル等倍、最大拡大で見ることが多いが、この状態でうまくないものはあまりいい現像法ではないと思っている。PhotoshopCS2の処理はこの辺は以前に比べて改善されており、ぼかしを入れなくともスムーズな諧調を得られるようになったと思っている。ただぼかしは他の理由もあって現在も使っている。dpreviwのサンプルは全体によくできているが、トーンカーブがかなりいじられている気がする。これが、一枚ごとの調整なのかPhotoshopCS2の自動調整現像なのかはよくわからない。
どの絵も全体的にシャープネスが強すぎるのでないかと思う。D30の時代は眠いといわれて、こぞってシャープネスを上げたものであるが、ここまで画素数が上がると実際シャープネス処理はいらないとおもうし、シャープネス処理は実際の解像度を低下させる。私の経験ではシャープネスをかけないとはっきりしない絵はレンズやカメラの特性ではなく、ピンボケか手振れであることがほとんどである。
実際のところ私にとってサンプルを見て胸をときめかせる時代は相当過去のことである。今度のカメラはどんな補正が必要なのかと考えてしまう。そういえば、20Dに関してまだ現像法の結論を出していない。5Dゲットまでには結論をださなければならない。
[2005/08/31]
明日には香港に戻らなければならない。一応日本での予定は消化したが、写真を撮るひまはなかった。相変わらず過去のものを現像しなおして2枚ほどアップした。今年の年始のものである。最近のアップはだいぶ濃い絵になっていたが、現像法はおなじでもやはり撮影時間によって色調はずいぶんと変わるものである。人物の撮影では、最明部で白飛びしても肌のレンジに合わせてできるだけ広い諧調領域を確保したほうが良いようである。
さてフルサイズカメラに対する考察であるが、私の考えを少し述べておきたい。フルサイズセンサーの価格については、多くの人が見解を述べているようであるが、先に発表されたフルサイズデジカメが高かったせいか、非常に高価なものであると勝手に思っている人が多すぎる気がする。半導体は投資産業で、生産数量さえ一定の量さえ確保できれば、価格はあってないようなものである。あるとすれば材料費の差であろう。フルサイズはAPSのたかだか2倍、取り数の無駄を考えても3倍はいかない。また応用設計技術者は昔かっら歩留まりという言葉に弱く言葉だけで、価格を納得してしまう。
これは歩留まりが設計上の質に起因することにひけめがあるためで、半導体の歩留まりは製造工程上の問題がほとんどである。もちろん初期には設計上で弱い部分が発生することもある。これらの問題は何度かの改版により解決されるのが常で面積が大きいから不利であるとは思えない。いずれにしろ、APS-Cカメラの現在の価格から考えればフルサイズセンサーの価格を想像するのは難しくない。
最近EFS10-22を結構使っているが、このレンズはAPS-Cの20Dで使用すると非常に良い性能を出していると思う。今まで使用していたEF・Lズームよりも中央部を含めよい出来だと思う。イメージサークルを小さくすることがこれほどレンズ設計を楽にするのかと驚く。これからAPS−Cはどうなっていくのであろうか。フルサイズカメラにしてもどうがんばっても中判カメラの写りにはかなわない。これからはシステムの大きさによって使うシステムを選択することになるのであろう。
もちろん大型のシステムは価格が高い。機動性もおちる。過去銀塩APS−Cが消えたのは価格的メリットも小型化のメリットもユーザーにとって働かなかったためだおと思われるが、現在のAPS−Cは将来的にフルサイズと比べて(レンズを含めて)2倍の価格性と小型性を持つことになるであろう。ただ今後コンデジとフルサイズの間にこのレベルの製品を求めるユーザーがどれだけ存在しつづけるかということが消えるのかあるいは主流になっていくのかが将来の流れとなる。
フルサイズカメラにしても同じことがいえる。他のメーカーも現在は様子見である。今回5Dがある程度の市場性を確保できれば、他メーカーから出てくるのにそんなに時間がかかることではないであろう。
[2005/08/26]
一昨日から日本に一時帰国している。一週間の予定なので、来週中にはまた香港に帰らなければならない。今日も以前の撮影からの現像法変更による2枚をアップした。今回は夕方の撮影で、広角の撮影であるが、広角ゆがみを感じさせるものと水平に構えて広角を感じさせないものをアップしてみた。夕方なので、WBはかけ離れているが、あえてWBはとらずに雰囲気を重視した。周辺色収差はオリジナルでは発生しているが、CS2の収差補正を適用しているので、等倍ぐらいでは収差は見えないはずである。
今回の帰国時に5Dの予約をする予定であったが、すでにネットで予約してしまたので、買い物は香港で音楽を聞くための機器を若干調達するに留まった。相変わらずネットではフルサイズ論議が盛んであるが、私の購入目的は過去からずっと変わっていない。視野の広いファインダーとダイナミックレンジの改善である。視野の広いファインダーは、銀塩でもフルのファインダーを覗いてしまうとどうしてもAPS−Cの貧弱さががまんできなくなる。ファインダーの視野の大きさはAPS−Cではどうしても解決できない問題と思っている。スクリーンと視点の距離を離すことによって倍率はいくらでも上げられるが、正立望遠鏡の視野が倍率を上げるほど狭くなる原理で、目に見える視野は限定されてしまう。
ダイナミックレンジについては、出力される絵を見て狭いとか広いとか言う人がいるが、ここで何度も言っているように、通常現像でダイナミックレンジなんかわかる訳がない。私の現像法検討はできるだけ広いレンジの中からどの部分の諧調に重きをおいて切り出すことであることかを述べている。ダイナミックレンジは表現できる最明部と最暗部の比のことで、まずは12bitRAWは12EV(72dB)の表現ということになるが、実際は暗部ノイズのため10EV(60dB)程度が現状と考えられる。つまり、暗部低ノイズ化とダイナミックレンジとは技術的には同じことである。ノイズは素子間の感度差によって発生するのが多くの原因であるので、同じ方法であれば一素子の大型化によってしかノイズ特性を改善する方法しかない。
もちろんその他の要因によってもダイナミックレンジは劣化する。電気ノイズによる横縞ノイズなどもあるが、これはセンサーやプリント基板のパターン設計上の問題でトーンカーブ変更によるごまかされてもダイナミックレンジの改善にはなっていない。私にとってはメーカーは単純に低ノイズ化に努力してほしいことであって、どう絵づくりしていくかは、自分が考えることである。
言いたいことはたくさんあるが、長くなってしまったので、続きは次回にでも。
[2005/08/23 H.K.]
今日もギャラリーに2枚ほど昔の絵を現像しなおしてアップした。晴れの日撮影の白伸び補正は当然白とびしやすくなり、これを抑えると全体的に暗くなる。明部の上部を不自然にならないように圧縮する必要があり、このトーンカーブの調整が絶妙なところである。毎日繰り返すRAW現像とトーンカーブの調整はまさに硬調現像の醍醐味を味合わせてくれる。
さてEOS5Dの正式発売になった。どうやって買おうか迷っていたところであるが、日本に住所があるので、通信販売に早速予約を入れた。購入自体に迷いはない。すべての面で私の理想であり、どうやって早く手に入れるかということだけである。サンプルも何点か公開されているようであるが、傾向的にはやはり白のびが悪く、色が薄っぺらになっているような気がする。
キヤノンのこのクラスはRAWをそのまま現像したものとJPEGでは諧調感はそれほどかわらないので、早い段階で現像カーブが設定されてしまっている気がする。私としてはRAWは色づけをしないで、現像段階でメーカーの色づけをしてほしいと思うがそうはなっていないようである。
私の現像法もカメラが変わるとまた一からやり直しである。しかし、これまでの努力は無駄になることはない。RAWの特性を検討し補正し、自分の色づけをしていくという作業は結構楽しいものである。
[2005/08/21 H.K.]
このところの香港はAmber rain stormが吹き荒れて’窓から撮影’もままならない状況である。今回も過去の撮影の再現像から2枚ギャラリーにアップした。RAWのカーブ補正によって多少D30の色のりと諧調を取り戻せたかという感じがする。
彼岸花(まんじゅしゃげ)の色がこんなに赤いはずはないと思われるかもしれないが、それは正しくもあり、正しくもない。実際液晶プロファイル変換後のアップ画面は明度暗部ともに色飽和をおこしている。AdobeRGBのワークスペースではヒストグラム上全くその傾向はなかた。AdobeRGB対応のモニタで元の絵を見ればもっと自然な色に見えるに違いない。
ところで、20Dにおけるトーンカーブの非直線性によって撮影露出と現像露出補正では違った諧調表現になることが検討の中で明らかになってきている。10D20Dの色調が自然になったとかいう評価であるが、そのための色表現の検討してそうなったというほど私はキャノンの現像技術を評価していない。CMOSが各素子ごとに補正することによってCCDに遜色のないノイズ特性を実現できたことはすばらし技術であると思うが、さらなる高感度化とダイナミック特性を実現するためAD変換前に細工され、RAWがRAWの意味を失っているのでないかと思う。
ダイナミックレンジ拡大のためにRAWが直線でなくなるのはかまわないが数学的理論曲線にのっとたものであったり、仕様が公開できるものでなければ、CMOSの絵が今後評価を落としていく原因になりかねない。
[2005/08/19 H.K.]
現像法の見直しということで、過去写真の現像を繰り返しているが、20DRAWの非直線性補正ということで、トーンカーブを見直している。同じ絵をアップするのは能がないので、別のものをアップしている。撮影条件も日時も違うので、あまり比較にはならないと思うが、多少白伸びして色調が豊かになっている気がする。
20Dの特性はどうやら、明るさ中央部から傾きがなだらかになっているようだ。これで、ダイナミックレンジを1EVほど改善していると思われるが、そのまま現像すると、全体的に明るくなり、色調もさっぱりしすぎる傾向がある。これを補正するのに現像露出補正をマイナスとして、暗めに現像してきたが、白伸びのない眠い絵となることはさけられなかった。このため半分以下の部分を使い直線性を改善し、それを現像後に硬調カーブをかけてなんとか戻していた。しかしどうしても評価測光ではヒストグラムのばらつきが異なり、絵によってうまくいくものもあるが、悪くなるものもある結果となっていた。
現像時にトーンカーブを使用できるようになったため、硬調現像の醍醐味である目的諧調の彩度増加も自動的についてきて、全体的に色彩豊かになったと思う。ただRAWカーブ補正法というのは、撮影時の露出によって補正カーブが変わってくるので、撮影露出が違うと結果も予想に反したものとなる。目的物に露出を合わせるということは目的物も色々の明度をもっているので、そう簡単なことではなく。評価測光では不十分でプロの写真家はスポット露出で何点かの露出を測定したり、状況によっては評価測光から+/-の露出補正を瞬時にかける感覚を持っているが、私のような素人にそんなことができる訳はない。
当面は評価測光-1EVで撮影したものに、状況に応じてトーンカーブを使い分けていくしかない。
[2005/08/17 H.K.]
このところ現像法検討の一環として、以前に撮影したRAWを現像しなおしている。現像法を変えることによって以前の絵とは違った色調と諧調を得られるのはとても興味深くこれを始めると夜の更けるのも忘れついつい睡眠不足となってしまう。撮影はアパートの窓からのテスト撮影程度ということで、いい絵ではないが、とりあえず一枚アップしておいた。撮影露出は-0.5EV液晶プロファイルのため黄色オレンジについては暗部色飽和をおこしているが、AdobeRGBの状態では飽和していなかった。
前回はRAWの諧調に非直線性があると述べたがこのために露出を変えて撮影すると現像時の露出補正ではもとにもどらない諧調性の変化がある。もともと私の硬調現像の原点は露出の変化点をトーンカーブで変化させて、良い諧調表現になるように選定させるものであるが、RAWデーターそのものが直線的であれば、変化点を変えたトーンカーブを使っても露出補正を目的の明るさに持ってくれば、同じ絵になるはずである。
それがアンダー撮影のほうが、良い諧調表現になるということはRAWは明部の諧調に問題があるということになる。しかし、アンダー撮影は暗部ノイズと暗部諧調に不利なことはどうしようもなく、現在の検討は明部の直線性に問題があるのであれば、それを見越したトーンカーブを作成することで、この非直線性を打ち消せないかということである。これを確認するには-2/3から-1EVで撮影された絵を数多く現像して、素直な直線性を得られるカーブを作ることである。いまのところ結果は良好で、最終的には-1EV撮影に適した硬調カーブを作りたいと思っている。
[2005/07/28 H.K.]
今日は、やはりアパートの窓からの撮影シリーズであるが、比較的標準現像による絵を2枚アップした。
CS2による現像法の検討もほぼ収束したというか、まあこれ以上は望めないところまでいった。今回の現像法に対する基本的な考えは次のとおりである。まず撮影時における露出の設定は撮りたいところに露出をあわせるのが基本であるが、デジタルにおいては、暗い部分に露出をあわせると、その諧調の狭さから明るい部分が飽和してしまう。これをさけるため、ハイエンドでも飽和しない露出で撮影し、現像時に明部をつめる処理を行う。
明るい部分で飽和しない露出は通常ではいままでどおり-2/3EVで撮影すればほぼ問題ないが、夜景や逆光などでは相当にアンダーで撮影しなければならないであろう。CS2現像時トーンカーブを調整し、撮影主眼部分が最適の明るさになるようにする。これに使用するトーンカーブはガンマカーブと同じようなものであるが、いくつかの異なるものを用意して、明度とコントラストの調整を併用する。
現像後トーンカーブで暗部を詰めて黒のしまりを改善するが、このトーンカーブは固定のものを使用する。現像時設定に関してはいろいろの組み合わせが存在するが、目的をはっきりさせれば、毎回安定した絵を得ることができるであろう。しかし現実的にはこの設定方法の習得までにはかなりの時間を要した。
前回の現像法よりは軟調に出力するように調整しているので、ポートレートなどの諧調性は向上したと思う。今回現像時トーンカーブが使用できるようになったので、暗部の諧調不足は緩和されたが、ノイズはどうしようもない。絵の硬軟は多少コントロール可能である分現像時の設定には難しさが残る。もう少し練習が必要であろう。
今週末は2ヶ月ぶりのタイである。
[2005/07/25 H.K.]
PhotoshopCS2のアップグレード版がWeb販売されたので、早速ダウンロード購入して、ノートPCに入れてみた。まあ機能的にはトライアル版とは変わりないのであるが、期間を気にしないで使える分だけ安心できる。
CS2にはHDR処理、露出ブラケッティングした絵を何枚か重ね合わせる、が追加になっている。私も試してみたが、手持ちでは絵が甘くて、苦労が多い割りにはあまり期待したほどの効果はでない。三脚使用ならばもう少し良いかもしれないが、飽和点近くのフリンジは取りきれないだろう。むかし、絵を2枚継ぎ足してフルサイズの解像度をと試したことがあったが、それに似たようなもので、だからどうしたという程度のものである。
一枚のRAWから諧調拡大のための現像法検討はまだ続いている。こちらの方が、より現実的で効果がある。まだ方法は引き続き検討中であるが、多少の改善策を一枚ギャラリーにアップした。
それにしてもここのところCableネットの調子が悪い。夜はほとんどアップロード不可能なので、携帯のGPRS(16kbps)でほそぼそとアップしている状態である。
[2005/07/20 H.K.]
今日もギャラリーには、現像法評価のために撮影したサンプルをアップした。どちらもいままでの現像法では暗い部分がつぶれてしまう撮影サンプルであるが、暗部を持ち上げてある。
CS2では現像時のトーンカーブを設定できるようになったことは前述のとおりであるが、これは他の現像ソフトでは通常のことで、現像後のトーンカーブ適用などというのはむしろ特殊である。CSではトーンカーブではないが、他のスライドバーでカーブをある程度制御できる。私の検討では、諧調性とかダイナミックレンジとかを得に重視しているので、現像時と現像後のトーンカーブの適用でどれだけ表現に幅を持たせられるか検討しているところである。
私の試行錯誤も、撮影した絵が現像法を変えることによってすばらしい色調の絵を作れるのではないかということが目的であったが、それが幻想であることにそろそろきずかなければならない時期に来ている。すばらしい絵を得るにはフィルム(現像法)の特性を理解した上で撮影時にどう光をつかうかというところにあることは多くの写真家が苦労してきたところである。
その中で現像法がどういう位置にあるかということは自分の理想とするフィルムを作ることであるが、デジタルの諧調性とかダイナミックレンジは遠くフィルムに及ばないところに問題がある。ただ誤解してならないのは、順光の通常撮影では表現メディアの限界から特にその特性は問題にならないことが多いのである。だから、ディジタルで撮れるあるいはディジタルにあった撮影方法を追求することはひとつの道かもしれないが、逆光撮影とか夜景撮影などをうまく表現できないかと考えることも趣味のデジタル撮影としては興味深く、私の求めるところである。
[2005/07/17 H.K.]
今日は日曜日ということもあって、撮影に出かけたいところであったが、先週の客人疲れもあってアパートでゆったり過ごすことにした。写真在庫もなくなったので、アパートの窓から数枚撮影し、一枚アップした。10mmという広角の味が多少表現できた一枚である。
CS2による現像法の検討も多少前進し、ダイナミックレンジの拡大が多少できた気がする。CS2のRAW現像では、現像前のトーンカーブ適用が可能になった。それを利用して、現像時に白を詰めて、黒を伸ばしたトーンカーブを適用する(明るい絵になる)。現像後黒を詰めたトーンカーブを適用すれば、現像時の黒の諧調を多少なりとも保持できる。夜景の絵に適用して、暗部の諧調特性が良くなっていることは確認済みである。
どうしてもセンサーの特性はリニアであるから、白が飛ばないように露出を設定すると黒の諧調が取れなくなってしまう。リニアでない特性の素子が開発されればもっと広いダイナミックレンジが取れることになるであろう。センサーの一個の素子の大きさが大きくなれば、素子のばらつきにる画面ノイズが現象するので、ダイナミックレンジが広くなるというのが原理であるが、世にいう諧調特性(中間調の)がセンサーサイズで変化するとは思えない。この辺は現像法によってその特性は大きく変化するものである。
ただJPEG出力の絵の処理や、RAW現像ソフトのデフォルト現像出力も時代とともにだんだん良くなってきている。しかし、これは最も平均的な絵にあわせた設定であるから絵によって最高の状態で出力するには、現像法の検討というのも重要なことだと思っている。
[2005/07/15 H.K.]
今日もPhotoshopCS2によるRAW現像報告である。最近撮影にでかけないので、アパートの窓から撮った一枚を現像してみた。前回は現像を軟調にしたと書いたが実はアップ後少し硬調にしてアップしなおした。今回は同じパラメータでスナップを現像してアップしている。
CS2の現像は色調以外のところでも改善があるようで、今回の写真など等倍以上の表示をすると解像度のすごさに驚かされる。135mmは解像度が良いのであるが、まだまだ画素数をアップしても高解像度の絵が得られる気がする。
最新の2枚の絵は撮影時-2/3EVで、現像時-0.85EVの補正であるので、ずいぶんとマイナスの状態で使用しているように思えるが、現像時の補正は現像時トーンカーブをそれに合う様に設定してるからで、撮影時に絞るとノイズ増加と諧調不足になってしまう。-0.85EVだけ白をつめているということになる。現在RAW現像後の処理は0.4ピクセルのぼかしと0.8ピクセルのシャープネス、色相・彩度の微調とプロファイルの変換ぐらいである。
こちらで、使用中のケーブルブロードバンドの調子が悪かったが、現在はだいぶ調整も進み快調である。Avexのブロードバンド放送もいつでも問題なく視聴できている。何事も試行錯誤と執念であると思う。
[2005/07/13 H.K.]
今日のギャラリーアップは以前の同じ写真を現像法を変えてアップしてみた。同じ写真なのは恐縮であるが、違いというか比較するには同じ写真のほうが良いと思う。
先日の夜景の評価結果から、現像後トーンカーブの適用ではなく、現像時のトーンカーブの適用のほうが、諧調表現が良好であるとの考えから、適正露出で撮影したポートレートに関しても現像時トーンカーブを適用してみた。表現は以前より軟調であるので、そのせいかどうか、諧調表現は良好であるようである。
軟調の表現というのは、ともすると派手さがなく、眠い絵になってしまう。諧調変化の面白さも諧調特性の優れたモニターで見ないと調整の面白さもなく、別のモニターで見たときにうんざりすることも多々ある。写真の評価はプリントアウトでと言われる所以でもあろう。
なにはともあれ、またまた試行錯誤のはじまりである。完成された現像法のはずであったが、現像ソフトが変わるとまた新たな発展を期待して、あまり進展のないループにはまってしまうことはわかっているが、この時が楽しいときである。
[2005/07/10 H.K.]
Photoshop CS2のトライアル版を導入してみた。本当は、アップデート版を購入しようと思ったが、ダウンロード版がなく、住所不定の身としては、しかたなく、一月はトライアル版を評価することにした。
まだ内容は見ていないが、とりあえず変わったところはRAW現像部分にトーンカーブが設定できるようになったことである。32ビット処理が追加されているが、トーンカーブが使えないので、現行ではあまり私の現像処理には貢献できない。
今回、前回香港で撮影してギャラリーの下のほうに残っているものと同じデーターをこれで処理してみた。前の結果と比較してもらえばわかると思うが暗い部分のバランスがよくなっている。八百屋のオレンジの周りが赤くなっていたが、ちゃんと黒くなっているし、オレンジ自体の色もしっかりとでている。色温度設定とかぶり設定を以前とは変えてあるが、単純にバランスの問題だけではないと思う。
他にも細かな点で処理がだいぶ変わっている気がするし、これをいろいろ調査してみるのも面白い。ただだいぶ処理が重くなっているようなので、私のNote PCでは時間がかかりすぎるかもしれない。香港でのDesktop PCの購入も検討している。
[2005/07/07 H.K.]
香港から日本南岸まで延びていた梅雨前線が北上したため、今週は良い天気がつづいていた。今日は雨が時々降っていたが、以前のように降り続くことはない。もうすっかり夏になった。
相変わらずの忙しさで、Web更新も滞りがちであるが、今日は日本での撮影会の写真をソフトフォーカス風にレタッチしてみた。どうやったかは絵をみれば想像がつくと思うので、説明は省略する。実際のソフトフォーカスレンズはもっとボケが広範になるようであるが、いまのところレタッチではこの程度までしかいかない。何事も試行錯誤である。
ところで、アパートのインターネット接続を無線LAN接続にしてみた。狭い部屋であるが、ノートPCを広げるたびに線をはいまわすのがいやなのと、来週は客人がくるというので、接続を増加する必要があったためである。わかったことはノートPCの無線LANが機能していなかったことで、USBドングルをつけて使用している。それにしてもキーなしの電波が、強力に数個見える。こんなことなら、ブロードバンドを引かなくても十分やっていけそうである。一応WEP認証を設定した。結構快適である。
[2005/07/03 H.K.]
久々の日本の一週間も瞬く間に過ぎて、今日はもう香港である。連日の飲み会のため日本でのWebの更新は一度しかできなかった。
今日は撮影会の写真一枚をカラーとモノクロでアップしてみた。モノクロの絵はカラーのものより、トーンカーブを追加してさらに硬調に仕上げている。写真家たちがモノクロの写真を撮りたがる気持ちもよくわかる。モノクロにはカラーにない美しさがある。
諧調のないディスプレーやグレーバランスの悪いプリンタでは、その良さもあまりわからない。市販のプリンターでモノクロというのもどうもうまく印刷できない。モノクロ印画紙に焼けたらと思うこともあるが、あまりいい方法もおもいあたらない。
ただ昔先生がモノクロ写真をPhotoshop上で加工してもモノクロ写真の面白さを表現できないといっていたが、トーンカーブの使い方で表現は自由にできると思う。ただ今回感じたことは、もとが良くなければ、いくら加工してもいい絵はできないということがいまさらながら実感する。
[2005/06/27]
久々の日本からのアップである。帰国の次の日にスタジオでの撮影会に参加できたので、その中から2枚をとりあえず、アップした。
今回の撮影会は久々にプロの著名な先生が照明等の設定をしてくれたが、さすがにすごいものである。ファインダーを覗いたときの感動が違う。しかし、強力なスタジオのライティングでも十分なシャッタースピードを得るには明るいレンズが必要である。銀塩でもISO400でなければかなりのスローシャッターになってしまう。
撮影はマニュアル露出であるが、これは一度設定すれば、条件が変わるまで、固定でよい。ただフォーカスは手持ちのポートレート撮影ではAFが使いものにならないし、常にピントリングに手を置いての連写である。私の目では高速にマニュアルフォーカスをあわせながらシャッターを押す作業は信頼性が薄い。650枚ほど撮影したが、なんとかピントボケ・手ぶれなしで見れるのは結局250枚程度になってしまった。
とりあえず結果は久々に美しく仕上がったと思う。
[2005/06/22 H.K.]
明後日には日本へ一時帰国である。一週間程度しか日本には滞在できないが、撮影会の予定も入っているし、日本でなければできないこともたくさんある。
さてギャラリーアップのほうであるが、前回の135mmの撮影から、香港の花を2枚アップしてみた。前回の夜景撮影の試みから、明るい場面でもなんとかもう少し見栄えの上がる方法を模索してみた。現在使用のトーンカーブは、過去の数千枚の撮影からどの絵に適用しても良好な出力を得られるように検討されたものである。いわゆるひとつのフィルムを作成した訳であるが、使う場面によって、最適なフィルムというのは異なるものである。
言い方を変えれば、一枚ごとにトーンカーブを変えるということであるが、確かにトーンカーブを変えることによって、個別の絵は改善される。しかしながら、モニターや環境その日の気分に影響されやすく、作品の安定性に欠ける結果となることに注意しなければならない。今回の花の絵はデフォルトのトーンカーブとは異なった個別のトーンカーブを適用してみたが、比較すればわかるものの多大な改善が得られたというものでもない。
この辺は試行錯誤の悩みどころであるが、過去に作成したデフォルトトーンカーブの現像法で最適の絵が得られるように、撮影時の露出に気を配ったほうが検討法としては現実的かなという気もする。
[2005/06/17 H.K.]
今日は趣を変えて、夜景の撮影と現像法について検討してみた。撮影・現像結果から2枚ほどギャラリーにアップしてみた。いずれも現在のアパートの窓からの撮影である。
これまで、どうしても夜景を撮るとボケたような絵しか撮れなかったのであるが、前回ダイナミックレンジということで話題が上がったので、ダイナミックレンジの拡大と限界について、調査目的の夜景撮影と現像法の検討である。結果としては自分では予想以上の結果に喜んでいる。
撮影方法としては、最も明るい部分が飛ばない程度まで、アンダーで撮影する。アンダーなので、シャッタースピードはそう遅くする必要もなく、手持ちで十分撮影可能である。現像は色温度5000Kと通常の現像と同じである。ただ通常のトーンカーブをかけると、ほとんど真っ暗になってしまうので、夜景用のトーンカーブを今回作成し、適用した。トーンカーブの形はヒストグラムの最も成分の多い部分にカーブを持っていく。レベル補正のような通常のガンマカーブでは絵が眠くなるので、相変わらずここでもS字特性をキープする必要がある。
結果的には暗い部分が拡大された形であるので、暗部ノイズと諧調の少なさが問題になる。20Dではノイズは、センサーばらつきよりも横縞ノイズ(電気ノイズ)が支配的であるが、暗部の諧調の少なさも目だってくる。ノイズレベルも12ビットという諧調レベルから言えば妥当なところと言えよう。20D単体でのダイナミックレンジも結構使い物になるという気がする。
[2005/06/14 H.K.]
今日も先先週末の撮影からの2枚である。先週はアパートで休養したので、新しい撮影はない。日本帰国までは、もう一度週末があるが、たぶん撮影に出ることはないと思う。
最近は食事も外で取ることも少なくなった。現在のアパートに引っ越してからは前と比べて居住性が良いせいか、部屋で過ごすことが多くなった気がする。香港では休みの日など、どこといわずに人がシートをしいて過ごしているのを見ることが多いのであるが、これも窓が少ないか、あっても周りの建物に圧迫されているケースが多いのであろう。外に出たい気持ちが理解できる気がする。
どうも最近はスパムメールが多い、Web用のメールアドレスなので、CGIを読み込まれて検索されているらしい。せっかくフォームメールにしてあるのに意味がない。ファイルの属性を変えてメールアドレスの入っているCGIを実行専用にしたが、すでにメールアドレスは読まれてしまっている。効果は今後2−3日様子をみないとわからない。
香港はもうすっかり暑い。日本はどうであろうか。最近はNHKも見えないので、日本の様子はネットで見るか、たまに行くラーメン屋で日本の新聞を見る程度である。3ヶ月ぶりの日本ももうすぐである。
[2005/06/11 H.K.]
今日も先週末の撮影から2枚ギャラリーにアップした。北角フェリー埠頭の撮影である。
今日は香港では休日である。出かけるまで気がつかず朝早起きしてしまったが、近くのカフェで朝食をとり、久しぶりにゆったりとした休日をすごすことができた。新しくひっこした、アパートは3面に窓があるので、となりのアパートと近いとはいえ開けている面もあるので、前のアパートと比べればずいぶんと開放的である。
今日は天気も良好、香港ももうずいぶんと暑い、窓を開けて冷房をいれて昼寝をすると気分は最高である。
さてPhotoshopCS2が発売されるらしい。32ビット処理機能も加わって機能拡張らしいが、32ビットのHDRは三脚使用が前提の露出ブラケッティングを使用するらしいが、どうも三脚前提というのは、私にとっては使えない。やはり、カメラ自体のダイナミックレンジを広げてもらうことに期待したい。
カメラのダイナミックレンジはビット数だけの問題ではない。ハイライトと暗部のノイズフロアとの比であるので、ノイズレベルの低下によって、ダイナミックレンジを広げることができる。同じカメラを使うのであれば、ハイライトの白とびをぎりぎりのところに設定した露出を使って撮影するべきで、あまりアンダーに撮影して、補正するとノイズが目立ってくる。わかってはいるが、白飛びがこわくてついついアンダー目に設定してしまう。
[2005/06/09 H.K.]
今日も先週末の135mmの絵をギャラリーにアップした。北角(North Point)あたりの街角の電気屋の店先と北角フェリーの埠頭付近である。このあたりは行きかう人も多く香港人の生活がもろに見える場所である。
今日から別のアパートに引っ越した。一年契約のアパートなので、通常の家具付きアパートで掃除にこないので、自分で掃除しなければならない。しかし、これで休日もゆっくり過ごせるし、もう少し落ち着いた暮らしができるとおもう。21階なので、相変わらず隣のアパートは近接しているものの空が見えるので、開放感がある。場所はオフィスも近く日本人の多い太古城(Taikoo-shin)のはずれで以前よりは高級感がある。
今度のインターネットはケーブルネットなので、有線テレビの同軸を使っているようだ。電話もそこから分岐している。まだ正規の電話番号ではないが、固定電話と同じく携帯電話や固定回線への通話は特に通常と変わらない。速度はまあまあということろであろうか。前のADSLはリンク速度は速いのであるが、バックボーンが込み合ってるらしく、夜は相当の速度低下がある。今回も夜は相当遅い。HKはバックボーンの整備が必要なのであろう。
[2005/06/03 H.K.]
今月末まではまだ香港である。ギャラリーには、先週のタイでの撮影から2枚アップした。来週は一年契約のResidencial Apartmentに引っ越すことになった。いままでは月契約の掃除つきService Apartmentであったが、これからはもっと落ち着いた暮らしができると期待している。長期契約のほうか機材を持ち込むことができるが、しばらくはノートPCの環境でがまんしようと思っている。
日本には今月末に一時帰国するが、撮影会に参加できそうなので、いまから期待している。電話のほうは、7600のVFJP設定でMMSが動かなくなったそうであるが、こちらでは、702NKのアクセスはさっぱりできなくなってしまった。以前にSHのVGS端末をタイでSIMの差し替えをしたらWEBアクセスができなくなってしまい、日本に帰るまではアクセス不可になってしまったことがあるが、パスワードでも変わってしまって、日本でアクセスしないと動作可能にならないのであろうか。まあ私の場合香港3契約の6630でインターネットアクセスもメールチェックもできるので、とりあえず問題はない。
VFJPがスパムメールの攻撃を受けたのか、どのように対策したのかはよくわからないが、基本的に機種制限とか、端末の設定変更を行っても一時的な対策にしかならないだろうし、弊害のほうが大きすぎる。ネットワーク側での対策に力をいれるべきだと私は思う。
[2005/05/31 H.K.]
また昨日月曜日に香港に帰ってきた。今週の先週の金曜日タイに出かける日はひどい雷と雨で、空港が一時クローズ、おかげで、バンコク着は夜中になってしまった。やはり休暇でいっているせいか、バンコクのほうが心が安らぐ。香港はどこへ行っても、人が多く、みんな大声で話すので、なんとなく落ち着かない町である。
それはさておきバンコクでの撮影から2枚ほどアップした。ファームアップ以来20Dもエラーが出ることもなくなったが、今回はあまり写真の枚数はあまり多くなかった。今回は前回と違いF1.4のレンズを持っていったので、だいぶ暗いところでの撮影もシャッタースピードを落とさず撮影することができたが、失敗が少なくなっただけで、撮影にはいくら明るいレンズを使っても一枚ごとに、シャッタースピードと絞りの関係には気をつけなければいけないということを感じてしまった。具体的にどうということは言えないが、どの絵にも最適なバランスというものが、後で見直してみるとわかる気がする。
携帯電話の話であるが、タイでも6680が発売され人気のようである。6630も以前に発売されていたのであるが、多くの人は見向きもしなかったようである。機能はほとんど同じなのにやはりデザインのせいか。香港と違ってタイに3Gはないのに結構持っている人をみかける。日本では7600のVFJPWeb設定が動かなくなったらしいが、702NKのウェブアクセスも香港からは動かなくなってしまった。VFJPも設定値をダウンロードしているようで、海外では何ともしようがない。HK-3の6680が使えるので、支障はないが、日本へのSMSの不可など、日本の事業者の動きはますます鎖国化になってきている。最近香港に長く住んでいるせいか、政治や経済についても日本は何をしているのかと思うことが多々ある。考え方まで日本離れしてしまったようだ。
[2005/05/26 H.K.]
今週も香港は雨が降り続いている。今は梅雨の季節なのであろうか。ギャラリーには先週末に出かけた赤柱(スタンレー)の写真を2枚アップした。一枚目は北角(North point)のバスターミナルでの撮影で、このバスで出かけた。香港は2階建てバスであるが、10年前はみんな2階はみんなオープンになっていた気がするが、今はビクトリアピークへのバスのみがオープンのようだ。
香港も晴れれば日向は暑いので、みんな木陰でやすんでいる。この日も日陰のない場所は人影もまばらにみえるが、実際の人出は結構多い。海水浴場も人がいっぱいであった。
早いもので、前回のタイ旅行からもう一ヶ月も経つ。今週末はまたタイに出かける。
[2005/05/23 H.K.]
先週末は香港も久しぶりに良い天気に恵まれた。ギャラリーにこの日の近所(北角North Point)の絵を2枚ほどアップした。天気が良ければ香港も派手な色を出すことができる。晴天の色が好きというわけではないが、曇りの日の色調というのは見る環境によって、だいぶ感じるところがちがってくる。NotePCでの検討では非常に難しい。
この日は香港の観光地のひとつである赤柱(Stanley)に出かけた。赤柱は香港島の下側(外海)に面しており、北角からバスがでている。地下鉄は香港島と九龍の間の内海沿岸しか走っていないので、交通手段はバスしかない。しかし、ビルの壁で息がつまる町なかとは別世界、きれいな海岸線をバスが走っている。
赤柱は、南沿岸の先端で、名前は忘れたが、昔映画音楽で有名な外国の舞台となったところである。10年以上前にも一度来たことがあるが、せまいお土産やの路地ばかりが記憶に残っていた。いまもそこは変わらず、この路地をとおらないと海岸にはでられないみたい。しかし、晴天と開放的景色で、先週の撮影よりは気分が乗って数十枚の撮影となった。赤柱まで行かなくとも途中での景色の良いところがあるので、また行ってみたいバス路線である。
[2005/05/21 H.K.]
今週の香港はひどい雨の日が続いたが週末はなんとかもちなおしそうである。さて、前回の撮影から2枚ほど追加したが、前述のようにとてもアップできるレベルの写真ではない。
今日は写真が不調ということもあって、ノキア携帯電話の話をすこし。7600のVFJPにおけるMMSの設定については、詳細をBBSの3月8日付けで書き込んであるが、この設定に関しては702NK、6680、7600に共通である。ただVFJPの設定なので、ボーダフォンのSIMでなければ意味がない。最近ノキアJapanからの設定値が日本国内にSMSに届くということで再チェックしてみたが、結果的にはそれらしい設定は送られていない。
そもそも海外からのSMSが日本に届かないこと自体、クローズな日本の事業者の形態を表しているが、設定値などをオープンにする気などさらさらないらしい。設定されたVFJPの値は702NKからは通常読み出せないようにロックされている。香港事業者の設定値は公開されているし、ノキアからの送信値も完全で、さらにその内容もエディットできる。(さすがにパスワードは見えないが、公開されている)
そんなこんなで、日本では6680はおろか6630も依然発売されていないようで、新製品は海外から購入するしかない。そういえば6680の日本語化は時間がなくてさっぱり進んでいない。
[2005/05/18 H.K.]
前回はタイの写真を終わりにして、香港の写真をと言ってしまったが、どうも写真を撮りたくなるような晴天には恵まれない。先週末は35mmをつけて、香港の観光地のひとつであるビクトリアピークに行ってきた。ミラーアップの問題は解決したようであるが、ただあまり気分が乗らず数枚撮影して、帰ってきてしまった。
ビクトリアピークは初めてではないが、香港の夜景を見るにはあまりにも有名なところである。アップした写真にもあるが、のぼりはピークトラム(山頂電車)と呼ばれるケーブルカーで行くのが定番らしい。HK$30(500円弱)であったが、帰りのバスはHK$9.20(150円)なので、やはり観光客向けか割高である。香港に来たらオクトパスと呼ばれる非接触カードを購入するのがよい。交通機関のほとんどと買い物に使用できるので、トラムもバスもこれ一枚で支払いができる。
観光案内はともかくとして、写真の出来は最悪。ピークトラムの写真などはせっかく1.4のレンズを使っているのに被写体ブレをおこしている。やはりAvモードでなくTvモードの露出を使うのが失敗が少ないようだ。最近撮影に対する集中力が低下している。
[2005/05/15 H.K.]
香港にいながら、最近はタイでの写真ばかりで心苦しいので、今回の2枚で終わりにしたい。EF10−22でのポートレートはどんなものかということでKOIを相手に撮影を試みたのであるが、やはりポートレート向きのレンズではないようだ。とにかく暗い。ストロボはあまり好みではないが、ストロボを使わないととてもまともなシャッタースピードにはならない。三脚でもつかえばよいのであろうが、これも小旅行では持ち歩くことはできない。とにかくポートレートは難しい。彼女に言わせればこれも没の写真である。
最後の写真はとにかく暑い中彼女の後姿をいれての公園でのスナップである。このときはerr99の出まくりでとにかく撮影どころではなかった。暑い雰囲気を出すために現像時にオーバー補正しているが、あまりうまくいっていないようだ。
[2005/05/12 H.K.]
今日の香港は久しぶりに晴れた。晴れたといっても雨が降っていない程度でカラッと晴れるわけにはいかないようだ。今週はタイでの撮影をアップしている。EF10-22のレンズも絞れば22mm域では結構シャープに写るようだ。
今回のタイはかなり緑がきれいだった。緑の表現については、昔から悩みの種であったが、きれいな緑はきれいに写るものだと思う。アップした写真は、結構色飽和をおこしている。AdobeRGBをワークスペースとしていので、作業中は色飽和をおこさないが、最後にモニタープロファイルに変換する段階で色飽和をおこす。
実際にプロファイル変換前後のイメージはヒストグラムをみない限り差は感じないので、この程度の色飽和は許容範囲であろう。かなりの硬調トーンカーブを使用しているので、プロファイル変換時の色飽和は起こしやすい傾向にある
[2005/05/10 H.K.]
今日の香港もひどい天気。昼から暗く雨が続いている。それでも、昼休み時にはいったん雨がやみ太陽がでてきた。これで悪天気も終わりかと思ったが、それも一瞬一時間後には再び雨が降っていた。激しい変化は南国を感じさせるが、完全な熱帯ではないらしい。それとも今は梅雨時なのか。今週はずっと雨の予定らしい。
香港の天気はともかくギャラリーにバンコクの写真を2枚追加した。今回のアップと同時に前回からのバンコクでの写真は私のNotePCのプロファイルで出力し、プロファイルを削除している。色が濃く表示されると思うが、私の液晶でみれば、調整した状態と同じである。前回のギャラリー上の香港の写真はプロファイルの設定は日本のCRTプロファイルである。
久々に能書きを述べておくと、私のこのNotePCは一応ガンマ2.2、色温度6500Cにキャリリブレートしている。キャリブレーションプログラムは何をするかというと、表示のためにガンマを設定し、指定された色温度のグレーバランスをとる。つまり、モノクロの絵をモノクロとして表示できるように調整し、デバイスプロファイルを作成して、Windowsにデバイスプロファイルファイルとして保存する。このファイルはsRGBなどの論理プロファイルからの違いを保存するが、IEで表示するときはこのファイルが参照されることはない。WindowsのファイルブラウザあるいはPhotoshopが絵を表示するときは、このファイルが参照され、添付された論理プロファイル名にマップされるので、正しい色が表示される。
私がWebアップするときsRGBプロファイルを使わないのは、IEがこの論理プロファイルを使用しないので、表示色あいが異なってくるからである。しかし、私か自分のモニタのプロファイルをつけたとしても他のPCではこのプロファイルを持っていないのでまた同じ色を表示することができない。しかし、他の人が私のモニターと同じような特性のモニターで見ているのであれば、プロファイル対応しないIEではほぼ同じような色で見ることができると考えるからである。ただ他の人のモニタープロファイルがsRGBからずれているより、私のモニタープロファイルからずれているほうがより小さいかおおきいがは私が知るすべはない。
[2005/05/08 H.K.]
今日の香港はせっかくの日曜日だというのに、雷の鳴り響く雨が続いている。まあ今日はもともとアパートで静かに過ごそうと思っていたので、天気はあまり関係ない。という訳で今日もバンコクでの撮影から2枚アップした。
こちらのテレビではEOS350Dを盛んに宣伝している。KISSDNの海外版であろうか。KISSもかなりボディサイズが小さくなったようである。やっとDSLRも小型化に向かい始めたのであろうか。1.3倍センサーの新機種のうわさもちらほらであるが、20Dサイズであろうか。とにかく1D系は大きく重過ぎる。できるだけ早く外形小型でセンサーサイズ大のDSRを出してもらいたいものである。
ただカメラは携帯とは違ってまだ日本製が一番である。日本にいないとタイムリーに購入というわけにはいかないようである。ただ6月の帰国時にでているとは思えないし、まだまだ20Dを使いこなさなければならない。
[2005/05/05 H.K.]
今日も香港は出勤日、日本の休みをうらやみながらも仕事にいそしんだ。仕事のほうもなんとかうまくいって、順調に行きだした。最近はカメラの不調といい、WEBのサーバー不調などで、落ち込んでいたところであるが、ひとつひとつなんとか順調に対策が進んできた。何事も中途半端な対策でお茶を濁さず、地味地にひとつひとつ全体を理解して先へ進むことが大切だということをかみ締めている。
ギャラリーには先週末のバンコクでの撮影から、2枚アップした。出先のノートPCからは色調がわからないので、sRGBでアップしているが、Photoshop上で見たときよりは、色が薄めになっている。モニタープロファイルに変換してからプロファイル削除でアップしたほうが、見た目に近いとも思うがCRTでの表示がどうなるか今一不安である。
さてここしばらくは、10−22mmを多用したが、やはり少し暗いところが難点であろうか、日中でも日陰はかなりシャッタースピードが落ちて手ぶれをおこしてしまう。撮影はほどんど開放である。22mmで使えばきにならない周辺の収差とボケであるが、10mmまで引くとかなり気になる。中央部の甘さもズームのためしかたないのか。そろそろ35mmにもどろうかとも思っている。
[2005/05/03 H.K.]
昨日Bangkokから香港に帰ってきた。久しぶりのタイであったが、香港とは比べ物にならない圧倒的な開放感。圧倒的な暑さ(37度)の中で食べるタイ料理の辛さがたまらない。やはり住むならタイだと思う。という訳で、タイでの写真から2枚アップした。一枚目はくすんだ色になっているのは汚れたホテルの窓ガラスを通しているので、しかたないが、圧倒的な光の強さはタイの色彩を作り出す。
広角レンズ一本ではりきって撮影と思ったのであるが、20DがErr99を続発させて、カメラが使いものにならない。何とかカメラをなだめながらの撮影となったが、この状態では撮影への意欲もそがれてしまう。どうもミラーアップがうまくいかず、ミラーアップ時の反動でもどってしまうらしい。カメラを固定するとエラーが出やすくなるし、レンズを付けたほうが、固定される分ミラーがもどってしまうらしい。
タイや香港では修理に出すわけにもいかず。また買い替えかと思ってしまったが、まだ半年、10Dはミラーアップがもどらなくなったし、今度はミラーアップが固定されない。なんという品質だと怒っていたが、香港に帰ってキャノンのWEBを見るとファームアップの知らせ。早速ファームを1.1から2.0にすると無事に無問題になった。温度が高くなると電磁マグネットの力が弱まり、タイで発生したらしい。HKでもも最近は暑いので発症が継続していたが、ファームの変更で電磁マグネットの吸着タイミングを早めに変更したに違いない。1.1のときも同じような問題があったようであるが、今回はこれに関する説明はなし。日本もこれからの夏を考えれば、不良が頻発するところだったであろう。
[2005/04/28 H.K.]
サーバの更新が完了したらしい。ずいぶんと長くページの書き換えができなかった。更新によって外部プロバイダからのFTPが可能になったようだか、アクセスログがまだ動作していない。案内によるとPerlのバージョンが上がったためのようであるが、またCGIを見直すには時間がいる。
時間がないといえば、いろいろページの更新もしなければならないし、まだ10Dのページとなっているところは20Dのページに直したいし、現像法なども含めて最新の情報に更新したいところである。6680の日本語化も進展していないし、写真を撮る暇もないし、香港に着てから結構自分の時間が少なくなった気がする。
ギャラリーは九龍公園付近での撮影を追加しおいた。こちらはゴールデンウィークはないのであるが、5月2日はメーデーの振り替え休日らしい。この週末を利用して、明日29日からタイに出かけることにした。日本からと比べずいぶん近くなったので、航空料金も安いチケットなら3万円程度である。荷物を軽装ででかけたかったので、20DとレンズはEF10-22の一本のみとなってしまった。タイでこのレンズを使ったことがないので、まあいいかというところである。
[2005/04/26 H.K.]
サーバーの更新中とのことで、このところ閲覧はできるようであるが、書き込みが不可の状態になっていた。ということで更新遅れの言い訳にしている。こちらは半ドンとはいえ土曜日出勤はちょっとつらい。香港でも反日デモがあったらしいが、平和裏で暴動などはない。
ギャラリーには前回撮影の10−22mmの絵をアップした。前回このレンズは良いとかいたが、等倍ピクセルで見るとやはり、ズームレンズ特有の甘さがある。やはり単焦点レンズが良いと思うが、Lレンズもこのクラスはどれも高価である。Lレンズでないと周辺の色収差が気になる。ということで、レンズの購入は控えている。フルサイズにしたいところであるが、1D系のあの大きさはたまらない。小型なフルサイズ機のうわさはまだないようである。
話はかわるが、オフィスのショーケースをみたら、Nokia 6680と3230のモックが展示されていた。私の勤め先の他の部門ではあるが、Nokiaの携帯を販売している。実はこれが、会社の主な収入源だったりする。以前7250を購入しようと思ったら品切れだったので、聞かななったが、6680等新製品の実際の品物は香港でも潤滑に出回っているのであろうか疑問である。日本での発売は日本語化よりも事業者との折り合いで、中々発売されないようである。日本は携帯電話鎖国である。
それにしてもアジアにおける反日感情等、最近日本は世界の中でどんどん孤立していくのではないかと憂慮している。
[2005/04/19 H.K.]
ギャラリーに先週末の近所での撮影から2枚アップした。この辺は以前に住んでいたところに比べて下町で、日本人も少なく、とにかくあまりきれいではない。写真にはいいのかもしれない。EF10-22F3.5-4.5での撮影であるが、F1.4のレンズを使い慣れるとかなり暗い。 日中開放撮影でも手振れがでてしまう。
今回はズーム22mmよりの絵をアップしたが、22mmであれば周辺色収差もさほどめだたず、Lレンズと比べてもそう悪くはないような気がする。やはり香港での撮影はこのぐらい広角でないと全体の様子のわかる絵は撮れないものである。現像についてはCRT用のプロファイルが使えないので、sRGBでの出力にしてある。
Nokia6680に関しては日本語化の最中でだいぶ良くなってきたが、まだまだである。こういう作業は時間との戦い。仕事も忙しいので、いつになったら完璧になることやら702NKのデーターを移して日本語化するのであるが、うまくいったら本一冊ぐらいかけそうである。スマートフォンはいろいろいじれるので、興味がつきない。
[2005/04/17 H.K.]
今日は休日とあって、近所の撮影をした。結果はおいおいギャラリーにアップするとして、Nokia 6680購入記念ということで、6680で撮影した写真を一枚ギャラリーにアップした。カメラとしての性能は期待するほうが間違っているが、撮り方としては大きなカメラを構えて撮影するのとは違って、撮れる絵の種類も変わってくる気がする。
Nokiaの携帯カメラの場合、中心部と周辺部の色温が違っているのが気になるが、なぜなのであろうか。6630よりもこの傾向は薄まった気がするが、暗い場面ではまだ気になる。
購入した6680は64MのRS-DV-MMCがついていたが、256Mもこれ用に注文済みで明日には入手できそうである。
[2005/04/16 H.K.]
今日も前回撮影の在庫から2枚ギャラリーにアップした。明日はもう撮影に出かけないと在庫がなくなってしまった。天気はあまり期待できないが、EF10-22を付けて近くをスナップしてこようと思う。
今日は半ドンの仕事がえりにNokia 6680をゲットしてきた。土曜日入荷ということで前回のCSLショップに行くと予約で一週間の待ちだとのこと。それでも予約するというと、品物を出してきて難なく即ゲットとなった。価格はMMCリーダーライタが付属してHK$4988、日本円で7万強である。もちろん中文仕様のSIMロックなしであるが、チラシを見ると、契約によってHK$3000以下にはなるようであったが、居住者でないので、事業者契約はできないので、定価購入である。
購入したのはCSL(one2free)の品物であるが、CSL用にカスタマイズされている。香港では3Gの事業者は3社あるが、それぞれカスタマイズして同時発売しているのであろうから、Nokiaもたいへんである。CSLの品物しか見てないが、SIMロックなし、アプリ制限なし、AAC再生制限なしを除けばVodafoneの702NKのように、いらない事業者アクセスのアイコンが消せないなどカスタマイズの状況はそっくりである。それでも前記3点の制限なしは定価購入の価値はあると思っている。
ソフトは基本的に6630とほとんど変わらない作りであるが、それでもいくつか改善されている。待ちうけ画面にGoto用のアイコンを常駐させることができるようになった点などの変更や細かなバグは改善されているところもある。形状は下膨れでなくなった分小さく見えるし、実際カメラカバーを含めても6630よりも薄くなっている。ただカバーは少しギシギシする感じで持った感じが落ち着かない。アプリは制限がかかっていないので、unSisで解凍する必要がないが、電話機の繰作なので、unsisでPCからコピーしたほうが、簡単である。
AACを標準プレーヤーで再生できるようになったのはうれしい。oggplayよりも動作が早いし、音も良くなった気もする。ただ中文仕様であるので、漢字は表示できるものの日本語対応ではないので、日本人が日本で使う目的にはお勧めできない。いろいろ評価結果でも書きたいが時間もないので、BBSで断片的にしか紹介できないと思う。
[2005/04/14 H.K.]
このところの香港は、雨もあって少し寒い日が続いた。まだ週末がないので写真撮影に出かけていない。従ってまた前回の撮影在庫からのアップで申し訳ない。
今日はNokiaの6680がCSLから発売開始という情報を得て仕事帰りにCSL shopにでかけた。shopには情報どおりモックがならびデモ機をさわらしてもらえた。さかんに回線契約をすすめられたが、レジデントではないので、端末購入しかできない。いざ購入しようとすると、物は土曜日までないとのこと。デポジット払えば土曜日には入手できるらしいが、一軒目だったのでまた来ると言って他の店へ。
他の店も結局同様で今日入手することはできないらしい。週末にははいりそうだがデポジットを払ってないので、わからない。わかったことは発売の宣伝はしているが実際の入荷は今週末らしい。
デモ機をさわった感じでは6630よりはコンパクトにできている感じ。ただ背面のカメラカバーが全体の厚みを大きくしている気がする。
[2005/04/11 H.K.]
10日ぶりに香港に帰ってきた。これからも先が長いと思うと香港もホームタウン帰って来たという表現になってしまう。どうしたことか一週間前は日本の寒さと同じと思ったが、もう香港は28度と夏の暑さである。日本への帰国時も何かといそがしく、写真を撮る精神的余裕もない。とりあえず前回の撮影の続きをアップしてお茶を濁さざるを得ない。
今回は居住型のアパートを用意してくれるとのことであったが、見つからなかったらしく、月ぎめ掃除つきのサービスアパートになってしまった。今回は前回よりも格がおちて、狭い安宿のようなところで、おまけに禁煙とあって、ふんだり蹴ったりである。
でもこちらはしかたがないのかもしれない。朝のエレベータなどは身なりのしっかりした欧米人がでてくるので、みんなこういうところでがんばっているのだなと考えなおすことにした。インターネットはもろADSLで、部屋の中の電話線にモデムがつながっている。日本のブロードバンドテストで実質2M以上出ていたので、結構早い方かもしれない。狭いながらも楽しい我が家にしていかなければならない。
[2005/04/06]
もう日本の滞在時間も僅かとなってきたが、短い時間の日本滞在とあって、なかなか写真を撮る暇はもちろん、現像法の検討する時間もとれない。ギャラリーには帰国前の香港での写真を2枚追加した。日本でのアップはsRGBではなく、CRTモニタプロファイル変換後のプロファイル削除としている。
現像後の絵の色調も液晶と比べればだいぶ雰囲気も違う。液晶ではもっと硬調で良いかと思ったが、CRTで見るとこれ以上硬調にするわけにいかないなという気がする。モノクロ仕上げの場合はもう少し硬調にしたほうが、よいかもしれない。
この日の撮影はレンズのAFが信用できないので、MF撮影としたと述べたが、やはり自分的にみると絵が良くなった気がする。一枚一枚どこにピントをあわせるべきか考えることが必要だということなのであろう。
[2005/03/30]
昨夜遅く帰国した。一月ぶりの日本であるが、日本の雰囲気は良しにつけ悪しきにつけいつもの日本である。香港とはまた違うということを実感する。家のCRTモニターも液晶とはだいぶ違う雰囲気の色調である。
さて今回も香港での撮影から2枚アップしているが、フォーカスをマニュアルにして撮影してある。というのも26日の撮影を見るとどうも合わせたところにピントがあっていないことに気がついたからである。ついついの面倒くささにAFにしてしまうが私の35mmはどうも後ピンであるようだ。室内で何度もマニュアルとAFとを比較して、MFのほうが疲れるが、はるかにピントが会っている。
このレンズだけ後ピン傾向であるが、レンズのピント精度が悪いのはわかるが常に後ピンになるのはどういう理由なのか理解できない。調整に出せばよいのであろうが、そんな時間もないし、今後マニュアルでピントあわせをすることに決心した。室内の絵はMFで調整して、ホテルの色温度の悪い照明の中で、手持ちで苦労しながら撮影したものである。
という訳で、26日の絵は使い物にならないということで、同じような天気であったが、同じ場所をもう一度撮影した。やはりAFで撮影するのとは違い、MFはピントあわせに時間がかかるし、一枚の写真にかける集中力も増す。他人からすれば違いはわからないかもしれないが、自分にしてみれば、少しはまともな絵がとれた気もする。やはり、写真の撮影にはただ写すのではなく、一枚一枚の撮影に集中することが必要なのであろう。
[2005/03/26 H.K.]
香港の今週末は期待に反して雨模様。それでも今日はカメラを持って出かけ、オフィス周辺を少し撮影してきた。その中から2枚ほどアップした。曇りの淡い色調はそれなりに良いと思うがノートPCの液晶では、なんとも良くわからない。
ここしばらくは現像法の検討はお休みしているが、これもディスプレーの性能が今一たよりないせいである。来週は一月ぶりに帰国するので、撮影データーをみなおしたい。ただまた来月10日からはまた香港。今後の生活基盤は香港になるということで、しばらくして住居が固定したら、ディスプレーでも購入したいと考えている。
ディスプレーの選択であるが、CRTのほうが発色が良いと思っているが、香港でCRTを購入するのもなんなので、液晶ディスプレーの良いものを物色しようと思っている。液晶の場合はなんといってもバックライトの種類によって特性の良し悪しがでてしまう。LEDバックライトの液晶もでているようなので、香港で手に入るかどうか調査しなければならない。
いずれにしてもだいぶ先のことになると思うが、良い表示装置がないと、写真の撮影も現像法の検討にしても意欲がわかないというのが実情である。
[2005/03/24 H.K.]
今日の香港は晴れていた。最近は晴天の日もちらほらとあり、だいぶ暖かくなった。まだ日本は寒いようであるが、こちらは暖房設備も日本のように強力でないので、暖かくなるのはうれしい。ギャラリーアップも2枚追加したが、もうこれで在庫もなくなってしまった。
こちらは明日から月曜まで連休とあって、オフィスも事前休暇の人も多く、休み前の静けさである。私は明日帰国の予定であったが、来週はじめに日本からの来客とあって、29日まではこちらの滞在である。明日からはホテルに移って休みが続くので、街中の電気屋でもまわってみようと思う。さすがにカメラ関係のパーツは日本のほうがそろっているが、携帯電話関係はこちらのほうがずっと豊富である。
この機会に香港での写真撮影も取りだめしたいところであるが、こちらは天気しだいということになりそうである。インターネットは香港の地図サイトはみつけたが、天気予報サイトはまた適当なものを見つけていない。広東語はさっぱりで英語の生活で日本との電話ぐらいしか日本語をしゃべる機会もない。英語もあまり通じない町ではあるが、いいところを見つければそう過ごしにくい町でもない。
[2005/03/21 H.K.]
今日香港は雨模様、昨日はいい天気であったようであるが、頭痛がとれず、体調不良で、一日中寝てしまった。回復したのは夜おそく、今日の仕事には差し支えないという悲しいサラリーマンの嵯峨であろうか。そういえば、日本は今日も祝日ということで休みだったらしい。日本を離れると日本のことにも疎くなってくる。来週末はこちらの祝日が続くので帰国の予定であったが、都合で一週間ほど帰国が遅れそう。土曜は半ドンとはいえ出勤なので、疲れもたまりぎみである。日本に帰ったら少しの間でもゆっくりすごしたいものである。
そんなわけで、ギャラリーアップも前回撮影の在庫消化になってしまった。公園の日陰の撮影とこちらではちょっと意外だった。ビルの中のアイススケートリンクのスナップである。このように消化アップを繰り返すと我ながらつまらない絵が多いと思ってしまう。ポートレートの絵はなんとか気持ちが感じられるが、スナップというのはただ写っているだけの絵になってしまうのはなんともしがたい。やはり気合がたりないのか。
現像法もこれまで、すべて共通の方法を模索してきたが、銀塩写真家がフィルムを選ぶのと同様に場合によって現像法を変えてみるのもよいかなどとも思ったりしている。モノクロ仕上げなどというのも検討してみるのもよいかなと思っている。ただそういう試行錯誤を読者につきあわせるのもどうかという気がするので、これらの作業はしばらくは、一人ひそかに検討するものかとも思っている。
[2005/03/19 H.K.]
今日午後はウェブもメールも停止していた。渋谷での土木工事ミスによる停電のためらしいが、こんなこともあるらしい。香港は午後から久々に晴れてきたようである。明日もよい天気なら撮影に出かけてみたい。ギャラリーには相変わらず前回の撮影から2枚アップした。
今日は久々に現像法に対する実験をしてみた。なんとかダイナミックレンジの拡大ができないかという試みである。ダイナミックレンジは明度飽和をおこすレベルとノイズレベルとの比であるが、このクラスのカメラでは60dB強が確保されているようである。RAW現像の12Bitsは72dBのレンジがあるので、もう少し改善できないかという検討である。
実験ではISO値をかえての撮影と16bits現像で行った。デジタルカメラにおけるISO値の変更はアナログ部分でのゲインの変更で行われている様なので、このアナログアンプ部にノイズがなけれは、ISO値を変更しなくともアンダー撮影したものとISO値を上げて撮影したものは暗部ノイズは同じになるはずである。しかし、現実にはアンダー撮影したものは暗部ノイズが大きいという結果になってしまった。
これは何を意味するかというと、アナログアンプ部がノイズをひろっているということで1Dの初期に横縞ノイズが問題になったが、アンプ部が回路ノイズを拾っているためと理解できる。ISO100撮影ではセンサーノイズよりこのノイズが多いということがいえる。ISO400程度ではセンサーノイズの方が大きい。ローノイズにするにはISO100撮影が良いことにかわりはないが、暗い場合にはアンダー撮影するよりもISO値を上げたほうが良いという一般的な結論にいたってしあった。
この手のダイナミックレンジは通常問題にならないレベルであるが、黒バックのポートレート撮影では気になってくる場合もある。アナログアンプのノイズ耐性はカメラに限らずどのような電子機器でも重要な要素で製品の質というものを計る大きな要素である。まあ20Dクラスの製品レベルには適正な値なのかもしれない。
[2005/03/16 H.K.]
今日も香港は曇り空、オフィスから見る九龍側のビルも霧に霞んでいます。それでも最近は序所に暖かくなっているようです。室内で震えて過ごすこともなくなりました。ギャラリーも前回の撮影の在庫消化というところで、2枚追加しました。
香港にいるということで、PCも英語バージョンのXPをもらったディスクトップにインストールして使っていますが、メニューが英語なだけで、日本語の表示も入力も可能です。ただ日本のソフトはインストールができなかったり、インストール途中の表示がさっぱりで、閉口しています。でもちゃんと設定さえできれば、使用上こまることもないようです。
日本用の携帯の702NKも英語表示で使っていますが、フォントもきれいでこのほうがすきです。こちら用の携帯の7260も中文仕様ですが、英語メニュー表示で、使っていますが、ほとんどの日本文字も表示されるようで、電話帳などはそのまま使っています。近く発売されるであろうNokia6680の中文仕様もフォントを追加すれば日本語メールなども問題なく表示できるであろうと思っています。ただ日本語の入力はできないようですが、私の場合そのような使い方はしないので問題ないのではないかと思っています。
どうなんでしょうか。技術の進化とか国際的な交流という面で、言葉の違いということで、障害になっていることが以外に大きいのではないのでしょうかね。インターネットで、多くの情報が世界を駆け巡っているのに、日本人はそれを見逃していることが多い気がします。
今日も香港は曇り空、オフィスから見る九龍側のビルも霧に霞んでいます。それでも最近は序所に暖かくなっているようです。室内で震えて過ごすこともなくなりました。ギャラリーも前回の撮影の在庫消化というところで、2枚追加しました。
香港にいるということで、PCも英語バージョンのXPをもらったディスクトップにインストールして使っていますが、メニューが英語なだけで、日本語の表示も入力も可能です。ただ日本のソフトはインストールができなかったり、インストール途中の表示がさっぱりで、閉口しています。でもちゃんと設定さえできれば、使用上こまることもないようです。
日本用の携帯の702NKも英語表示で使っていますが、フォントもきれいでこのほうがすきです。こちら用の携帯の7260も中文仕様ですが、英語メニュー表示で、使っていますが、ほとんどの日本文字も表示されるようで、電話帳などはそのまま使っています。近く発売されるであろうNokia6680の中文仕様もフォントを追加すれば日本語メールなども問題なく表示できるであろうと思っています。ただ日本語の入力はできないようですが、私の場合そのような使い方はしないので問題ないのではないかと思っています。
どうなんでしょうか。技術の進化とか国際的な交流という面で、言葉の違いということで、障害になっていることが以外に大きいのではないのでしょうかね。インターネットで、多くの情報が世界を駆け巡っているのに、日本人はそれを見逃していることが多い気がします。
[2005/03/13 H.K.]
今週末も香港は雨と曇りである。まだ寒い。バンコクと緯度もそう違わないはずであるのに、寒がりの私にはつらい。まあこの季節は三寒四温序所に暖かくなるに違いない。今日も先週末のQuary Bayでの撮影から2枚追加した。今回は135mmの絵である。
こちらでの生活もなんだかんだいいながら、やっとなれつつある。昨日は街中から海沿いのビルにオフィスが移り、海沿いの窓際に個室をもらった。気分はエグゼクティブである。こちらはどこも高いビルが隣立しており、窓のそばは壁で、閉所感があるのであるが、今度のオフィスは半分ではあるが、海に開けているので、開放感がある。アパートからオフィスまでも徒歩10分の距離となったので、通勤も楽になった。
[2005/03/08 H.K.]
今日も前回に引き続き先週末の撮影から2枚ギャラリーにアップした。やっと開けたところに出てきたという喜びの撮影である。対岸は九龍側である。香港中心部のビルに面したウオーターフロントとはだいぶ東に離れているので、田舎の感じがするが、対岸は世界一着陸が難しいとされたカイタク空港の辺であろうか。現在の空港はだいぶ西の島に移動している。
香港での写真撮影も始めたばかりなので、よい場所がないかと物色中である。ごみごみとした街中はある種フォトジェニックであるが、あまり他人に向かってシャッターを連射するのは気が引けるので、とりあえず私の場合は風景・建物がいいかなと思っている。
今回は35mmと135mmを持参してきているが、とりあえずは35mmの写真で腕慣らしというところである。ただ20Dに変えてから、どうもピクセル等倍での観測では解像感がいまいちという気がする。最近は十分絞って撮影しているが、あまり解像感があがらない。センサー画素数が上がってレンズの性能が追いついていないのかもしれない。AFがずれているのかもしれない。
風景の撮影では絞ってある関係で、ピントはAFにまさせている。ここは基本に立ち返ってマニュアルでじっくりと撮影して原因を探ってみなければならない。
[2005/03/06 H.K.]
香港に来て初めて太陽の顔をみた。昨日午後と今日はすばらしい晴天となった。午前中は連日の疲れから寝ていたが、午後から始めての地をカメラを担いで散歩することにした。ギャラリーにとりあえず2枚をアップした。
こちらは背の高いアパートが隣立しており、まわりは建物ばかり、町の中にいるとどちらが海で、どちらが山なのか方向音痴のわたしには全くわからない。ネットで地図をみて出かけたが、海方向に行くつもりが、やほり間違えてどんどん山のほうへ、おかげで、高台から、それでもビルの谷間から海らしきものを見つけて何とか位置関係がつかめたというお粗末な結果である。
とにかく多少上っても九龍と香港の間の水面はそう簡単にみることができないほど高い建物(住んでいる付近はほとんどアパート)がひしめいている。やはり広々としたところに出て心をなごませたいというのが、香港に住んでの最初の感想である。
[2005/03/02 H.K.]
香港に着てからまだ晴れた日がないまま、ほぼ2週間がたとうとしている。それでも環境作りはまずまずというところで、住居もホテルからインターネット接続のあるアパートへ移り、電話もGPRSとMMSも契約をすませ、香港の日本人クラブへの入会も果たせた。しかし写真ということになると、なかなか時間もとれずまだ今回は撮影に出かけていない。という訳で、今回も前回の撮影会から2枚アップしている。
今回は香港の携帯電話事情ということでちょっと書いておきたい。香港の携帯電話は世界最大の激戦区というこで、10近くの事業者電波が飛び交っている。また3Gに関しても多くの事業者がサービスインしている。日本か持ち込んだ702NKも何の問題もなく使えるのであるが、前回、遠慮しながら使ったGPRSのローミング料金が一週間で5万円となったことで、現地のSIM(3-DualBand)を日本で契約して使っている。ただGPRSやMMSは別のオプション契約をしないと使用できないようで契約追加した。GPRSは一般額(日本では0.2円/packet、香港では0.15円/packet)の1/10コースで使用している。GSMのGPRSなので低速であるが、前回のようにPCを接続したりしていないようなので、そこそこである。ただピーク時にはGPRSもつながりにくいようである。
MMSに関しては、どういう機能がMMSであるのかは定義がはっきりしないのであるが、通信手段としてはパケットをつかったメール機能である。この点でいえばe-mailも含まれるが、機能的な違いは事業者のメールサーバーを使用するので、メール着信の通知が行えることである。しかしパケットのみでの着信はできないので、通知としてSMSが使われる。このやりかたは日本のVodafoneも香港でも同じ様であるが、3-DBでは事業者外からのメールを受信しないようで、同じ事業者内のメール交換と外部へのe-mailの発信のみが可能である。メールアドレスは電話番号がそのままユーザー名になっているが、外部のe-mailから返信しても届かないので、あまり使い道がない。
電話機の機種は様々なものが出回っているが、GSMのみのものが小型で持ち運びに便利である。私の場合、Nokia7260の黒を購入して、シャツの胸ポケットにタバコと一緒にいれても余裕である。この機種の色を購入時に迷ったが、その後Nokia純正の白のケースがHK$198(日本円3000円)で売っていたので購入した。特殊ドライバがないので今は交換できないが、電話環境は一応万全となった。
[2005/02/27 H.K.]
今日の久々の休日は、外へは出ずに休養ということで、アパートという長期滞在用ホテルの部屋でなにもせずに過ごしてしまった。まあネットもつながっているし、テレビもNHKが入るので、そう退屈ということではないが、なんとなく日本の家で過ごすのとは違い、なにか足りないものを感じてしまう。それにしてもこちらに着てからは晴れた日がない。ヨーロッパでもないのに冬はこんな感じが普通なのであろうか。
さてギャラリーには前回の撮影会の絵を2枚追加した。毎回の撮影会は通常事務所所属のプロのモデルではなく、素人のアルバイトである。こちらも素人ということで、どうポーズをつけるとかは手探りの状態である。それでもある程度経験のある人があれこれと指示しているが、なかなか難しいものである。以前はプロの先生がいろいろとセットアップしてくれたのであるが、最近はまた手探りの状態である。
やはり、モデルも人間、声をかけあって愛情をもって撮影しないとよい表情をしてくれない。写真はただ撮影すればいいものではない。これは絵を描くとは違った芸術観で、なかなか難しいものである。ここでは現像法の検討というのはわずかなファクターでしかないと思えてくる。
[2005/02/25 H.K.]
香港に着てからどうも晴れの日がない。日のでたことは前回のときとあわせて2回だけである。それも一瞬であったが、香港の街中のことで空は少し見えても太陽を直接拝むことはできずにいる。カメラは持ってきたが、土曜出勤ということで、今週も写真を撮りに出かけることは望み薄である。さてギャラリーに撮影会での写真を2枚追加した。やはり、曇りの景色よりはギャラリーも華やぐ。
今回の撮影会では特に手振れが多かった。多くの絵を撮影したのであるが、手振れのない絵を探すのに苦労してしまった。三脚を使用して絞るのが良いのであろうが、動けないとなかなかいいチャンスが訪れない。F2.8のレンズは暗すぎる。やはり、F1.2が結果的に威力を発揮したようである。ピントが薄くならないように絞りぎみで撮影したのであるが、ある距離離れれば開放でもそんなに薄すぎるということもないようである。今後のポートレートはこのレンズを開放で多用したいと思う。EF35mmF1.4Lも全身を撮るのに必要であるが、こちらは絞らないとピンが合わない気がする。
ライティングに関しても今回は失敗があったが、黒バックの撮影場所が暗かったせいでもある。アイランプだけでは光が足りないせいもある。自然光との併用でなんとかうまくいったという気がする。またポートレート撮影に挑戦したいが、しばらくは香港ということで、撮影会の日程に帰国のタイミングがあうのはまれということになりそうである。
[2005/02/23 H.K.]
20日に再び香港に着てから三日たち、やっと落ち着いた感じである。もちろん写真を撮る暇もなく、今日は日本最終日に撮影会に参加したので、その中から3枚をギャラリーにアップしている。最初は蛍光灯がついていたのに気がつかずそのまま撮影してしまったので、ひどい黄色かぶりをしている。今回アップのうちの最初の2枚がそれである。
実は、今回が20D購入後初のポートレート撮影会であった。カメラと現像法のテストという意味合いもあったが、20Dの連続撮影の調子もよく、500枚も撮影してしまった。しかし、ポートレート撮影は久々ということもあり、かなり難しいものであることを認識させられた。撮影面においては、実際の光量は低く手振れを起こさない程シャッタースピードを上げると絞りは開放に近くなり、ピントが薄くなりすぎる。ピントに気を使いながら撮影したが、半数はピンボケと手振れで捨てざるをえなかった。
現像面でも人の肌は諧調の豊かさを要求する。諧調の低いノートPCでの現像は非常に難しい。現像法は変更していないので、これでよいのだろうという事にしている。また4倍解像度での処理は時間がかかりすぎるので、今回は解像度を変えずに現像処理をしている。ポートレートの場合はそう差はないと思う。ただ最終プロファイルはモニタープロファイルではなく、sRGBプロファイルをつけたままギャラリーにアップした。
[2005/02/11]
一時帰国中とあってなかなか写真もとれないのですが、香港で撮った少ない写真の中から2枚ほどギャラリーにアップしました。九龍公園でのスナップです。
最近BBSに荒らしの書き込みが絶えないため、ホスト制限を加えました。ほとんど書き込みのない掲示板なので、最初は削除するだけにしていたのですが、懲りずに書き込まれてしまうので、ホスト制限をしたしだいです。他の人が書き込めなくなることはほとんどないと思いますが、もしあった場合はWEBメールで投稿してもらえれば、こちらで移すことにします。
忙しいかわりに収入も多少余裕がでてきたので、フルサイズのカメラでもと考えてしまいましたが、1DS2もやはり持ち歩くには大きすぎる気がしてもう少し小型のフルサイズがでるまで待つことにしようと考えています。
[2005/02/09]
昨日から日本に一時帰国中です。ギャラリーには、先日香港で撮影したものの中から2枚ほど追加アップしています。前回は天気も悪くすっきりした香港のOcean Viewを撮影することができなかったのですが、また20日から香港ということで、先が長くなるので、あせらずゆっくり撮影していきたいと思っています。
写真の現像作業は日本ではデスクトップとCRT、香港ではノートパソコンの液晶となっているので、色調に違いが出ています。現像法は全く同じなのですが、WEBアップ用にモニタープロファイルで変換しているため、CRTのプロファイルを使うのと液晶のプロファイルを使うのでは差がでてしまいます。それぞれキャリブレートしたプロファイルなのですが、液晶のバックライトの色温度が高く、そのプロファイルで変換すると赤っぽくなってしまうようです。今後はCRTのデバイスプロファイルでWEB用の絵を作ることにしようと思っています。
次の香港行きでは、レンズやその他の機材も持参しようと思います。その前に日本でのポートレート撮影会に参加できそうなので、20D初のポートレート撮影も楽しみです。
[2005/02/07 H.K.]
2月1日から香港に来ています。やっと週末ということで短時間で、天気もよくなかったのですが、撮影に出かけることができました。せっかくのWater Frontも霧で霞んでよく見えません。明日には一時的にまた日本に帰国しますが、いちどページの更新をしておきました。
こちらでは、ホテル暮らしということで、インターネット接続もままなりません。日本で出発まぎわにNokia 702NKを購入し、GPRS接続で使っています。日本でのパケット割引も利くはずもなく、1Mバイトあたり約2千円という恐ろしい接続状態で、はらはらしながら使っています。
さてアップの絵は現像法は同じですが、ノートパソコンでの処理なので、最終的にノートのデバイスプロファイルに変換しているので以前のものとは違うかもしれません。自分のノートで見た色調を見せているということで、そう間違いはないはずですが、CRTと液晶ではもともと感じが違うので、なんとも言えません。帰国後見比べてみます。
仕事は香港がベースになるので、一時帰国してもまた20日ごろから3月いっぱいは香港での生活になりそうです。こちらで、相応の環境がととのえられるのはそれなりの時間がかかりそうです。
[2005/01/31]
先週は送別会の連続で、ページ更新の時間もとれなかった。仕事も何とか終了し、明日には香港に旅立つ。今回で日本からの更新もしばらくはなくなるかもしれない。
ギャラリーには前回の冬の「みなとみらい」から2枚アップした。35mmでの撮影であるが、色調、解像度、やわらかなボケなど20D現像法のひとつの結果として満足している。
しばらくのCMSに関する検討もひと段落しているが、まだモニターの物理プロファイルとsRGBなどの論理プロファイルとの関係がいまひとつ自分の中で納得がいっていないところがある。このところの忙しさで、あまりゆっくりと検討することもできなかったが、もう少しおいて、時間がとれるようになったらまた報告したいと思っている。
[2005/01/25]
昨日は時間があったので、ホームページの日記バックナンバーを整理した。過去ログの管理ができていない状態だったので、今回は年月ごとにページを作成した。だいぶ前からこの10Dのページの更新もままならず、いまだに20Dのページにならず、HK出発を前に心のこりである。時間をかけて整理していきたい。
先週末・日曜日は小雪のパラつく寒い日であったが、久しぶりに20Dに35mmF1.4Lをつけて、横浜「みなとみらい」にでかけた。今日はその中から2枚アップした。最近は、写真に対する自信も揺らぎ気味であったが、こういう深い曇りの日の撮影を見直してみると、自分のいままで求めてきた写真というものが思い起こされる。他人がなんと批評しようと、自分の写真の求めるものを追求しなければならないと改めて思った。私の現像法の検討とともに表現される色合いや諧調感には他人には簡単に説明できない私自身の感覚というものがある。今は他人にわかってもらおうと努力することより、自分の中でそれが何であるのか追求することのほうが大事な気がする。
写真の主観的なことは言葉にできるものではないが、技術的なことは研究あるいは検討すれば必ず成果がある。写真を技術で論じてはいけないといわれるが、世の著名な写真家は他の人よりもはるかに多くの技術をもっている。この世界でも90%の努力(技術)と10%の才能だと思っている。
[2005/01/22]
今日もMM21コスモクロックでの撮影から2枚アップした。年始以来寒さもあるが、色々と忙しく撮影に出かけていない。
CMSに関する書き込みも、最後の結論は主観であるといういささか曖昧なことになってしまったが、そう間違いではないと思っている。いいかたを変えればいかなる技術的な解析も人間の感覚にマッチしなければ意味がないということであり、技術的表現もまだ検討が最終段階に至っていないということだと思っている。
さて個人的には人生初めての転職を行うことになり、来月からは香港での生活となる。しばらくは生活環境も変わってこのホームページの更新も思うようにできないかとも思う。この変化の中で写真趣味もどこまで続けられるかということもあるが、いまは生活環境準備のために忙しくてもゆっくりでも続けていきたいと思っている。
[2005/01/17]
今日も年末年始の横浜でのKOIから2枚ギャラリーにアップした。1月3日の撮影である。在庫も底をついてきたが、最近は忙しさにかまけて撮影に出かけていない。
ギャラリーでのアップは前回まで述べたように、CRTプロファイルに変換してからプロファイルを削除してアップしているが、Photoshop上でみた場合に比べIEで見た場合ほんのわずかではあるが、色が薄いようにも思える。CMSの論理上同じばずであるが、これもなんらかの誤差が生じているのかもしれない。実質的には誤差の原因を究明するより、もっと色濃い調整にするほうが、結論が早い気もする。
CMSの目的として、機器や環境を変えても色調が引き継がれることがあるが、現在のところ、sRGBで色管理されているとしているNetPrintにだしても、大体のところ色合いは一致している。完全に一致しているかと聞かれると多少の違いは感じられるがそう大きな間違いはない。これはやはり原因はわからないが、何らかの誤差があるのであろう。
自分の環境のみで、微妙な色合いを追求することは可能であるが、他の環境への引継ぎというのは完全な意味では難しいことだと思う。CMSに対する検討もだいぶトーンダウンしてしまったが、写真の価値はそんな微妙な色合いの違いで変わってくるものでもないと考えるべきなのかもしれない。
[2005/01/13]
今日も年末年始の横浜から2枚ギャラリーにアップした。1月2日のランドマークタワーでの撮影である。
前回はCMSの論議とは少し逸脱したが、単純な色の評価についても客観的測定のみで評価することが、良いわけではないと述べた。写真は人間の見るものであるから、測定器の指し示す値が正しければ良いというわけではなく、主観的に良く感じられるほうが良いことに疑問を持ってはならない。技術的に主観と一致する測定方法が確立しなければ、客観測定自体意味をなさないといえる。
私は仕事上電話の音声の評価方法に携わっていたことがある。音声の評価はほとんど通話の音の大きさということで、規格されるが、音の大きさを測定するのに、どおして主観測定をしなければならないかと疑問を持たれるであろう。実際には人間の耳には周波数特性があり、人によって感じかたが異なるのである。過去においては若い成人女性の感覚を標準として、何も通さない、通常の会話をシュミレートした原基と被測定電話機との音の大きさのを聞き比べてその測定値を求めていた。しかし、この方法では原基のあるスイスまでいかなければ測定できないので、客観測定のための測定器も使用されていた。しかし、主観測定と客観測定では結果が合わず、絶対値のオフセットさえも、物によって異なってくるが明らかにされた。その後人間の耳の周波数特性と音声の持つスペクトラムの平均値から各周波数ごとのゲインと主観要因を計算して、測定結果とする客観測定システムが完成したのはそんなに遠い過去ではない。
なぜここまで複雑な手段をとって、人間の感覚に合わせなければいけないか。それは電話機は人間が使うものであるからに他ならない。色再現の評価も人間が使うものである以上その主観要素をを加えなければならないし、人種ごとに異なった感覚を持つのであれば、その感覚にあわせなければいけない。このことはCMSにおける考えかたと異なった論議であるように思えるが、実際、論理プロファイルや物理プロファイルの作成というのはこれらの主観要因の差がどこにあるかを分析し、さらなる色再現の検討に役立ってきたと言える。
[2005/01/11]
今日も年末年始の横浜から2枚ギャラリーにアップした。1月2日の撮影分である。
CMSにおける論理プロファイルの意味づけはPhotoshop上で見る限り、それほど複雑で理解できないということはない。しかしながら、デバイスプロファイルとの関連性に関しては多くの部分で疑問が生じる。それは多分デバイスプロファイルというものが、知覚的といわれる主観的な要素で構成されるためではないかと考える。例えばカメラのプロファイルを決定する、噛み砕いていえば、RAWからsRGBへの変換時に色相・明度・彩度などはどのように設定されるのであろうか。理論的・客観的に構成するのであれば、センサー特性、センサー上のカラーフィルターの特性などからその値は決定されるべきなのであろうが、現実はそうではないと思える。カラーチャートを撮影して、sRGB CRT上に表現される色彩がカラーチャートと視覚的に同じになるように調整されているのではないかと思える。
しかしこれが事実だとするならば、調整のためのパラメーターは多すぎるのである。同じ色にするためには明度を変えても色相を変えても彩度を変えても達成できる。ただ様々な条件下でも同じ色になるように調整することは至難の技であり、職人芸を要求されることであろう。さらに人間の視覚は人により、条件によって異なった感覚を生じる。何か私の現像法検討に似たところがある。最終的には現実の絵を見て決定するということもありかと思う。
ただこの考え方はCMSとプロファイルの考えからは逸脱しているのであろうが、デバイスプロファイルの決定に主観的な要素が多分に含まれることを否めない。この考えを通していいたいことは、色域の広いプロファイルを使用したから、モニター上やプリント上に忠実な色再現ができるという短絡的な考えで説明しきれないということである。色域の広いモニター上にsRGBでは表現できない色が表示されたとしても、それが現実の色かどうかということは多くの過程を見直してみないとわからない。
[2005/01/09]
今日も年末年始の横浜から2枚ギャラリーにアップした。2005年1月1日の撮影である。よく晴れた日であったが、横浜からの富士山は少し雲をかぶっていた。
さて前回の続きであるが、photoshp上で彩度増加を行うには、通常の彩度増加以外にトーンカーブを立てることによる彩度の増加が可能である。原理的にRGB間の差をつけることにより、彩度が増加されるので、カーブが急な部分の彩度が上がることはわかる。これとは別にD30現像法では中央部のトーンカーブを立てることによる、硬調表現が諧調感の向上に寄与すると結論しているが、中央部のトーンカーブを立てて明部・暗部を寝かせたS字カーブがカラーの彩度増加をうまく制御してくれる。
結論的に言えば、現像時にコントラストを下げてAdobeRGB出力し、後にS字トーンカーブをかければ、中央部・彩度が増加し、明部・暗部の彩度は抑えられるため、色飽和の耐性が増加する。さらにグレーバランスの崩れが目立たないのも相乗効果である。
話がCMSから、現像法にシフトしてしまったが、プロファイルの変換が現像法の改善に利用できる例である。私の場合、ワークスペースはAdobeRGBであるが、Webアップの絵は調整後CRTプロファイルに変換した後プロファイルを削除している。プロファイル管理なしのブラウザで表示させるにはこの方法が一番自分の調整に近い表現ができると考えている。
[2005/01/07]
今日も年末年始の横浜から2枚ギャラリーにアップした。前回のコミティの合評会でもスナップ撮影は散々の評価だったが、本当に素人写真になってしまって申し訳ない。
さて、PhotoshopCS上で作業するためにはワークスペースのプロファイルを決定しなければならない。通常はsRGBやAdobeRGBの一般的な論理プロファイルを使用するが、Photoshop自体でその後自由にプロファイル変換できるので、どのプロファイルを選んで作業しても問題はない。しかし、作業中のヒストグラムを見てみれば、同じ絵でもヒストグラムは大きく異なっていることがわかる。どのように違うかというと、そのプロファイルで表現できない色は0から255で表現されるヒストグラムのレベルからはみ出している。実際はみ出すことはできないので、0または255になる。この状態を色飽和と私は表現している。
PhotoshopCSで実際に20DのRAWを現像してみればわかるが、ワークスペースをsRGBで吐き出すとほとんどの絵において色飽和を起こしている。コントラストあるいは彩度を下げるとこの状態を回避できるが、これでは絵として眠くなってしまう。私の場合ワークスペースをAdobeRGBにすることによって、色飽和を起こさないように現像している。ただし、このままではsRGBにプロファイル変換をした段階で、再び色飽和を起こすことはすぐ想像できることである。
D30のリニア現像時代から、リニア現像後にトーンカーブだけかけても十分な彩度をえられないことが不思議であったが、理由はともかく現像時の彩度増加は必須であり、彩度増加によって、十分な彩度を設定すると色飽和をおこしてしまう。以前のバージョンのPhotoshopでは、AdobeRGBからsRGBプロファイル変換時に飽和させずにうまくヒストグラムをつめてくれていたのであるが、CSではヒストグラムを見るかぎり、遠慮せずに飽和させている。ただ逆のプロファイル変換をするともとにもどるのでどうなっているのかいまだに謎である。
ヒストグラムを飽和させてもある程度以下なら見た目も変わらないのであるが、ヒストグラムはきれいにしたいのが人情である。長くなったので続きは次回。
[2005/01/05]
年末年始の横浜から今日も2枚ギャラリーにアップした。比較してみると、やはり表現力は単焦点Lレンズの方が上かなと思ってしまう。
今回は、PhotoshopCSにおけるワークスペースの選択の前にカメラそのものの特性について検討を加えてみたい。カメラについても何らかのハードウェアプロファイルを持っているはずである。JPEG出力の場合はsRGBまたはAdobeRGBに変換されて出力される。その過程はカメラの設計者がカメラのハードウェアプロファイルを知っているので、その変換過程に疑問はない。RAW撮影であっても現像ソフトではその辺の変換は正しく行われているようである。ただリニア現像の場合は補正がなされないので、色相の補正は現像後に行わなければならないのはD30現像法で書いたとおりである。
ただ色温度によるグレーバランスのとりかたは現像ソフトによって異なるようでキャノン純正ではトーンカーブを曲げており、PhotoshopCSではゲインを変えてトーンカーブは直線としているようである。私の場合センサーは直線的な性能であるので、全レベルで色温度を等しくするためにはあくまで、Photoshopの方法が良いと考えている。ただセンサーなり回路はあるレベル以上で飽和するので、明部のWBにはこの方法は不利で、明部でパープルが発生する可能性が高いと思われる。これはデジタルカメラにおけるダイナミックレンジの問題に起因する。
ダイナミックレンジについては銀塩に比べて遜色ないと言われるデジタルカメラであるが、やはり明部の飽和特性は不足を感じる。最終的な出力では媒体の性質から表現されるダイナミックレンジはそれほど必要ないが、白とび・黒つぶれの部分でもWBを失わずに圧縮されなければならない。これは現像後のトーンカーブ調整で行っているが、いったん飽和してしまうと、素直な諧調感は得られない。アンダー撮影で現像時に明るくする方法をとっているが、あまりアンダーにするとせっかくのローノイズが失われてしまう。Fuji のS2(3?)Proのように小さなセンサーを置いてダイナミックレンジを上げるのも良い方法だと思うが、RAWデーターのサイズが増えるのも考え物である。
狭い諧調しか持たないCRTや紙の上に広い諧調を表現する難しさも現像法検討の醍醐味である。
[2005/01/04]
2005年初の書き込みである。今年2月からは仕事も新たにする予定、個人的には激動の年になりそうである。今回の年末年始はKOIを日本に向かえ「みなとみらい」のホテルでゆったりとすごした。この時期、特に一流ホテルの滞在は信じられないぐらいの高額である。今回の滞在はベランダに出られるパンパシフィックにした。写真撮影には3つならんだ「「みなとみらい」地区のホテルの中ではお勧めである。
今年初のギャラリーアップはEFS10-22mmの撮影から。夜景もミニ三脚を使って挑戦してみた。まあ万全というわけではないが、まあまあのできかと思う。やはりダイナミックレンジの関係から、ピン甘の感じになってしまうのはしかたがない。現像色温度はヒストグラムの重なり具合からすると、3200Kぐらいになった。
20D購入からポートレートを撮影していない反動からKOIの写真しかとらなかった気がする。今年最初のアップなので、とりあえずは「新年のご挨拶」程度にしておく。
[2004/12/28]
今日も過去の在庫からということで、「北鎌倉」から1枚アップした。この年末は個人的に色々あって忙しい。年末年始の更新もできなさそうである。
CMSに関して続きを少し述べておきたい。前回で述べたように、キャリブレーションされたモニターとsRGBとの関係をPhotoshopがどの様に認識するのかはまだはっきりとした説明をすることができない。その前にモニターキャリブレーションにおける色温度の設定がこの関係を説明するポイントになりそうである。通常のCRTモニターは9300Kに調整されているようである。モニター自体のsRGB設定では6500K程度に調整されているようである。
私の使っているCRTモニターは三菱RDF193Hであるが、9300K用のプロファイルがついていることとモニタハード設定がsRGB設定がついている。sRGB設定でそのまま使えばモニタープロファイルがいらないはずであるが、グレーバランスも悪く何らかの調整が必要であった。
Photoshop上でモニター校正とsRGB校正で主観的に違いを感じるのは青空の色であり、sRGBをモニターで見ると緑っぽくなってしまう。これは単に色温度の差とは思えないし、モニターとsRGBの間にはCRT蛍光体の発色色相の違いがあると考えざるを得ない。
[2004/12/24]
今日も過去の在庫からということで、「北鎌倉」から2枚アップした。もう今年もクリスマスイブ、年末は忙しく、ページの更新もままならない。
前回モニタープロファイルとsRGBが同じと書いてしまったが、これは誤りのようである。モニタープロファイルとsRGBプロファイルには明らかに色相が違っている。この色軸の考え方を整理するために色々試しているが、なかなかいい説明がつかないでいる。
モニター、sRGB、AdobeRGBにはそれぞれRGBの色相が異なっている。sRGBとAdobeRGBの差は仕様上明確に規定されているので、Photoshopのプロファイル変換では、その色軸の補正も行われる。しかしモニターの色軸はPhotoshopは知らないないはずである。本来その情報を伝えるのがモニタープロファイルであるからモニタープロファイルにその情報が含まれていると考えるべきなのであろう。
メーカー供給のプロファイルでは、メーカーがその特性を知っているから組み込まれていても不思議はない。キャリブレーションツール自体の特性からモニターの特性を測定することは可能であろう。しかし、AdobeRGBによるプロファイル作成はどうなのであろうか。
上記プロファイル作成の手順から推測されるのはモニターの色軸がすべてある値であるとみなしていると考えるべきなのか、その色軸がガンマ調整の段階で、自動的に決定されるものであるという2つの考えしか思いつかない。
現在はこの辺についてどう説明するか、検討中である。色温度の設定と色軸の移動という関係もあるかもしれない。この辺はまた追って報告したい。
[2004/12/21]
今日も過去の在庫からということで、「北鎌倉」から2枚アップした。
CMSの続きを述べたい。現在CMSを実際に使用できるのは、Adobe製品にアドバンテージがあり、写真を扱うのであれば、PhotoshopCSが他の追随を許さない。おおよその現像ソフトにおいても、sRGBやAdobeRGBでの出力は可能であるが、プロファイルの検証や変換においてその作業環境が不十分であると思う。
PhotoshopCSにおいては、ワークスペースの設定を自分の作業域として設定する。sRGBでもAdobeRGBどちらでも良いが、以後の作業において、現在の作業域が何であるかを認識しておく必要がある。作業域に別プロファイルの絵を読み込む場合は、設定された作業域のプロファイル、元のデーターのプロファイル、プロファイル管理を行わない、の三つの内から一つを選択しなければ、ならない。作業域のプロファイルと、読み込みデーターのプロファイルが合致すれば、警告は出ないが、警告が出ても選択によって、作業域プロファイルを変換してくれる。
これらの変換が正しく行われているかを証明(プルーフ)するには、PhotoshopCSの校正設定を使用する。現在のデータがWindowsあるいはモニター上でどう表現されるかは、校正設定にチェックを入れればよい。AdobeRGBの作業域で働いている時はWindowsおよびモニターのプルーフでは色が薄く表示される。前に述べたようにPhotoshopは校正されたモニターがsRGBであると認識しているので、Windowsのプルーフとモニターのプルーフは全く同じはずである。モニタープロファイルが実際のモニターと相違している場合、この二つのプルーフ結果は異なってくる。
コストパフォーマンスの悪さに不平を述べたSpyderPROであるが、Photoshop上でのCMSの考えを解析する上でここまで、これたことには感謝しなければいけない。基準がないと主観だけで証明することは想像の域をこえない。現在まで、用意されたプロファイルを使って、モニターとWindowsのプルーフが一致しないと悩んでいたことは、自分的には解決されたが、まだ各プロファイルの持つ色軸の角度、つまり色相についてはまだ説明できていない。
[2004/12/19]
今週末はなにかと忙しく撮影に出かけなかったので、在庫不足となり、北鎌倉からの絵の続きとして、一枚ギャラリーにアップした。ディスクの復元でデーターは戻ったのであるが、RAWの現像パラメーターはPhotoshopから以前の設定はもどらない。JPEGから読み出すことも可能であるが、どこに現像データーは保存されているのかいまだに不思議である。
さてCMSに関して、ガンマ2.2で調整されたモニターの状態がsRGBの表現と同じであることを述べた。つまり、CMSなしで調整された絵はプロファイルを埋め込まなくともsRGBであるから、タグにsRGBとさえかきこんでしまえば、sRGBのプロファイルを持つ絵として通用する。使用されたモニターがsRGB対応であろうが、AdobeRGB対応であろうがである。
多くの人がAdobeRGB対応のモニターこだわり、PhotoshopのワークスペースをAdobeRGBにしたがるにのは、その論理的色空間の広さにある。これはモニターの再現できる色域とは関係なく、色域が広ければ、プリンターでの表現域が広くなるということではない。少なくとも私の考えかたでは。RGB機器であろうが、CMYK機器であろうが、ひとつの色要素値を最大(例えば255)にして他の色を最小(例えば0とすれば、その機器最大の色表現をするのであるから、そうなるように制御することはどの色スペースであろうと関係ないことである。
AdobeRGBの方がsRGBより中間の彩度は低くなるように制御されているだけであり、AdobeRGBの絵をsRGBの環境で見ると色が薄くなることからもわかる。逆に言えばsRGBで調整されたデーターをAdobeRGB対応の機器に出力すれば、sRGBではでない、AdobeRGBでしか出ない色がガンカン出るということになる。AdobeRGB環境における作業とは、本当にAdobeRGBでしか出ない色しか、データーの最大値とならないように、表現していることである。論理的なプロファイルはデバイスの持つ特性(物理プロファイル)とは関係ないものであり、明確に切り離して考えなければ、CMSの理解と論議を先に進めることはできない。
[2004/12/17]
10mmの撮影も試し撮りということで、在庫が少なくなってきたということで、1枚だけギャラリーにアップした。なるだけ広角を感じさせないために水平にかまえて撮ったつもりであるが、なかなか難しい。水平に構えて必要な部分をフレームに全部入れるには広角が必要という風に考えると、広角を使う目的は何なのかわからなくなってくる。
CMSに関する考え方を先に進めたい。モニタープロファイルの目的はガンマ2.2でホワイト・グレーバランスをとることであるが、グレーバランスは電気的入力値に対しての表現であるから、ここに論理プロファイルの入る余地はないはずである。しいていえば、sRGBモニタであればR=255、G=0、B=0の入力に対してsRGBで指定された赤を表現することであり、AdboeRGBであればAdobeRGBの赤を表現することであるといえる。
しかしながら、どちらかの作業領域でレタッチするときにモニターの特性がどちらであるかは意識する必要もないし、Photoshopのプログラム自体も意識するのはモニタープロファイルのみで、このモニタープロファイルはsRGBであるか、AdobeRGBであるかの情報は含んでいない。この点をどう説明するのかということは私の思考を最後まで苦しめたことであり、Photoshopの色管理がどう動作しているのかということを知らなければ、説明がつかない。しかし、モニターを測定によって、設定することにより、仮説を立てて実証することが、可能になってきた。
Photoshopには校正という項目がある。プルーフ設定にはRGBにはmac、winおよびモニタというのがある。これは現在のRGBデーターをそれぞれの機器で見たときどう見えるかということである。モニターというのは明白で、PhotoshopのCMSを使わないで見たときどう見えるかということで、CMSを行わないのであればこの設定で良く見えるように絵を調整しなければならない。macはガンマ1.8で見たときどう見えるかということである。それではWinというのはどういうことであろうか。実はsRGBプロファイルを持つ絵をWinで見たとき、2.2に調整されたモニタープルーフと一致するということがわかった。作業域AdobeRGBで、Winのプルーフを行うと色が薄くなるし、モニターのガンマが2.2でないときはモニターとWinでのプルーフは明るさが違ってくる。
ここから私の得た結論はsRGBというのはガンマ2.2に調整されたWindowsマシンでみたときの色を表している仮定の世界をベースにしているということである。sRGBプロファイルというのはモニターがsRGBであるか、AdobeRGBであるかをまったく気にしない仮定の世界における論理的なプロファイルである。
[2004/12/15]
今日も「みなとみらい」でのEFS10-22の試し撮りから2枚アップした。10mmの絵はやはり特殊である。22mmということを考えれば、20Dでの使用では現在常用のEF35mm1.4Lを置き換えても良い気がするが、ポートレート撮影を考えれば完全に外すことはできない。しばらくはこのレンズと35mm、85mmと200mmの4本常に持ち歩きということになるであろう。
PCダウンの関係でCMSとガンマの話が中断していたが、再開したい。ダウンからの復帰時にモニタープロファイルの調整なしにPhotoshopを動かしたことがあったが、同じ現像法での作業中ひどい色になってしまい、モニター調整の重要性を再認識させられた。
さて、キャリブレションツールによるモニター調整では、モニタープロファイルが作られる。このモニタープロファイルというのはモニターの物理的特性を保存した物理プロファイルであり、sRGBとかAdobeRGBのような論理プロファイルとは異なることを認識しなければならない。通常、モニターにはメーカーから供給される、または、OSに組み込みディフォルトプロファイルがあり、ディスプレードライバに関連づけして使用される。ただこのプロファイルはCRT個々の特性を反映していないし、モニターのハードウェア調整がどうなっていた場合のプロファイルであるかはっきりしないので、最低Adobe gammaなどでプロファイルをおきかえなければ、CMSのステップへ進むことはできない。
もしCMSを行わないのであればこの環境で作業を進めることができるが、sRGBとかAdobeRGBの論理プロファイルを扱うことはできないし、現像ソフトでsRGB出力したとしても、今みている色がsRGBなのかという確証を得ることはできない。キャリブレーションツールによる調整であってもこれはガンマとホワイトバランス・グレーバランスの調整データーがモニタープロファイルに保存され、ディスプレーを補正するのに使われるだけで、sRGBとかAdobeRGB等の論理的プロファイルとは何の関係も持っていないからである。
[2004/12/12]
EFS10-22での撮影から3枚追加アップした。広角の多用というのは、見る人の精神状態を不安定にすると以前の写真家の先生がいっていた。写真というのは垂直線と水平線の表現がポイントらしい。パースを感じさせない絵を得るにはカメラを水平に構えなければならないし、構図のとりかたも難しくなるし、撮影位置というのが重要になってくる。
今回はちょっと話題が離れるがNokia端末(702NK)がボーダフォンから発売になった。事業者の制限がかけられているが、制限を回避してネイティブネイティブアプリを動作させる方法で2chがお祭り騒ぎになっていた。ネイティブアプリによって携帯電話の動作や表示を自由に設定できる。とにかく日本の携帯電話は事業者によって機能が制御されている。これを機にもっと自由に携帯電話がPDAとして使用できるようになってほしいと思う。私は、Nokiaからの発売をまっているが、来年になってしまうようだ。
[2004/12/11]
掲示板(BBS)の方には報告していたのであるが、ハードディスクの移転作業に失敗し、HDをフォーマットしてしまったので、日記の更新もできないでいた。やっとデーターの復元もほぼ完全復旧し、更新が可能となった。
失敗の原因は、Win XPがインストールディスクを変更すると起動できなくなるためで、ディスクの丸ごとコピー後、もとのディスクのパーティション開放によって起動しなくなってしまった。その後しかたなくXPの修復を試みたが、XPのCDがSP1以前のもので、ビックボリュームを認識できず、その段階で全コピーしたディスクもパーティション開放されてしまった。
経過としてはXPSP2を購入し再インストール、復元ソフトで修復を試みていたが、これが時間がかかってしまった。結局パーティションの先頭さえ見つければそんなに時間がかからないことがわかったが、後の祭りである。いずれにしてもデータはほとんど回復したが、まだ多くのソフトのインストールに時間を食っている。
紹介が遅れたが先週末に購入したEFS10-22F3.5-4.5をもってみなとみらいで試し撮りをしてきた。その中から2枚アップしてある。10mmともなれば超広角その撮影の難しさと楽しさを味わえる。10mmでの撮影ではやはり周辺の色収差が気になるが、F8.0まで絞って22mmでの撮影では結構良い質の絵を得ることができる。予想以上の収差の少なさに、EF35mmF1.4Lの代わりに常用レンズにしてもいい気がしている。
[2004/12/04]
今日も先週末の北鎌倉での撮影から3枚ギャラリーに追加した。写真の価値はともかく、ピントが合ってぶれていないものは、私の判断基準では全てOKとして、永久保存になってしまう。基準が甘すぎるのであろうか。
前回に引き続き、今日は実際のモニタのガンマ調整とモニタプロファイルに関して述べたい。前回までの結論から、ガンマ補正値を2.2と想定して、モニタを2.2のガンマを持つように合わせることが、目的であるが、カラーモニタであるから、RGBそれぞれに関して同じガンマ値を持つように調整する。基準がない場合はアドビガンマの様に白と黒のストライプとグレースケールが同じ明るさになるように合わせることである。白と黒の比率がいくつで、グレースケールが何パーセントのグレーなのかで、無調正時のCRTの特性は計れるはずであるが、論議の蒸し返しになるので、ここはアドビガンマを信用して、手順を追うことにするのが賢明であろう。
ガンマの調整前に決めておかなければいけないのは、ガンマ値と色温度である。ガンマ値は2.2に決めたが、色温度は周囲光に合わせるらしい。これは感覚的にもっともなことだと考えてしまうが、疑問もある。一般的に色温度は6500Kといわれるが、私の撮影色温度とどういう関係があるのであろうか。これは5000Kで撮影され現像された白がモニター上で6500Kで表現されることを意味する。ただこの問題は私の中では、人間の目にはAWBが働くという考えで解決されている。つまり人間の目は室内光でAWBがとれているので、モニターもその温度に設定されていれば良いという理解である。
現在の日本における室内光はほとんど蛍光灯であるが、蛍光灯の場合は光の波長によるスペクトラムのピークがあるので、演色タイプの蛍光灯が良いとされているようであるが、そう容易に手に入るものでもなく、完全性もないようなので、一般的なタイプでがまんしている。経験上、モニター色温度は6500K付近であれば特に問題ではないようである。
[2004/12/02]
今日も先週末の北鎌倉での撮影から3枚ギャラリーに追加した。最近は1DsMK2の絵も多くアップされるようになったが、やはりフルサイズの画面の大きさは魅力である。画素ピッチ的には、20Dとそれほど変わらないので、現在の20Dの絵に周り拡張された絵が撮れると考えればフルサイズがほしくなる。
ガンマ補正について、前回は多くの権威ある機関の資料に反論をとなえている。CMSにとってCRTの非直線性がいかなる理由で引き起こされるのかは問題ではなく、どれだけ見た目と同じ様に出力できるかということが重要なのであるから、私の反論などはどうでもよいことであろう。しかし、各プロセスの段階でCMSをどう扱うかを決定するにはこれらの過去の経緯なども考慮にいれないと、誤った認識と誤解によって今後の現像法検討の障害になると考えている。現像法検討の中で発生する多くの疑問や現象を解明する意味で、これらのことを突き詰めることは興味深いことでもある。
もう一度私の主張を整理すると、昔テレビカメラの信号をブラウン管に表現するときにそのままでは暗すぎて、ガンマ値2.2の補正を行うとちょうど良かった。またこれを印刷物にしたときはトータルガンマ値を1.8にするとちょうど良かったという事実だけである。しかし、現在はCRTのガンマや印刷物のドットゲインを、中間に位置するソフトやハードで制御することが可能になったため、各プロセス時点の切り分けを標準化することが要求されてきている。ただ、ハードウェアの進歩にともない、現時点で多くのプロファイルが存在することと同様に、画一的な標準を設定できないでいるのが現状と思える。
MAC環境においては古くから、ガンマ1.8が使われてきた。イラストレータやフォトショップはWindowsが存在する以前から使われて来ており、印刷業界との連携が行われてきたことも大きな理由で、印刷物の表現をCRT上で再現できる方法がとられたためと思える。今でも印刷業界ではマックから出力された絵しか扱えないところも多いが、CMSの普及とともに状況は変わりつつある。現在のプリンタドライバはガンマ値やプロファイルを指定することによりどの環境からでも正しい出力ができる。CRTをどのガンマに設定してもCMSは成り立つが、印刷以外の目的でPCを使用するのであれば、CRTガンマは2.2とすべきであるというのが、世の中の流れのようである。
[2004/11/30]
先週末の北鎌倉での撮影から2枚ギャラリーに追加した。やはり晴れの日の撮影には、現像法が硬調すぎるのか、相変わらず露出補正をどの部分に焦点をあわせるべきか迷ってしまう。ただ迷うような絵は何を撮りたかったのか主題がはっきりしないことの方が問題なのかもしれない。
さてモニターガンマの続きである。多くの資料にCRTの表示能力の非直線性を補正するものであると書かれている。しかしながらどういう物理学的な理由でCRTがそのような特性を持っているという説明はどこにも発見することはできなかった。実際にキャリブレーションツールなどでの測定結果をみれば、それらしい特性を示している。ただ、技術者的想像をするのであれば、入力は電圧、出力は輝度(電力)であるので、測定結果がそうなっても不思議はない。ただしこの場合のガンマ値は原理的に2.0である。
CRTとは関係ない例として、物体の平均的反射率は18%であるから、露出は18%グレーに合わせるという話がある。CRT上に表現するには18%グレーを出力の50%の諧調に持ってくるのが最善であるから、ここガンマ曲線を想定して、補正値を計算すれば2.5となる。この考えで、ガンマ補正値を決定するのであれば、1.8も2.2も2.5もそう大きな違いではなく、この付近であればどうでもよいということになる。私の結論としてはガンマ補正値というのはたいした理論もなく、人間の感覚の持つ対数特性から近似された関数であると考えている。とはいえCMSにおいて、このガンマ値を想定しなければ先へ進まないので、研究者的考えはさておき、なんらかの値を想定する必要がある。
デジタルカメラにおける、メーカーお仕着せの評価測光撮影と現像ソフトを使うのであれば、モニターガンマはカメラの設定値と合致しなければ、メーカー推奨の絵は得られない。さらに言えば、露出補正も現像トーンカーブも自前で用意した場合、自分のモニターガンマの特性に合わせた絵ができあがることになる。プリンタ出力も、モニタガンマ値を設定すればそれなりの絵が出力されるので、問題はない。ただ写真は自分だけの世界ではないので、Webなど多くの他人の見る環境を考えて出力しなけれならない。この論議の正確な結論ではないが、最近の私はモニタガンマを2.2に設定して作業している。
[2004/11/29]
一昨日は、紅葉の撮影をということで鎌倉に出かけた。その中から3枚ほどギャラリーにアップした。晴れの日の撮影とあって、評価測光による露出補正値を-2/3を標準とした。飽和さえしなければ、現像時の露出補正により、調整できるので、露出による失敗はないのであるが、ノイズ特性などからできるだけ撮影時の露光値を高くとらなければならない。それにしても思い通りの色調を再現することは難しいものである。撮影技術の不足なのか、現像法が悪いのか検討すべきことは尽きない。
現像法に関連して、各種プロファイルに関する取り扱いとその理論に関してはここ数年理解に悩みつつ、検討を繰り返し、ここでも考えかたを繰り返し述べてきた。ネット上の資料を当たるにつけ、この考えかたが、明確であるにもかかわらず、多くの表面的理解からの多くの誤解を含んだ説明もおおく、これらが私の頭を混乱させてきたことも事実である。それらの誤解が、自分の写真の色調がうまく再現されないことに対する機器の性能への押し付けの意味を含んだり、プロファイルを変化させることによって、たまたまいい色調が出たことに対して変な期待を持ったりするなど間違った方向へその理論を進めてしまうことなどが原因であると思う。これらの行動は他人を責めるべきことではなく、過去数年自分が行ってきたことと全く同じであることにも気づくべきであったと反省している。
そこで、色管理の考えに関して現在の自分の理解を記録の意味でここにもう一度、整理したい。プロファイルを述べる前にまず、ガンマ補正ということに触れてみたい。モニタのガンマは知られるようにMacとWinでは1.8と2.2と別の値を想定している。考えかたとして間違ってならないのは設定ではなく、想定であるということである。ガンマ補正というのはCRTの電気的特性を補正するものであるから本来CRTのガンマ値を設定すべきものである。しかしながら、テレビジョン工学の歴史的経緯とは別に進展してきたCMSの環境はガンマ値を想定値という状況におしやってしまった結果といえる。この論議の目的はモニタガンマをいくつに設定すべきかということであるが、結論だけを先に言う訳にいかない。使用目的を考えて自分の環境を設定すべきもので、そのためにはそれなりの理論を理解しなければならない。次回はもう少し踏み込んで考察してみる。
[2004/11/27]
今日も先週末のスナップ撮影会から山下公園、大桟橋、赤レンガ倉庫あたりの撮影から3枚ほどアップした。撮影会での撮影なので、合評会用に整理している。撮影の全写真のサムネールと選択した20枚程度を6切に出力してアルバムに収めた。プリントは最近はネットプリントを利用している。40枚程度の出力で1万円弱、自分でPM-4000PXでプリントしてもコストは同じ程度であり、解像度の点でネットプリントに出している。
昨日ネットプリント分を手にいれたが、色調的にはほぼ自分のプリンター出力と合っているし、モニタの出力ともほぼ同じ状態になった。最近EPSONからA3伸び対応の顔料プリンタがでたようで、解像度も上がったし、光沢プリントができるようで、購入したい気もあるが、まだまだPM-4000PXはきれいだし、ネットプリントという手もあるので、もうしばらくは購入見送りとすることにした。前回20Dは購入から半年と書いてしまったが、数えてみると、まだ3ヶ月とたっていない。使い込む努力が欠けてきた気がする。
レンズに関してはここしばらくは買い替えをしていない。これ以上の性能のものが出ていないこともあるが、これは技術的にそう進歩の早い分野ではないようだ。最近広角ズームが出荷されているようであるが、サンプルを見ても諸収差が大きいようだ。広角レンズというのは、金をかけても性能の良いものは難しいらしい。画質を求めるならやはりフルサイズといういつもの結論になってしまうので、この辺の論議は先に進めないことにする。現状保有機器で、もっと検討することはたくさんある。
[2004/11/25]
今日も先週末の中華街スナップから3枚アップした。全体的に濃い絵であるが、午前中の撮影なのでそう色温度も低くなく良い感じにはなっている。早起きは苦手なので、いつも午後の色調になってしまいこの季節では特に光量の不足を感じてしまう。写真撮影に早起きは必須なのかもしれない。
現像法を解像度上げ処理にしてから現像バッチにだいぶ時間がかかるようになってしまった。しかし、まだこの程度の時間は現像を楽しむという意味ではさほど支障のある時間ではない。PCの更新(CPU3.2G)から一年ほどたっているが、現在までメモリの増加(2GB)ハードディスクの増加(合計1TB)などを施してマシン性能は最善の状態に更新している。PCの更新周期は1年半程度と考えているので、あと半年でCPUも更新しなければならない時期になる。環境を最善に保つにはこの程度の周期の更新が必要であると考えているが、20Dはまだ半年なので一年後には買い替えの時期と考えなければならない。
電子機器の買い替えは最新機種に対して性能が見劣りし始めたらということであるが、私のデジタルカメラ買い替えの経緯を振り返ってみた。D30から10Dへの買い替えはD30に不満はなかったのであるが、世の中の高解像度化の流れに逆らってはならないというあせりからであった。10Dから20Dへの買い替えは、シャッターボタンの不調からであったが、CF書き込み速度の向上という大きな改善点が得られたことが喜ばしい。DSLRもセンサーの基本性能や画像の処理などはもう大きな進展はないと思うが、CF書き込み速度等、電気的処理速度に関してはまだまだ改善されることと思うし、それらの理由から買い替えが必要になってくるであろう。PC同様、いくら安くなっても以前にレリースされた古い機種など買うべきではないと思っている。
それにしてもフルサイズ機は高すぎるし、大きくて重すぎる。レンズは必要に応じて大きいことはそれなりの美を感じるが、1Dsや1Dに機能美は感じられない。一年半の買い替え周期には、高すぎるし、長く使い込むにはまだ完成された設計とはいえない気がする。フルサイズ機への乗り換えにはまだ時間がかりそうである。
[2004/11/23]
先週末の「中華街」での撮影から、2枚追加アップした。モニタのガンマを2.2にしてから全体的に露光量が暗めの調整になっているかもしれない。順光の絵では暗めと感じるが逆光の絵ではちょうどいい感じもする。トーンカーブが硬調すぎるせいかもしれない。
今回の撮影は85mmを主に使用しているが、このレンズも5.6程度まで絞って使えばかなりシャープになる。かといって硬すぎず、僅かなボケとの境界も自然に表現されるようである。以前にも述べたことがあるが、やはり、このレンズの色合いというのは他のレンズにない表現がある。
20Dの評価測光に関しては(現在の現像時露出補正値は、-0.75EVである。)オーバー目である。この程度のオーバーは撮影時に調整可能であるが、絵によっては完全に飽和するスポットがあり、輪郭が不自然になるが、これは相当に絞って撮影しないと防ぐことはできない。センサーは電気的であるゆえに銀塩のようになだらかに飽和させることができない点が問題であろう。S3などでは補助的なセンサーを設けて明るい部分のダイナミックレンジを上げたことは注視すべき点であると思う。
デジタルカメラはデジタルなりの撮影法があるというのもひとつの考えであるが、飽和気味の逆光写真など、きわどい撮影が絵として価値のあるものを得ることができる場合も多いものである。デジタルでどこまで、表現できるかといのも努力目標のひとつである。
[2004/11/22]
昨日は、久々のフォトコミティの撮影会で、中華街スナップであった。20D購入以来ポートレートの撮影機会がないので、ポートレートかヌードの撮影が希望であったが、今年いっぱいは無理のようである。スナップとはいえ集まりの撮影会なので、地元とはいえいつもの「みなとみらい」のような試し撮り感覚ではなく、意味のある絵を撮影しなければならない。その意味でうまく撮れたものは少なかったのであるが、とりあえず今日はその中から2枚ほどアップした。
現像法についてはともかくとして、写真撮影という面でそう急速に進歩することは難しい。最近は85mmの画角に凝っているので、85mmを多用してしまった。スナップには結構向いているかもしれない。それにしても、写真を撮るという作業は結構疲れるものである。いつもより歩いた距離が長かったせいもあるが、精神面でもかなり疲れてしまった気がする。帰ってきて見てみるとやはり、精神を集中した撮影は、疲れてただシャッターを押している絵よりも何らかの意思を感じることができる。
どういう写真がいいという判断の目を持つにはまだ未熟であるが、ただきれいに写っていればよいということではないというのはわかる。でもいい絵というのは、ボケていたり、手ぶれがあってはいけないと思うし、露出もきちんとしていなければならないものと思う。写真のできは、感性だけでなく撮影技術の基礎があってのことだと思う。
[2004/11/20]
今日も九州・伊万里から35mmの絵を2枚アップした。
今週は現像法とレンズのぼけ味に関して述べてきた。全体を通しての私の感想は、ボケ味をきれいにするにはレンズの解像度が良くなければいけないという気がする。色収差などは解像度を落とすものあり、広角における周辺の流れもボケとして見た時、決して美しくはない。レンズのMTFチャートを見ればそれなりのレンズ描写というのは想像できるのであるが、測定条件が開放とF8しかないので、それ以外の絞りでのMTFが、表示されていれば、購入の判断基準として使える気がする。
MTFにおいて、放射状の解像度と同心円上の解像度が等しいとボケとしてもきれいであるということはなんとなく理解できる。この特性は僅かなぼけの部分で表現が顕著であり、この不揃いの特性を緩和するにはぼかしを入れることであろうし、僅かなボカシを現像時点でいれることも効果があったと思う。とかく大きなボケを問題にして、絞りの形などを論点にしがちであるが、ボケ味というのはそう単純なものではないと思っている。
35mmフルサイズの効用ということも世間ではよく話題になる。もちろんAPSはフルサイズのトリミングなので、原理的にボケが変わるわけではなく、フレームを同じにして、距離を調整したときのボケの表現の違いの論議であろう。ボケが大きくなることはMTF判断論からすれば、ボケがきれいになるといういささか短絡的な理論であるが、これも通用する気がする。私がフルサイズ派なのは昔からであるが、とても高くて手がでないというのが現状である。
[2004/11/18]
今日も先週末の九州・伊万里での撮影より2枚アップした。EF85mmF1.2Lもスナップに使用してみると新鮮な画角を提供してくれる。また適当に絞ればシャープな絵を得ることができるようである。ただあまり絞りすぎるとシャッタースピードが長くなり、手ぶれの危険性が増す。やはり1/(レンズ焦点距離)を超えないように絞りに気をつかわなければならないようだ。200mmのレンズに付け替えて絞りをそのままにして、手ぶれ続出というのが、今回の失敗であった。
さて、画質評価であるが、A4サイズ程度にプリントアウトするのが、評価しやすいのであるが、手間とお金がかかるので、ピクセル等倍でコツをつかむのが良い。1DsMKIIのサンプル画面も多く出回ってきたが、十分な光量と絞りの絵はピクセル等倍でみても美しい。ピクセル等倍では、評価が画素数やセンサーのサイズと関係がなくなるので、現像処理がそのまま現れることになり、レンズの性質(癖)とか性能がはっきり現れるものである。
解像度(画素数の増加)や今回のような現像法の増加によって現像処理による影響を最小に収めるなどの努力によって、レンズの細かな描写が絵全体の雰囲気に大きな影響を与える。ぼけ始めのボケの美しさとかいったことが見えるようになり、ソフトフォーカスレンズの味わいなどというのも理解できる様になった気がする。この辺りをあまり追求するとまたレンズ地獄にはいりそうなので、追求もほどほどにしておいたほうが良いのかもしれない。
今回は、写真というのは前面シャープな絵だけを求めるものではなく、雰囲気を表現するために微妙なボケを大事にすべきであることを学んだ。空気感の表現に少しは近づいたのであろうか。
[2004/11/16]
今日も九州での撮影から、2枚追加した。晴天での撮影であったが、コントラストの強い場面では評価測光の補正なしでは露出オーバーとなっているところが多々あった。撮影時点での露出オーバーは現像時にある程度の補正は利いても完全にオーバーしている点はどうすることもできず、補正しても不自然さが残る。白の部分が多いと評価測光が働くので、露出オーバーにはならないので、撮影時にどれだけの補正をすべきかという点についてはまだまだ修行がたりない。
過去2回は現像手順(現像ソフトに寄る部分)に関していささか断定的に述べてしまったが、大筋では合っていると思う。どこかに書いてあったことではなく私オリジナルの考察であるが、エンジニアとして自信がある。さて、この解析から実際にどの様な方法で最終出力を作るかという論議であるが、現像ソフトの出力以後に解像度を改善する余地はそれほどあるわけではない。ただ現像パラメータの設定では、コントラスト、彩度を下げ、明部、暗部の飽和を下げることと、シャープネスは最小として、現像出力を得ることである。その後の自分の処理によって最終の絵に仕上げるための素材を得ることである。
前回述べたようにUSMをかける状態以前では量子化ノイズらしきものを削除するためにローパスフィルターを入れる必要がある。この量子化ノイズ(言葉が適当かどうかはわからないが)は絵をピクセル等倍以上に大きく拡大してみると見えてくる諧調の飛んだ高周波成分である。ローパスはボカシであるので、1ピクセル以下のできるだけ小さく、効果のある程度のガウスぼかしを入れる。その後これまた1ピクセル以下のUSMで輪郭強調をいれる。USMを使うのは私の主張に反することに思えるが言い訳をいうならばガウスぼかしが低い周波数部分より減衰させるので、ロールオフ特性を改善するためということにしておこう。
この方法で過去ずっと現像してきたのであるが、今回はもう少しの改善を図るため画面解像度をそれぞれ倍(面積的には4倍)にしてから、ボカシ、トーンカーブ、色調補正を加えて、最後にUSMをかけ画面解像度をもとに戻す方法をとっている。改善の度合いは僅かではあるが、ピクセル等倍の鑑賞では効果があった気がする。しかし解像度を上げて処理するということはマシンの負荷が極端に大きくなり、時間のかかる処理となってしまった。
[2004/11/14]
今週末12・13日は仕事で九州出張だった。仕事とはいえ、13日はツアーで写真を撮ることができたので、今週はこの中からアップしていきたい。「みなとみらい」は練習であるが、こういう場合は本番ということで、意気込んだが、結局は絞りを一度固定してしまうと、場面やレンズ交換で設定しなおすのを忘れてしまい。手ぶれや露出オーバーが続出してしまった。やはり気合のいれかたがまだまだ足りないようだ。
さて現像手順の続きについても述べなければならない。ベイヤー・ピクセル変換については色信号を作りだすことであるので、モノクロ信号(輝度信号)に関しては影響を与えない。色信号合成に関しては空間周波数がさらに1/2になるので、輝度信号ほどの解像度は得られないので、偽色を防止するためのフィルターが必要となるので、偽色緩和処理というフィルターをかける必要がある。これを強くすれば、レンズの収差をも飲み込むことが可能である。しかしあまり強くすると色信号の解像度が低下することはもちろんである。
ここまでの処理で問題なのは、偽色緩和フィルターはあくまで、色信号のみに作用するものであるから、輝度信号に関してはサンプリング後のフィルターがかかっていない。つまり、アナログ・デジタルサンプリング時に発生する量子化雑音が発生することである(実際はデジタル・アナログ変換時に発生)。これをあらかじめ緩和するには、階調を上げる(現在12bit)ことであるが、簡易的にはフィルターをかけることである。具体的にはぼかしフィルターをかけることである。
ここでアンシャープマスク(USM)を考えると、この処理はカットオフ付近にピークを持ったローパスフィルターであっるから、解像度を失わせずにこのフィルター効果を得るという効果がある。空間周波数軸で考えれば、カットオフ周波数はピクセル半径、ピーク値はパーセントということになる。従って1ピクセル以上のピクセル半径は輝度信号の周波数よりもカットオフ周波数を下げることになり、実際は解像度を下げる結果になっていることに気をつけなければならないといことである。
USMは解像度の低いデジタルカメラにおいて、解像感を上げることに絶大な効果があったわけであるが、800万画素ともなれば、レンズの解像度に近づき、解像感の不足を感じることもなく、USMが逆に解像度低下を引き起こすと考えるべきであろうと思うのである。
[2004/11/11]
今日は過去の撮影から、2枚追加した。
ピクセル等倍評価の勧めから今回はローパスフィルター、ベイヤー配列、偽色緩和処理、輪郭補正(シャープネス、USM)についての私の考察を述べたい。某サイトのBBSでローパスフィルターは立体感を失わせるという意見があったが、結局シャープネスをかければ同じ絵ができるという結論になってしまったのは悲しい結果であるが、このヒントは今回の私の検討にもつながっている。
ローパスフィルターの必要性は光学的であれ電気的であれサンプリング理論から必要なことは明白であるが、上記現像手順の流れの中で、お互いの特性がうまく配分されなければ、出力される絵が不自然となってしまうことを理解しなければならない。特に解像度として大きな影響を与えるのはベイヤー配列からピクセル変換の手順であるが、これは大きく改善する方法もなく、他の要素をどう特性づけて自然で解像度の高い絵に出力するかということに注力される。
ベイヤー配列以外のセンサーでローパスフィルターが要るか要らないかはここで言及することは避けるが、ローパスフィルターはモノクロ信号の空間周波数に対応するもので、偽色緩和処理は色信号の空間周波数に対応するものである。ローパスフィルターはベイヤー配列変換前に適用させる必要があるので、電気的な対応は処理スピードの問題で対応が困難なことが理解できる。RAW出力に限定するなら、電気的ローパスフィルターもアリであろうが、どちらの方法で処理したとしても要求される性能は同じになるので、ローパスなしのカメラが解像度が高い絵を出力できるという理論にはならないと思っている。
ただRAW現像を経験してみると輪郭補正以前の絵は特にピクセル等倍以上で観測してみるとお世辞にもきれいであるとは言えないひどい状況であることがわかる。
まだ本論に入っていないが、長文になってしまったので、続きは次回。
[2004/11/10]
今日は過去の撮影から、2枚追加した。今週は写真の表現について述べたが、前回はあまりにも多くのことを一度に述べたため、訳のわからない文章になってしまった。表現と機材の関係について、何回か分割して私の意見を述べておきたい。
今回はレンズについて、これまでの経験から考察してみた。私の場合一応レンズ地獄から脱した形で現在はEF35mmF1.4L、EF85mmF1.2L、EF200mmF2.8Lの3本を持ち歩くことにしている。ズームレンズではないので、場面によってレンズ交換を余儀なくされる訳で、シャッターチャンスを逃した感じることも経験するが、実際はつけているレンズで、撮る心構えみたいなものは変わってくるわけで、レンズ交換は気分転換の意味合いが強い。
最善のレンズを使用しているつもりであるが、現像後の絵をピクセル等倍あるいはそれ以上の倍率で見てみるとやはりピントの甘さを感じるものがある。ピント合わせが不十分であるのか手ぶれが原因なのか、撮影データを見てもどうも原因がはっきりしなかったのであるが、どうも絞りの不十分が原因なのではないかという気がしている。明るいレンズなので、開放で撮りたいのが人情であるが、ある程度絞り込まないとシャープな解像度は得られないらしい。
開放撮影の理由はシャッタースピードを稼ぐことと、背景のボケを得ることであるが、トレードオフとして、対象物のピンが甘くなる。しかしながら解像度(画素数)の増加に伴いわずかなボケでもボケとして表現できるようになれば、開放にしなくともボケとピントの差が現れ、立体的な表現ができるようになってきていると思う。つまり、立体的表現とは解像度によって変化するボケの表現といえる気がする。
ズームレンズで絞る効果はあまり経験できなかった気がするが、単焦点レンズは絞れば絞るほど解像度を実感できる。今回の結論は、大きなサイズのプリントアウトで勝負するのであれば、いままでより、絞った撮影すべきではないかと思う。これにより、手ぶれの問題、ピント合わせの問題など、より高度の撮影技術が要求されることになる。
[2004/11/08]
今日は過去の撮影から、2枚追加した。このところ20Dの撮影からトーンカーブの変更、USM変更をして現像しなおしている。評価はピクセル等倍以上に拡大してみているが、やはり全体が見えないのはやりにくいところもあり、何枚かA4サイズにプリントアウトして、CRT上での評価のコツをつかもうと試みている。
写真は撮るもので、写っているだけの絵では意味がないといわれるが、表現方法の一つとして、撮りたいものにピントを合わせて他のものをボカすという手法がある。噛み砕けば絞りを開けて目標物にピントを合わせることである。しかしながらこの表現が現実的に成功を収めるには、カメラの性能、レンズの性能、現像法の良否にかかわっており、そこには撮影のテクニックも大きな位置を占めることを思い知らされる。
カメラの解像度の解像度が上がると、絞ってもボケる部分が発生するので、不必要に絞りを開けなくとも立体感のある絵を得ることができる。ただきれいにボケさせる、あるいはピントの合ったところでの解像度が要求されるということで、レンズの性能が重要になる。明るいレンズの効用は絞りを開けてシャッタースピードを稼ぐことと思っていたが、単焦点Lレンズであっても開放での描写は結構甘いものである。ただ少し絞れば、ズームレンズのF値程度に絞ればその解像度はすばらしいし、ボケ味というのもズームレンズではなし得ない美しさがある。
このことはカメラのISO感度を上げて絞って使えばカバーできることもあるが、そのノイズ特性が解像度とボケ味を台無しにする。また十分な光量がなければ絞ることも難しく、絞ればボケの発生しない平面的な絵になってしまう。つまり、いい表現を安易に得るにはカメラのセンサーサイズが大きく、高価な単焦点Lレンズを使い、USMを使わない高い解像度の得られる現像法が必要となる。しかし、現実の環境には限界があるわけであり、現在の機材でも撮影方法をうまくすれば良い作品を得ることも十分可能である。簡単に言えば絞りとシャッタースピードのバランスであるが、これまで、毛嫌いしてきた三脚の使用などというのも今後考えていかなければならない。
[2004/11/06]
今日も3日撮影の絵から、3枚ついかした。今回からまた現像パラメーターをガンマ2.2のモニターに合わせトーンカーブを若干調整しなおした。
前回の続きとして、アンシャープマスク(USM)の功罪について述べる。USMは解像度を劣化させる。少しピントの合った部分、ぼけ始めの部分について明るい部分を太らせ、暗い部分を細らせる。また二線ボケを強調し、ボケを汚くする。風景の撮影においてはよほど平面的な絵でないかぎり、相当絞っても多少のボケ、つまり被写界深度からのはずれがあるが、USMによって前面ピントの範囲に納めてしまう。せっかくの大きなセンサーの絵をコンデジの絵に変えてしまう。
私の場合画質とか現像法を評価するのにピクセル等倍以上で見ることにしている。よく写真は全体を見ないで評価するものであるという人がいるが、カメラの性能とか処理を見るにはCRTなり液晶の解像度が低すぎるのが現実である。解像度の高いプリンタの出力でみると、僅かなボケの様子ははっきりと見えるもので、立体感の表現などはいくら高解像のCRTで画面いっぱいにしても評価できないものである。ピクセル等倍で全体が表示できる表示装置でもなければいけないことになるが、一回ごとにNETDPEにだすなり、A4サイズにプリントアウトするわけにもいかない。
ピクセル等倍では一部しか見えないので評価が難しいところがあるが、等倍で見ることによって、気がつくところも多いものである。話がブレてしまったが、立体感をだすためにはカメラの解像度をUSMをかけずに上げることが重要であるが、カメラの性能にかかわることなので、同じカメラでできることは少ない。ただわずかでもの改善策として、PhotoshopCSで解像度を縦横2倍に上げて、ぼかし・トーンカーブ適用等・わずかのUSMの処理をしたあと解像度をもとにもどしている処理を行っている。ごく僅かの改善であるので、効果のほどは通常の鑑賞ではわからないが、ピクセル等倍で見ると確かに改善されている。A4サイズ程度のプリントアウトでどの程度効果があるかは今後である。
[2004/11/05]
今日も3日撮影の絵から、3枚追加した。
前回のデジタルカメラの立体感の表現について考察してみた。もちろん空気感の一部である立体感というのはカメラの性能や現像法でとやかくすることよりも構図(フレーミング)や光の具合などによるところが大きいのであるが、銀塩写真と比べて立体感によるものかどうかは別にして、空気感(その実態は言葉で説明することはできないが)が足りないと感じるのは私だけではないと思う。
このところ絞り値とピントとボケの関係について気を使っているが、どうも出来上がった絵はピントの合ったところとボケた部分がはっきりしすぎて徐々にボケていくという立体感のある絵を得ることができない。ここのところの表現は諧調の表現と同じようにそのボケの度合いをスムースな表現として絵の中に取り込めれば立体感が増すのではないかと感じている。
このピントとボケの境界を示すことばとして、被写界深度ということばがあるが、ピントの合った部分の許容される部分(許容錯乱円?というらしいが)の大きさ、しいては解像度がピントの範囲を決定する要因となる。20Dクラスベイヤー配列ののカメラにおいては最悪200万ピクセル程度と考えられこの画素の大きさが通常の写真にとって十分かどうかは議論されているところであるが、この点において画素数は多いほうが良いにきまっているが、他の要因もあるのでここはカメラの性能ということであるので、与えられた条件で最善の結果を得ることにしなければならない。
ここで、私が問題にしているのはシャープネスあるいはアンシャープマスク(USM)処理である。USMは使いかたにより解像感を上げるが、実際解像度そのものは多大に劣化し、上記許容円の半径を増加させている。この処理により、結果として被写界深度は増加し、絵が平面的になりボケの始まりとの間に非線形部分を生じる結果となると分析してみた。長文になってしまったので続きは次回。
[2004/11/04]
昨日は晴れということで、85mmのレンズに絞って「みなとみらい」で撮影してきた。85mmといえばAPSセンサーでいえば、りっぱな望遠。ポートレート以外ではあまり使用したことがない画角であるが、スナップに使うにはなかなか難しい。他のレンズに取り替えたいと思うところをじっとこのレンズにあうアングルを探すのも単焦点レンズの醍醐味というところであろうか。しかし、この画角では水平・垂直をはずしまくりである。35mmではパースによってごまかせたものが、正確にあわせないと出来上がった絵がみられたものではない。
ところでこのレンズ、他の以前の絵と比較してみると色のりがいいというのであろうか、色彩がなかなか豊かである。現像パラメータの設定でどうにでもなるレベルであるが、同じパラメーターで現像した、他の絵と比べると明らかに差がある。またこのレンズ特有の色というのも感じられる。
話を急転させるが、現像法のテーマーはデジタルカメラにおける空気感であるが、そのうちの一要素である立体感の表現に考えるところがあった。実は今回の現像法から輪郭処理に関して現像法を変えてある。以前からシャープネス(USM)に関しては最小に抑えているが、RAWからの現像でシャープネスを0としてもベイヤー・ピクセル変換の段階でどうしても輪郭強調がかかってしまっているらしい。結果てきにこの輪郭強調が立体感を失わせている気がする。
今日は夜が更けてしまったので、その理由と回避法は次の機会に述べたい。
[2004/11/02]
今日は20Dで撮影した過去の絵から、2枚追加した。ところで、最近のギャラリーアップした絵がどうもPhotoshopで作業した絵より色彩が薄めということで、処理を見直したところAdobeRGBのデータからプロファイルだけを削除した状態になっていた。モニタープロファイルに変換した後プロファイル削除して過去のものをアップしなおした。
今回の間違いにも関連するが、モニタープロファイルのキャリブレーション後はAdobeRGBのプロファイルとモニタープロファイルはほとんど近くなってしまい、むしろsRGBプロファイルに変換すると、色表現が濃くなってしまう。やはりCMSは理解できているつもりでも、完全には理解していないらしい。自分の中で合理的な説明がつかないことがしばしばである。これは理論の理解の問題ではなく、Photoshopでの取り扱い、校正の設定などやIE上ファイルブラウザ上でのプロファイルの扱いなどそれぞれの動きが自分の仮定からひとつでも外れると自分の理論的思考に混乱をもたらすという事らしい。
SpyderPROをノートPCに適用してみた。LCDパネルでは別の調整方法となるが、私のノートPCでは輝度やコントラストの調整が不可能であるが、そこを無視してキャリブレーションを進めてみたが、結果は散々であった。液晶の場合バックライトの光源の質が問題なようだ。RGBの光源スペクトラムが適当なノートPCではいくら調整しても正しい色を表現することは不可能のようだ。もっともこれは主観調整を試みた段階で調整不可能なことは想像がついていたことではある。
[2004/10/31]
今週末は、天気も良くないということで、撮影には行かず、室内で過ごした。ギャラリーアップの方は以前の絵を2枚ほどアップしておいた。来週は文化の日もあることであるから、出かけるのはちょっとひかえておくことにした。
20Dに変えてから、ポートレートの撮影をしていないので、是非ともしたいところではあるが、撮影会も風景撮影主体になっているので、12月まではポートレート撮影会はなさそうである。しばらくは「みなとみらい」での撮影で練習することになるが、注意すべき点はやはり露出であろう。以前にも述べたように飽和させない撮影というのは逆光ではかなり厳しい。−1や2EV下げぐらいではどうにもならない場面も出てくる。それをどう乗り越えるかがテーマでもある。
[2004/10/28]
今日も「みなとみらい」から、3枚追加した。今回は全体に夕日の色調となっている。この季節午後3時を過ぎると色温度が下がり、全体的に赤くなる。
20Dになってから、雨、曇り、うす曇り、晴れと一通りの試写を行って、現像法もある程度固定された。晴れの撮影に関しては以前より色調の派手さは失われた気がするが、色温度固定でも全体的にグレーバランスは良好で、こんなものかなという気がする。どの撮影においても色温度固定にこだわってきたが、やはりAWBではこの雰囲気というものを表現できないと思う。
晴れの日の撮影では、アンダー撮影をやめたことによって、パープル・フリンジというか紫が飽和部分の輪郭に現れる現象が目立ってきた。この原因はRGB各センサーの飽和値のレベルが異なることが原因と思われ、D30ではそれほどではなかったが、10D、20Dでは増加している気がする。ノイズレベルとの関係からセンサー感度を有効に使用したことによると思われるが、飽和させない露出で撮影するとダイナミックレンジが狭まる結果となってしまう。
銀塩フィルムにおいても飽和(白飛び)は発生するのであるが、カーブが徐々に寝てくるだけで線形を失わないために、撮影結果がそう醜くなることはない。アンダー撮影はこの問題を回避できるが、ノイズレベルの増加をまねく。ただこの現象は常にあって、常に醜いわけではないので、、撮影時の露出に気を使うことにより、回避することが可能である。デジタルはデジタルの特性を生かした撮影というものがあるということであろう。
ただデジタルの飽和特性の非線形性は夜景の撮影や花火の撮影にその難しさを予感させる。私はこれらの撮影に多くのトライをしたことも、うまく撮影できたこともない。最初から諦めているところがあり、その欠点をうまく覆い隠す方法を探すしかないと思っている。
[2004/10/26]
今日はまた「みなとみらい」に戻って大桟橋付近の撮影を2枚追加した。晴れの日の金属の反射は厳しく飽和の結果、紫の輪郭が発生している。これはカメラで飽和しているので、露出補正では救うことができない。これとは関係ないが、前回までモニターガンマを2.5に合わせていた関係でアップする絵がガンマ2.2のモニターで見ると明るくなってしまっていたので、モニターガンマを2.2に戻してプロファイル変換しなおしたので、画面は少し暗めになったと思う。以前アップの数枚も変更してアップしなおしておいた(昨夜)。
モニターキャリブレーションツールとして、最近spyder Proを購入したことは報告したが、モニターの調整自体主観での調整も可能であるが、各レベルごとの調整データをプロファイルに埋め込む方法がないので、モニタープロファイルを作る目的では重宝している。実際CRTのモニタは経年変化よりも経時変化(温度)によるもののほうが大きく一度調整すればそう調整しなおす機会はない。従ってこの手のツールはコストパフォーマンスが悪いが、他の装置との互換性など持っていれば安心という類のものといえる。とりあえずその性能には満足している。
ガンマやプロファイルに対する考えかたは何度も述べているように煩雑であり、いまでもその取り扱いに戸惑うことがある。ツール購入前はモニター添付のプロファイルに対してガンマのみを設定しなおしていたので、sRGBの色相とモニタープロファイルの色相が異なっていた。そういうものかと思っていたのであるが、ツールで作成されたモニタープロファイルはsRGBの色相と一致している。sRGB対応のモニターであるからそれも不思議ではないが、どうも割り切れない。AdobeRGB対応のモニターではどうなってしまうのであろうか。
色については理解に苦しむところもあるが、キャリブレーションツールの購入によって、その一部でも考え方の方向性に多少理解が進展した気がするし、基準が明確になったところもある。ツール購入もそれなりの意味があったのではないかと思っている。
[2004/10/24]
昨夜から今日にかけて、伊東に宴会旅行にいってきた。今朝の伊東の様子を2枚ほどアップした。伊東にはめずらしく帆船が停泊していた。200mmで撮影して、拡大してみると船名がかすかに読める。日本丸(東京)らしい。
[2004/10/21]
今日も先週末の「みなとみらい」から、2枚追加した。今回は青空の色に視点を当てて現像パラメーターを調整してみた。
私の現像法ではディフォルトに比べて、トーンを硬調にして中央レベル部の彩度を上げているが、色相・彩度調整で各色ごとの明度を下げている。このため彩度の高い明るい色を押さえて、落ち着いた色調にしようとしているが、どうも青空の色がパッとしない。もう少し調整して、青の明度をあまり下げずに青の色相を緑よりにしたことによりぼぼ記憶の青空の色になった気がする。
各色の明度を下げるという処理は、私のトーンが白レベルをかなり詰めていることに関連しているが、日陰における色温度のズレを目立なくするということに効果があった。10Dでは日陰の白がかなり青くなっていたのであるが、20DではこのWBのズレがさほど目立たなくなったため、青の明度をそれほど下げなくとも良くなったので、空の青も多少良くなった。
某掲示板では20Dの視野率に関して話題になっていたが、視野率は調整精度ではなく、そのように設計されているような気がする。ファインダー倍率同様、APSサイズカメラにおけるファインダー視野はそう設計上そう簡単に大きくできない気がする。私は光学的、構造的な知識を多く持っているわけではないので、間違っているかもしれないし、そう自信をもっていうことが出来ないが電気回路と違いこれらの設計技術は一朝一夕には進歩しない。APSサイズフィルムは失敗した経緯もあるし、デジタルカメラとしてのAPSセンサーサイズカメラは光学的あるいは構造的には、まだ歴史が浅い。
デジタルカメラがAPSサイズとして進展していくのか、フルサイズ化の方向に向かうのかを見極められるのはまだもう少し時間がかかるのではないかと思う。
[2004/10/19]
今日も先週末の「みなとみらい」から、3枚追加した。青空の色がもう少し明るかった気がするので、個別に合わせることも容易であるが、共通の現像パラメータという観点からそう安易に変更していない。
これまでの試行錯誤の中で、調整の傾向がいったり来たりしているのは事実であるが、発散傾向ではなく収束に向かわなければならない。いつもカメラの買い替え寸前に収束して、買い換えるとまた調整が振れだすのはしかたがないところもあるが、何らかの学習結果が反映されてはいると信じたい。現像パラメータの調整はなるべく客観的な方法を取りたいが、最終的には主観によるものとなる。作業的に楽しい作業ではあるが、あまりこのことに時間を費やすのもどうかというところである。
20Dそのものに関しては、ほとんどの面で前製品に対して改善が加えられ、あまり文句をいうところはなくなった。ファインダーに関してもピントの山はわかるようになり、前製品のようにスクリーン交換をする必要性を感じなくなったが、ファインダー倍率については唯一不満がある。コンパクトデジカメしか使用していなかった時期にEOS5(だったと思う)のファインダーを覗いてその広大なスクリーンに感動し、D30の購入を決意したことを思い出す。しかしこの感動はいまだに達成されていないのである。ファインダー倍率も徐々にではあるが、あがってきているので、しばらく忘れていたが、最近コンタックスNデジタルのファインダーを覗かせてもらい、全く見え方が違うことを再認識してしまった。
最近気がついたことであるが、ファインダーを覗いて下部の情報表示が見えないことがある。覗き位置を変えると見えるのであるが、ファインダーからの視野が狭いのではないかと思う。ファインダー倍率を上げることにより視野が狭くなるという本質的な光学設計上の問題があるのではないかと感じてしまう。APSサイズではスクリーン自体が小さいので、拡大して表示すると視野が狭くなるのかもしれない。まちがっているかもしれないが、そうであればフルサイズにしないかぎり35mmカメラのような大きなスクリーンを得ることはできないのではないかと思えてくる。
またまたフルサイズ期待論になってしまうが、大きなスクリーン視野を望むのはもちろんマニュアルフォーカスによるピント精度の確保のためである。
[2004/10/17]
今日は待望の快晴であった。2日続けての「みなとみらい」というのは前例がなかったが、この幾を逃すわけにはいかない。200枚ほど撮影した。その中からとりあえず3枚アップした。やはり、晴れの日の色調はきれいであるが、10Dの撮影と比べると曇りや雨に比べて、特徴を出しにくいようである。それほど10Dの色調と変わってはいないように見える。
現像法・撮影法は多少変化している。10Dでは-1.5EV程度アンダーで撮影して、現像トーンカーブで調整していたが、今回は評価測光0EVで撮影して、現像トーンカーブを10Dの場合より-1.5EV低い値で現像している。最終的な絵の色調はそんなに変わらないが、ノイズレベルは1.5EV分減少しているはずである。その分明部のトーンカーブをぎりぎりのところで使用していることになるが、なんとか直線性は確保できているようである。
巷では20Dのシャッター音がとやかくいわれているようであるが、私は好みである。最初に使ったD30はガシャという音であったが、10Dは少し小さくなって、ボソッという感じになった。Kiss Digitalは友人のを使ってみたが、パコッという感じであった。20Dは多少大きめのカシャンという感じであるが、典型的なシャッター音ではないかと思う。
[2004/10/16]
20Dを購入してからいまだ青空を撮影する機会がない。今日は期待して予定したのであるが、やはり曇り。明日は晴れそうである。それでも曇りの「みなとみらい」を撮影してきた。ギャラリーに2枚ほどだいぶ暗くなってからの撮影から2枚アップした。
晴れの絵を撮影していないので、なかなか現像法の収束はできないが、前にも報告したように、20Dのグレーバランスは素直な特性になっているようで、暗い部分のグレーが無彩色になっている。ただモニターのキャリブレーションをしたので、そのように見えるだけかもしれない。
[2004/10/14]
今日も先週末の「みなとみらい」から、2枚追加した。前回のアップはどちらかといえば、逆光ぎみの絵で、デジタルカメラには厳しく白飛びしたバックではパープルフリンジらしきものもでているが、この程度表現できればまあまあという気もする。今回は順光の絵なので、そう変な表現はないはずである。
RAW現像法検討において、明部の飽和点とトーンカーブの設定は諧調感を決める重要な要素であるが、トーンカーブを直線とすると飽和点での境界があまりにもはっきりしすぎて不自然になるし、目的被写体の明度を保ったまま、明るい部分の白飛びを避けることができない。また明部トーンカーブをあまり寝かせると白伸びのない、眠い絵になってしまう。パープルフリンジは撮影データーが飽和していなければ現像時に寝かせたぐらいでは発生しないが、これを完全に抑えたければ、アンダーに撮影しなければならない。アンダー撮影はノイズの増加を招くので、できるだけギリギリの露出で撮影したい。
10Dと20Dの比較では、評価測光が10Dの方が明るめにでて、飽和値の余裕がなかった気がする。大分現像パラメータの設定を変えており、いまさら10Dの特性を検討してもしかたがないので、検証する気はしないが、トータルのダイナミックレンジとしては20Dのほうが広がっている気がする。何よりも20Dの絵をたくさん撮影して、傾向をつかむほうに努力したい。
10Dシャッターボタン不調のせいで購入した20Dであるが、全体として、期待以上の性能であることは喜ばしい。
[2004/10/13]
今日も先週末の「みなとみらい」から、2枚追加した。
20Dを使い始めてあまり時間がたっていないが、確かに画質が向上している。私がここでいう画質とはEVUとかDPPとかの現像ソフトとかDigicの処理を言ってはいないし、これらのソフト処理はその後のレタッチでなんとでもなるものであり、私もキヤノンのソフト処理に関してあまり信用はしていない。ここで言いたいのはRAWデーターとしての質が以前と比べて良くなっていると感じることである。
この質を表現するものとして一言でいえば諧調表現である。ただ諧調表現といってもその要因となるものは複雑であるが、ここでは直線性とノイズということで、私の意見を述べる。直線性というのはノイズレベルから飽和点までのダイナミックレンジにおいていかに直線的に諧調を表現できるかということであるが、理論的な関数に基づいているのであればその表現を補正することができるので、問題にはならない。モニターにおけるガンマのようなものである。しかし実際にはRGBセンサーの感度の違いによって理論的に発生する非直線部分を完全に補正することは複雑であり、センサーのグレーバランスを崩すことになると考えている。
デジタルカメラにおけるノイズに関しては通常の電気ノイズとは異なり時間的に変化するものではなく、センサー画素の感度のバラツキによっておきることは知られるところである。このバラツキはCCDに対してCMOSはかなり大きく以前は高級品にCMOSセンサーが使われることはなかった。キャノンはD30でCMOSセンサーの個別のセンサーごとに実装される後段アンプのゲインを調整することによってその感度バラツキをおさえCMOSのローノイズ化に成功したしている。これらの膨大な調整作業が何時の時点に行われ、どれほど精密であるかは私にはわからないが、結果CMOSセンサーのノイズレベルの低下はCCDよりも向上しているようである。しかし、回路的な複雑化はそのアナログ的な直線性に歪みを発生させCCDの素直さに至らないCMOSセンサーの色調というものを作りだしてきた気がする。
これらの回路的に発生する微妙な歪みはソフト的に補正することは可能ではあるが、その要因の多さから完全な除去は難しく、根本的にはハードが歪みを発生しないように回路的に最適化することのほうが効果的である。直線的に画素間の感度バラツキを補正するということは暗部・中間部・明部どのレベルでのノイズをも小さくする結果となるのであるから、ノイズの少なくなった20Dはセンサーチップ上の回路的な最適化と調整の正確さが進歩したと考えてよいのではないかと思える。グレーバランスの補正もだいぶ楽になっており、直線的なCCDの特性に近づいてきている気がする。
[2004/10/11]
帰国後、久々の「みなとみらい」に出かけた。天気予報とは裏腹にぱっとしない天気であったが、日本丸の周りを100枚ほど撮影して引き上げた。その中から2枚ほどギャラリーにアップした。
20Dの購入後海外出張の連続やらキャリブレーションツールの導入やらで、なかなか撮影と現像法を検討する時間もとれなかった。まだ使い始めなので、あまりはっきりとしたことはいえないが、撮れる絵が10Dとはだいぶ違ってきた気がする。解像度の増加はわずかのはずであるが、絵がだいぶ大きくなった気がする。大きな絵というのは、広角の絵でも解像度という表現でも説明できない感覚がある。画素数が上がれば大きくなる気もするが、ノイズのレベルというのも表現に影響がある気がする。
感覚的に20Dは10Dに比べてだいぶ明部が伸びている気がする。事実最近は評価測光から0EVで撮影しているが、白とびは10Dの-1.5EVより発生しにくい気がする。このため、撮影時0EV、現像時点で-1.5EVで露出補正しているので、ノイズレベルは以前よりかなり減ってきている。被写体によっては+1EVで撮影して現像時に-3EV補正でもすれば、ノイズはほぼ完璧に抑えられる。
この撮影露出の変更によって現像法も設定を大きく変えているが、仕上がりの絵の色調もだいぶ変化している。もっと多くの撮影と現像法の試行錯誤を重ねなければならない。
[2004/10/09]
昨日タイ出張から帰ってきた。仕事なので、あまり写真を撮る機会がなかったが、週末いなかに出かけただ一本持参した35mmF1.4Lで何枚が撮影してきたので2枚ほどアップした。帰国後なんやかやといそがしく、ページ更新もままならないが、とりあずのアップで報告としたい。
出張中にモニターのキャリブレーション用にSpyderPROを発注しておいたのが届いていたので、とりあえず、モニタ色温度6500K、ガンマ2.5に調整して、プロファイルを作っている。アップ画面はこのプロファイルで変換(プロファイルは削除)しているので、見え方は多少は違いがあると思うが、そう違いはないはずである。ガンマ2.2は画面が明るすぎげしらけてしまうので、2.5で設定している。キャリブレーション前もガンマは2.5程度だったので、違和感はない。
キャリブレーションツール適用の感想はほぼ想像どおりといったところであるが、モニタのグレースケールがポイントごとに調整されるので、より正確なグレーの表現が可能となった。なによりも白がだいぶ白くなった。
[2004/09/29]
中国から帰ってきたばかりだというのに、明日から一週間ほどタイにいかなければならない。10日ほどWebの更新はできない。
今日は木々の緑の撮影を3枚追加アップした。やはりこの種の撮影はピントがあっていることが重要で、今回の現像法での設定とノイズの少ないボケ味は絵の美しさを感じる。
[2004/09/28]
Adobe Camera RAWが20Dをサポートした。DNGをインストールしようとしてACRもアップデートしたが、説明書きに20Dのサポートとは書いていなかったが、実際はサポートされている。実際に使ってみると1Dmk2からの変更では緑が強いというか青が弱かったのであるが、今回はWBも結構あっているようなので、暫定のWB補正を外した。
また今回から明るさの設定が100から150に伸びたようなので、明るさ設定を150にして、露出設定を下げて現像してみた。こうすることにより、白をつまらせることができ、トーンはますます硬調となった。露出補正は前回まで、-1.5EVが標準であったが、今回は-2EVを超える程度となった。この露出補正の値は表示してあるが、あまり意味がないので、今後表示しないほうがいいかもしれない。とりあえず、この方法で現像した絵を3枚ほどギャラリーにアップした。
[2004/09/26]
昨日は撮影会であったが、モデルの調達ができず、千葉県佐原市でのスナップとなった。その中から3枚ほどアップした。20Dでポートレートを撮影してみたかったが、まだならし運転中ということで、もう少し撮影と現像法を検討してからの方が良いようだ。
前回の教訓から、撮影時の露出をできるだけ明るく取ることにした。露出を明るくすることは予想以上に苦しいものである。被写界深度を深くするため絞るとシャッタースピードが結構遅くなってしまう。明るいレンズではカバーできないISの効果というのも見直す必要があるかもしれない。
今回は暫定的にWBを調整して、青のレベルを若干上げてある。その他の要素は10Dに調整したものと全く同じである。基本的に10Dと20DのRAWはほとんど違いはないが、S/N向上のために撮影法を変えたので、現像法に関しても見直さなければならない項目はたくさんある。今回は曇り、雨の風景であったが、色々の条件でたくさん撮影しなければならない。ちなみに雨あがりの撮影はコントラストが強く色調的には好きである。
[2004/09/23]
20Dの現像・撮影法の設定のため、「みなとみらい」に出かけてきた。前回報告のように、ノイズレベルの低減のために、撮影時露出をどこまで上げられるかということで露出を変化させて撮影し、帰って現像パラメーターを再設定した。
結果を2枚ギャラリーにアップしたが、だいぶノイズは少なくなっていると思う。この程度なら拡大してもノイズを認知することはできないし、なんといってもノイズレスの絵は見ていて気持ちがよい。撮影時は分割測光で0EV標準としたが、以前の現像法では白伸びが悪く、絵が眠くなってしまったが現像時の「明るさ」を標準にもどしてデフォルトに近いパラメータで現像している。
今回D30の絵を現像しなおしてみたが、-1EV撮影でも全くノイズはなくこれほどノイズレスの絵は美しいのかと感動したが、10D、20Dと変わって行く度にノイズは増加していたらしい。10Dで確立した-1.5EV撮影であるが、ここへきて撮影法を大幅に変更することになるとは、試行錯誤の無限ループの感もあるが、これも進化のひとつと考えなければならないのかもしれない。
撮影時に光を多く取り込むべきであるというのは一般的には良い結果をもたらすが、ここへきて撮影時の露出飽和寸前におこるパープルフリンジの発生に気をつかわなければならない。曇り空バックでの表現では曇り空を飽和させないことであるが、このためには常に0EV撮影とはいかない。撮影時の露出というものに今後気を払わなければならなくなった。
[2004/09/22]
中国・大連の撮影をアップする暇もなく、20Dの評価・撮影法・現像法に時間をとられてしまっている。いずれ大連の撮影については10Dのページ(20Dのページ?)にまとめてアップしたいと思う。今回も20Dでの「みなとみらい」の撮影から2枚アップした。
さて20Dの評価であるが、前回まではその性能を褒めちぎってしまったが、やはり多くのものを撮影してみると、普及機であるがゆえの欠点も見えてくるものである。その一つとして、AFの性能であるが、私の場合速度・精度やAIフォーカスの追従性などそう難しい注文をつける訳ではないが、今回はフォーカスポイントを中央に固定して、中央でフォーカスを取ってAFロックのままフレーミングして、撮影してみた。ほぼ大半の絵では良好にピントがあっているが、ピントが外れている絵も何枚かある。
原因を推定するに測距点の大きさに問題がある気がする。スーパーインポーズの四角はすごく小さいのであるが、この四角の大きさが測距点の大きさであると思い込んでしまってはいけないようだ。どうもコントラストの強い部分が近くにあるとそちらに引っ張られてしまうようである。1系の45点など測距点が密着していればそんなことはないのであろうが、9点が離れているのであるから、測距点は相当大きいと考えるべきなのであろうか。やはり、大事な場所では、手軽にAF撮影を行うことはできないようである。マニュアルフォーカスを心がける必要があるというのが結論である。
もう一つは、ノイズレベルである。前回ノイズは10Dレベルであると報告したが、-1.66EVの撮影を行い。+1EVの現像時露出補正を行うとそのノイズレベルが結構気になる。ISO100の設定であるが、この場合、実質ISO800と同等になってしまうため無理もないが、やはり10Dの感覚よりは画素サイズの減少分のS/Nの低下があるようである。ノイズは絶対に少なければ少ないほうが良い。白の飽和点に余裕をもたせるためにドアンダーで撮影して、露出補正を行う方法はS/Nに対してもったいない使いかたをしているのであるから状況に応じて撮影露出を調整すべきであると考えることにした。
週末の撮影会前にこの辺を明確にしなければならないので、多少あせっている。
[2004/09/20]
今日は、20Dをかついで、「みなとみらい」にでかけた。メモリーはテストもかねて、5GのMDを使用してみた。撮影快調のあまり、なんでもかんでもシャッターを押して250枚ほど撮影して、帰ってきた。その中から初期の2枚をギャラリーにアップした。
桜木町での私の定点撮影も10Dと比べれば、だいぶ解像度が高くなった気がする。露出は撮影時に-1.66EVしているが、現像時は10Dパラメーターで、ちょうど+/-0EVとなって、合っている。ノイズ感は10D時とほぼ変わっていないと思うが、やはり見えないことはない。ただ色ノイズにはなっていないので、許容範囲である。
撮影時の感覚は非常によく、シャッター不良だった10Dと比べるよしもないが、10Dからの買い替えはまさに正解だったと思う。シャッター音も当初いわれていたような安っぽさはなく、10Dより大きい音ではあるが、切れがよく、切って楽しくなる音である。これぞ求めていたシャッター音という感じまでしてきた。
撮影間隔も5GMD使用でも全くストレスなく、バッファ量よりも書き込み速度がいかに重要であるかが、感じられる。1DSのmk2がでるようであるが、16MPでは同様のストレスなしで撮影ができるのであろうか。もっともカメラ自体の速度がCFなどメディアの速度に追いついていない気もするので、カメラの処理速度が速くなれば、同様の連写性能を確保できるのかもしれない。
いずれはフルサイズだと思うが20DもAPSでは完成にほぼ近いカメラだと思う。
[2004/09/19]
今日は、135mmF2Lによる近所の20D撮影をPhotoshopCSで現像したものを4枚まとめてアップした。色調が以前のものと少し異なっているが、カメラのせいではない。現像トーンカーブとグレーバランスを少し調整しなおしてみた。色温度5000Kに対してトーンカーブでのレベル別グレーバランス調整をしていないので、色調は少し暖かくなったと思う。
今日は注文しておいた、「例の5G」がついた。今回は我ながら手際が良い。早速分解して、PCでFAT32にフォーマットして、4.65GBの表示である。20Dに挿入して、545枚の表示。動作速度も思ったほど悪くはない。バッファフルから開放までの時間は80xCFとさほど変わらず、15秒程度である。このぐらいなら一枚あたり一秒以下であり、ポートレートでも全くストレスなく撮影できるはずである。
20Dのファインダーの見えも良好で、ピントの山も以前のM型スクリーンとさぼど変わらない。スクリーンに傷がついていない分、ファインダーを覗いたときのきれいさも感動である。ピントの山がわかるとAFも安心して使えるように感じるのも不思議なものである。中央のスポットしか信頼できない気がするが、それでもスーパーインポーズ付のAFがしようできるのは、シャッターチャンスという意味で少し有利かもしれない。
この20Dについては結構期待どおりということで、巷でいわれている現象もないわけではないが、ほとんど気にするほどの問題ではない。
[2004/09/18]
中国・大連から昨日帰ってきた。中国での撮影も楽しむことができたが、紹介は次の機会にして、今日は20Dが手に入ったので、20Dでの撮影を2枚アップしてみた。
20Dは先週末に予約したが、今朝になって、入荷との連絡が入り取りにいってきた。発売日に手に入れられるとは、D30の入手とはずいぶんと違う。それはともかく前もって購入していた1G80xのレキサを入れてシャッターを押してみると結構快調である。RAWで110枚とだいぶファイルサイズが増えたようであるが、連続して撮影しても待ち時間はそれほどではない。バッファフル撮影から開放まで、10Dでは30秒以上かかっていたが、今回は15秒以下これなら、ポートレート撮影でもストレスなくシャッターが押せそうである。
肝心の現像であるが、Photoshopがサポートしていないので、EVUで現像してみたが、かなり、以前とは違うようである。これでまた、苦労した現像パラメーターあわせを一からやりなおすのかと思うと憂鬱になったが、以前10Dの未サーポート時にやったようにプラグインのバイナリエディットを試して見ることにした。あまり期待していなかったが、1D mark2の部分を20Dに変更すると、読めるようになったのは驚きである。
ディフォルトではとんでもない色になったが、10Dで使用していた、色温度やその他のパラメーターを適用すると、10Dでの色調と完全に一致した。これで、現像法は10Dのものが使用できる。アップの絵はこの方法で現像したものであるが、以前の色調と変化がないことがわかると思う。しかし画素数増加により、解像度はだいぶ増している。
解像度についてはピクセル等倍でみると、画素数以上にシャープな気がする。光学ローパスフィルターの違いなのであろう。偽色も特に問題はないようである。どこかで、紫の縁取りが取りざたされているようであるが、これは飽和部分でグレーバランスが狂うためで、私のように-1.5EV(今回は-1.33EV)で撮影すれば、カメラでの飽和は避けられるので問題にはならないようだ。-1.5EV撮影はISO300程度の撮影であるが、ノイズレベルとしては10Dの時とほぼ同等である。一画素の大きさは小さくなっているので、これも技術の進歩であろうか。
まだ多くを撮影していないので、結論は言えないが今週は連休なので、もっと撮影してみたいと思う。
[2004/09/12]
来週は出張のため、更新できないので、もう2枚ほどギャラリーにアップした。だいぶ日がくれて、暗くなってきたため、シャッタースピードもだいぶ遅くなってきている。やはり明るいレンズはありがたい。ISO感度の変更なしに手持ちで撮影できるのはうれしい。この場合は2.8であるが、F1.2や1.4ではかなり暗くなっても撮影可能である。
最近は多くのズームレンズが発売されているが、単焦点レンズについては生産中止こそあれ、新規の発売はほとんどないようである。現在保持している、Lレンズに関しては性能十分とは思っていないが、入手可能の最高のものであるから、これ以上良いレンズはほしくても購入できないということで、レンズへの出費はなくなった。広角・望遠にはほしいものもあるが、手がでない。
レンズ自慢をするわけではないが、単焦点Lレンズはやはり、そのシャープでありながらそのやわらかい表現を味わうとズームレンズや安価なレンズにはとても手に入れたいという気持ちはなくなってしまう。しかし、EFS10-22に関しては手持ちにない領域なので手に入れたい気持ちもあるが、発売はだいぶ先のようである。
[2004/09/11]
今日も先々週の在庫から3枚アップした。このところ撮影していないのに、来週は中国・大連出張ということで、来週の更新は行えない予定である。カメラは10Dと35mmを持って行こうとおもっているが、仕事でなのでホテル周辺のスナップ程度しか報告できないと思う。
ところで、今日20Dの予約をしてきた。予約がだいぶ入っているとのことで、発売日に入手できるかどうかは不明とのことであるが、発売日は帰国予定なので、次の週の連休に使用できれば幸運である。
メーカーサイトのサンプル写真が更新されていたようであるので、わたしなりの感想をひとつ。写真はかなり良く撮ってあると思うし、わたしの批評する立場ではないと思うので、現像法に関連することを述べれば元、10Dとほとんど変わりはないというのが私の意見である。現像はDIGICか添付ソフトによるRAW現像かはわからないが、過去の機種でもほとんど同じ結果になっているので、どちらでも同じだと思う。ただ画素数が増えた分、解像度は上がっていることが感じられる。
色調としては、ポートレートは私の現像法とだいぶ似ていると思うが、中心値は多少明る目と思える。ノイズは10Dと同じ程度と思えるが、使ってみないと正確なことは言えない。風景は空が明るめであるが、緑の純度は10D同様あまり良くない。ただこれは現像法のせいであろう。夜景については、私自身うまくできる自信がないので、あまりコメントできない。どうしても点光源の飽和は発生してしまうもので、周辺のボケつながってしまう。これは現像法だけの問題ではないと思うが、これをどう処理するかについては私自身も未知のところである。
[2004/09/09]
今日も先々週の在庫から2枚ほどアップした。先々週は200mmで開放撮影がテーマであったので1/4000で光量オーバーしたものは、セーフティモードで絞られている。前回かぶりの影響か、絞り値に対する色調の変化について検討するためのテスト撮影であったが、それ以前の撮影に比べて総体的にみたとき、色調に関してそれほどの差は感じられないようである。
本来絞り値とシャッタースピードの関係は撮影場面でそれぞれ決定されるものであるが、スナップ撮影だと一々設定し直すのも面倒なため固定して分割測光で撮影してしまうことが多い。この場合セーフモード期待で、開放のAvモードか、シャッタースピード1/500程度のTvモードになってしまう。私の場合手ぶれが怖いので、通常の使用であろうある程度絞ったAvモードにしたくないという気持ちが働いてしまう。しかし、シャッタースピードと絞りの関係はそろそろ考えながら写真を撮るようにしないといけないと思っている。
EF200F2.8でのスナップ撮影では、開放で使うほうがよいケースも多いが、絞ると結構解像度の高い絵が得られるし、その場でシャッターを押す前に考えることが必要だという気がしている。モデル撮影の場合には結構暗いので、手ぶれが怖くて、絞りを開けてしまうが、ピントあわせがシビアになりこちらでの失敗が多くなってしまう。前回はF2.0程度で設定したが、ピントのシビアさはあまり変わらないようである。メーカーのサンプル写真を見ると三脚使っても絞るという考えのようである。周りの意見では立体感がなくなるので、あまり絞らないほうが良いという教えであるが、どちらが良いのか今でもよくわからない。もっとも手持ちではそう選択肢が広くはないのが現状である。
[2004/09/07]
今週も先々週の在庫から3枚アップした。大桟橋付近の港らしい風景のスナップである。
近々、臨時収入が入りそうで、20Dが購入できそうである。10Dの性能に不満があるわけでなく、本来ならまだしばらく使えると思うのであるが、シャッターの調子が今一よくないので、早い機会に導入することにした。本当はフルサイズ機がほしいのであるが、1Dsも価格や大きさ、性能などがこなれていないので、しばらくは20Dでいくのが、順当かなと思っている。
性能的に不安なのはRAW連写の枚数であるが、メディア書き込み速度の改善でよくなるのか。少し上がったファインダー倍率はどうか。フォーカシングスクリーンのみえ具合はどうなのであろうか。いまから、期待と不安がうずまく。
肝心の画質であるが、私の場合全く気にしていない。現像パラメーターは10Dとは違ってくるであろうが、最終的に仕上がりの(解像度は別として)色調は同じになると思っている。レンズに関しては周辺収差がますます高画素化で目だってくるのは目に見えるので、そうは早急に広角ズームには飛びつかないつもりである。
[2004/09/05]
最近は週末の天気もよくないということで、撮影には出かけていない。今日も先々週の撮影から3枚ほどアップした。夏の日差しの撮影というのはもうこれで終わりになりそうである。これからは秋の日差しの撮影、同じ場所でも日差しの違いで絵の雰囲気は変わっていくであろう。
現像パラメーターの設定も前回の修正から、また若干修正している。色的には十分な彩度をとれているが、かといって派手すぎない落ち着いた色調になったと自負している。表現を追及していくと、Photoshop上での表現をwindows上で見たときとの違いが気になっているが、モニタープロファイルがずれているのかもしれない。AdobeRGBを自分のモニタープロファイルに変換して、アップしているが、自分のモニタでずれがあっても、他人のモニタではもっとずれているのであろう。Photoshop上での表現で判断しているが、ほかの環境では微妙なところは伝えられないのはしかたがない。
こんなわけで、最近はプリントアウトの絵に対する表現を重要視していかなければならないと思いはじめている。まあ写真の良し悪しは色の出かただけではないので、モノクロでの表現ということにも興味がある。いくら色が派手でも色を消すとつまらない絵になってしまうのはいい写真とはいえないという考えにも同意しつつある。
[2004/09/03]
今日も先週末の撮影から2枚アップした。このうち一枚目は前回アップの花の絵の一枚を現像しなおして、再アップしている。
前回の花の絵では、ぼけた中央部のオレンジの花の色が、その前にある緑の葉と重なってその輪郭に黄色の妙な縁取りができている。これはディスプレーの諧調不足により目だってはいるが、ボケを汚くしている。ぼけた部分ではオレンジの赤と葉の緑の混合となり、黄色い部分が現れるが、この黄色の明度が高いことに原因があるようだ。前回の現像として、緑と赤の明度を下げているが、黄色の明度はそのままになっていた。今回赤と緑の明度下げの中間値を黄色の明度に設定して、不自然さを解消した。色ごとの彩度や明度に関しては連続性が必要であろう。
今回のような不具合はカラーチャートでの調整では確認できないし、ピントの合った絵でも発見できない。レンズによるボケ味の良否もあるが、現像法によるボケ味の良否も最終の絵の質に大きな影響を与える。
今回アップの赤い消防車の絵は、どの色もどのプロファイルでも飽和しないように調整されているが、芝生の緑が赤がかぶっている。緑が他の絵と比べて違っている。これが、ミラーボックス内での乱反射による色カブリなのであろうか。いまとなっては、絞りを変化させての撮影もできないので、その原因もわからないし、その時の色が実際にそうであったかもはっきりと記憶してはいない。また、周りの色が目に与える影響もあるのかもしれない。
そんな訳でパラメーターを変えて多くの絵を現像してその結果を注意深く見ることにより、色々なヒントが見えてくるものであるが、最近は解決策より断片的な現象の発見が多くなってしまっている。色々な現象は関連しているかもしれないし、全く関係ないことかもしれない。整理して解決策を見つけるにはもっと数多くのヒントを集めなければならない。
[2004/09/01]
今日も先週末の撮影から2枚アップした。今回は200mmレンズによる、花の絵である。撮影は日陰なので、色温度が高く緑は青よりになっている。マクロ撮影であれば135mmの方が寄れるので、そちらを使うべきかもしれなかったが、レンズ交換してまで、撮影するほどでもなかったので、200mmを使用している。花程度であれば、このレンズでも十分という気がしてきた。135mmの出番がますます少なくなってきた。
最近は、撮影会での撮影をネットプリントに出している。完全ではないが、sRGBの出力もモニタで見たものとほぼ合っている。なによりも手持ちのプリンタよりも解像度が高く、料金もプリンタ(PM-4000PX)よりも幾分安価である。特に選んだ20枚程度を6切(A4より若干小)に出力してもらっているが、解像度は自分のプリンタの比ではない。600万画素の絵はA4程度までだという意見を聞くが、全くそんなことは感じさせない。ピントの合ったところの解像感は良好で、ポートレートの絵を見てもどこにピントが合っているかが一目瞭然である。ピクセル等倍以上でモニターで見てもピントが合っているかはわかっても全体が見えないために、どの距離にピントがきているかははっきりしなかった。
それにしてもピント合わせは難しい。ポートレートは手前の目にピントを合わせるのが原則であるが、アップならまだしも上半身の絵で目にピントを合わせるのはファインダー上、かなり小さな面積であり、そこまで自分の目の解像度がついていかない。AFにしてもAFポイントをそこに設定するには、撮影のリズムの中でかなり難しい気がする。AFよりはマニュアルでその感をつかむほうが良いと思っているが、この辺は今後のカメラの進歩によるのであろう。マニュアルフォーカスという面で、フルサイズカメラを望んできたのであるが、ファインダー倍率さえ同等になれば、あえてフルサイズでなくても良いのかもしれない。いつも思うのであるが、メーカーサイトのポートレート写真サンプルは、これでもかというほど絞りこんである。どういう意図なのかであろうか。
[2004/08/30]
今日も先週末の「みなとみらい」から2枚組で追加した。同じ時刻の撮影であるので、カメラの分割測光では同じ絞り値となっているが、現像段階で露出補正を変化させている。赤レンガ倉庫の色調の違いでわかるが、現像後に露出補正できることはデジタルカメラのRAW撮影ならではある。
現像法のパラメーターを変更して、また一から全てのRAWデーターを現像しなおし中である。とにかく現像法を変更したら、全てを現像しなおしてみないとどこに問題があるかわからない。長くしんどい作業であるが、前回とは違った色調の絵を発見できるのは驚きであり、また楽しい作業である。
今回は、前回より色調も鮮やかになり、それでいて、落ち着いた感じになったととりあえず、自己満足している。
[2004/08/28]
今日も先週末の「みなとみらい」からまた3枚追加した。今回はまた少し現像パラメーターを変更してある。
前回の現像法設定から約一月やっと全撮影を現像しなおしを終了した。露出補正以外、同じパラメーターでの現像であったが、結果を総合的に判断すると、カリフォルニアの青い海の色の再現が今一ということと、木の葉の緑の軽々しさが気になった。そこで、今回の再設定を決意したが、テストチャートの撮影と見比べ、青の彩度増加、赤と緑の個別明度を下げた。
私の現像法の検討も延々と続いているが、鮮やかな色彩を求めながら、無彩色のグレーの表現と、曇り日陰などの色温度の高い状況でもWBの狂いを感じさせないという、一見矛盾した結論を求めているのであるから、そうそう気に入った結論が出るはずもない。青の彩度増加はPhotoshopCSの色別彩度を以前の-15から+15に変更した。以前は暗部・明部の色を排除するために青の彩度を下げていたのに、こんなに増加するのはおかしいが、青の明度を多少下げることによって、グレーのバランスはそれほど変化しないことがわかったためである。とにかく試行錯誤以外のなにものでもない。
色の明度は現像パラメーターでは設定できないので、現像後彩度調整でRGBそれぞれの明度を下げている。赤の明度は下げたくなかったが、プロファイルによっては赤の明度飽和を起こすので、多少下げてみた。現像後に下げる方法は色域の広いプロファイルを使用するほうが、処理途中段階での飽和を避けるために有用であり、その意味でワークスペースのプロファイルはsRGBよりAdobeRGBのほうが、良いといえるかもしれない。
[2004/08/26]
今日も先週末の撮影から3枚アップした。前回はレンズ交換の面倒さもあるが、200mmでの撮影が多い結果になってしまっている。
10Dは昨年3月からの使用でまだ一年半1万2千枚程度の撮影であるが、シャッター接点の調子が悪い。修理に出す位なら買い替えを考えているが、諸事情から年末ボーナスめあてで、20Dが妥当なところであろう。D30からの買い替えの時もそうであったが、特に画質や操作に不満があった訳ではなく、故障気味なところが買い替えの理由であった。しかし、操作面にしても解像度にしても、その改善度合いは大きく、以前のものにはもどれない。カメラもPCと同じく私の買い替え周期2年弱というルールに従わざるを得ないようである。
20DのRAW連写枚数に関する論議が巷では盛んなようであるが、これも使い方による個人差が論点の分かれ目である。最終的には、JPEG撮影にすべきであると思っているが、現像処理をメーカーのお仕着せにまかせたくないというのが、私の心境であるので、現時点ではRAWに固執せざるを得ない。もう少しカメラ側での設定の細かさと、露出に対する私の技術が向上すれば、JPEG撮影にしたいとは思っている。
連写スピードではなく、実際は連写できる枚数と言うほうが重要と考えているが、私もD30時代からモデル撮影においてもそれほどバッファ容量と連写感覚に不満はなかったのであるが、会の先生が変わって大勢で撮影するスタイルから順番に一人づつ撮影する方式になってから、15-6枚撮影すると待ち時間が長くなってしまい次にゆずらざるを得なくなってしまう。他の人は36枚撮れるのあるから大きな劣性である。
モデル撮影では5fpsの連写は全く必要ないが、平均一秒程度でチャンスにシャッターが切れないと撮影のリズムに乗れないところがある。10Dの場合連写は9枚とされているが、実際はその後15-6枚までは比較的早く次のシャッターが切れるがそれ以降は極端に遅くなる。Web情報を見ると20Dもこの3段階動作スピードの傾向がある気がする。考えるに、この問題はバッファ量の増加によって解決するものではなく、いくらバッファを増やしても開放までの時間が長くなるだけであるので、本質的にはフラッシュの書き込み速度の増加によってしか解決されない思う。
20Dになって、半押し時の書き込み、高速メモリへの対応がなされているようなので、10Dよりはましになっているのではないかと期待されるが、こればかりは使ってみないとわからない。とにかく押したい時にシャッターを押せないストレスはたいへんなものである。もともと銀塩ユーザーである友人もこのストレスから銀塩に逆戻りしたようである。デジタル推進派の私としては、カメラの現像画質だけでなく、他の理由でもデジタルカメラへの移行が進まないのは悲しい。多くのプロやハイアマがデジタル化することにより、デジタルカメラの高性能化と低価格化が推進されるという考えに間違いはない。
[2004/08/24]
今日は先週末の撮影から3枚アップした。先週末は主に35mmと200mmの撮影になってしまった。いつも同じ場所の撮影なので、35mmの絵は飽きがある。イメージの切り出しという意味では長いレンズのほうが、当然切り出す絵のバラエティが増えるという原理から、最近は長いレンズの使用が増えてきた。「みなとみらい」の撮影はすっかり現像法評価のための色の再現テストのようになってはいるが、写真としての撮影も心がけている。でもやはり、いつもと違う色が発見できるとそちらのほうに興味がいってしまうのはしかたがない。私のWeb上の役割も、いい写真を紹介することではなく、現像法を通しての色再現の検討であることを自覚している。
前回の続きであるが、色というのは本当に不思議である。世の中の色に対する解析は、光の波長による分析とRGBやCMYの合成による考えかたがあるが、その二つの関連がどうも直感的に結びつけて考えることが難しい。例えば黄色という色が特定の波長を持つのに対して、RとGの合成によって黄色が表現できることである。Rの波長の光とGの波長の光をMIXするとYの光の波長になるはずはないと技術者として考えてしまうからである。実際にはRとGの合成をYと感じるのはそこに人間の主観があるかららしい。そう考えると、何が真実かわからなくなってくるが、現実と感じ方を説明するのが、科学であり、それをある形で表現するのが技術である。ここは間違いであっても、自分なりの解釈をすることができる。人間の感覚が絡む以上だれも真実と間違いを断定することはできないのであるから。
光というのは発光色というのと反射あるいは透過による色がある。発光色というのは強い線スペクトラムの波長を持つものや、太陽光のように連続スペクトラムを持つものがあるが、モニターのような場合色フィルターと組み合わせることによって現実的な色の表現に対する説明は比較的容易である。反射光における色というのは一般的にその色の光のみを反射し、他の色を吸収すると説明され、黒は全ての色を吸収し、白は全ての色を反射すると説明される。デジタルカメラの仕組みはその反射光をとらえて、それぞれRGBのフィルターをとおしてセンサーで検知して、そのRGBの光の強さの関係から色を表現しようとしているものである。
だいぶ前置きが長くなってしまったが、ここで私の疑問は黄色い色がRGBどの色のフィルターをも透過することがない場合この色が表現できるのであろうかということである。現実的には色フィルターの特性や反射光のスペクトラムがそんなに狭いわけはないので、起こりえない問題であるが、カメラにおける色フィルターの特性が色の再現にどのような影響を与えるかを考えるには一つの問題提起である。
[2004/08/22]
昨日は「みなとみらい」へ出かけた。晴れた暑い一日であったが、夏の強い日差しの「みなとみらい」もこれが最後になりそうである。絞りはなるだけ開けてということで開放のAvモードの撮影としたが、セーフモードが働いて、絞られてしまう絵がほとんどであった。それでも晴れの日は彩度が高く絵がきれいである。どうも私の10Dのシャッターも接触不良のようで、リモートスイッチでシャッターを切っている。そろそろ買い替えかもかんがえなければと思うが、予算から考えればやはり次は20Dであろうか。
久しぶりにCMSカラーマネージメントの話にもどって、カメラのプロファイルについて考えてみた。カメラで、sRGBやAdobeRGBなどのプロファイルをもつのは、JPEGなどの最終出力にカメラ内で処理されるためで、RAWデーターにはもちろんプロファイルはない。ここで疑問に思うのは、デジタルカメラのセンサーはどの色域まで再現(というより検出)できるかということである。単純に考えてみれば、センサー自体の感度というよりは、色分解に使われるRGBの色フィルターの特性によるところが大きいと思える。
一方液晶モニターでの色の再現域を考えて見るとその色の再現はRGBのフィルターというよりみバックライトの発光色の特性の方が問題になる。銀塩の場合は各色の感光特性が問題になるのであろうが、デジタルカメラにおける色フィルターの特性が全体の色表現に与える影響がどうなっているかということは非常に興味深いことである。
[2004/08/20]
今日も過去の撮影から2枚アップした。現像法の確認も順調でほとんどの絵で色調の表現は改善されている。好みの問題とも言えるかもしれないが、とりあえず現在の私の目からは好みの絵になっている。ギャラリーの性格上比較の絵は掲載しないつもりであるが、10Dのページの現像法を更新しなければと思っている。
EOS20Dが正式発表されその概要が明らかになったが、買い替えの余裕はないにしろそのスペックは気になる。シャッタースピードが1/8000になったのは魅力であるが、その他の改善点についてはRAW以降の処理、AFやAWBに関する処理などで、マニュアル・自己現像の私にとってはあまり関係のない項目ばかりである。問題はJPEGでのバッファ枚数が増えているのにRAWでのバッファ枚数が減っている。これはバッファメモリサイズが10Dと同じで、DIGICの処理を改善した結果であろう。
RAWの枚数が減ったのは画素数が増えたためであろうが、RAW専門の私には大きな欠点である。風景やスナップでバッファサイズが気になることはないが、モデル撮影では連続の撮影枚数が減ってしまう。フラッシュへの書き込み時間が大幅に改善できない現状では、フィルムと同じ36枚ぐらい1秒おきでもよいから連続撮影したい。現状10Dでは工夫しても16枚程度でとても撮影できない位の撮影待ち時間になってしまう。実際に使ってみないとその感覚がわからないシャッターラグや半押し時のフラッシュ書き込み、高速フラッシュへの対応などある程度の改善はできていると思うが。
さて、最近検討を進めているカブリの影響であるが、おぼろげながらそのしくみを想定することができている。ここでいうカブリとは、ミラーボックス内での光の反射と拡散によって、絵の色調が正しく表現されない現象をいっているが、特に強い色があると全体の色調がその色に引っ張られる傾向がある。また強い色が複数あってその混合がグレーにバランスしていれば、色の傾きは発生しないのであるが、全体的にコントラストの低下が発生する。原理的には明るいレンズを開放で使えはその影響を減少させることができる。現像法によってこのカブリの影響を打ち消すことは可能であるが、個別調整になる。等々である。しかしその影響を極力抑えるような共通の現像法も存在することも事実である。
しかし、このカブリ問題の解決には上記の情報だけでは不足である。もっと広い範囲でデジタルカメラというものを検討していかなければこれ以上の現像法の進展はないであろう。今後は別の側面から更なる仮説の展開を行っていこうと思う。
[2004/08/18]
今日は、昨年撮影した曇りの「みなとみらい」から2枚アップした。絞り開放での曇りの日の撮影例として最近出かけることができなかったので、過去のデータから、EF85mmF1.2Lで開放撮影した絵を現像しなおしてみた。昨年9月の撮影である。
現像法を最新にして、先週あたりのF5.6での絵と比べると気のせいかコントラストが高い。全体的なカブリの影響だと考えるとそれもうなずけるが、画角と天気のせいで偶然コントラストの強い絵が多かったのかもしれない。違いといってもその程度のものであるから、絞り値だけで飛躍的に絵がよくなるわけはない。現像法の違いいによる影響の方が大きい。飛躍的といかないまでも、様々な要素の組み合わせで絵に違いがでてくるのであるから、写真の撮影法も試行錯誤で修練を積み重ねていかなければならない。
現像法変更による、RAWデータの現像しなおしによる検証もやっと過去一年分の現像を終了したところである。以前の現像結果と比較して、色がだいぶ現実的になってきた気がする。銀塩に近づいたかどうかは別として、デジタルの色のいやらしい部分はだいぶなくなってきた気がする。どういうところがディジタルのいやらしい色と簡単に説明はできないが、プロが撮った絵でもデジタルで撮った絵は相当レタッチされていなければ十分判別可能である。
しかし、一般的にいってデジタルの絵は彩度が高くきれいである。最近は銀塩でもスキャナ処理されるので、彩度増加はおろかWBの調整から、トーンカーブの調整まで自動で行われるようであるが、それでもデジタルの色調とは違う気がする。ポジのスリーブは見る機会も多いが、そのすっきりした色調はまだまだ現像法の完成が、ほど遠い気にさせる。
[2004/08/15]
今週末は、諸事情により撮影に出かけることができなかったので、前回同様曇りの「みなとみらい」から2枚追加した。曇りの日にどれだけWBを崩すことなく、自然で色伸びの良い表現ができるかというところが、目標になる。諧調中央部の彩度を上げるために中央部のトーンカーブを以前より傾きを急にしているが、曇り空を入れても飽和させることなく、十分なコントラストと明るさを得るには露出の調整がかなり微妙になってくる。
露出に関しては、撮影時に適正に抑えるのはまだ私にとっては難しい。RAW撮影であるので、後で露出調整できる必要がある。現在の-1.5EVの撮影で、+/-1EV程度のズレであれば、露出の後調整ができるので、便利である。RAW撮影はもう手放せない。
前回から、絞り値による色調の違いについても、現像を繰り返しながら試行錯誤しているが、絞りを開放にしたときの素直な色調を認識はできるのあるが、その理由と撮影方法に関してはっきりとした結論を出せないでいる。シャッタースピードの制限から、日中は開放にすることは難しく、NDフィルターを使った場合その効果があるかどうかまでは確認がとれないでいる。
色劣化の原因がミラーボックス内の光の反射とすれは、絞りは開けたほうが良いのであろうが、NDフィルターをつけたのではその効果が半減する。プロテクトフィルターでさえ、ないほうが良いという風評であるので、解決策は難しい。カメラのISO感度が低く設定できれば良いのであるが、いまでさえ-1.5EV撮影ということで、ISO300相当である。
絞りに関しては今後なるべく開いて撮影するということになるが、開くとピントを合わせる対象をはっきりさせないとまともな絵が撮れないということにもなる。今後も色々の試行錯誤が必要である。
[2004/08/12]
今日も、曇りの「みなとみらい」から2枚アップした。曇りの日はやはり、色彩は淡い。トーンカーブを強くすれば、この眠さは解消されるが、共通現像法としてはこの程度が限度であり、実際の色調もこんなものである気もしないではない。
色かぶりの現像法による改善は、とりあえず置いておくとしげ、多くのRAW現像から得た経験として、絞りによる色調の違いということにこのところ注目している。D30時代に、 EF85mmF1.2の購入直後にそれまで使っていた、EF28-70F2.8Lの色調と比べてあまりにもその色調の鮮やかさに驚いたことがある。後にシャッタースピードと絞りの関係を変えることによって、表現される色調がだいぶ違うことを実証している。この違いは絞り値が2.0以下でないとこの差はでてこない。しかし、この原因はいまだに不明である。
今回、同じレンズで絞り値を変えて何枚か撮影してみたが、やはり10Dにおいてもその傾向は明らかにある。なぜ色調が違うか木の葉の部分をアップしてみると、絞り開放では緑の部分が一枚一枚解像しており、そのコントラストが絞った場合と異なっており、赤みがかった、夕方の色調が解消されている。
NDフィルターを使って、シャッタースピードを変化させてみたが、絞った絵ではシャッタースピードには関係ないので、電気的なものではなく、光学的な原因ではないかと思っている。原因は絞りを絞ったときのかぶりとしか思えないところがあるが、まだ多くの検証を行わなければ、はっきりといえない。色々の経験から色々の仮説を立て原因を究明することが、現像法の改善に役立つと考えているが、わからないことだらけである。
今度は絞り開放で多くの絵を撮影してみたい。趣味の世界ではそう早く結論を出す必要もない、こういう検討を重ねていくのもまた楽しいものである。
[2004/08/10]
今日も、曇りの「みなとみらい」から2枚アップした。
現像法に関する検討から、色かぶりの影響を検討してみた。実際、強い明るい色によって、全体がその色に偏ることは、良く経験する。PhotoshopCSの現像プラグインにはシャドウ部色かぶりの補正バーがある。この補正バーの調整はヒストグラムを見ながら行うにはそう困難な作業ではない。ヒストグラムの一番暗い部分の成分が白(RGBのバランスがあった状態)にすることで、黒を黒として表現できる。ただこの調整は私の検討の目的にあわない個別調整である。色かぶり自体が被写体の選択に影響するのであるから個別になっても仕方がないと言えるのではあるが。
私の主旨とする所は、色の劣化を引き起こす要因を、個別レタッチではない唯一の現像法で改善することであり、それを回避できないのであれば、撮影方法によってカバーすることである。今回の現像法変更では、彩度増加の制御方法を変えることにより、シャドウ部の彩度を下げることによって、この色かぶりの影響は軽減されている。実際暗部色飽和によって、マイナスに伸びていた特定の色のヒストグラムもほとんどなくなり、極端な黒バランスのズレを個別に調整する必要はほとんどなくなっている。ただ鮮やかな花のアップなどでは、色かぶりのため、バックの色の劣化や葉の緑が正しく表現されないものもある。撮影法によるカバーでは、明るい黄色の強いひまわりの絵などは青空をバックに撮影することにより、葉の緑がくすまずに鮮やかに表現されることも良く知られる手法である。
ここで、色かぶりというのはレンズ内(ミラーボックス内の光の反射と混合)でのことであり、特にデジタルカメラではローバスフィルターの鏡面反射によって銀塩フィルムより不利とされているが、これはファインダーで覗いた時の色彩と実際の撮影される絵の色調が異なってくることが一番大きな問題である。ファインダーの絵からシャッターを押すのであるからこれが違ってしまっては写真の根本から狂ってくる。今回はこの点に注目しながら何枚か現像をやり直してみたが、現像法改善の効果かさほど色かぶり調整バーを動かす必要はなかった。一部の絵ではこの個別調整で、改善されるものあったが、雰囲気として割り切れる程度のものであり、結果を予知することによって撮影法で乗り切れるものであると感じた。
[2004/08/08]
今日で私の夏期休暇も終了である。いろいろやりたいこともあったのであるが、結局はRAWデーターの現像に明け暮れてしまった。今日は昨日の曇天の「みなとみらい」より2枚アップした。このところ、晴天つづきで曇りの色調を試す機会がなかったので好都合である。曇りの日の色調は無彩色の中の一部の鮮やかな色というのが目的とするところであるが、そうはうまく表現できない。
多くの絵を同一のパラメーターで、現像してみるとデジタルカメラの特性というものがおぼろげながら、見えてくる。銀塩の絵を多く知るわけではないが、私の中では抜群のグレーバランスと色の鮮やかである。現像法に改善を加え、ハイライトとシャドーの彩度を押さえ、諧調中央部の彩度を上げる方法で、かなり色の表現は素直になった気がするが、まだまだ不満である。
現像したとき思い通りの色が再現できているかという点については、うまくいっているものもあるが、そうではないものもある。撮影した絵が全て思い通りである必要もなく、失敗は失敗として認めるべきであるが、なぜ失敗しているのかを知らなければ、先に進むことはできない。しかし、それがわかるほど写真は簡単なものではない。さまざまな条件が重なって、最終的な絵ができあがる。
これ以上の進展を得るには、これまでの経験とデーターからまた仮説を作ってそれを証明していくことを繰りかえさなければいけない。これを試行錯誤というのであろうが、うまくいかないから興味がつきないということであり、何事も満足してしまえばおしまいである。
[2004/08/05]
昨日は夏休み中ということで、週末でない「みなとみらい」に撮影に出かけた。さすがに人出も少なく、ゆっくりと撮影ができた。その中から2枚ほどアップした。
ちょっといつもとは色調が違う絵を得ることができたが、今回から撮影時の標準露出を-1.5EVとすることにした。風景の撮影はTvモードの評価測光(分割測光)としているが、-1.5EVといえばISO300相当である。どうしても白とびが出る絵があったことも理由のひとつであるが、この程度でもノイズや諧調のとびは気にならないし、表現にできるだけ、CMOSのリニアな領域を使ったほうが良いという考えからである。
これにともなって、現像パラメータも修正しているが、表現できる諧調も前回検討の現像法変更の効果もあいまって、だいぶ広がった気がする。ただ今回の絵の色調の違いは、天候によるところの方が大きい。この日は晴れであったが、午後低い雲が発生し、ごく一部にしか日があたらない状態になっていた。撮影も雲の動きをみて、狙って撮影したこともある。写真も気が長くないと勤まらないもので、気の短い私にはちょっとしんどかった。
このところ毎日過去データーの現像の繰り返しで微調を繰り返しているが、まあ以前には出なかった色も出るようになったと感じている。色調も季節や場所によって、ずいぶんと違いがあるものである。同じ場所を何度も撮影するとその土地の色というものがあるものだと実感できる。
[2004/08/03]
今日も、撮影会から2枚追加した。今回は白バックの絵である。現像パラメータは前回とさほど違いはないが、色の感覚はずいぶんと違う。このところ撮影会はヌードが多くなってきて、あまり多くの絵を紹介できないのは残念である。写真の表現としてのヌードはきれいに撮ることも必要であろうが、追求していけば、いやらしさといわないまでも、感じられるものを表現できなければいけないと思う。
さて現像法に関しては、多くの過去のRAWデータを何度も現像しなおして、調整を繰り返している。過去の長い検討の中で、風景、スナップ、ポートレート等それぞれ違ったパラメーターを設定することによってそれぞれに設定を変えたいという誘惑に何度もかられてきたが、ここにきてその考えは良くないと思い始めている。WBについても同じことが言えるが、ただひとつの現像法を検討することによって、さらに現像法の新たな進展があると思っている。ただ一枚の絵にレタッチを加えてすばらしい色調に仕上げることは可能であるが、唯一の現像法のもとに写真を撮る方法によって、いい絵を作るほうが、写真にとって意義があると考えている。
それにしてもカメラメーカが提供するデジタルカメラの絵作りはとても満足のできるものではない。AEやAF、AWBで適当に撮影してもそこそこの絵が得られるように考えられているのだからしかたがない。ただ私には経験がないが、銀塩ポジユーザーや銀塩モノクロを自分で現像するユーザーには、デジタルカメラへの不満が払拭できないのも現状であろう。
私の現像法も叙々に良くなっていると思っているが、デジタルの絵はまだまだもっとよくなると思っているし、さらに検討を続けていきたい。
[2004/08/01]
今日も、撮影会から2枚追加した。IEで見た場合、Photoshop上で見た絵より、赤みが足りない気がするが、モニタプロファイルの設定のズレのせいと思われる。現像パラメータについては、日記上で断片的に述べているので、10Dのページで、そろそろまとめをアップしようと思うが、なかなか思うように進まない。現像設定のみならEXTIF情報に含まれているが、現像後のトーンカーブがみそである。
CMSのほうもそれほどの正確性をいわなければ、まあいい線で理解、調整ができていると思う。現在のワークスペースはAdobeRGBであるが、Photoshop上でプロファイルのない絵を見るには校正設定が使用できる。WindowsRGBにすればsRGBの色調になるし、モニタRGBにすればIEで見たときの色調を確認することができる。
この校正設定の中でMacintoshRGBというのがあるが、これに設定するとかなり明るい絵になる。Macで見るとこんな絵になってしまうのかと心配であるが、実際のMacで見たことはない。ガンマがWinの2.2に対して1.8というのでこのぐらいの差があっても不思議ではない。ただいろいろ調べてみるとガンマの1.8というのはMacのCRTがハードである程度の補正がなされているためらしい。
CRTのガンマは正しくは2.5とのことであるので、逆にMacで見たほうが暗く見えるのではないかと思っている。いずれにしてもMacintoshRGBの校正はMacでつかわなければ意味がないのであろうと思っている。とにかくCMSというのはよくよく理解しないと混乱するばかりである。
[2004/07/31]
今日は久々のコミティの撮影会ということで、ギャラリーに一枚アップした。ヌードなので今回もそう多くはアップできない。最近の撮影会では自然光を使うことが多くなったが、補助的にアイランプ2灯を使っている。
今回は初の新現像法でのポートレートアップであるが、どうであろうか。バックの黒も色なく再現されていると思う。コントラストは強めであるが、色調は彩度増加によるものではなく、トーンカーブによる特徴がでている。もう少し明るめの表現でも良いと思うが、屋外スナップと共通ということで、露出補正以外あえて修正はしていない。
来週から一週間の夏季休暇をもらっている。いつもはタイであるが、今回は金欠のため自宅で静かに過ごすことにした。撮影にも出かけたいと思うが、家でやることもたくさんある。
[2004/07/29]
今日も、先々週のみなとみらいの撮影から2枚アップした。だいぶ日も傾いてきたか夕日の色が入っている。現像法確認も以前のRAWデータを現像しなおしては調整しているが、なかなか楽しい作業で、時間の経つのも忘れる。
CMSに関する論議が中途半端になっていたが、この辺で話題をもどしたい。実は今回の現像法から作業用のスペースをAdobeRGBにしている。今回のヒントになった暗部色飽和もAdobeRGBでは起こしにくい。広い色空間を使ったほうが、ヒストグラムを見ながらの作業には向いている。ただAdobeRGBを使ったからといって、AdobeRGBの色プリントできるという説にはまだ同意してはいない。
AdobeRGBにて、色飽和のないようにヒストグラムを調整しても、sRGBあるいはモニタプロファイルに変換すると、明部または暗部に色飽和がでてしまう場合がある。これはAdobeRGBでは表現できるが、sRGBあるいはモニタでは表現できない色が存在するためで、この部分が色飽和という形で現れてくる。しかし、モニタで見ているかぎりはプロファイル変換前後の色の違いは識別することはできない。ワークプロファイルがAdobeRGBであれ、実際にモニターに送出されているのはモニタープロファイルに変換された場合と同じデータであること知らなければならない。
通常鮮やかな青や緑を含む絵をsRGBあるいはモニタプロファイルに変換すると赤の暗部色飽和を起こす。つまり、青や緑を鮮やかにするには、青や緑の彩度をこれ以上上げられない場合は赤の成分をマイナスにするように働くからである。最終的にマイナスの表現はできないので、暗部に赤のヒストグラムが張り付く。そんなことで、表現できない色を表現できるものかと思うが、人間の目には結構効果があるらしい。ちなみにギャラリーの絵はAdobeRGBをモニタRGBに変換し、プロファイルを削除しているので、色飽和しているものもある。通常プリントの色で話題になるのは黄色の表現であるが、この色は青の暗部色飽和もあるが、赤と緑の明部色飽和をおこす。明部に関しては彩度や明るさを調整することにより飽和を防止できるが、他の色の部分が暗くなってしまう。ここがAdobeRGBを使う利点と主張しているらしい。
しかし、それは単なるバランスの問題で、表現できる色とは関係がないような気がする。そもそもモニタで見えない色をプリントアウトできたところで、どんなものになるのかレタッチ時に想像できないし、意味もないであろう。ただモニタがAdobeRGBの色域を表現できたとしたら、話は異なる。最近はAdobeRGBのモニタも出てきたようであるが、これらのモニタを使うことによって、はじめてその色をプリントできるようになると考えるべきであろう。
[2004/07/27]
現像法の最適化微調もなんとか修まってきたところで、先々週のみなとみらいの撮影から大桟橋付近の撮影を2枚アップした。この絵はその前の週にアップした、下のほうで、消えそうな位置にあるギャラリーの絵と同じ撮影の絵である。前回は180mmマクロの絵であるが、この色調の違いはレンズのせいではない。これらの絵を見比べてもらえば、天候以上に現像法の違いというものが明確であると思う。
今回現像法は全体的に色が薄いと感じるかもしれないが、彩度の高い点の彩度は前回以上に濃く、彩度の低い点での彩度を低く抑えている。各色ごとの彩度のバランスを調整したこともあるが、現像時の彩度増加を抑え、現像後トーンカーブによって中央レベルの彩度を増加させている。これに伴い現像時のコントラストも抑えたことは、前回述べたとおりである。
全ての絵を同じ方法で現像するという試みは、WBに関しては一応成功しているが、コントラストに関していえばなかなか難しいところがある。明るい場所ではどうしてもコントラストが強くなり、明るいところを飛ばないようにするとどうしても日陰部分は黒くつぶれてしまう。ポートレートなどは目標部分で適正露出に合わせれば良いが、風景のスナップではそうもいかない。この辺がスナップ撮影はネガが良いとされる所以であろうが、ポジでは後でコントラストの調整がきかない。ここで、思いつくのが、光の強い場所では偏光フィルターの使用であろうか。空を青くしたり、窓ガラスの反射を抑えるだけがPLフィルターの役割ではないことにやっと気づいた次第である。
撮影後の調整はPC上でできるが、撮影データが飽和しては手の施しようがない。現在-2/3EVでの露出で撮影しているが、いまもう-1/3段落として、-1EVでの撮影を標準にしようと考えている。この変更によってもちろん現像時のパラメータもさらに調整が必要である。
[2004/07/26]
昨日は撮影にでかけるのをさぼってしまったので、先々週末の「みなとみらい」からEF200mmF2.8Lの絵を2枚アップした。
現像法の変更から過去のRAWデータを現像しなおして評価中で、パラメータをさらに微調して、全ての絵に最適なものにしようと試みているが、これがなかなか難しい。私の現像法の目的は、操作上Photoshopでトーンカーブを弄り回してはいるが、唯一つの方法で全ての絵を仕上げるということなので、うまくいかない絵があるとしたら、それは撮影方法が悪いということに結論づけなければならない。
この中で、色温度の設定については、今回の現像法でかなり進展したと思っている。デジタルの場合はAWBを使うのは一般的であるが、これは撮影の意図が反映されないということで、使用しないことにしている。また色温度は晴れの日向が、5000度Kであるのに対し、曇りでは約5500度K、日陰では6200度K程度である。この色温度ズレが5000度K一定の現像を行ったときにどれだけ最終仕上げに影響が出てくるか、あるいは不自然になるかというのは、現像方法によるところが大きい。銀塩では、後処理が可能なネガのみでなく、リバーサルフィルムでもフィルムではそんなに細かく分けて出荷されている訳ではない。このWBの固定ということに関してはかなり完成度が高く、日陰が青みがかることは否めないが、雰囲気として割り切れるレベルになったと自負している。
また現像の中で暗部色飽和に関してはその理論に関して、処理方法の検討も進展しているが、明部の色飽和に関しては撮影時の露出設定によるところが大きい。現在はAEを評価測光(分割測光)の-2/3段としているが、まだ絵によっては飽和しているものがある。白の飽和はまだ許容できるが、単色の飽和は救いようがない。夜景の赤、日中の強い光の中の明るい緑などで、飽和によって色が薄くなるだけなく、色相まで変化させてしまう。撮影時露出をさらに下げることも考えているが、少し下げたぐらいでは収まりがつかない絵も結構多い。こう考えると銀塩フィルムの明部ラティチュードの広さというのはやはりまだデジタルの追いつけないところかとも思う。私が夜景や長時間露光撮影にチャレンジしない理由の言い訳にはもってこいである。
[2004/07/24]
今日も先週末の「みなとみらい」からEF200mmF2.8Lの絵を2枚ほどアップした。今回は硬調現像の特徴が出ている絵をアップしている。
Webにアップされた多くの銀塩写真やデジタル写真を見ているとどちらの写真であるかはわかるようになる。銀塩は鮮やかな色表現であるにかかわらず、白と黒が美しく表現されている。デジタルでもWBを正確にとったものは違った鮮やかさと美しさがあるが、WBを調整していない、あるいはできない絵は色のついたフィルターを通して見たようにすっきりとしない。レタッチによって、WBの良い濃い色彩の画像に仕上げれば、これはこれで美しい。好みの問題といってしまえばそれまでであるが、私の現像法追求とはまた別のテーマとなってしまうであろう。
更新に時間があいてしまったが、今回のヒントから現像法のパラメーターを変更し、試行錯誤を繰り返していた。現在もポートレートを含めて調整中である。現像法の変更点は簡単にいえば、Photoshop現像の各色ごとの彩度を調整してグレーバランスを調整したことである。実際はGとBの彩度をかなりさげている。それにともなって、彩度が低くなるので、中央部でカーブの立つトーンカーブによるS字補正を行っている。またこのためにコントラストが高くなりすぎるので、現像時のコントラストもかなり下げている。
これにより、諧調中央部の彩度を高く(特にR)明部、暗部の彩度が低くなり、すっきりした色調になったと思う。また明部、暗部の諧調もコントラストではなく、トーンカーブにより制御されているので、割と明部、暗部つぶれのない絵を作ることができる。
これまで露出補正によって色の濃さが変化して、色濃い絵を得るために暗めの調整になっていたが、今回は適正露出部分の彩度が一番高くなるので、最適露出の考えかたを明確にできるようになった。また諧調表現の適正化により、暗部のノイズは気にならなくなり、むしろ中央諧調でのノイズが目立ってきた。銀塩の粒状感に似てきたような気もする。
しかし、ポートレートにおける肌の色の表現は単純な彩度増加による、色変化のすくない美しさはどうしても捨てきれないでいる。もう少し、この現像法で過去のデータを試行錯誤することになる。
[2004/07/21]
今日も先週末の「みなとみらい」からEF200mmF2.8Lの絵を3枚ほどアップした。望遠効果によるボケの描写とグレーバランスの描写を説明するためのサンプルである。
前回は色別彩度設定によるグレーバランスの改善という面でいささか興奮ぎみに述べたが、多少冷静に色別彩度はどう調整すべきかということに関して検討してみた。この検討を定量的に進めるには、やはりグレースケールのテストチャートの撮影データを使う方法しかない。いつも昔撮影した直射日光下のRAWデータを使っているが、これは非常に役に立つ。色温度調整後に暗い部分のヒストグラムがRGB値が同じになるようにBとGの彩度をCSの現像ソフトで調整し、それでも合わない分を現像後のトーンカーブでBのカーブを調整した。
ここまでやって、ふと思ったのは10Dのページにあるグレーバランス調整法とどういうちがいがあるのであろうかと。ここでは現像時の彩度調整を行っているだけで、これを行わなくても現像後にトーンカーブで調整をとれば同じではないかという疑問である。しかしこれは違う、いや違う意味があるはずである。
過去リニア現像で苦労した経験がある。通常RAWデーターにガンマ補正をかけただけでは色彩は情けないほど薄い。ここで見られる色にするには、彩度増加を電気的に行うか、硬調に調整することである。銀塩ではフィルムに硬調な特性を持たせて色を鮮やかにしているが、このためラチチュードが狭くなり、コントラストの強い絵となる。ポジでは露出の正確さが要求されるし、ネガでは紙焼きの段階での露光時間が微妙である。しかし、彩度が増加するのは中央の諧調部分のみであり、暗い部分のグレーには彩度増加がないため、抜群のグレーバランスとなり、多少の色温度のズレを気にせずに黒のきれいな絵を作ることができる。
デジタルの場合は特に硬調仕上げにする必要もなく、直線的な諧調を保ったまま電気的に彩度増加を行うことができる。このため、全体に色のりのよい絵に仕上げることができ、いわゆるベットリとした色調の絵を作ることが可能である。ポートレートにおける人の肌の表現においては、明るさによらずに容易にきれいな色をつけることができる。しかし、反面全体の彩度が上がるため色温度による影響が微妙で、環境によって色温度とグレーバランスを厳しく調整していかないとすっきりとした絵を得ることが難しい。
長文になってしまったので、彩度増加のテクニックと現像法の改善については次回に。
[2004/07/19]
昨日は新規購入した、200mmF2.8Lをかついで、「みなとみらい」にでかけた。この日は横浜の花火大会ということで、どこも大混雑でいつもの撮影場所というわけにはいかなかったが、まあなんとかレンズ評価の絵は撮れた。その中から桜木町歩道橋から撮影した3枚をアップした。
200mmは思ったより結構倍率が高い180mmより結構望遠に感じた。ボケ味解像感も思いのほか良好である。70-200よりも写りはかなり良好に感じるし、コンパクトであるのに、あまりこのレンズでの撮影例を見ることがないのはなぜであろうか。135mm2.0に1.4xをつければ同じような焦点距離と明るさになるが、レンズの性能や特性はそう単純ではないはずで、このレンズでなければという絵もあるはずである。
ところで、今回は現像法に関して大きな進展があった。今回アップの絵だけではわからないかもしれないが、グレーバランスと彩度を向上させることができた。これまで、グレーバランスは色を消した状態で無彩色になることだけを考えてきたが、そうだけではないことに気がついた。これはこれまで、どう調整してよいかわからなかった、色ごとの彩度の設定に関係していることがわかった。
これは色ごとの彩度増加によって、他の色の暗部色飽和を起こすためで、たとえば鮮やか青い色の部分のスペクトラムを見ると赤の暗部飽和を起こしていることに気がつく。これは青をあざやかにするためには赤の値をマイナスにしなければならないという理由に基づいているためで、赤の暗部飽和は赤の彩度過剰にのみひきおこされていることではないのである。結果暗いグレー部分の赤は失われグレーのバランスが崩れてくるのである。
今回は青と緑の彩度を低下させて調整している。これにより、全体の彩度を増加させることによって、暗いグレーが青緑がかることが防止でき、日陰の白が青みを帯びさせず全体の彩度を増加させることに成功した。今後もっと多くの絵をこの方法で現像して確認しなければいけないが、おおかた良い結果を示しているようである。
[2004/07/16]
ギャラリーに180mmマクロの絵を2枚アップした。このところの金欠状態を解除するため、使用していないレンズを売却した。この180mmについてはずいぶん悩んだが結局売却して、EF200mm2.8LIIを購入した。一倍マクロはあまり使わないし、望遠目的なら半段でも明るい、このレンズに交換することにした。やはり180mmマクロは撮影目的のはっきりしない「お出かけ」にもっていくには、少し大きい。従ってこのレンズの絵のアップはこれが最後になってしまうと思う。
さてCMSの続きであるが、やっとPhotoshopでの運用について。Photoshopで作業をするにあたっては、まずワーキングプロファイルを決定しなければならない。CMSをやらなければ、カラーマネージメントポリシーをオフにすれば、どのワークスペースを選らぼうが、関係ないが、CMSを行う場合はワークスペースをsRGBまたはAdobeRGBとしてマネージメントポリシーを「埋め込まれたプロファイルの保持」に設定して、「プロファイル不一致時に確認する」という設定にする。
Photoshopでは、この状態でプロファイルの変換や指定などが自由に行える。ただこのとき前回論議した、windowsディレクトリー下のモニタプロファイル・ファイルは、あるいはディバイスドライバの色補正は、どのように動作しているのであろうか。当然モニターとsRGB等の標準プロファイルとの差を計算するためにこのモニタプロファイルが使用されているはずである。私の場合Adobeガンマの調整がどうしてもやりにくいということで、ドライバの調整で補正していたが、校正設定でモニターに設定した場合とWindows上での表現が合わなかった。結局Adobe gammaをドライバによる調整と同じ程度になるように調整して、校正設定が合う様になった。
これで、Photoshop上でのCMSの動作が矛盾なく、私の中で理解できたことはうれしい。しかし、まだモニタにおける色管理だけで、カメラやプリンタに関してはさらに検討を進めなければならない。
[2004/07/15 Add]
本日は号外ということでギャラリーアップはしなかった。
CMSの続きであるが、CMSに行く前にWindows上における色管理に関して少し。ドライバにおける補正とAdobe gammaは、デバイスの特性(ハードウェア)を補正するもので、ここで固体のバラツキも調整する目的もある。ここではまだプロファイルといったアプリケーション上の特性は調整しておらず、グレーバランスとかガンマとかを調整している。この状態でデバイス上の表現はRGBのバランスに応じた色がこの補正を通って再現されるに過ぎず、モニタの表示可能領域はモニタの再現できる色の範囲である。CMSを使用しないと決定すれば、PhotoshopであってもCMSを使わない設定で動作できるので、特に自分の環境のみで使用するのであれば何も困ることはない。Windows IEの環境でWebの写真を見ても大抵の場合、そう不自然に見えることはなく、そこそこの運用が可能である。
しかし、厳密な意味で環境にかかわらず、色を伝えたいとき正確に伝えることはできないし、WebにアップされたAdobeRGBの絵等はIEでは彩度が薄くとても見られたものではない。ただプロファイルのついていない写真がほとんどであるインターネットの世界では、CMSを行わないでも、現実に近い色が得られることも事実である。
話が脱線してしまったが、CMSを行うためには基準が必要である。これは色がRGBのバランスだけではデバイスによって表現される色が違ってしまうので、別の表現でデバイスに依存しない表現基準が必要である。これは色空間座標のx,y値によって表現されるようであるが、デバイスのプロファイルというものはこの基準からどれだけずれているかという情報をもたなければデバイス間にわたって同じ色を表現することはできない。もっと簡単にいえば、プロファイル・ファイルは色座標値に対して、RGB値がいくつでその色が表現されるかということが記載されていると考えれば良い。
前回述べた、windows/system32/spool/drivers/color/のディレクトリに格納されたプロファイルはこの基準値からのデバイス表現の違いが記述されている。またこのディレクトリには使う使わないにかかわらず、sRGBやAdobeRGBなどのアプリケーションプロファイルも格納されている。良く写真データにプロファイルが埋め込まれているという表現がつかわれるが、この表現は誤解を生みやすい。実際、写真データにはsRGBとかAdobeRGBとか書かれているだけで、sRGBとかAdobeRGBの特性はここにあるプロファイル・ファイルに書かれている。sRGBとかAdobeRGBの特性は世界共通の不変のものであるから写真データに一々その特性を書き込む必要はないはずである。
続きはまた次回。
[2004/07/15]
ギャラリーは前回同様、180mmの絵を2枚ほど追加した。Web用プロファイルを若干変更したが、どうであろうか。そうは変わっていないはずである。
前回のCMS否定のコメントから、少し頭を冷やしてもう一度考えなおしてみた。この点を残したままでは、私の色に対する追及は先に進まない。最終的な色表現を理想に近づけるには、どのプロファイルを使うべきかということについて検討してきたが、この結論を出すにも、もっとプロファイルやデバイスの表現がコンピュータ上で処理されているかを理解しなくてはいけない。今回はコンピュータのOSであるWindowsにおけるモニタの色の管理について検討してみた。
現在まで、私の中にはデバイスというのは標準のインターフェース条件を持っているという考えがあった。つまり、sRGB対応のモニタにsRGBプロファイルを持った信号を送出すれば正しい色を表現してくれると思っていた。しかし、これは間違いで、実際はPCのドライバがそのデバイスに合った色をモニタに供給しているにすぎない。しかし、ドライバは別メーカであるディスプレードライバが提供しているので、そのモニタにあわせるための情報を記録するものが必要となる。この必要情報はプロファイルと呼ばれ、photoshop付属のAdobe gammaで編集することができる。このprofile fileはwindows/sytem32/spool/drivers/colorのディレクトリに格納されてシステム立ち上げ時に読み込まれモニターの色を制御する。
この動作はPhotoshopにもプロファイルにもこの時点では関係しない。実はモニタの色を調整することはこのファイルがなくとも可能でDesktopのプロファイルから入るドライバによる色の調整が可能で通常ディスプレードライバにはこの調整を行う窓が表示可能である。グラフィックカードによりその調整方法は異なるが、通常、明るさ、コントラスト、ガンマなどが調整できる。ここで設定した内容はレジストリに保存されるようである。どう言う理由かはわからないが、プロファイルかドライバかどちらかしかアクティブにできず。両方同時にアクティブになることはないようである。最後に設定されたほうがその後有効である。
通常ディスプレーに表示される絵はそれぞれの点のRGB値を持っているので、その値がこのプロファイルかドライバの設定で変換されて、CRT上で表現される。これらの調整のキーは同じRGB値を持つつまりグレースケールの絵が無彩色で表現されるようにするグレーバランスと表現の明るさを支配するガンマ値である。ガンマは多くの絵が適正な明るさになり、見やすい明るさにすればよいが、Windowsの場合は2.2程度が順当と思われる。ここまで、sRGBとかAdobeRGBとかという言葉は出てこないし、これらのプロファイルはワークスペースプロファイルと呼ばれ、Photoshopのような画像加工ソフトで使用されることになるが、これは次回で。
[2004/07/13]
ギャラリーは前回の180mmの絵を2枚ほど追加した。前回はマクロレンズは望遠には向かないと書いてしまったが、このクラスではF2.8でも半段しか違わないし、218や328となれば相当額の投資が必要なのでそうは勝手が許さない。ただ135mmF2.0Lのほうが多少短くても望遠目的にはメリットが大きいような気がするし、マクロにしてもそこそこの絵は撮れる。やはり普段の持ち運びは135mmの方に再び傾いている。
このところプリンタのグレーバランス調整に時間を費やしてしまった。グレーバランサーというソフトが評判になっていたので、試してみたが、結局フォトショップからのプリントに適用できないことがわかり、これを機会に自分のPhotoshp上のプリント補正バッチのグレーバランスを調整することにした。現在はPhotoshp用のプリンタプロファイルを使いプリンタドライバの補正なしでプリントしているが、モノクロの絵をプリントしてもそうはズレていないようだ。ただこれを厳密に調整しようとするとたちまち紙とインクの無駄遣いになってしまう。どうがんばっても銀塩のモノクロにはならないので、まあ適当なところで妥協するしかない。カラーの絵なら多少のズレは許容される。
グレーバランサーは、機器のバラツキを補正するというふれ込みであるが、これで試しプリントするとずいぶんと調整がズレている。でもPhotoshop用のプロファイルを使えばそんなにズレてはいない。最近、CMSとかプロファイルに対して私自身懐疑的である。ディスプレーの色合わせにしてもずいぶんとCMSに対して否定的になっている。Photoshop自身Photoshop単独で使う限りはこの動作と考えは完璧であるが、モニタやプリンタとのインターフェースを考えるとどうすればトータルのCMSが構築できるかは疑問ばかりが残る。
それぞれ違う会社で作られたソフトやハードが勝手な制御をしているのか、それとも私が理解できていないだけなのか。インターフェイスを明確にするためのプロファイルであり、CMSであったはずであるが、それをするためにはアップル製品を買い揃えなければならない現状はどうかと思う。結局信用できるのは自分の目しかない。自分の所有する機器を自分の感覚で調整していくしかない。
[2004/07/11]
今日は撮影に出かけようと思ったが、雷雨ということで断念してしまった。そんなわけで、先週の「みなとみらい」から180mmの絵を2枚追加した。今回のアップは望遠ならではの絵にしてみた。
前回も述べたように、マクロレンズの望遠利用はやはり邪道という気がしている。使えない訳ではない。180mmでは、ピントの山はつかみやすいがピントリングの移動量が極端にちいさく、バックラッシュはないのであるが、あわせるのに神経をつかう。
実際にピントのボケ具合を見るとやはり望遠は明るいレンズで開放で撮るのが良いのではないかと感じている。望遠で明るいレンズというともう手の出ない高価なレンズとなってしまうので、ここまでかなとも思う。
ボケ具合と絞りとセンサーサイズというのは、レンズの長さとの関係もあいまって、一概にはいえないが、ほしい絵という意味からすると、絞りが限定されればセンサーサイズでもカバーできるかなと言う気もしている。フルサイズセンサーなら撮れなかった絵も撮れるようになる気がするのは腕の未熟への言い訳なのか。
[2004/07/09]
今日は180mmマクロの撮影として花の絵を3枚ほどアップした。山下公園の花壇での撮影である。
近接の撮影というのも、一つの分野であり、また違ったテクニックというものを要求されるものである。マクロレンズは近接撮影用のレンズであるが、その意味を改めて知らされた気がする。今回の絵もこのレンズならではのものであり、35mmに接写リングをつけても決して撮ることのできない絵である。
前回も述べたように、焦点距離のボケかたに与える影響と絞りのぼけ方に与える影響とは異なるということ認識させられた。某デジタル写真の掲示板でもセンサーサイズとぼけ方に関する話が何度も取りざたされ、私はAPSの絵はフルサイズのトリミングだという結論で十分だと思っていた。しかし、理論的に説明とは関係なく、実際の撮影結果においては撮影時の制約から違った結果が出てくるというということを思い知った気がする。
一般的にマクロレンズは長焦点距離である。これは離れた距離でも大きく撮れるという理由だと思っていたが、そう単純なものではない。このことによって、多少の距離の違いによっても全体的にフォーカスの外れない絵が撮れるということである。この目的であればレンズは絞るべきであり、マクロレンズの設計が、明るさよりも解像度を重要視していることも理解できる。
写真は表現であるから、ボケを楽しむことも解像度を表現することも撮る人の感性次第であろうが、どのレンズを使うかは、構図やフレーミングだけから決定すべきものではないということ。あるいはシャッタースピードと絞りのバランスをどうとるかということをもっと考えていかなければならないということを学んだ気がする。
[2004/07/07]
今日は先週末の「みなとみらい」から、180mmの絵を3枚ほどアップした。撮影後に毎回思いながら、いつも撮影する段階になると忘れてしまうのが、ピント合わせである。もちろんいつもピント合わせには細心の注意をしているつもりであるが、風景などの晴れた日の撮影ではこれだけ絞っているのだから大丈夫だろうという妥協が働いてしまう。いつも撮影後に後悔する。
180mmレンズのピント合わせに関して35mmレンズとは状況がかなり異なる。望遠レンズはボケを生かした表現ができるといわれるがその意味の理解はちょっと違っていたようだ。これは被写体からの距離がカメラから遠いため35mmレンズにおけるように顔の一部だけにピントが合うということではなく、顔全体にピントを合わせることができるが、距離的に離れたバックを使えば適度にぼかすことができ、効果を出すことができる。
この180mmマクロを望遠として使った場合、平面的な被写体においては全面にピントを合わせることができ、その解像感を楽しむことができるが、近距離から遠距離への次第に変化する被写体の撮影では、その撮影の目的がはっきりしない絵になってしまう。ただ写っているだけの写真というのがはっきりわかってしまう。35mmでも開いて景色を撮影すると、この写真はいったい何を撮って何をいいたいのだろうかというものが続出してしまう。
写真というのはやはり難しい、趣味の写真では他人に理解してもらうまで行けなくても、自分が何を撮りたかったかということが自分でも理解できなければ写っているだけで撮ったとはいえない。これまでは、色彩の美しさだけを追求してきた傾向があるが、もう一歩先に進むには常に何を撮りたいかを考えることだとおもう。そうすればピント合わせも間違うこともなくなる気がする。
[2004/07/05]
昨日は35mmと180mmをかついで、横浜に行ってきた。もう横浜は夏の日差しである。強い日差しの中で撮る写真はやはり見た目も出来上がりも色調が美しい。今回はとりあえず、MM21での定点撮影になっている桜木町での35mmの絵を2枚ほどアップした。
このところ、晴れの日のカメラ設定は1/500のTvモードで、評価測光-2/3設定で落ち着いている。この設定では明るくてもそう絞りすぎることはなく、暗い場合は開放まで広がるが、それ以上の場合はセーフモードでシャッタースピードが落ちるので、安全である。ピントに関してはマニュアルを基本としている。
前回から気になっているのは180mmレンズでシャッターが落ちないことで、何回もシャッターボタンを押さなければならない。突然他のレンズに変えてもしばらくはシャッターラグが大きくて使いものにならない。撮影会でマニュアルピント・露出で撮影する分にはそんなことは経験したことがないので、レンズソフトと本体ソフトの兼ね合いがうまくいっていないためと思う。全てマニュアルにしてもすっきりしないので、マニュアルであってもAFかAEのソフト動作しているのか、何か動きが変である。
とりあえずファンクション設定のAF/AEの設定を色々いじってAFがレンズのスイッチをAFによらず動作しないようにしたら、すんなりシャッターが切れるようになった。正確な設定を全て書くことはしないが、問題がとりあえずでも解決できればそれで良い。写りはとりあえず満足しているのに、カメラを買い替える余裕は今のところない。
[2004/07/03]
今回は先週末の180mmマクロ撮影の合間に撮った数少ない絵の中から2枚アップした。180mmの撮影と同じ日の撮影ということで色調は同じであるが、やはり心が180mmになっているときの35mmということで間の抜けた絵になってしまった。
35mmだとピントのあった部分の解像度はともかくとして、ピントを合わせる部分がどうしてもはっきりしなくなってしまう。パンフォーカスで撮るのが基本であろうが、写真という意味では難しい気がする。
今日は連日の睡眠不足から写真を撮りに出かけることができなかったが、明日はまた出かけてみたい。
[2004/07/01]
今日から7月、今年はあまり梅雨という感じがしないうちに夏になってしまうのであろうか。ギャラリーに先週末の180mmマクロの絵を2枚追加した。解像度というよりピントの薄さが目立つ絵になってしまった。
どちらの絵も1/500のTvモードで評価測光によるセーフティモードが働いてしまっている。やはり、F3.5は私の基準からすれば、180mmにしてもかなり暗いレンズである。今回の撮影では、いいと思う絵がブレてしまって、解像度評価をしているギャラリーアップには憚れるものが多発してしまった。
それはともかく、この2枚は評価測光でひっかかった割りには現像時の露出補正を-1.0EVもしている。どちらも色飽和を気にした結果である。花のオレンジ色とネオンのオレンジは現像時のヒストグラムチェックで飽和を抑えてもプロファイル変換する段階でかなりの赤と緑の飽和を引き起こす。最終段階でも飽和させないためには現像段階でかなり暗めに設定する必要がある。
明部色飽和は単色の飽和ではそれほど違和感はないが、合成色、特にオレンジ・黄系は明るいところと暗いところの色相を異ならせ違和感のある絵になってしまう。飽和させないように暗く調整せざるを得ないが絵が全体に暗くなるところが、現像法での苦労のひとつである。
[2004/06/29]
先週末の絵から2枚またギャラリーにアップした。180mmマクロでの撮影である。この日は35mmも持参したが、やはり35mmと180mmでは撮影対象が全く異なってしまう。レンズ交換の手間よりも気分の入れ替えのほうがよっぽど時間がかかる。そんな訳でこの日はほとんど180mmでの撮影となってしまった。前回アップ分から原寸大画像は新たに契約したサーバーに入れ替えた。まあ、見るひとにはあまり関係がないと思うが。
さて180mmのボケ味について、どうも以前からしっくりこなかったのであるが、拡大して良く観察してみた。2線ボケがでている訳ではないが、どうもピントが合ったところと少し外れたところとの差が滑らかではない。原因はどうもシャープネスのかけすぎにあるようだ。アンシャープマスクは現在まで半径1.2-100%thresh3としていたが、解像度がある程度以上あると効果がでるが、それ以下だと効果がなくなる。そのためピントからボケにかけての移り変わりで不連続な箇所が発生するようである。解像度とアンシャープマスク半径の最適化が必要であるようだ。実際180mmの絵はシャープネスをかけずとも十分シャープであるが、多少かけたいのが人情である。結局半径0.9にして最適値とすることにした。もちろん現像時のシャープネス処理は常に0としている。
今回の撮影ではレンズのせいか、シャッターボタンの接触不良かシャッターを押しても押せない場面が多かった。私の10Dもそろそろ寿命かもしてない。まだRAW画像の連番がやっとCRW-9999から0001へ一回りしたところだというのに。
[2004/06/27]
ページ更新の時間があいてしまった。先週はN7600のWAPを使ったメールソフトの作成に時間を費やしてしまった。CGI制限の少ないプロバイダに契約して、なんとか動作するようになった。まだバグやらセキュリティやら問題があるが、満足である。今日は180mmマクロをかついで「みなとみらい」まで出かけた。その中から2枚をアップした。
180mmマクロはやはり大きく重い。135mmより長さがだいぶ長いがこれはマクロのためなのか。3.5という明るさは私の改造M型フォーカスィングスクリーンの傷やらほこりやらを目出させるが、そう暗いということはない。ピントの山ははっきりしすぎるというのかピントが薄いというのか、ピントリングの僅かな移動ですぐにボケてしまう。これもマクロ設計のためなのか。
さて肝心の写りのほうであるが、やはり解像度が高い。高精度望遠特有の色調と質感の再現というものをあじわえた気がする。久々の曇りの色調であるが、自然な色合いとやわらかさはLレンズのものを保持している。もう少し詳細に見て感想をアップしたい。
[2004/06/22]
前回は偽色緩和処理と解像度に関する検討を行い最適値をディフォルト現像パラメーターに設定した。最新の設定で過去のデーターをいくつか現像しなおして見たがその中からEF180mm3.5L Macroの絵を一枚アップした。
このEF180mm3.5L Macroは一年ほど前に大枚をはたいて購入したレンズであるが、一日使用しただけで、防湿箱行きになっている。私の単焦点Lレンズの一本であるが、こうして見ると解像度は他のものと比べても抜群に良いし、色収差などは拡大しても全く見えない。防湿庫行きの理由は重い、大きいなどの他に、ボケ味と色合いがなんとなく気に入らなかったことがあるが、最新の現像法を適用してみると悪くはない。
一年前の結論では望遠域をEF135mm2.0Lとしたが、このレンズにとって変わることが可能かどうかもう一度検討してみたいと思っている。解像度ゆえに表現が硬いことがポートレート撮影には苦しい気はするが、風景ならこのレンズのほうがいい絵が撮れるかもしれない。でも出かけるときに135mmを外すには勇気がいる。EF135mm2.0Lもまたいいレンズである。
[2004/06/19]
今日はギャラリーに2枚アップした。N7600に関しては前の絵がひどかったので、もう一度ストロボで挑戦してみた。ストロボはもう一灯ほしいところである。LCD部分はストロボ下で輝度がかせげないので、スローシャッターでトライしたが、手ぶれがひどくしかたなくはめ込み合成した。
もう一枚は前回アップした近所の写真を現像しなおした。表示されている現像パラメータはまったく同じであるが、若干の偽色緩和をかけてある。ピクセル等倍以上で比較してもらえば良くわかると思うが、前回の絵ではかなりの偽色が出ている。Photoshop CSのデフォルトは偽色緩和30であるが、前回は0、今回は10と設定している。
偽色緩和処理と解像度の関係は前回からのテーマであるが、日差しの強い絵では前回の理論から緩和なしでは、偽色が発生してもしかたがないということになる。しかし、30までかけると明らかに色解像度が悪くなる。今回は最適値として1/3の10程度を選択し、今後のディフォルトとしていくことにする。
色解像度に関しては多少低くても画面全体に影響を与えることはないと思っていたが、やはり画面を比較すると木々の緑のめりはりが偽色緩和によって失われている。単焦点Lレンズでも拡大してみるとコントラストの強い部分には色収差が見られる。同系色の濃淡には収差は見えなくても、その彩度を下げていることは確かである。レンズの収差が色のりに影響を与えるという原理が理解できた気がする。やはり単焦点Lレンズの写りからははなれられない。
[2004/06/17]
連続して、携帯電話に関して意見を書こうと思ったが、書くことが多すぎてとても書ききれない。私自身この分野は全くの素人ではないため、書いてはいけないこともあるであろう。N7600に関してはBBSに断片的なレビューを書くに留める。ただ一ユーザーとして、携帯電話を考えてみたとき、デジタルカメラがそうであるように使用する過程において、自分の意思を反映した使い方というものがあるべきと考えるし、自由な設定と使用法に変化を加えられるという意味でN7600は日本の携帯電話にないものを持っていると言える。他人とは違ったものを持ちたい、作りたいという欲求は趣味の世界での究極ではないかと思う。
デジタルカメラの現像法に立ち返って、解像度に関して考察してみた。解像度と解像感については異なった意味であることは現在多くの人が同意するとろであるが、現像法検討という立場ではCRT画面にてピクセル大以上に拡大して見て見ると解像度や解像感以前の様々な現象が目につくものである。解像度は基本的に画素数を指すが、ベイヤー配列であるためピクセル数イコール画素数にするためには様々な拡張が行われる。これは私が検討している現像法とは若干意味合いが異なり、本来のデジタルカメラデータの現像法の基本となる部分である。RAWデータからこの現像を行うことはRAWデーターのフォーマットがわかればそう難しいことではなく、どの現像ソフトも処理時間の違いはあってもほぼ同様の結果を出力していると考えられる。諧調や色調に関してはその後の処理でなんとでもなるが、ここでのポイントは偽色緩和処理であろう。
デジタルカメラ特有の現象として、モアレや偽色というものがある。これは画素が規則正しく並べられているためで、別にベイヤー配列特有のものではない。これは電気回路でいうところのエリアシングにあたるので、防止策にはローパスフィルターを入れる必要がある。光学的なローパスフィルターがどの程度のロールオフ特性を持つが知らないが、いわばボカシを行っているに過ぎない。原理的には光学的にいれようが、後に電気的にぼかそうが同じであるので、光学的ローパスフィルターが必須であることはないと思う。ここで注意しなければならないのはベイヤー配列であるため輝度信号と色信号の空間周波数が2倍異なるということで、輝度信号に対しては光学ローパスフィルターを使用し、色信号に対しては電気信号になってからの偽色緩和処理を適用しているということのようだ処理速度とコストの見合いからの適用といえるのであろう。
現在の10Dは光学ローパスフィルターの特性からか、D30に比べモアレの発生することは大分少なくなっている。画素数が上がった分そうギリギリの特性を求めてはいないためと思えるが、ピクセル等倍でみればD30よりぼけている。偽色緩和フィルターについては大きくかけてもそう解像度の低下は感じられないため現像法のディフォルト値は結構必要以上にかけている傾向があると思う。このことによる利点はレンズの色収差までを見えなくしてしまう点で、ピクセル等倍で見ると結構色の変化点で色を失っている。やはりピクセル等倍で見るとD30の色解像度はすばらしく一点一点のピクセルが色を持っている。
[2004/06/15]
昨夜Nokia 7600が届いた。配達日指定で発売日前日の到着であった。ついでにこの日はNokiaから次製品発表のおまけつきであった。今日は携帯電話の話題を記してみた。写真をギャラリーにアップしておいた。写真の方はひどい写りであるが、急いで撮ったので容赦願いたい。
現在の携帯電話はV801SHを一月ほど使っているが、ほとんどICレコーダーとして通勤途中に聞いているのが、使い道である。音楽にはMP3が相場ということらしいが、今回のN7600はAACをサポートしている。エンコーダーをWebから探してインストールし、聞いてみると64kbpsでも結構良好な音質である。MP3はMpeg-1 Layer-3のことで、AACはMpeg-4であり、規格的には10年の差があるということらしい。Mpeg-4自体が以前の規格を包括しただけという風評もあるが、やはり10年の技術の進歩はたいしたものである。AAC128kbpsがCD音質というのは眉唾の感はあるが、64kbpsのAACは128kbpsのMP3よりも良く聞こえる。64kbpsの高域は10kHzまでとのことであるが、歪んだ128kMP3の高音をきかされるよりは良いし、低域の低歪みも良い。SHはアナログ信号あるいは光デジタルで、電話機内部のエンコードであるが、NokiaではPCでエンコードしたものをファイルのダウンロードで済ますことができる。SHに使用のSDカードでのファイル転送は試みたことはないが、ファイルタイプがmp3ではないので、PCとの互換性は不明である。
ところでSHのMMI(マンマシンインターフェース)はひどいものである。ヘッドセットで音楽視聴中に音声発信しようとすると音楽再生を中止するかどうか聞いてきて、通話終了後はまた音楽再生をアクティリベートしなければならない。音楽視聴中の着信は音楽再生を自動的に中止するが、もとにはもどらない。音楽再生中着信の設定を可にしなければ着信できないので、つじつまとしては合っているが、ソフトの未完成を言い訳しているにすぎない。N7600は音楽視聴に他の操作が音楽を停止させることはない。発信・着信時には自動的に音声に切り替わるが通話終了によってまた音楽にもどる。
どうも日本の携帯電話のMMIというのはどうなっているのであろうか。一つの機能の設定を探し出すのに苦労させられる。最初のボタンの押し違えによってその機能にたどりつかない。他にも色々不満があるが、とにかく多くの機能をアクセスするにはマニュアル片手でなければつかいこなせない。現在の携帯電話のソフトウェアは膨大なものである。機能が増えるにつれてソフトウェアのつぎはぎが増えた結果、体系化された操作を維持できなくなってきているのではないかと思う。携帯電話メーカーが事業者の保護のもとで、日本での売り上げを伸ばしていることに反して、国際社会においては通用していない。日本が携帯電話先進国だという考えは全くの間違いだとどれだけの日本人が気づいているのであろうか。
[2004/06/13]
今日は同じ日の撮影から、あまり青くない絵をアップした。木の葉の絵は同じJPEG品質でもサイズが大きくなる。
前回は色温度と色調の関係を述べたが、今回は色相と色調の関係について。私の場合は、常にRAWからの現像であるが、10DやD30RAWの場合RAWデーターはかなり生である。つまり、センサーの特性をそのまま反映しているので、この意味でRAWデータはsRGBでもAdobeRGBでもなく、この特性変換は現像ソフトの役割ということである。
PhotoshopCSとFVU/EVUの現像特性を比較してみると、この色相変換の点で若干の違いがあるようである。PhotoshopCSの場合は、黄が赤より、緑が黄色より、青が緑よりの傾向がある。これはD30のリニア現像時代に経験したことと同じであり、PhotoshopCSがセンサーの色相調整を行っていないと思える。
キャノンがキャノンのセンサーの特性を知っているのは当然のことであるが、EVU/FVUに関してはこの点はまともな色で出てくる。現像後に色相補正バッチをかければ済むことではあるので、RAWを生のまま伝えるPhotoshopCSを私は使う。
しかしながら、現像法に関係なく、sRGBとモニタープロファイルの違いからか、この色相ズレもIEで見ればまともに見えるのであるから、ますます頭を混乱させる。正しくは色相補正をしたあと、モニタープロファイルに変換して、WEBにアップすることである。
[2004/06/10]
今日も先週末の「みなとみらい」から2枚ほど追加した。昨日、今日の梅雨空からは想像もできない青空であり、海の色も青い。本当にこんな色だったか戸惑うところもあるが、実際見た目も青かった。別の日に撮った同じ晴れの絵は現像法を同じにしてもこんなには青くない。この日は夏の日差しであったが、気温がさほど高くなく、湿度も低かった。これが空気の色というものであろうか。
絵の色調は色温度と各色の色相彩度である。この2つは理論的に全く別なもので、現像法の中では別々に扱わなければならない。まず、色温度について言えば、ホワイトバランス(WB)とグレーバランス(GB)によって説明される。WBは白点でのRGBのバランスであり、Gに対してRとBを相対的に逆方向に移動させて色温度を調整する。しかし、Gが常にRとBの中間にあるわけではないので、GをRとB間で移動させて調整するのが、色かぶり補正(TINT)である。
GBはWBが正しく設定されていても、グレー点でバランスが取れているとは限らない。グレー点でのバランスを取るのがGBという訳であるが、グレー点でもTINTがあるわけで、厳密にいうならこれも含めて調整しなければならない。世の中には多くの現像ソフトがあるわけで、これらを全て調整できる現像ソフトは存在しないし、たいていの場合そこまで厳密にあわせる必要もないのである。
どの現像ソフトでも白点(グレー点)補正という機能が備わっているが、複数のレベルで調整できるようになっていないので、現像段階でこれらを完全に補正できない。しかしPhotoshop等のトーンカーブ機能を使ってRGBのカーブを入力しておけばこれらの補正は可能である。この方法を書いたのが現在の10Dのページに書いてある方法である。
しかしながら最新の私の現像法はグレーバランスを個別に調整はしておらず、WBのみの調整でしかもPhotoshopの色温度調整5000度K、TINT 0で全て済ましている。これは色温度自体が状況の中で変化が大きく、日向と日陰では極端な差があるし、それぞれの状況で色温度を変えていたら日向と日陰が同時に存在する絵ではどうするのだという矛盾が生じてくる。私の現像法が銀塩をシュミレートしようとしているわけではないが、色温度の違いがその場の雰囲気つまり空気を表わすと考えて、色温度を固定するという考えに固まってきている。
[2004/06/08]
先週末の「みなとみらい」から2枚ほど追加した。「みなとみらい」も何度も撮影しているので、前回は大桟橋から山下公園まで、足をのばした。撮影スポットも多少増えた。現在「10Dのページの現像法」を更新中である。日記だけなら適当な文章を書いているので、そう手間もかからないが、報告書形式になると絵もいれなければならないし、結構神経を使う。2−3週程度はかかりそうな予感である。
現像法検討の中で、プロファイルの使用に関して何度も繰り返して述べてきたのであるが、実はその取り扱いについて、はっきりとした結論を得ていない。これはPhotoshopの中でのプロファイルがPhotoshopを抜きにしたWindowsの中でどのように作用しているかが、どうもすっきりとした形で説明ができない点でこれらのプログラムの中でどう処理されているか不明な点も多いためである。実際にPhotoshopのsRGB空間で調整した色合いが、IEで見た場合、あるいはWindowsのビュアーで見た場合と色合いが違う点である。
実際Photoshopの校正でモニターに設定すればIEで見た色に近くなるのであるが、完全に一致はしていない。WindowsのビュアーではsRGBのデータもAdobeRGBのデータも同じに見えるのでプロファイル管理がされているようだが、IEでは色合いが異なる。いろいろと仮説をたてて検証しようとしたが、どれもぴたりと当てはまることができない。どうであれ、プリンタを含めて自分のシステム内でマッチングをとることはできているが、外部データとの互換性という意味ではあまり自信がもてないでいる。
違うといってもそう大幅に違うわけではなく、普通に眺めている分にはわからないが、現像法検討結果をWebにアップすることになると、私自身の感性を疑われることになりかねない。大方のディスプレーにおいて自分のディスプレーと同じ再現になるよう心がけているが、ちがったら「ごめん」である。
[2004/06/06]
関東・甲信越もきょうから入梅ということらしい。昨日はこの入梅直前の好天であった。カメラをかついで、「みなとみらい」に出かけてきた。その中から2枚アップした。
同じ現像法でも、時と場所によってこんなにも色調が違う表現ができることに、いつもおどかされる。「みなとみらい」はこれまでに何度も撮影しているが、その季節・天候によってまったく異なった色彩を提供してくれる。晴れの日には本当に彩度の高い絵になる。CRTの表現色域の限界というものを感じさせる。コントラスト彩度を下げれば無理のない表現にはなるが、これでは面白くない。撮影の構図で工夫するものであろう。
うまく言葉では表現できないが、過去の多くの絵を比べてみるとその撮影した場所の色というものがある気がする。横浜の色、タイの色、カリフォルニアの色など、その天候や季節によって色彩は大きく変わるが、その土地にある独特の色というのもまた、その土地でなければ撮影できない色というものも感じることがある。空気の色というべきことなのか、室内での撮影でもその色彩の雰囲気には固有のものがある。そう感じるのは、現像法への思い入れによる錯覚なのであろうか。
[2004/06/04]
今日も過去の撮影から最近の現像法を適用したものをアップした。10Dのページに掲載される現像法は現在の現像法とはだいぶ異なってきたので、ページ更新の時期ではあるが、なかなか更新の時間がとれない。現像法におけるパラメータもだいぶ収束してきたので、更新しなければとあせっている。私の写真の趣味の楽しみ方も撮影法より現像法に重きをおいてきたが、撮影法についても力を入れていかなければとも思っている。
現在撮影は-2/3EVを基準にしているが、これをディフォルトの現像パラメータで現像すると、PhotoshopCSでも、EVUでもひどい結果になる。まだEVUのほうがましであるが、-2/3EVを補正するように現像パラメータを設定しなければ、まともにはならない。PhotoshopCSのデフォルト(カメラ)設定ではヒストグラムは破滅しているが、設定値を読み出すとヒストグラムの分布一瞬にしてまともになるのは快感である。
この状態から一定のトーンカーブと色相・彩度調整をかけて仕上げるのであるが、現像の過程において、露出補正のみを個別の設定として許している。現像法の難しいところは、通常露出の間違いを露出補正だけで補正しても、明るさを合わせられてもWBや諧調のバランスが崩れてしまい。最適露出で撮影した絵と同じにするためには他の多くの部分を再調整しなければならないことで、写真ごとにそのようなことを繰り返していては本質を見失ってしまう。今回の現像法の目的は共通の処理で最適な絵を仕上げることが目的であったが、その目的は露出除いてを達成された。撮影時の露出についてはまだまだ自分の腕をみがく必要があり現状ではこの現像法にたよるしかない。
銀塩においてそうであるように、撮影時であれ、現像時であれ露出によって仕上がりの雰囲気は大きく異なってくる。その設定を撮影後に繰り返し調整できることはRAW撮影における大きな利点であるが、これが裏目にでることもしばしばある。この調整を綺麗にみえる設定にしてみたり、銀塩ならこんな色だろうなどと余計な考えに惑わされてしまうことである。あくまで、撮影時のファインダーでの雰囲気にあわせなければならない。シャッターを押した以上そこに何らかの感動があった訳であり、それを表現できなければ写真としては失敗だと思う。何の感覚もなくシャッターを押し、現像段階で素晴らしい絵が偶然できたとしてもそこに価値はないと考えるようになった。
[2004/06/02]
タイの撮影からのギャラリーアップは一応終了して最近の撮影からをアップしたいところであるが、このところの撮影在庫がないので、過去の撮影から最近の現像法を適用したものをアップした。現像パラメータの最適設定値は様々な環境化で試すとまだ微調が必要である。今回は青とシアンの色相を若干調整した。
Webではカメラによる、あるいは現像ソフトによる色調の違い等が問題になるが、RAWからの現像で、自分の現像法を確立してしまえば、色調が気にいらないからという理由でのカメラ購入の選択理由はなくなる。また露出やピントもマニュアルにしてしまえば、まさにどのカメラでも同じ絵が撮れるわけで、写真のできがカメラのせいではなくなる。もっともそのカメラに慣れるには結構時間がかかるとは思うが。
現像法検討の中で、色調や諧調について重点的に行ってきたが、現像法とはあまり関係のないと思われるレンズの色収差についてちょっと触れてみたい。私の場合、最近は単焦点Lレンズしか使用していないが、古い撮影を改めて現像しなおしてみると、ズームレンズ特に広角での周辺色収差が気になる。これは多くの場合偽色緩和をかけることによって気にならなくなるが、その分色解像度が著しく低下している。この低下は色信号のみで輝度信号に影響はないので、細かいところを気にしなければ、そう画質の低下はないといえるが、私にとっては無視できないところである。
偽色緩和処理はFVUではONかOFFかであったが、PhotoshopCSは強さを設定することができる。以前はデフォルト値をかけていたが、色解像度がかなり落ちていることを最近気がつき偽色緩和は「なし」に設定している。シャープネスに関しても実質的な解像度を低下させるので、現像時にはかけずに、最後に出力メディアに合わせてかけるべきで、現像時のシャープネスはかけない設定にしている。
[2004/05/31]
今日はタイの撮影からKOIのポートレート風撮影を2枚アップした。彼女とはいえ、そう自由な設定で撮影の練習台にはなってくれない。
これまで、撮影に関する教育めいたことは月一度のフォトコミティでしか受けていないので、スナップや風景は全くの自己流である。ただ撮影の基本はポートレートなどの女性を撮影することで、得られるらしい。写真家の先生もポートレートやヌード以外では指導もままならないと思う。ライティング・露出の設定・構図のとりかたなどポートレート撮影だけでも学ぶことは多い。
撮影会での撮影では、設定は先生が指導してくれので、どれもうまく写るのであるが、自分ひとりでこの撮影をするのはなかなか難しいものである。機材の不足もあるが、これらの設定がどうあるべきかなどはまだまだ素人の域をでない。これらも定石というものがあるようであるが、それ以上を求めるのであれば、様々な工夫が必要で、やはりこの辺はプロの写真家と言われる人はたいしたものである。
写真は芸術であるから、才能が必要であり、感性を必要とされるということは良く言われる。しかし、どの道でも同じであるが、その道を究めるには経験と努力によって積み重ねられる技術が必要である。良い感性を持っていても技術がなければ、写真家としてやっていけない。デジタル化の時代にあってはより多くの知識と経験が必要となってくる。私のような趣味の素人であってもまず努力すべきは、感性を磨くことより、撮影の技術を磨くことであり、その上で自分なりの工夫というものが必要なのだと思う。もっとも、才能と技術を兼ね備えていても、昨今仕事はそう簡単には入ってこないという話もよく聞く。
[2004/05/28]
今日はタイの撮影から夜景の撮影を2枚アップした。夜景の超スローシャッターは銀塩とは勝負できないが、この程度のスピードならなんとかデジタルの欠点を隠せる。あまり経験のない撮影であるが、これも練習である。
最近は色域の広いメディアやデバイスが発売されている。4層フィルムやAdobeRGB対応のモニター、RやGインクを搭載したプリンタなどである。これらの色域を使用するのは割りとまれな撮影条件において必要とされると思うが、色域は広いに越したことはないのは確かである。ただ自分の撮影した絵の色調が気にいらないからといって、これは色域が狭いせいだと考えるのは賛成できない。
これまで、何度か主張してきたが、メディアに表現できる色域はそのメディア・デバイスの表現できる色域であり、作業上のプロファイルの選定ではないことを再び主張しておきたい。sRGBで作業したデータがそれより色域の広いsRGBデバイスに送られてもsRGBの色域しか表現できないという誤解があるように感じられる。sRGBのデータをそのままAdobeRGBデバイスに送ると広い色域にデータが集中するため色濃い色調になってしまい正しい色表現ができないので、プロファイル変換が必要である。このときsRGBでは表現できずに圧縮されていたデータが拡張される。実際は色域の周辺にあるデータをそのままに、中央部のデーターがより中央部に押しやられる。つまりAdobeRGBデータをsRGB表現すると彩度が低下する。
以前はこのプロファイル変換の特性を逆に利用して、カメラデータをAdobeRGB作業域に読み込み、その後sRGBにプロファイル変換を行う等の姑息な手を使ったものである。この方法により、彩度を増加することができ、特にAdobeRGBで伸びている緑の彩度を増加させることができた。とかく木の葉の緑やエメラルドグリーンの海の色は実際に見た感じをCRT上に表現することが難しい。全体に濃い表現を使って代用させるしかなかったのかもしれない。
[2004/05/25]
今日もタイの撮影から135mmの絵を2枚アップした。
EVUの現像特性の話が続いたが、私のこれまでの現像法に関する検討をある意味で見直すきっかけになった。現像法は、グレーバランスを含めた色温度の扱い、最適露出の設定、諧調表現としてのトーンカーブの扱い、各色ごとの色相彩度の設定等を集約したものである。これらの検討を進める上で色空間つまり、プロファイルに対する認識をしっかり持つことが、現像法における試行錯誤を収束させ結論に導くことも次第にわかってきた。
もちろんいい写真を撮るために現像法の果たす役割はごく僅かであるが、これまで写真屋まかせであったこのプロセスを撮影者によって行わなければならないことは写真のデジタル化によって逆らえない流れであるらしい。銀塩写真におけるネガ撮影からのプリントに関しては、ネガの諧調の広さから現像後のWBを含めた露光量などが自動的補正によってプロセスされ、万人にとって美しいプリントアウトが得られる。しかし、この方法は写真を目指すものにとって、本来求めるもの表現というものとは異なっている。写真家と言われるプロはほとんどの場合ポジでの撮影を行っており、後から補正のしようがないフィルム面への表現を追及している。
現在のデジタルカメラのJPEG出力は銀塩写真におけるネガプリントのように、多少の露出間違いを訂正して、失敗のない絵をユーザーに供給することを目的に処理されるが、その諧調の狭さ、時間的制約、やり直しのきかなさ等ネガプリントに比べれば非常に大きなハンデを背負っている。それにもかかわらず、銀塩ネガに比べて遜色のない絵を生成できるようになってきたことは近年の技術の進歩に追うところが大きいといえる。
しかしながら、私の求めているところはポジ撮影にある。それならば、何も補正する必要がないので話は簡単ではないかということになるが、いい写真を得るためにはそう簡単にはいかない。当然撮影はRAW、WBは固定にしなければ、その目的は達せられないし、正確な露出が要求される。しかし、それだけではない。例えば、色調に関して言えば銀塩フィルムの色とディジタルの色は明確な言葉では表現できないが、やはり違う。現像法は最終的にフィルムをシュミレートすることではないとは思っているが、まずはシュミレートするところから始まるのであろう。
[2004/05/23]
タイの絵からまた2枚追加した。キャノンの現像ソフトである、EVUに対してのコメントを追加した。
EVUの特性はとりもなおさず、10Dに搭載されている、DIGICの特性と等しいと考えられる。従って、RAWで撮影しても何の後処理を施さないのであれば、RAWで撮影する必要もないのであろう。これは意地の悪い解釈ではなく、私もRAW画像のCFへの書き込み時間の遅さからJPEG撮影というのも考えている。JPEGであっても後処理によってある程度のレタッチが可能だからである。
しかしながら、前回述べたように、EVUあるいはDIGICは後処理なしという考え方の絵作りをしている。さらに言えば私の現像法で得られる絵とEVUで得られる絵は同じ傾向を持っているということである。どちらも最終的に明部・暗部の圧縮によって、中間域の諧調感を増加させている。この手法における大事な点は露出値が多少ズレていても適当な絵が得られることであるが、反面、露出が最適でないとほんとうに良好な絵が得られないことである。
EVUの絵の特徴はまた色温度が明るさのレベルによって変化することであって、露出を間違えると彩度(露出アンダーで色濃く、オーバーで薄い)と色調が大幅に変化する点にもある。従って現像結果を露出補正したときに色温度が変化してしまうため、PhotoshopCSでやってきた、露出補正が単純な操作ではうまくいかないことが難点である。露出に関してはいろいろ撮影時に気をつかっているが、いまだに私の腕は追いつかない。
これらの考えから、まだまだRAW撮影とPhotoshopCSによる露出補正といった現像法を続けていかなければならないようである。
[2004/05/22]
タイ・バンコクでの撮影した絵を2枚ギャラリーに追加した。2枚とも現像時の露出補正をマイナスに振っているため、色調も結構特徴のある仕上がりになっている。
最近キャノンの現像ソフトであるFVUがEVUと名前を変えてアップグレードされたので、評価してみた。私にいわせれば現像ソフトはみな同じで、まずの結果は明るい、暗いなどの違いはあっても、いじる事によりみな同じ色調にもってくることができるので、その扱いやすさの点についての議論になってしまう。
私の場合いずれにしろPhotoshopでの最終仕上げが必要なため、EVU出力もPhotoshopにリンクさせるが、TIFFファイルを作る分だけ時間がかかるため、PhotoshopのACRに比べて効率が悪くなってしまう。この点は別にして、現像の基本ロジックについて、EVUとACRには大きな違いがあることを今回発見した。
まず現像時の彩度とコントラストの調整であるが、EVUの場合これらの調整を強くしてもヒストグラムの両側にはみ出すことをさせずに、明部と暗部の諧調をつめた制御を行っている。ACRの場合は彩度やコントラストを上げるとヒストグラムが0以下あるいは256以上になり、その値の表現はできないので、0と255のにヒストグラムが集中してしまう。これはデフォルト設定状態で飽和することがありうるわけで、そのときの明部・暗部の処理がどうなるかということに関連する。いずれにしても、現像後の処理はこの特性を理解する必要がある。
次に色温度の調整のしかたにも両者には大きな違いがある。EVUの場合は白のRGBバランスはある程度固定されており、色温度調整では諧調中央部のレベルを変えている。つまりRGBのガンマ値を変化させて、色温度調整を行っている。ACRの場合の色温度調整は白点のRGB値のバランスを変えており、中間調は直線になっている。(暗部色かぶりという調整で、暗部の微調は可能である)。どちらが正しいということは考え方の違いでしかないが、直線でない場合露出補正によって、グレーバランスが変化してしまう傾向がある。両者で色温度設定を同じ5000度付近にした場合、EVUは中間調の赤がつよく、緑が黄色くなる。日陰と日向を混在させたとき、日陰部分が青くならないという利点もある。
総じて言えば私の仕上げにとって、どちらでも最終仕上げの絵を同じにすることは可能ではあるが、EVUはトーンカーブがいじられており、撮影の絵によってもそれが変化するという複雑な状態になっているため、ACRの使用を継続したい。現像一発で最終の絵を仕上げるという目的なら、EVUのほうが確かな絵を得られると思う。
[2004/05/20]
撮影会の写真は終わりにして、タイでの撮影に戻って2枚ほどギャラリーにアップした。撮影会の撮影はプリントアウトして、一冊にまとめているが、やはり一回で一万ほどかかってしまう。現像法も今回からやや硬調にしているが、硬調の仕上げは特にポートレート撮影時の露出に厳しい。きちんと合っていると綺麗な発色をするが、失敗作も多いというところであろうか。
話題は変わるが最近CDを購入した。これがCCCDということで、ハードディスクにコピーできないかと思ったら、Windowsですんなりコピーできた。しかし、音がおかしいと思い調べてみると128kの圧縮データを取り扱っているようである。せっかく購入してもPCではCD音質の再生はできない。最近はCDにしろ、DVDにしろ著作権保護のためコピーできないようになっている。
私のようなPC主体の人間はいちいちCDやDVDを取り出して見るなどというのは面倒で、ハードディスクにしまいこんで、PCで管理するのが非常に効率的である。なにもコピーして売ろうと言うわけではないが、コピープロテクトを外すこと自体が違法であるらしい。違法なものは公に販売されてはいないが、そこはインターネットの世界、このようなコピープログラムを手に入れるのはそう難しくはない。これらのプログラムはある程度のコンピュータの知識がないと使いこなせないところはあるが、結構使いやすくできている。何よりも無料というところがうれしい。
最近CDの売れ行きが良くないらしい。音楽もダウンロード販売も進んでいるようである。やはり圧縮データでは音質が落ちる。オーディオ機器でじっくり音楽を聴くという人が少なくなってきたのであろうか。たぶんそうではない。音楽を聴くのに高音質を求める人は昔からそんなには多くなかったのであろう。これはカメラの世界にも言えることである。写真を撮りたいと思う人はたくさんいるが、高画質の写真を求める人はそう多くないということである。音楽にしろ写真にしろ、多くの人々は手軽に楽しむことを求めているのであろう。ちなみにわたしは質の高いものを求める少数派の「おたく」ということになる。
[2004/05/17]
先週末の撮影会の分をもう一枚アップした。撮影会データは来月合評会に向けて整理しなければならないので、現在は整理のためのプリントをしている。プリントの色調については、以前に調整したバッチ処理で行っているが、肌の部分の色が多いとやはりCRTの色調との僅かな違いが全体の雰囲気を変えてしまう。もう少しの微調が必要であるようだ。ポジの場合はスリーブごと出せばいいので、プリントする費用を考えるとデジタル写真も結構出費が大きい。
今回の撮影会での10Dの使い心地をもう一度あげておく。最近は大勢でいっぺんに撮影する方式ではなく、ひとりひとり順番に撮影していく方法なので、自分の番では、迅速に撮影する必要がある。まずピントあわせについてであるが、どうもAFでのピントあわせはどうもしっくりこない。目を中心部にもってくるとフレーミングをはずすし、フォーカスロックをするとコサイン誤差のためか合わないことも多い。やはりMFが良いが精神の集中力が必要で、これもフレーミングがおろそかになってしまう。これらの解決には数をこなすことによってなんとかしなければならない。
露出については、アイランプ照明のときは、あらかじめ露出を計っておけば固定した露出で、ほぼ間違いはない。多少の露出補正が必要な場合もあるが、現像時の露出補正の範囲である。自然光の撮影では状況変化に対応するため、評価測光のAvモードあたりで行うことになるが、逆光ぎみの撮影ではそのままの評価測光では2段ほどアンダーになることがあり、現像時露出補正では諧調が不足してしまうようだ。カメラにスポット測光があればとも思うが、プロは撮影時の露出補正を行うようである。この感覚は数をこなさないと難しいようだ。風景の露出補正のようにじっくり考えているひまはない。
とにかく瞬時に設定をかえながら撮影していくことがモデル撮影には必要であるが、一番の問題は連続撮影枚数である。10Dの場合RAWで、15-6枚は撮影できるが、それ以上は一枚数秒ごとの撮影となってしまうので、撮影継続が困難になる。完全回復まで2-3分待たなければならない。一度のターンで他の人は36枚撮影できるのに、私は半分以下というのはかなり悔しい。1Dあたりだったらバッファが多いので、この問題は乗り越えられるかもしれないが、回復までの時間はフィルム交換時間より、短いのであろうか。カメラ2台体制というのもひとつのオプションかもしれないが、そこまですることではないとも思っている。
[2004/05/15]
突然ながら、タイの写真は休止して、今日行われた二月ぶりの撮影会からの絵をアップした。ヌードということもあり、無難なものしかアップできないが、今日は自然光での撮影から3枚アップした。
自然光ではあるが、3枚とも光線の状態は違う、一番強い光線のものは直射日光であるが、紫外線防止フィルムのはってある窓ガラスを通しているので、色合いが室外の色とは異なっている。現像法に関しては、露出補正値が違うのみで、同じバッチを通している。同じ現像法でもこれだけ色調は異なる。人肌は現像法ではなく光線の当て方であることがわかる。
ヌードなので、今回は35mmの方を多用したが、全身像というとやはり目にピントを合わせるのはかなり難しくなる。ピンボケの絵も多いが、あっているものもあるので、解像度の問題ではないようだ。もっとピントを正確にする方法がほしい。
撮影会の絵は一応作品なので、あまりコメントをつけずに見てもらいたいが、Webにアップするのもそう安易にできないところがつらい。
[2004/05/13]
今日はタイでの撮影から、最近できた巨大な象の像の形をした寺院から3枚ほどアップした。バンコクは行く度にその変化に驚かされるが、多くの観光スポットが建築され、以前のものもその形を変えて修復されている。この像の内部も天井にステンドグラスが埋め込まれていたりして、仏教には珍しい造りである。このような変化を見るにつけ文化というものは保存するだけのものではなく、作っていくものであるということを実感する。
今回の撮影は観光ということで35mmレンズを多用したが、建物などの撮影では空の占める面積が大きくなってしまい、曇りの日はどうしてもさえない写真になってしまった。曇り空が入らなければ曇りの色調はそれほど嫌いではないが、曇り空を飛ばしたとしても良好な絵を得ることは難しい。これはカメラの諧調の問題にしてしまいたいが、構図の問題と考えるべきなのであろう。人物ならばレフを当てるなどの工夫もできるが、建物などは曇り空を避ける構図をとる必要があるのではないかと思う。そのためには長いレンズも必要であるが、観光中のレンズ交換もなかなかたいへんである。
ズームレンズのほうが、この辺は便利であるが、画質の低下は何度か試してみて、断念した経緯がある。どうもLズームでも色収差が気になってうまく使いこなせない。後で後悔したくないことを思うとすっかり持ち出す機会が減ってしまった。他の人の撮影例を見るとそんなに悪くはないように見えるので、これも私の撮影技術が未熟なせいかもしれない。レンズの性能による欠点も撮影の構図によって、ほとんどの場合カバーされるもののようだ。今回のような曇り空や逆光の写真をどううまく撮るかも試行錯誤中である。
[2004/05/11]
タイでの写真から、2枚ほどアップした。今回はもう少しコントラストを上げた設定にしてみた。
コントラストの調整は、PhotoshopCSの現像画面で、コントラストの設定値(デフォルト+25、前回までの設定-5)を調整する方法と、現像後、硬調となるトーンカーブを適用する方法がある。硬調トーンカーブはS字がたのカーブであるが、私の場合最明部と最暗部を寝かせ中央部をできるだけ直線となるように設定している。グレーバランスと各色の色相彩度についてはある程度の定量的な設定項目であるが、このトーンカーブの設定は主観に頼らざるえない項目であり、最終画質に大きく影響を与える部分である。
現像法検討の中ではフィルムを選定するという意味合いからこれらの設定をどの絵にも共通に適用するという考えで進めてきたのであるが、やはり銀塩フィルムでもポートレートにいいフィルムと風景にいいフィルムがある訳で、場面に応じて設定を変えていくべきなのかということに頭を悩ませている。
この先はレタッチの領域として、あくまで共通で使えるフィルムの特性を近似することに努力すべきなのであろうとも思っている。フィルムをプロビアだけでなくベルビアも使ってみたいと思うのは、現在の自分のレベルにおける迷いなのか、進むべき方向なのかはもう少し試行錯誤の繰り返しをしなければ、わからない。
[2004/05/09]
今朝タイから帰国した。タイは今が一番暑い時期のようで、とにかく暑かった。一週間ぶりのWEBアップとなったが、バンコクのホテルもネットワークが使用できるようになり、更新ができない環境ではなかったが、ノートPCにGO LIVEをインストールしていなかったので、タイからの更新はできなかった。
帰国後、第一回は映画でも有名なクワイ川にかかる鉄橋である。この鉄橋はバンコクから西へ車で3時間ほど、ミャンマー国境の近くのカンチャナブリというところにある。観光地としては、日本人より欧米人に人気の場所のようだ。ここには、過去2度ほど来た記憶があるが、実際の電車が走っているのをみたのは、初めてである。観光用とは思うが、10両編成もある結構立派なディーゼル車が走っていた。
タイに通いはじめてもう8年ほどになるが、もうタイ国のほとんどの場所に行った気がする。それにしてもこの8年の間に同じ場所もだいぶ変化している気がする。
[2004/05/01]
今日も大桟橋付近の絵から一枚アップした。世の中は1DmkIIが発売されてにぎわっているようである。Webにアップされる写真もなかなか良好のようである。解像度の増加は、それなりだと思うが、やはり1Dの以前のものよりその特徴が薄れたとはいえ、やはり独特の色調が残っている気がする。私の現像法に関する検討の励みになるというものである。
5月の連休を前にVGSの電話機を更新した。やはり日本語が使えないのが不便というわけではないが、NokiaからSHに替えて、一般的ユーザーになったということか。どうも日本製携帯電話は機能が豊富であるが、単独で機能を実現している感があり、PCとの連携が今ひとつで、PDAとして使うには不満が残る。
内蔵カメラもメガピクセルとなり、QVGAの液晶で見る限りはきれいなものである。しかし、当然ながらDSLRには及ばないと思うがこれは偏見か。
ところで連休ということで来週は例によって、タイである。一週間はWebの更新もしない予定である。また帰国後作品を紹介したい。
[2004/04/30]
今日も先週末の撮影から大桟橋付近の絵を2枚ほどギャラリーに追加した。夕方の色調も色温度を固定してから、なんとか見られるようになってきた気がする。
プリンタについては、過去能書きを述べてきたが、じつは最終結論としてたいしたことを述べられる状況ではない。というのもどうもプリンターの色調整はRAW現像とは違い、金と時間がかかる。このため得意の試行錯誤もあまりたいした結論を導き出すにいたっていない。その中で、これまで感じたことを述べると、まず染料プリンタの問題である。前回述べたことでもあるが、どうもインクの乾き時間に問題がある気がする。人のはだも薄い色で表現すると綺麗なのであるが、濃い表現では色調がYかMにかたよってしまう。これを微妙に調整すると、YとMのまだら模様になってしまう。色の切り替わりがまづいのは、インクが乾く前に混合されているのではないかと思う。以前ピクトリコ等の特殊用紙を使ったことがあるが、これを使うとインクの染み込みが早いのか良好である。その後顔料系プリンタに変えればこの問題はないと考えPM-4000PXを導入したが、思惑どおりこの問題はなくなった。最近の染料系もインクドットの縮小にともないこの問題も大分軽減されていると思うが、その後の様子はわからない。
プリンタにおける色空間の変換に関しては、プリンタのCMSはどうしても合わず、Photoshop用にレリースされているプロファイルを使っている。これでだいぶ良くなったのであるが、やはりまだ色が薄い。私の場合色調整のバッチを作ってそれを通してからプリンタに出力しているが、この方法でほぼモニターの表現とプリントアウトがおおかた一致するようになった。いままで何度も言ったように彩度増加はトーンカーブを使って、色飽和が起きないようにしている。ただこの方法は黒がつまる方向で彩度増加がなされるため、暗い部分の表現が狭くなる。黒のしまりという面では良いかもしれないが。
現在の現像法の検討は彩度増加と色飽和の相反する処理をどうするかというところにあり、トーンカーブの使用で実現できる範囲で制御しているが、プラグインソフトの開発で、ある程度の結果が得られるとは思うが、プログラム開発には、もう少し時間をもてあます必要がある。
[2004/04/28]
今日も先週末の撮影から大桟橋付近の絵を2枚ほどギャラリーに追加した。
引き続きプリント出力について。RGB空間については、半楕円形の色域にRGBの点をとって再現可能域を表現しているが、プリンタのCMYKに関してはどうなのであろうか。この色表現空間にCMYの点をとるとRGBの純色の表現ができない、狭い色空間になってしまいそうだし、黒のKはどこにいってしまうのであろうか。この色空間にRGBの三角形を膨らましてプリンタの表現域だという説明もどこかにあったが、どうもこの表現方法はCMYKのプリンタにしてみれば適当な表現方法ではないようだ。
むかし、学校で加算(色)混合と減色混合というのを習った記憶があるが、どうも減色混合というのはなんら理論的ではないらしい。インクの混じった色というのは、インクの種類によって、結果が予測できないらしい。昔点描画というのもあったが、インクは液体の状態で混ぜると色が濁るだけで、理論的に説明のつく色にはならない。多分、プリンタにしろインクが液体の状態で混合しなければ、加算混合の理論が正しく働くに違いない。黒のKは白の部分を埋めているに違いない。ただやはり、色域表現表の色はRGBモニターとは違った色配置にならなければならないのであろう。
印刷であるにせよ、インクジェットであるにせよCMYKの点描画である。色空間における各色の配置はどんなものかはわからないが、CMY色の表現はRGBモニタよりは有利であることは否めない。もっとも広く言われることは人の肌色の部分であるが、私の経験から、CRTで表現できない色がプリンタで表現できたなどということはいまだ感じたことはない。現実の色とメディア上の色を比較することが困難な状況で、この微妙な違いが実感できるとは思えない。第一CRT上で見えないことには調整のしようもない。ただ現実に近いかどうかは別として、プリントしたとききれいに見える肌色というのはあるような気がする。でもこの点については、私のテーマではないので、今回は言及したくない。続きはまた次回。
[2004/04/26]
先週末の撮影から大桟橋付近の絵を2枚アップした。大桟橋も最近リニューアルしたものらしいが、晴れた日にゆったり過ごすにはいいところである。
今日はプリント出力についてちょっと。プリントアウトは銀塩出力であれ、インクジェット出力であれ最終出力と言う意味で重要なメディアである。近年のWeb出力の普及で、プリントされないことがほとんどではあるが、いい作品はプリントアウトで残したいものである。CMSにおけるプロファイルの役割もプリントのためにあるといって過言ではないが、自分のプリンタで出力するのであれば、CMSを振り回す必要もなく、CMSのために頭を混乱させることは得策ではないと思っている。プロファイルを合わせたつもりなのにどうしてもプリント出力の色が合わないと悩むのは私だけの経験ではないと思う。
プリンタの色を論じる前に私の持論をどうしても述べておきたい。色空間を論議するのに半楕円型の色空間にRGBの3点をとってその範囲が表現できる色であるという説明がなされるが、この説明はどうも概念的すぎると思っている。遠いところに点をとれば表現できる色域は広くなるのであるから、この仮想的な点を勝手に選べばいくらでも表現できる色域を増加することが可能である。モニタであればどの色空間を使おうが、蛍光体の色が色域の頂点になるはずである。(プリンタであればインクの色になるはずである。)AdobeRGBのモニタ等というのも出ているが蛍光体の色が違うとは思えないので、表示色域が広いとは思えない。このプロファイルにおける色域の表現というのは全く概念的なものであり、理論的に置いたRGBの点をコンピュータ内部表現であるRGB値の最大値にとっているだけである。
ただ、異なる色空間においては同じRGB値でも表現すべき色は違ってくるので、これを正しく表現するのが、対応モニターということになる。表現色域の三角形の十分内側にある色はどの装置でも表現できるが、実態である表示機器で表現できない色はどうなるのであろうか。そのまま表示装置に送られれば飽和するだけで、表現不可能領域の色はその装置の最大彩度で表示されるのみである。通常はモニタプロファイルなどで単純な飽和による欠点をカバーするための重みづけがされたり、送る前にプロファイル変換を行って、プルーフすることができる。
しかしながら、現像法やレタッチの現状というのは、それほど厳密なことを論ずるレベルではないと言っておきたい。どの色空間であれ、Photoshop上でヒストグラムを見てみれば、暗部はもちろん明部の色飽和を起こした絵が巷にあふれている。それが悪いと言っているわけではない。写真の表現として、白飛び、黒つぶれさせる、しいては色飽和を起こさせることが、その芸術性を高めることも往々にしてあることである。ただこの方法による絵作りは、これがCMYKに変換されプリント出力したとき、結果がモニターで表現されたものとは大幅に変化してくることは覚悟しなければならであろう。続きは次回。
[2004/04/24]
今日も先週末の撮影から2枚ほど追加アップした。この季節の花と大道芸イベントを違う位置からである。写真としてはあまり意味のない絵のアップになってしまった。
今日は露出について。現在風景、スナップの撮影は評価測光にたよっている。通常のポジ撮影であれば、状況に応じて+/-1EVほどして、適正露出で撮影するべきところかもしれないが、この補正は私の場合現像時の露出補正にたよっている。ギャラリーアップに現像時の補正量を掲示しているので、どの程度の補正をしているかはわかるであろう。最適補正値というのは、その絵からどうしたらいいかというのは撮影時点でわかるべきであるが、その感は今の私のレベルでは難しい。ただ傾向的なものはある程度つかみつつあるが、デジタルカメラの利点を利用しても悪いことはないであろう。
銀塩でもネガの場合はいろいろの補正が自動でかかるので、評価測光で気にするほどのズレはない。ただポジ撮影を考えればこれらの鍛錬はプロになるには必要であろう。まあそのつもりはないので、とりあえずは別の技術の検討に時間をかけている。ちょっと話はズレたが、撮影時の露出は-2/3EVしているが、現像時に+75%の明るさ調整をしているので、この分は補正済みである。この目的は以前に述べたが明部のラティチュードを拡張するためである。
ただモデル撮影の場合は露出計によって露出を決めている。カメラで撮影後のヒストグラムを見て決定することもあるが、露出計を正しく使えばこのほうが露出は正確である。とはいえギャラリーアップからわかるように撮影後の露出補正もまだ必要な腕である。そう頻繁に入射式の露出が測れない場合はスポット測光も有用であるが、スポット測光から露出値への変換はなかなかの経験を有する。よく10Dにスポット測光がついていないことを憂慮する声があるが、露出計のスポット測光を使えば済む話であり、スポット測光の場合その値をそのまま使うのではなく何点かの平均をとる使い方をしなければ、目的の露出を得ることはできない。その技術はプロの写真家でもそう簡単なものではないし、撮影後の露出補正が可能なデジタル写真の利点を生かすのがはるかに容易である。
[2004/04/21]
先週末の撮影から一枚追加アップした。いつもの水上バスであるが、晴れの日の軽々しい色調例といったところか。
前回の続き、解像度であるが、ベイヤー配列におけるモノクロの解像度は10Dでは、横約3000素子であるので1/2の1500本となるが、本来は1500本の成分はローパスフィルターで取り除かれなければならないので実際の解像度はそれ以下である。またベイヤー配列からRとGの解像度は750本以下であり、RとBの解像度はさらにその半分以下となる。この辺の解像度はFoveon等と比べれば非常に劣性であり、ハニカム配列と比べてもかなり、劣性である。
しかしながら、40年来TVシステムで使われてきたNTSC方式において証明されてきたように、輝度信号の解像度があれば、色信号はそれほどの帯域を持たずとも、解像感は十分確保できることがわかる。しかし、過去の解像度競争において、ピクセル等倍まで拡大して、評価することになると、ベイヤー配列の不利は隠せずかなりきわどい設定で勝負してきたのではないかと思われる。偽色緩和処理とシャープネスの組み合わせは解像感を確保する手法であるが、カバーしきれない結果、偽色、モアレを十分抑圧できないままシャギー等を発生する要因となっていた。
私の過去の検討の中では、レンズの色収差もベイヤー配列からの現像にかなりの干渉を与えていたことがわかっている。収差があると収差とサンプル周波数との間に干渉をおこし、色を濁らしてしまう。高級レンズの色のりのよさも収差と深く関連している。とにかく300万画素付近はレンズにとっても微妙な画素数であったことは確からしい。この辺は単焦点Lレンズでしか乗り越えられなかったのかもしれない。
技術の進歩は偉大である。どんなに効率の悪いソフトでもCPUが早くなることにより、ソフトを改善せずともスムーズに動くようになる。ベイヤー配列の欠点もセンサーの素子数を上げることにより、欠点は隠蔽されてくる。センサーの解像度もレンズの解像度の中に覆い隠されてくる。時代の流れはとかくこういったものである。現像時間もCPUの高速化により力づくで解決されてきた。今はレンズの性能が色調に影響を与えない程度に画素数は多くなってきたと思う。
現在のAPSサイズで600万画素というセンサー密度はピクセル等倍であらをさがせば上記欠点がまだ見える。しかし、写真全体の画質にもはや影響を与えるレベルではない。現像法検討としてはもはやそれほどの重要性はなくなってきている。
[2004/04/19]
先週末の撮影から一枚アップした。催しがあったようで、いつもの広場にも大道芸が繰り出していた。
最近はいろいろのRAW現像ソフトが販売されているようであるが、現像結果はいろいろであるようだ。いろいろ結果が違うということは、フィルムを選ぶようなもので、使う人に選択をしいることになる。他人の作ったものをあれこれ試すぐらいなら自分なりの現像法を作ったほうが良いというのがいままでの私の流れである。このとろは、諧調や色調の表現を重点として述べてきたが、現像法の一つのとらえかたとして、解像度、偽色などに関する処理がある。ベイヤー配列からくるピクセル化の困難さや弊害も画質に大きくかかわってくることも事実である。これらに関する検討は、私自身D30の時代に色調検討よりも多くの時間を費やしてきた訳であるが、現在は現像法の検討のページにも痕跡がみられないほど、遠い過去のものになっている。これもそれなりの克服があった結果ではあるが、今回はこの辺に関して若干述べておきたい。
そもそも、カメラの画素数はベイヤー配列された画素の総合計であるので、これで同数のピクセルを生成することには多少の無理がある。ただモノクロデータだけを考えれば、画素数の帯域を有するので、画素数に見合った解像度の画面を生成することができるという理論に基づいている。ただし、カラーデータはサンプリング周波数が低下するため著しく解像度は低下するわけである。ナイキスト理論からエリアシングを発生させないためにサンプリング周波数の1/2以下のローパスフィルターを入れなければならないが、この関係の崩れが、モアレ、偽色、シャギーという形で現れるといったところが、技術的側面からの説明である。
これらの解決のためには、ローパスフィルターによる高域の低減が効果的であるが、ベイヤー配列の性質上、輝度信号と色信号を分離した上で別々のフィルターをかけて、みかけ上の解像度を低下させないようにしていることは良く知られていることである。10Dの場合ローパスフィルターは物理的なものも存在するが、現像処理で高域低減も可能であり、現像後もボカシ等のフィルターで実現可能である。画素数が300万画素程度の場合十分なフィルターは解像度をかなり低下させるため、現像ソフトも偽色緩和とシャープネスの組み合わせでかなり無理な設定値となり、結果的に偽色やシャギーが残ってしまう。私の場合D30時代にはそれなりの苦労をし、様々な方法で解像度を上げる工夫をしたものであるが、10Dの600万画素になってから、モアレや偽色に悩むことはほとんどなくなってきた。
続きは次回に。
[2004/04/17]
今日は久しぶりに「みなとみらい21」に出かけた。今回は水上バスに乗って「大桟橋」まで足を伸ばしてみた。いつもの「みなとみらい」とは違った絵が撮れた。来週はこの絵をアップしていきたい。
このところ現像処理に関して長文で述べてきたが、今回は10Dの使い心地について、若干の感想を書きとめたい。もちろん私のカメラに対する考えかたは、いい絵が撮れるかどうかはカメラには一切関係ないという考えであるので、不満があるからといって自分の写真に対する言い訳にはならないと思っている。
今回久しぶりの撮影で感じたのは、やはりファインダーの視野が狭いということである。これだけで、フルサイズ信奉に走ったことを思い出すが、この視野の狭さは広角のレンズを使えば解決されるとはどうしても思えない。広々とした写真を撮りたいとも思っているが、このファインダーではなかなか難しいかなと思う。
次に感じたのはシャッターラグである。一度は解決したと思っていたが、最初の一枚がシャッターが下りず本人の意思とは関係なく、2枚連写になってしまう。接点の不良なのかもしれないが、ソフトにも問題があるに違いない。連写に対するCFの書き込み時間については今回のような撮影には感じなかったが、モデル撮影ではやはり解決したい問題である。
そろそろカメラのグレードアップの時期かとも思うが、幸い(不幸)にも資金がないので、しばらくはこのままになりそうである。買い換えればいい絵がとれるわけではないと自分に言い聞かせるこのごろである。
[2004/04/14]
このところ週末が忙しく撮影する機会もなかったので、過去の写真からギャラリーアップしている。前回はモニタのグレーバランスについて述べたが、今回は現像時の色温度設定について述べたい。色温度というのはホワイトバランスのことであるが、この論議の前にモニターはもちろんカメラのグレーバランスについても正しく設定されていることが必要である。カメラのグレーバランスはグレースケールのチャートを撮影して、各レベルが無彩色になっているかどうかで確認できるが、ほとんどの現像ソフトでは、白点でのバランスがとれていれば、グレーバランスもほぼ良好であるようだ。
厳密なところで、色温度とWBは異なるが、これは色温度がRとGの比で表現されるのに対し、Gの位置をその中央からシフトしないと白にならない場合がある。PhotoshopCSの日本語版では「かぶり」と表現しているようであるが、PhotoshopCSの10Dデフォルトでは、なぜか、この値が0になっていない。わたしの検討では、極端な光線環境でないかぎり、このかぶり補正は0で問題ないとしている。
また、色温度設定値をいくつにするべきかという議論の前に、デジタルカメラにはAWBや色温度設定という機能がそなわっている。さらには白点指定やグレー点補正が現像ソフトに備わっている。白いものはどこにあっても白いという考えである。しかしながら、この考えが現像法を検討している私にはさらなる混乱を引き起こしてきた。このAWBについては多くの人がカメラによって良し悪しを云々しているが、このWBのとりかたによって、色調は大幅に異なってくるのであるから、カメラの性能の大きな要因であるとするのは、理解できなくはないが、RAW愛用者にとってはたいした問題ではないはずである。
私の現像法に対する基本的な考えは、主観優先、綺麗に撮れることなどとは言っているが、実際はできるだけ真実の色に近づけるということである。そうでなくては進歩もないし結論も収束しない。人間の目はAWB特性があるとか、日陰の撮影は顔色がさえないとかいろいろのことを考えず、きっぱり割り切ることにした。銀塩にもタングステンなどというフィルムがあるようであるが、通常色温度は5000度付近らしい。写真として考えるなら、この温度で撮影して、色がおかしいのは撮影方法が悪いと割り切ることだと思う。そう考えることにより、ライティングに気を使い、構図に気を使い、撮影技術の向上も図ることができるのではないだろうか。長きにわたって悩んだ結果であるが、結論は単純である。常に5000度Kでかぶり補正なしで現像することである。
しかしながら、現実は光が自由にならない場合も多い、ステージや体育館などである。私の場合そういう場所での撮影は少ないが、どうしても色温度をいじりたい場合がある。白点補正などを使うことも多々あるが、目的は真実の色に近づけることではなく、きれいな絵を作るためだと心している。
[2004/04/12]
先週末は、仕事やらプライベートやらで忙しく、撮影する機会もなかった。このところ一連のアップで、だいぶ考え方もまとまってきた気がするが、やっとD30の現像レベルに復帰できたという気がしない訳でもない。同じことを何度も繰り返している。ただ環境の整備という面で、多少基本的な部分がわかってきた分色の再現性には、多少正確さが増してきたと思う。
環境整備という面で、モニタの調整ということにもう一度後追いではあるが、考察を加えてみた。現在はsRGB対応のNEC三菱の19インチCRTを使っている。以前はシャープの15インチLCDを使用していた。LCDの場合バックライトの色温度が問題である。さすがに15インチのものは特に問題のないバックライトであったが、ノートPCのLCDのバックライトは明らかに問題がある。LCDであってもアドビガンマやドライバユーティリティで色温度をあわせることは可能であるが、どの明るさのレベルでも均一なRGBを保つ、すなわちグレーバランスをとることが困難である。方法はモノクロの絵を表示しておいて、無彩色に見えるように調整することであるが、移動用のノートPCで何度も試みているが、いまだ満足いく結果は得られない。
バックライトの色温度が適正で、発光スペクトラムが連続であればこの調整はLCDでも良好な結果が得られると思うが、蛍光灯は多かれ少なかれスペクトラムにピークを持つので、なかなか難しいと思う。また見る角度によっても、多少の崩れがあるためLCDの使用をあきらめCRTの購入に踏み切った経緯がある。CRTモニタに買い替えsRGBに設定して、sRGBとはこんな色かなどと思いながらしばらく使っていた。しかし、時間の変化(温度)で色が変わってくる。モノクロの絵を表示させて見ると、これまた無彩色とはひどくかけ離れている。
このCRTモニタのsRGB設定というのは、RGBのバランスを6500度Kに固定して、明るさ・コントラストを固定したもののようである。明るさを絞って固定すれば、ある程度sRGBの特性を近似できるということらしい。ただこの設定は熱や経時変化によわく、安定しないとWBが極端に悪い。現在はsRGB設定はそのままにしているが、ディスプレードライバの設定でガンマ値を下げて使用しているので、ある程度時間が経てば安定するようである。だだモニタプロファイルはsRGBではなく、通常のCRT特性になってしまったようだ。
モニタがsRGBではないということを前提に考えることにより、CMSについてもある程度納得の範囲に入ってきた。キャリブレーションツールを使えば、グレーバランス・ガンマ・色相なども自動的に補正してプロファイルを作ってくれるようであるが、これらの項目をひとつづつ調整していけば、高価なツールを購入しなくとも設定は可能である。ただモニターのグレーバランスも合わせずにプロファイルを云々するのはあさはかである。
[2004/04/08]
撮影会の絵を一枚追加した。これまで、PhotoshopCSの現像において、出力プロファイルからの変換を行わないで処理してきたので、全体の彩度やコントラストに関しては処理をしていたが、個別の色相・彩度に関しては特別な操作なしで、仕上げてきた。しかし、ここにきて、青系の色相のズレが気になってきた。
これは、D30のリニア現像でも経験したことであるが、PhotoshopのsRGB上で画像の展開を行うと、空の青が黄緑がかってくる。ただこの青はそのままプロファイル管理をしないCRT(IEなど)で見ると差し障りのない範囲に収まる。これは、sRGBで出力してもWeb上ではまともにもどるということであるである。しかしながら、今回はsRGBをCRTプロファイルに変換しているので、sRGBの色調をそのまま引き継ぐ。この違いの度合いは、なにげなく見ているには気にならない程度であるが、比較するとかなりの差がある。いままで、うまくいっていたとはいえ、これは正しい方法ではなく、sRGBの段階でもCRTプロファイルの段階でもそれぞれの環境では同じに見えなければならない。これを踏まえて、不本意ながらカラーチャートによる色相調整を再度試みた。
テストチャートの撮影も色々の条件で撮影するのはなかなか面倒なもので、D30で撮影したチャートから目視による比較で各色の色相を簡易的に調整してみた。結果やはりD30での現像設定と同じように青(かシアン)と黄の色相を+10程度すると程良い色調になるようである。木々の緑も葉が青みがかって銀塩調に美しくなる。ただCRTというメディアと直接見るということがあまりにも違いすぎてどの色が正しいのか自分でも自信がもてない。また色というのは光の当たり具合等、周辺の状況によって変化するもので、主観的な要因も大きく作用する。
ともあれ調整結果は概ね良好で、絵がひきしまった感じになる。ただ人肌の色調は今回の調整ではほとんど影響がなかった。以前は赤の色相に悩み赤い色を見るたび記憶に留める努力をしたが、空の青、木の葉の緑など、どれをとってもどの色が正しいのかということは判断が難しい。この辺は技術的というより、感覚とか感性とかの問題である。
[2004/04/06]
今日は近所の絵と撮影会の絵を一枚づつ追加した。プロファイルなしの設定でのアップをしているが、自分のモニターに合わせた表現なので、違う環境で同じになるとは限らない。しかし、sRGBよりは多くの場合近くなると思う。プロファイルなしといっても、sRGBをCRTプロファイルに変換したあとのプロファイル削除なので、あえてCRTプロファイルを削除する必要もない気がするが、一般的でないプロファイルをつけていても意味がない。
なによりも問題なのは、今まで何度も述べてきた暗部色飽和である。プロファイルをsRGBからCRTに変換するとき飽和がおきる。暗部色飽和は計算上色データが負になることで、マイナスを扱わない環境では0となる。もっともこれは、Photoshop上でプロファイルの変換をしても視覚的に全く変わらないので、飽和していないsRGBの絵をPhotoshopで見ているとき、実際は飽和したデータがCRTモニタに送られているということになる。したがってこれ以上データをいじらずにCRTで見ている限りはsRGBプロファイルでCRTで見ているのと何の違いもない。しかし、このデータをAdobeRGBになおしたり、プリンタに送る場合はCRTで表現できない色のデータが再現されないことになる。
この色飽和の問題については現在まで取り組んできた私の最大のテーマであり、これを避けるために多くの試行をしてきたのは、これまで述べてきたことである。しかしながらこれも割り切りが必要であり、これ以上の加工を行わないことを前提にするならば適当なカラーエンジンで変換したり、8ビット化するのは、絵の品質をさほど落とさないということである。ただし2度目の変換は画質を著しく劣化させることも予知すべきである。プロファイル変換として通常使用するのはAdobeのカラーエンジン(ACE)であるが、これもPhotoshopのバージョンの違いによって、暗部の処理がかなり変化してきている気がするし、知覚的、相対的などのオプションがあることからして、この辺の問題に試行錯誤しているのは私だけではないようだ。
もうひとつ、sRGBのデータとCRTプロファイルのデータを比較して気づいたことがあるが、これについては次回に述べる。
[2004/04/04]
今日は気分を変えて近所の桜をアップしてみた。今は桜の季節、昨日は晴れていたので、撮影に出かけようとも思ったが、どうも桜のイメージがわかず、断念した。それでもドアを出たところでいい色彩、カメラを持ち出して数枚撮影してみた。
今回のアップもプロファイル指定なしでアップしてみた。ただし、プロファイルはsRGBからモニタプロファイルにしたあとプロファイルを消している。それぞれの段階でどのプロファイルを用いるかは検討中であるが、まとまったらまた述べたい。
[2004/04/02]
撮影会の絵を2枚追加した。前回から、プロファイルの埋め込みなしで、アップしている。プロファイルをつけないことにより、WinXPのIEとファイルブラウザでの表示は同じになる。さらにはPhotoshop上でも同じ色調で表示されるのであるが、校正設定を変えれば当然色調は変わってくる。ただこのときモニタープロファイルで校正にチェックを入れたときは同じ色調にならなければいけない。そうでない場合は正しいモニタプロファイルがシステムモニタとして組み込まれていないことになる。今のところだいたい合っているようであるが、これがドライバの調整アドビガンマがどう影響を与えているのかは未解析である。
異なった環境で作業をしても、同一の色調を表示できるというCMSとプロファイルの理念は、ウェブでの写真の表現を共通にするためにプロファイルの埋め込みをやめたほうが良いという皮肉な結論になってしまった。しかしながら同一環境であってもプロファイルの概念を外すことはできない。つまり自分のいま扱っている色はどの基準にあるかをはっきりさせなければ、完成させた作品がその場かぎりのものになってしまう。CMSの概念を外して、コンピュータ上で作業するなら、それは自分のモニタープロファイル上で作業していることになり、モニタを変えたとたんに過去の作品は無になってしまう。自分の作業基準は世の中のメージャーであるsRGBやAdobeRGBを選択するのが、賢明である。
D30のリニア現像時代にはカメラデータをそのまま読み込み色の合わない部分は色相・彩度調整のバッチにかけた。PhotoshopCSの現像ではsRGB出力に設定すれば、色相とRGB彩度のバランスは信用できる値となるようである。WBや露出補正、トーンカーブなど現像のためにいじる所はまだまだあるが、色相と各色の彩度のバランスをいじらなくて良いことは私の混乱をかなり修めてくれた。
Web上の写真のプロファイルを外すということについては、最終結論ではなく、ひとつの試みである。プロファイルを外すことにより、様々な環境において、さしさわりのない絵を見ることはできるが、いったん外されると作者の意図した色調にもどすことはできなくなる。まあ素人写真をWebでみて、感じるところがなければそれ以上じっくり見ることもないのであろうから、それほど神経質になることはなく、パッと見のほうが大事であろう。ただ本人にとっては重要なことであるから、自分のマシンの中では色の管理は必要なことと考えている。
[2004/03/31]
撮影会の絵を一枚追加した。今回はプロファイルの埋め込みをやめて、Photoshopでの色調をIEで見ても等しくなるようにして絵をアップした。
前回予告のように、sRGB出力の絵をIE(Internet Explorer)で見たとき彩度が低下してしまうことについて、検討した。Photoshop上で見た絵の色調とWindowsのFile blowserで見た絵はほとんど変わらない。これはFile blowserが埋め込みプロファイルを理解し調整しているからである。しかし、IEはプロファイルを理解しないため、モニタがそのままRGBデータの比率で表示する。このときsRGBで見た絵と異なるということは、sRGBプロファイルとモニタの特性が一致していないということである。これまで、どこにも書いていないのにCRTモニタは補正なしで、sRGBプロファイルを表現するという誤った理解があることにきがついたのである。
確かに私の使用しているモニタはsRGBモニタであるが、sRGB設定はCRTモニターの一つの設定にすぎない。またWinXPのデスクトッププロパティには使用するモニタが自動的に組み込まれているようであるが、これはモニタプロファイルに影響を与える。このモニタプロファイルは9300度KのCRTプロファイルでありsRGB設定のプロファイルではない。このCMSのわかり難さはたいへんなものであり、ドライバの調整やAdobeRGBで調整したプロファイルはどのように作用しているか等、どこにも解説はないし、これが正しく働いているかどうかさえも私の理解と想像の範囲を超えるものである。
しかしそれぞれの設定を最適と思われるように調整した今、いえることは、Photoshopの校正でモニターを選ぶとsRGBを選んだ時とは色調が異なるということである。そして、これは校正をモニタと合わせた時の色調がIEで見たときの色調と近いということである。PhotoshopでsRGBというプロファイルを選らんで調整した絵はsRGBプロファイルを表現できる装置で見なければ同じに見えないというCMSの基本につきあたってしまうのである。私のモニターは他の多くの人のモニターの調整とほぼ合っていると思うし、これがsRGBとかけ離れているのであれば、モニタプロファイルでWebにアップしなければ他の多くの人に理解してもらうことはできない。
[2004/03/29]
一昨日は、クラブフォトコミティの撮影会に行って来た。今回は会議室でのポートレートであった。とりあえずの一枚をギャラリーにアップした。私のモニタで見ると色が薄いがsRGBの校正ではもう少し色濃いはずである。この辺はもう少し環境を見直す必要があるかもしれない。
このところはどこで撮っても色温度5000度Kに固定しているが、これが以外と良い結果をもたらしているようだ。人肌も割りとさっぱりした色調に仕上げてくれる。撮影時露出は-2/3EVとしているが、露出測定もISO160などという中途半端な設定で計るので、換算がきかず他の人にいやがられてしまっている。ISO200で測定して、ちょっと気持ち補正したほうが、よいかもしれない。もっとも撮影後のプレビューでも修正できるし、現像時にもある程度の露出補正ができるので、それほど露出計にこだわることはないと思っているが、やはり銀塩カメラでも撮影できるよう感は養っておきたいところである。
PhotoshopCSによる現像の設定値など詳細を10Dのページにまとめたい時期ではあるが、なかなか時間がとれない。CSのデフォルト値現像では、特にsRGB出力したときはヒストグラムでみると暗部色飽和が激しくデータがいわば壊れている状態である。現像法では彩度とコントラストを下げているが、この設定を読み出して適用するとヒストグラムが瞬時に整えられるのは見ていて整えられるのは気持ちがいい。ヒストグラムがどの色であれ最左端にへばりついているのは色飽和を起こしている結果である。絵によってはヒストグラムの黒が浮き上がることがあるが、これは空気の色であり、雰囲気であるがら無理に黒レベルを上げるべきではない。
今回の撮影データを見るとそれでも色飽和を起こしている絵がある。このときはしかたがないので、彩度をさらに下げている。CRTでは真黒に近い黒は見えないが飽和させなければ、明度をあげても黒のしまりが悪くならない。過去黒のしまりについていろいろ悩んだが、原因はこの暗部色飽和に起因しているところが多いのではないかと思っている。
[2004/03/23]
このところPC整備に時間を取られて写真撮影に出かけていない。しばらく前に撮影した「みなとみらい」で細々とギャラリーをつないでいるが、そろそろまた撮影にでかけなければと思っている。今週末は撮影会もあるし、また作品も増えることを期待している。
PCの整備とともにDVDソフトの購入などして、目の保養などもしているが、やはり最近の動画は解像度も上がり、S/Nもよくなり、色調も豊富になってきている気がする。これらは、フィルムによる撮影なのかあるいはビデオカメラによる撮影なのか知りたいところである。昔の音楽プロモーションビデオなどは解像度も低く、ノイズも多い。ここ数年の技術の進歩というのは、私が思っていたよりはあるようである。
PhotoshopCSの現像パラメーターの設定は個々の写真に対して一度設定した値を覚えている。そのデータベースがどこにあるのかは知らないが、この機能は便利で、一枚づつ仮現像しておいて、そのフォルダーの仮現像が済んだ段階でバッチにかけてJPEGホルダーに保存することができる。このとき共通のトーンカーブやボカシ、アンシャープマスクをかけたり、ファイル名の自動振り当てを行えるので、非常に重宝している。
今回のPC再インストールで、ファイルはコピーしたが、データーベースまではコピーできずに、個別の現像パラメーターを失ってしまった。現像後のJPEGファイルは最終品であるが、RAWをPhotoshopのブラウザでみるとカメラ初期設定の色調にもどってしまった。そんな訳で今はもう一度過去のものを一枚づつ現像して楽しんで?いる。何度も同じものを現像すると色々気が変わるのであるが、今回はいまのところ同じ現像法で満足している。
[2004/03/21]
今週はCMSとプロファイルに関して連載の形で述べてきたが、文章が長くなりすぎて日記としてはあまり良くなかったかもしれない。
今週はPCの整理とWinXPインストールのやり直し等も行っている。現在はHDDを300Gのものとバックアップ用250GBを実装してあるが、写真データはD30と10Dの分を合わせて100GB程度である。D30のRAWデータは過去ディスクの不足から一部消去してしまったのは残念であった。現在のシステムであれば、余裕で保存できていたのにと思う。時代はHDのバックアップはHDでというところに来ている。CDやDVDに保存することは可能であるが、後に引っ張り出してまで、見ようとする気はおきないはずである。
この機にD30のデータ等もじっくりと見てみたが、現像結果はかなり派手な色合いと明部の飽和が目立つ。RAWがなかったので、現像しなおすことはできなかったが、これは元データというより、現像の好みが変化してきたためだと思う。現在の現像はこれに比べれば、諧調表現ははるかに穏やかで、色彩もそう派手ではなくなっている。モニタの違いやカメラの特性の違いというのもあるのかもしれない。
PCのアップグレードでは今回はマザーボードも交換している。最初の期待以上にRAIDのサポートやUSB2.0などシステム全体の機能アップに驚かされる。これに気をよくして、USBビデオキャプチャー装置をつないで、テレビ録画やDVDのハードディスク化などを始めてしまったから、またディスク容量を圧迫することになってしまった。RAIDサポートによりHDも多く接続できるので、300GBクラスを6台もつなげるようになったので、増設できるが、現在は以前に使っていた小容量のものを合わせて4台(合計750GB)程度ですましているが、今後また金がかかることになるであろう。
PCも2年以内にはなんらかのアップグレードが必要であるが、デジタルカメラやレンズより、はるかに良い費用対機能向上の効果がある。
[2004/03/18]
インクジェットプリンタについては、過去から何回か買い替えしているが、プロファイルを合わせようが、モニタの色と一致したことはない。これはドライバの調整をいじって合わせていたが、濃いプリントをしようとすると肌がイエローとマゼンタのまだらになってしまう。染料インク系ではインクが乾く前に混合されてしまうのが原因だと考えている。顔料系の4000PXにしてから、なんとか見られるプリントになった。ただ色調はPS用プリンタプロファイルを使っても一致せず、プリント補正用のバッチをかけてからプリンタへ出力している。
前回述べたが、飽和をおこさない処理をするためには、処理の過程でヒストグラムを見ながら進めることになるが、PSCSでは現像パラメータ設定時に各色のヒストグラムが見えるので便利である。この時明るい部分の飽和は露出補正のみで制御できるのであるが、暗い部分の飽和は厄介である。コントラストと彩度を下げないと取れない絵があり、コントラストと彩度を下げると全体に色の薄い仕上がりになってしまう。リニア現像においてはガンマをかけても飽和することはないが、やはり彩度増加が必要である。彩度というのはいったい何なのかという疑問は私の中では未解決の項目ではあるが、トーンカーブを立てることによって、彩度は増加することは理論的にも納得できる。彩度増加の電気的アルゴリズムは一般にはある点におけるRGBデータの平均値からそれぞれの色データとの距離を増加させることによって得られる。しかし、これは明部と暗部において、色飽和を引き起こす。トーンカーブによる彩度増加はS字カーブによって中央部の彩度のみを増加させ、明部と暗部の彩度を減少させることであるので、好都合である。S字カーブはコントラストをも増加させるので、好都合で、コントラスト・彩度を控えて現像し、そのあとトーンカーブをかけてディフォルトで現像したときの色調と同じ程度の色調となるよう設定している。
sRGBで表現できなくて、AdobeRGBだから表現できる色とはいったいどんな色なのであろうか。前回も述べたが、プロファイルは過程で使用されるものであるからそんな色はないというのが、私の結論であるが、プリンタでの表現で重要になってくるのは暗部のデーターであると思っている。CMYKではCMYの原色は表現が楽であるが、RGBそれも暗い色が正しく表現されないと見た感じが大きく違ってくるというのが、私の感想である。これはCMYの合成である黒と単色であるKの位置が等しくないと、諧調の不連続を生じさせるためと考えている。その意味で、暗部の飽和にを押さえる重要性があると考えている。
今週は現像法における色空間の関係を連続で述べてきたが、自分の考えだけを主張するのもあまり面白いものではないので、この辺にしておきたいと思う。デジタルカメラは歴史的に浅いし、それを説明した技術的な資料というのもあまりない。デジカメとPhotoshopで写真を始めた素人にとってはCMSとかプロファイルというものが自分の写真をすばらしくしてくれるという幻想を抱いてしまう。NTSCの色は良くないので、sRGBにした方が良いとか、AdobeRGBはもっとすばらしいとか変なうわさとか思い込みにふりまわされてはいけない。NTSCとAdobeRGBは色域がほとんど同じである。もっと根本の理論を理解しないと現像法の検討もブレークスルーすることが、できないと思っている。
[2004/03/17]
RGBデータをCMYK変換し、そのヒストグラムを見ると暗い部分がヒストグラムの右側に位置することになる。紙は白くインクは多いほど暗くなるので、当然といえば当然の結果である。しかしほとんどの絵において、ヒストグラムが右の方に集中していることにはおどろかされる。私の場合、経験不足からか、CMYKによる色表現はRGBによる色表現ほど、直感的でないので、このモードによる色調整は避けている。
モニターにおける色表現に話をもどして、同じRGBデータでもsRGBよりAdobeRGBの表示装置の方が色鮮やかに表現されるということは、データが飽和していなくても、AdobeRGBのプロファイルだとされていれば、表示装置がsRGBでは実際に表現される色は飽和してしまうはずである。市販されるAdobeRGBのモニタがsRGBのモニタより広い範囲の発色が可能であるかというとそんなことはない(と思っている)。発光状態での飽和というのは主観では判断できないし、測定してもあいまいである。プリンタでも同じであるが、表示装置というのは、元データに対して、与えられたプロフィールに応じた色ベクターと各スカラーの比率を表現するようになっているということであり、どれだけ鮮やかな色を表現できるかは表現できる色空間とは関係がない。
CMSにおける色空間プロファイルの違いは表現される色の調子(色調)の違いをもたらすことは多くの人が知るところであるが、表現できる色の範囲が異なるという点については多くの誤解があると思う。プロファイルの表現できる色というのは大元の色が、最終表示装置に飽和させずに伝えられる範囲ということであって、大元の色がそのまま表示装置に再現される範囲ということではない。極端なことをいえば、コントラストと彩度の低いプロファイルを作れば、色空間はいくらでも広くなる。本当の色再現の範囲というのは撮像装置(カメラ)と表現装置(モニタ、プリンタ)のハードウェア性能によって決定されるものなのである。
もちろん撮像装置から表現装置までのデータの取り扱いにおいて飽和をおこしてしまうといかに高性能のハードでも元の色を再現することはできないので、処理の段階でどの色空間を使うかということは方法論として認識することが重要である。
[2004/03/16]
CMSを論じるのであれば、少なくとも自分のモニタが正しい表現をしていなければならない。しかしながら、このモニタのキャリブレーションさえはっきりとした技術的見解を示している資料を見たことはない。
私の理解している範囲で書くとモニタは色温度(WB)とガンマの設定を正しくしなければならない。色温度は一般的に6500度Kにあわせるらしいが、なぜ6500度なのかはだれも説明してくれない。ただオフィス環境が6500度Kだからモニタの白も6500度Kにするということらしいが、実際の環境温度が違えばモニタの色温度を変えればいいような気もする。まあここは意地をはらずに、高演色6500度Kの蛍光灯でも用意すべきと思うが、どこに売っているのかわからずいまだに普通の蛍光灯である。
ガンマ値については、モニタがCRTの場合、何も補正しなければ、2.5であるらしい。ここまではわかるが、MACは1.8でWindowsでは2.2であると言われると何だか訳がわからない。ものの本によればMACの場合、ハードウェアである程度の補正がかかっているので、ソフト的にガンマを1.8にすれば2.5のCRTがガンマ1に補正されるらしい。でもWindowsの2.2も意味がわからないが、2.5に近いのであまり気にしないことにする。ただアドビガンマの調整やPhotoshopの校正(proof)などを見ると何を目的にこのような動きをするのか、考えるほど不可思議である。
実際の調整ではモノクロの絵を表示させながら、各色のガンマ値を調整して写真が無彩色に見えるように調整をする。しかしこれはやってみるとなかなか満足のいく調整はできないものである。これは周囲色温度とモニタの色温度が完全に一致していないことが原因と思っている。
この色あわせの評価というのは、現在のところAdobe Photoshop上でしかできない。実際にCMSというのは、派生したツールはいくつかあっても、Adobeの独占であり、photoshopでしかその検証ができないということは、逆にAdobeのツールでしかこのCMSという考え方が通用しないということが言える。Photoshopのバージョンを以前から追ってみると、そのCMSに対するインプリメントのしかたが微妙に変化している。私の感想はAdobeも試行錯誤しているということである。
[2004/03/15]
このところはPC環境の整備におわれて、写真撮影や現像検討はあまりできていない。巷では、相変わらず、現像ソフトは何がいいかという議論が盛んなようであるが、私的にはみんな同じである。現像結果はパラメータや味付けによって変わってくるのであるから使いやすいものを使えは良いと思っている。もっとも、FVUが10D16bitのRAW現像において、トーンジャンプという重大なバグを一年間も放って置かれたのにはまいってしまった。それ以来リニア現像をあきらめてPhotoshopのACRを使っている。
RAWのリニア現像というのは、生データにパラメータを加えることなく、忠実にピクセルデータに変換するので(ただしISO感度や儀色緩和処理はされている)自分の色を作るには最適の素材を提供する。ただFVUの問題からACRに切り替えてからこれが使えなくなったため、自分の色作りはPhotoshopでのバッチ作業オンリーから、現像パラメーターの設定という作業にも分割されることになった。ACRも以前のバージョンは10D対応でないので、設定バーも正しい絶対値を示していなかったが、CSに組み込まれるようになってから細かな設定ができるようになり、色温度等の絶対値表示も信頼できるようになった。
現像パラメータの設定はプレビュー画面とヒストグラムを見ながら行うが、出力プロファイルをsRGBにするのとAdobeRGBにするのでは、プレビューの色調が同じでもヒストグラムの具合がだいぶ違う。これは、逆に言えば同じヒストグラムでもsRGBとAdobeRGBでは色の濃さが違うということである。つまり、色空間を意識しないで作成した絵はAdobeRGB表示装置でみれば色濃く表示される。以前はこれを逆手にとって、作成データをAdobeRGB空間に読み込みACEでsRGBに変換して彩度増加を図っていた。sRGBは緑の表現が弱いので、緑を鮮やかにするには手軽な手法であった。
sRGBとAdobeRGBは単純にRGBの色域が違うだけでなく、色ベクトルも若干異なるために正確な変換にはPhotoshopのACE等を使う必要があるが、その時どうしても変換できずにはみだしてしまう領域がある。その変換方法に「視覚的」とか「相対的」とかいうオプションがあるが、どれを使うべきなのか。現像法に立ち返るとsRGB出力に設定しあざやかな色調を得ようとすると、ヒストグラムはどうしても飽和ぎみになるし、AdobeRGB出力して、ACEでsRGBに変換するとこの時点で、飽和してしまう。ここでは明部と暗部の両方の飽和を問題にしているが、特に暗部の色飽和が気になる。
本日は時間とスペースの関係からここまで。
[2004/03/12]
先週末の「みなとみらい」から2枚ほど追加アップした。露出補正はカメラの評価測光から補正はかけていないが、とりあえずは合っている。現像時補正は+/-0.3EVの範囲に入っているようだ。再度設定を確認しておくと、撮影時は-2/3EV、現像時は明るさ75%(50%デフォルト)なので、一応18%グレーはヒストグラムの中央にくるはずである。
前回は多少結論めいたことを書いてしまったが、何事も試行錯誤がなくなってはつまらない。常に改善への努力によって、多くの知識と成果が得られるものである。今後の試行錯誤にあたって、これまでやってきたことを多少、整理しておきたいと思う。
現像法自体はどのソフトでも同じようなアルゴリズムで動いている。現像時のパラメータの設定だけが最終の仕上がりを決めている。ソフトによっては設定できないパラメータがあったり、時間がかかったりしているのであって、最終的な色調が気に入らないからといって、現像ソフトを変えても意味がない。現像ソフトの基本部分はベイヤー配列のデータを単にピクセルのデーターに置き換えているだけである。
現像法の検討の中で、多くのことを学んできたが、CMSもその一部である。RAWの現像においてAdobeRGBのほうが、sRGBより広い色域を持つとか、プロファイルをきちんと合わせなければならないとか、最近様々なことが、まことしやかに言われるが、CMSというのは環境がそれ相応に整っている状態で、理論的なことを考えずに使用できるようになるというシステム構築の考え方なだけであり、現像法の検討において、CMSへの誤解が話しをややこしくしてきた感がある。CMSは異なる環境においても同じ絵が同じ色調で表現できるということで、それ以上のものではないことを早く認識すべきであったと思う。
プリンタのCMYKでは、CRTのRGBでは表現できない色を再現できるから色域の広いAdobeRGBを使ったほうが良いという考えがある。この考えは方法論として正しいと思うが、sRGBで処理するとこの色を表現できないという誤解を生む。カメラのRAWデータはRGB各色の強さのデータを含んでいるだけで、この色のデーターがCRT上あるいはプリント上に正しい比率をもって表現されれば良いだけで、その過程でどのようなプロファイルを使われるかは単なる方法論にすぎないからである。しかし、色域の広い空間を使ったほうが、その処理上容易であり、優位であることも否めない。私の場合、Webでの互換性を考えると作業環境をsRGBにしているが、AdobeRGBでないことに対する劣性を常に感じてきたのであるが、これを否定することも可能になってきた。
CMSと色空間に関しては方法論が先走りしており、色に対する本当の意味合いというのはもっと深く考えて見る必要がある。それによって、現像法に対する理解も変わってくるし、誤解も取り除かれるものと思う。今回は、これ以上は長くなるので、次の機会にでも述べていきたい。
[2004/03/09]
昨夜はwicsのサーバが落ちていたため更新できなかった。ウィルスの影響ではないらしいが、最近ウィルスの影響でメールの配信が遅延することがよくある。FromやReturn Addressを詐称しているので、影響を与えているクライアントを特定することが難しく、収束に時間がかかる。
先週末は、お決まりの「みなとみらい」へでかけた。このところは出かけると天気がよくない。前回も太陽が出たのはほんのひと時であった。アップ一枚目の写真はクインズスクエアから、東横線「みなとみらい駅」へおりていくエスカレーターである。みなとみらい線ができてからJR線を使ったり、東横線を使ったりしている。横浜駅はホームが遠くなったので、横浜で下車する場合は桜木町からJR線を使うのが良いようだ。
いつもの風景も何枚か撮影したが、やはり晴れの日の絵は色を持っている。曇りの日にはそれなりの渋い色合いがあって嫌いではないが環境が異なると微妙な色の表現は違ってくるので、曇りの色調というのはWebで伝えるのは難しいかもしれない。やはり、写真というものは色を伝えるというより、むしろ形を伝えることの方に意義があると思うことがある。現像法は前者、撮影法は後者に近いのであろうが、素人にとってはどちらに力をいれるかは自由な選択であろう。私の場合その両方を検討したいが、残念ながら私がもっともらしい事を言えるのは前者しかない。
写真の撮影は午後起きだして行くようでは、いい写真が撮れるわけがない等と言われてしまうが、せっかくの休みに朝はやく起きるのは朝弱い私にはつらい。それでも1−2時間早めることによって、夕方の色ばかりとは少しは違った色が撮れるようだ。このところ大分、太陽も高くなって、一頃の弱い冬の日差しの色とは違ってきた気がする。
実際に見える色、いわゆる記憶色はその日の気温や風の強さによって結構異なるのだと思う。撮影された写真もその色調は結構違うものである。現像法の変化によって色調もまた大きく違う。現像法の検討というのは記憶色へ近づける努力だとするならば、季節や気分によって現像法も違ってくる。これでは永遠に収束することのない試行錯誤なってしまう。銀塩ユーザーは固定されたフィルムでその特性を生かした撮影方法を工夫している。現像法とはフィルムを作ることと等しいが、どの様なフィルムが良いかということはとても個人の手におえる問題ではない。ここはプロビアなりベルビアなりの完成されたフィルムをシュミレートすることに努力しないと、このジレンマからは抜け出せない気もする。
[2004/03/03]
今日も先週末の「みなとみらい」から2枚アップした。2枚とも35mmの絵である。風景とるならもう少し広角をと思うのであるが、どうも広角系の手持ちレンズはいいものがない。今度は24mmF1.4Lでもと思っているが、現在は金欠で手がでない。
今回の撮影は曇りであったため、露出補正はなしでほぼ適正な露出になっているようだ。-1/3EVで撮影して、現像パラメータの明るさを75%にしているので、計算どおりの結果が得られているようだ。晴れの日などは+/-1/3EV程度の露出補正をしたほうがよい絵もあるようだ。
白(WB)に関しては5000度Kにしているが、以前の5200度Kよりも良い感じがするのは気のせいか。10Dのページの現像法に関するページもそろそろ更新しないと誤解をまねくかもしれない。
[2004/03/01]
今日は撮影会と「みなとみらい」から35mmの絵を一枚づつアップした。先週末の「みなとみらい」あまり天気がよくなく、曇りの撮影となってしまった。久しぶりの曇りの日の風景もまた、現像法確認には有用である。今回はピント合わせに集中して撮影を行ったが、撮影時の集中もそれなりに写真撮影の楽しさがあるものである。
最近は、現像時の色温度を5,000度Kに統一している。PhotoshopCS(ACR)の現像温度の設定であるが、温度表示は、それなりに正確であると思っている。色温度を下げると仕上がりの色調は薄めとなるが、現実の色に近くなったような気がする。曇りや日陰での撮影では、白が青みがかってくる。いつも、白いものを撮影するとき目で確認するが、やはり白い。しかし仕上がりを白くすることはなかなか難しい。現像後の調整で白を合わせることはできるが、周りの雰囲気はだいぶ違ってくる。
真実の色とはいったい何なのかと思うことがある。人間の目の記憶とCRTやプリントアウトでは媒体が違うので、一致させることは難しい。人間の目も常にAWBが働くし、環境や気分で見える色というものはかなり違うと感じている。真実を写したものが写真というのであろうが、写真を芸術という分野で評価したとき、撮影した人の意識や感性が多分に含まれるし、その表現される色についても例外ではないと思える。表現された色が現実に近いかどうかもあまり問題でないという気もする。
写真の芸術論はともかくとして、真実の色というのを追究するのは限界があると思っている。カメラのAWBは、センサー表面からしかWBを算出せず、広い環境で長い時定数と感情をもった人間の目をシュミレートできない。現像ごとにWB(色温度)を変えることも、また話しをややこしくする。ここは銀塩写真に習い、フィルムを固定して(色温度とトーンカーブを固定して)、その中で自分の表現を見つけ出していくことだと思う。
[2004/02/28]
撮影会から、もう2枚アップした。このところ撮影会の写真を過去のものを含めてプリントすることに時間を費やしている。A4サイズに統一しているが、この大きさだとピントが結構気になる。
プリンタとしての解像度も十分で10D自体の解像度もこのサイズでは問題にならない。撮影時のピント調整の甘さがそのまま結果に現れている。ポートレートの場合AFよりはマニュアルのほうが、時間がかからないが、やはり精神の集中が要求される。
現在はPCの環境整備もほぼ終わったので、しばらく行っていない「みなとみらい」に出かけてみたい。明日は新しくなったらしい東横線みなとみらいの駅でも見てこようと思っている。
[2004/02/26]
撮影会から、黒バックの絵を2枚追加アップした。黒バックは白バックに比べて仕上がりがよかった。露出のとり方が比較的容易な気がした。撮影方法も試行錯誤の連続であるが、撮影会等のように失敗が許されないという精神的抑圧があまり大きな冒険をさせないようである。しかし、それと同時に時間的余裕がないという気持ちがあせりとなって、ピントや露出に対する落ち着いた設定ができなかったりする。
今回は絞りを比較的絞ったので、マニュアルでピントを正確に合わせるという努力が足りなかったようで、ピンボケと手ぶれが多く発生してしまった。いくら絞ってもピントのあいまいさはせっかくの写真をだいなしにしてしまう。特に35mmで撮った全身の絵は目をAF点にうまくもっていけず、失敗の連続である。85mm撮影のものは、目が中央にくるので、AFでもピントは合っているという結果になった。絞ったせいで、シャッタースピードが長くなったので、これも手ぶれの原因となったようだ。
今回の反省からすれば、シャッタースピードは1/180程度と固定して、絞りを決定したほうが良いかもしれない。この設定で室内で使う分には手持ちのレンズは十分明るい。また今後ピントは絶対にマニュアル、合わせ方は開放で撮影するときと同じ注意深さが必要だと自分にいいきかせた。
現像に関してはこの季節、色温度を5000度Kとすることにしたが、春・夏に向かって同じでよいかは今後の検討項目とすることにした。最初に述べたように、白バックのポートレートに関してはコントラストが強くなりすぎた。ちょっと露出オーバーな撮影になってしまったためであろうか。、オーバーは現像法でも解決できない。標準露出値を-2/3EVにしてからの始めての撮影であるが、やはりオーバーは怖い。-1EVにもどそうかなどと多少弱気になっている。
[2004/02/24]
先週末の撮影会から、一枚追加アップした。今回から撮影会状態にならないようにひとりづつ撮影するよう指導があったが、やはり5、6人となると待ちきれず横から撮影する撮影会状態になってしまう場面が多かった。前回ポートレートは露出でも現像法でもなく、ライティングだと書いたが、露出、現像法がちゃんとしていて、ライティングの効果も生きてくることを追記しておきたい。
さて一度失ったプリント用補正トーンカーブもなんとか再設定して、モニタとプリントアウトの色調も合うようになった。合評会での評価はポジのスリーブということで、私も全写真をサムネール状にしてプリントする方法を検討した。インクジェットのプリントアウトはどうしても解像度が落ちるのでサイズをあまり小さくできない。最終的に600x400までおとし、A4に12枚配置することにした。このサイズだと結構ピントがわかる程度まで、表現できる。PM-4000PXはやはり染料系とは比べ物にならないほど、色の表現が正確である。CRTでサムネール表示させるには、結構きめが粗くよい絵を探し出すのが苦労である。今後この方法でプリントアウトして管理する方法をとってみたい。
Photoshopには校正設定というのがあるが、また"モニター"か"Windows"かの設定によって色が違ってきた。つまり、Photoshopで見た色とIEで見た色がかなり違っている。アドビガンマは使用していないのにどういうことかと調べてみると、デスクトップのプロパティにモニタプロファイルが組み込まれてしまったせいらしい。これだから、CMSは混乱のもとである。Photoshopの校正設定は”モニター"、"Windows”、”Mac"とあるが、"Windows”と”Mac"の違いはガンマ値の違いで”Mac"のほうが明るく表示される。これは理解の範囲である。"モニター"と”Windows"の違いはモニタ付属のモニタプロファイルかアドビガンマで作成されたプロファイルの適用・非適用の差になっているようである。
PhotoshopでみてもIEで見ても同じにならなければ話にならない。結局現在の私の設定は、色温度をモニタのハードウェア設定、ガンマをディスプレードライバの調整、アドビガンマの非適用ということでなんとかツジツマを合わせている。色温度をアドビガンマで合わせるとこの不都合が発生する。ただそれぞれのハードウェアやドライバが色温度とガンマを正確に設定できるとは限らない。やはりモナコなどの校正ツールでやっているプロファイルの作成を細かく設定するのが本筋と思うが、校正用ハードなしでもプロファイルをいじれるようなユーティリティがあれば便利だと思う。
[2004/02/22]
昨日はコミティの撮影会だった。その中から2枚ほどアップした。今回から撮影情報と現像情報をもう少し詳細に記することにした。今回の撮影会から新たに指導の先生をお願いすることになった。前回も有名な写真家の先生であったが、今回もまた有名な写真家の先生である。今回の先生は自然光による撮影が得意ということらしい。
今回掲載の写真は2枚とも自然光のみのライティングである。黒バックの絵などは自然光の逆光であるが、とても自然光撮影とは思えない仕上がりである。今回は開放ではなく、絞った撮影としてみたが、やはりあいまいなピントはいくら絞っても解決はしない。また現像色温度を5000度Kに下げているので、色調としては薄めである。
それにしてもポートレートの撮影というのは、現像法でも露出でもなく、ライティングだということを痛感させられた今回の撮影会であった。
[2004/02/20]
このところPCアップデートに時間をかけてしまい写真の撮影も現像もあまり時間をかけていない。ギャラリーアップも過去のサンプルでお茶をにごしている。今週末は久々の撮影会なので、久々に写真を撮りたいと思っている。
PCのアップデートで、Photoshopアクションをファイルに落としておくことを忘れたため、現像後の修正にかけるトーンカーブと、プリンター用の補正トーンカーブを失ってしまったので、もう一度作り直さなければならない。現像後の補正トーンカーブは単純に明部と暗部を圧縮したS字型なので、再現に手間は取らなかったが、プリンタ補正トーンカーブは過去プリントを何枚も繰り返して色調を合わせたものなので、かなり悔しい。また用紙とインクを何枚も無駄にしなければならない。最近はプリンタより、ネットプリントのほうが安上がりのようなので、こちらを調査したほうが良いかもしれない。
Photoshop CSになって、D30と10Dの現像を同じ条件でできるので、過去のD30のRAWを現在の10Dの現像パラメータと同じにしていくつか現像してみた。D30の絵は今見るとやはり、画面の小ささを感じるが、色調としては10Dよりはるかにしっかりしている。ヒストグラムを見ても明部・暗部ともに飽和していないのに色はかなり濃くみえる。暗部ノイズも少なくいわゆるベットリとした絵になっている。比較してしまうとやはり10Dはノイズが多い。画素数が多いので、画面いっぱいに表示したときノイズとしては見えないが、画面がザラついている気がする。
また拡大してみるとピクセルあたりの解像度がD30のほうがはるかに良い。10Dの絵はボケているかブレているのか、、あるいはレンズの性能の問題であろうか。やはりまた画素数を上げないフルサイズセンサーの待望論に行き着くが、それは今後もあまり期待できそうがない。1Dmk2が限度というところであろうか。D30の色調に影響を受けて、現像法の検討も多少変化しそうである。現像法に対する試行錯誤も当分終わりそうにない。
[2004/02/17]
やっとPCのアップグレードが完了した。マザーボード、CPU、メモリー、ハードディスクを通信販売でオーダーしてしまったため受け取りのに10日以上かかってしまったのは計算外であった。通信販売も業者を選ばないと無駄な時間を費やしてしまう。店頭で買えるものは多少高くとも店頭で買うのが良いようだ。
前回まではPen4の1.7GHz、850(PC800)のマザーボードであったが、今回3.2GHz、865(FSB800)、メモリ1GBとなった。最新の組み合わせではないが、現時点では安価に買えるものとしては最高レベルであろう。パソコンの更新は一年半ぶりぐらいになるが、買い替え周期としては私の通常の行動範囲である。
ハードディスクも300GB及びBackup用250GBとなり、カメラデータのアーカイブとしても当分はこれでしのげる。現在のデーター量は全てを合わせても100GB程度であるので、写真データが増えてもCDやDVD等に退避させる必要もなく、PCに置ける。
さて肝心の動作速度であるが、10DのRAW現像においては以前から気になるほど遅くはなかったが、今回さらにスピードアップした。別のプログラムを動作させながら、音楽を聴きながら、バックアップをしながら、ウィルススキャンをしながらのPhotoshop作業は、メモリーの増加もあってか現像作業は快調である。
やはりパソコンは2年以内には買い換える必要がある。CPUの動作スピードは2倍程度にしかならないが、その他の部分でも技術の進展がある。USBサウンドやUSB2.0サポート、RAIDのサポート1000MbpsLAN、等やはり2年もたてば周辺も進歩してくる。デジタルカメラはどうであろうか。速度や価格には進展が見られたが、本質的な性能はさっぱり向上していないのではないかと感じてしまうのである。
[2004/02/13]
引き続きレンズと画質に関する考察である。世の中には様々なレンズがあるが、これらは収差とか解像度とか数値で表現できる特性では説明しきれない部分が数多くあるような気がする。私が単焦点Lレンズにこだわるのも前回述べた理由以外にも多くの言葉では簡単に説明しきれない何かがある。
ひとつ、不思議に思うのはレンズの明るさと色調の違いである。以前85mm1.2Lを購入したとき最初風景の撮影において、同じ条件で撮影した2.8Lズームレンズと比べて緑の木々の鮮やかさが全く違うととに気が付いた。その当時のD30の現像法にも問題があったかもしれないが、1.2Lの開放で撮った緑は嘘っぽいほどの鮮やかさを示した。後にこれが、レンズそのものというより露出値とシャッタースピードのバランスによって色調が大きく異なることに気が付いたのであるが、これがセンサーの性能によるものなのかそういうものなのかは未だにわからない。撮影時に絞りを絞ってシャッタースピードを遅くすると赤い夕方の色調になり、逆にすると青が強い描写となる。過去においてはこのため1/500以下と以上で現像法を変えていた。現在はそんなことをしていないが、ギャラリーのシャッタースピード表示FとSはそのなごりである。この傾向は2.8以下のFで顕著である。銀塩ポジにおいても露出によって色温度が違ってくる例を見ている。
最近は撮影結果を等倍で鑑賞することはあまりなくなったが、等倍で見てみると明るいレンズを開放で撮影したときの輪郭のやわらかさはすばらしいと思う。これはピントが合っていないとわからないが、絞ったシャープな表現とはまた異なるのである。ソフトフォーカスレンズほど大きなボケはないが、そのボケ方と似たところがある気がする。以前世話になった先生はソフトフォーカスレンズを多用していたが、その味というのもわかる気がする。Photoshop CSにもレンズボカシという機能を応用して、ソフトフォーカス仕上げも結構好みであるが、それとはまた違ったものであるとも思っている。最近は現像後のトーンカーブも軟調の仕上げが好みである。
[2004/02/10]
デジタルカメラの現像法とレンズの性能について考察してみた。私の常用レンズは35mm,85mm,135mmの単焦点Lレンズであるが、以前のバージョンではあるが、大三元ズームも所持している。D30時代の初期にはこれらのズームレンズを使用していたのであるが、単焦点Lレンズを使い始めてからこれ以外を使う気もしない。選択肢が狭まったおかげで、レンズ地獄からも今のところ(広角と望遠の単焦点はほしいと思っているが、何せ高すぎる)遠ざかっている。
なぜ単焦点Lレンズしか使わないかというと周辺の色収差が気になることと、中央部であっても細部の色調が濁る(汚い)ことである。現像法の検討にあっても、デジタルの場合、色収差が強調され、この理由がベイヤ配列とRAW現像ロジックのせい(偽色のせい)ではないかと言い続けてきたが、問題はそれほど単純ではないようだ。ただ、私の場合単純に、色収差の強調という問題はレンズに色収差がなければ、解消されると考え、単焦点Lレンズを使ってきた。
最近某サイトで明るい部分に発生する紫の縁取りについて話題になっていたが、これは単純にレンズの色収差として片付けられるものではない。私の現像法検討の中でも調査してきたことであるが、これは白とびとリニアな諧調の境目におけるグレーバランスの崩れによるものと考えている。現像時、センサーの感度によって合成の割合を変えているが、一般に緑のセンサーは感度が高く、全ての色が白飛びした時の合成割合を等分にする点で不連続の部分が発生するため飽和点で紫色の縁取りが現れると考えている。事実、現像ソフトで露出を下げるとこの問題は解消されるが、撮影時に白飛びさせてしまったものは露出補正では、解決できない。
実は、この現象は色収差とも深い関係があり、僅かな色のバランスで様々な色が白飛び部分の周りに現れる。またボケた部分にこの現象が現れると色は薄いがその面積は広く、ピントが合っている部分ではくっきりとした色の線が発生する(この場合は現像ソフトの偽色緩和処理でかなり改善される)。この問題の根本的解決のためにはボケに対してもピントのあった部分に対しても色収差のないレンズを使用することであるが、単焦点Lといえど難しい。現像法と撮影法による注意点は明部飽和を起こさせないことであり、そのためには彩度を下げた現像を行うことである。彩度増加はS字補正にたよらざるを得ない。
この問題はデジタル特有の問題だと思っている。現像法の改善によって保持しているズームレンズも使えるようになる可能性もあるが、目的物に露出を合わせ、バックを飛ばすような撮影や夜景の撮影などではデジタルカメラの短所として認識しておくべきことかもしれない。
[2004/02/07]
このところはまた以前のRAWファイルを現像しなおしている。何度も同じことを繰り返している。以前は違う条件の写真を現像するたびに気に入らないとパラメーターを変更し、最初からやり直していたが、今回はそのようなことはなくなった。これも現像に対する考えを多少改めたせいであろう。
現在PCの更新の準備を進めているが、それに先立ちディスプレーボードの最新ドライバをWebからダウンロードしてチェックしている。現在のビデオボードはRADEON 9700であるが、ドライバーでの色調整が以前のものより細かく調整できる。
モニターの調整はAdobe gammaが備えるように、白点のRGB値と各色のガンマ値を設定できれば、ほとんどのCRTでグレーバランスがとれるように設定できる。ただAdobe gammaの問題点はWBを細かく設定するためにはx,y値で指定する必要があることと、各色のガンマが数値で設定表示できないことである。新しいドライバではこれらが数値で表示・設定できるので、Adobe gammaの使用をやめて、ドライバの設定でモニタの色を管理することにした。
現在のカラーマネジメント(CMS)はカレーマッチングを含めてプロファイルで、管理するようになっているが、デバイスごとに一定の色空間を表現できるようになっていれば、デバイスプロファイルを介在させることは必要ない。特にWebでの作業を重視するなら、PhotoshopとIEでの表示色調が異なるという悪影響を回避することができる。それにこの状態で色空間プロファイルのマネージには支障がない。
[2004/02/04]
発売前から1Ds mK?Kの評価も色々であるようであるが、私も今回は購入を見合わせることにした。理由は1Dからの変更点が少なすぎることで、フルサイズセンサーはともかく、重さ・大きさ電池などの不満点が解消されていない点である。かわりにタイ語の学習教材とPCのグレードアップに資金を当てることにした。3Dレベルのうわさもないわけではないが、カメラ自体の更新は今年度は見送りとなってしまった。
昨年夏頃から10Dで撮影するときシャッターを押してからの反応がひどく遅く感じられることがあるのに気がついた。これはいつもではなく、時として起こるので、どういう条件でそうなるのかを発見するのにかなりの時間を要した。この現象は撮影モードをワンショットから連写モードにしても同じである。連写モードの最初の一枚でシャッターが切れないのである。一度切れればカタログどおりの連写スピードで撮影できる。モデル撮影の場合半押しでピントを合わせいざシャッターを切ろうとすると切れない(遅い)ので最悪である。これを回避するのは連写モードにして、最初の一枚はあきらめて、常に半押し状態にしておくことである。しかし、この回避方法では常に半押しとなるのでCFへの書き込みは一切行われない。高速CFを使っても、15-6枚撮ったあとは、じっと1分以上またなければならないのである。
EOS1DとかEOS1Dsではこのような不都合はないのであろうか。実際に使ってみないとわからない。これが、10DのバグではないとすればCF書き込みと撮影の切り替え処理のCPU能力の問題ということになるのであろうが、はたしてどちらなのであろうか。と、ここまで書いたところでもう少しCFとの関係を調べてみることにした。わかったことは、CFのサイズが大きいほど頻度が高く、FAT32でフォーマットすると最悪である。半押し状態でCFへの書き込みは一時停止しているにかかわらず、シャッターを押したときCFをアクセスしているらしい。
考えられるのは「CFなしのときのシャッターのレリース」のオプション設定である。これをはずすと調子が良くなった気がする。撮影スタイルが多少変わるが、今度はこの方法でしばらく試してみたい。それにしても問題というのは、文章にすることによって冷静に見直すことができるものであるというのも新たな発見である。
[2004/02/02]
このところ、ギャラリーは本文ノーコメントでアップしている。最近は撮影をしておらず、以前の写真を現像し直している事情から、過去のものから適当なものを一枚づつアップしてお茶を濁している。
現像法もある程度固定されつつあり、中間調で直線的な表現としたので、現在、個別調整は露出補正のみで対応している。-1EVで撮影しているので、現像時に「明るさ」75%とし、露出補正は+0.35EVに設定するのが標準である。今後は露出補正-2/3EVを撮影標準にして、現像時露出補正を0にしようと思っている。これで多少S/Nを改善できる。
前にも報告したように、明部・暗部の色飽和を緩和するために明部・暗部をなだらかにしたS字特性のトーンカーブを現像後にかけているが、中間調では直線になるようなカーブとしている。フィルムのシュミレートとしてはかなり軟調であろう。Photoshop等による彩度増加は計算によって行われるためどうしても暗部の色飽和がおきる。実際のフィルムでは、各レベルにおける感度を変えて彩度を制御していると思われるので、トーンカーブの適用と同じ原理であろう。ただ、このS字特性の形を変えることにより彩度を制御できるが、同時にコントラストも強くなる。
ポジフィルムでは、ベルビアは高彩度の色調を提供してくれるが、露出に敏感である。私の場合、ポートレートも撮るので、ベルビアはきつく、どちらかというとプロビア程度の結果を求めている。むしろそれよりも、軟調の特性で、彩度については電気的彩度増加で多少補っているというのが、私の現像法の現状である。
一般のデジタルカメラの場合、正確な自動露出は困難なため、計算による彩度増加のみを行っているので、どうしても銀塩の仕上がりに負ける気がする。ちなみに私が自分でプリントする場合は、もう一度S字カーブをかけて彩度とコントラストを増加させ、CRTとプリントの特性を合わせている。
[2004/01/31]
キヤノンの1D markIIが正式発表になったようだ。スペック的には画素数が増えた以外はそれほどの変更はないような気がする。これで、中間クラスでのフルサイズ化は当分ないようである。私は1Dを所持している訳ではないが、よく投稿される1Dの絵を見るとAWBと赤の色相に関して他のキヤノンのカメラにはない特徴を持っている。全体的なAWBは良く取れていて白の美しさを感じさせるが、赤のマゼンタよりの色相は理解しがたい。良し悪しは別にしても、この1Dの特徴はmarkIIでは消失するに違いない。
私がフルサイズを望むのは、S/Nの良さ(ノイズの少なさ)を求めているせいで、画素数の高い1Dsでは条件は10Dと同じで、あまり意味がない。1Dも高解像度化によりS/N低下は否めないところで、現在はD30が一番かなとも思う。ただ10Dを長く使っていると高解像度も手放せない。まあ、正しい露出で撮影している限り、そうノイズが気になることはないのであるが。
しかし、S/Nと解像度を除けば、現在のデジタルカメラの画質はカメラボディを選ばない。銀塩でも写り具合はレンズとフィルムのみで決まるものであり、ボディの性能はカメラマンの腕をカバーするにすぎない。現行レベルで、解像度はレンズの性能を十分表現できる状況であり、フィルムの特性は現像法によるものであると考えられる。
さてその現像法であるが、このところ自然、つまり現実に近い表現というものを念頭において、パラメータ調整を行っている。世の中にフィルムといっても多くのものがあるし、銀塩ユーザも目的に応じてフィルムを使い分けて、試行錯誤しているに違いない。ただひとつの現像法で全てが美しく仕上がるという試みもこれ以上追求しても意味がないのであろう。写真の道では、何をどう撮影したいかを決めずにあとでいじくりまわすのは邪道であろかもしれない。ただ今はどうすればどういう色が出るかということを学ばなければならない段階だと自分で思っている。
[2004/01/28]
このところ、日記が長文になってしまっている。現実に現像パラメータとトーンカーブにかなりの時間を費やしており、毎度のことながら過去の写真を何度も現像しなおして一喜一憂しているので、なにかと書き留めておきたい気持ちになってしまう。しかし、ひととおりの理屈を並べる割りにはアップされる写真はどうということはないと感じる諸氏も多いのであろう。自分でも情けない。現像法は自分の考えがまとまった時点で10Dのページにまとめたほうが良いかもしれない。
先週は所属するフォトコミティの集まりがあった。今月は撮影会はお休みで新年会と今年度の活動計画を決めた。時代の流れなのか、デジタルカメラを使う人も増えてはきたが、やはり銀塩メインで、デジタルメインなのは、依然私だけである。いまだに多くのハイアマチュアが銀塩への移行をためらっている。デジタルカメラの持つ自動的な絵作りが銀塩の味を知る人には許せないのであろう。RAWで撮ろうにもバッファの不足による、連写の不満もあるであろう。写真趣味であるが、パソコン趣味ではない人にとっての現像の煩わしさがデジタルへの移行を妨げている一因かもしれない。
世の中に写真趣味の人は数多くいる。それぞれが異なった考えや方法で、異なったものを求めていても何の不思議はない。こういう集まりでは、それぞれの考えを聞く上で非常に参考になるものである。ただ出来上がった作品に関して銀塩であるからとかデジタルであるからという差別や先入観は持つべきではないというのが、私の意見である。
ここ一年ほど、撮影会や合評会に先生をつけていなかったが、今年からまた先生をつけることにした。適当なプロではなく名前の通った写真家でないと、あまり意味がないということで、今後費用もかさみようである。話を聞くとプロの先生がたもこの不況で生活は楽ではないが、プライドがあってそれなりの報酬がなければ、そう簡単には出てこないらしい。モデルにしても、事務所に依頼したのでは高すぎるし、自己調達にしてもそう簡単には来てくれない。幹事の人も色々とたいへんな苦労をしている様である。
[2004/01/26]
自分のモニタのガンマ値を2.2に調整し直した。私の場合もともとCMSというのはあまり考慮していない。自分の環境で作業をする限りあまり意味がないからである。プリンタへの出力はよかれと思って使用しているプロファイルを使ってもさっぱり合わないし、もっぱら試行錯誤の末作ったトーンカーブをかけてからプリンタに出力している。しかし外部環境との一致という意味では、唯一Webへの写真のアップである。この意味で、プロファイルをsRGBとすることとモニタガンマを2.2とすることに意味があるのであろう。
しかし、Windows環境におけるCMSというのはMacに比べて、いまひとつ適当である(例えば、モニタガンマも理論的には2.2ではなく、2.5にすべきらしい)。それ以上にWebを見るユーザーのモニタの設定もどんなものなのかは知るすべもない。自分の所有するPCをしても色調はやはりまちまちである。そんなところもあって今回モニターの調整とノートPCのLCDの調整を思い立った。自宅のモニタはsRGB対応のCRTであるので、Adobe gammaでなんとか見られるところまで、いったのであるが、ノートPCの方はモノクロ画面が純粋な白黒写真になるように調整することができなかった。Adobe gammaでは色温度とgamma値しか合わせることができず、各レベルにおけるグレーバランスをあわせきれないのである。キャリブレーションツールなどという大げさなものではなくて、プロファイルエディターみたいなものがあれば、自分で調整できるのにおもったが、とりあえず今回は適当なところで妥協することにした。
ところで、自分のアップした絵をガンマを変えただけのモニタで眺めるとなにか情けない絵も多い。微妙な色彩はやはり同じ環境でしか再現できないものであることを実感する。ただしかし、適正な露出で適正な現像が行われている絵はモニタのガンマ値にかかわらずそれほで印象が変わらず見ることができることも発見した。いい絵は誰が見てもいいというのはこの辺に原点があるのかもしれない。
今回の経験を現像法に生かすとすれば、やはり出来るだけ直線性のよい再現を求める現像法にすべきであるし、大幅な彩度やコントラストの増加によって美しい絵ができたとしてもその現像法は誤りであると言い切る事であろうか。また現像法も錯誤の末、原点に返って同一の現像法という方向に思考が向いてきている。ただ個別の色温度(WB)の調整ということについてはまだまだ試行中である。
[2004/01/21]
今日も「みなとみらい」から2枚追加した。今回は撮影時の絞りも現像も明るめの表現のものを選択した。というのは、Photoshop CSでの現像を試行し、オーバー気味の表現を検討してみた。この表現もまた「アリ」という気がする。
Photoshop CSのACR現像における、パラメータの設定について前回一通り述べたが、今回それぞれのスライドバーを動かしてヒストグラムがどう変化するかを詳しく見てみることにした。これも、調整とリアルタイムにヒストグラムが変化するようになって、これらの検証がすごく楽になったおかげである。
まず「明るさ」と「露出」補正の関係であるが、ヒストグラムの変化を見てみるとどちらもヒストグラムが平行移動するので同じように見える。しかし「明るさ」を最大にしたときと最小にしたときのヒストグラム全体の形が異なってくる。最大にしたときは「右詰まり」つまり明部が圧縮されている。これを利用して明部の直線性を制御することができる。私の場合-1EV撮影で、明部の飽和までの範囲を広く取ったのであるが、全体の明るさを適正にするためには明部を圧縮させる必要があるので、この「明るさ」の制御が使える。実際、-1EV撮影データをACRにかけ、「露出補正」+1としたときのヒストグラムの中央部が、「露出補正」なしで「明るさ」の設定をいくつにしたときと等価であるかを見てみると100(ディフォルト50)となった。またこの状態でヒストグラムの最大値はどちらも同じ位置にくるので、私の思惑どおりの動作をしている。これまで露出補正を行うためにはレベル補正とトーンカーブを組み合わせて試行錯誤しなければならなかったがこの「露出補正」スライドバー一個で行うことが可能になった。前回「明るさ」を100ではなく、70程度にすると述べたが、これも間違いではなく、多少のオーバー気味も露出補正で調整可能範囲にしようとする設定である。
ところで、以前のデータからオーバー気味の絵をいくつか現像してみると、白とびを起こしていながら控えめの現像を行った絵よりもいい絵が出力される場合があるのである。これはアンダーの撮影を「露出補正」のみによって白とびさせることによっては作りえない色調(諧調)がある。撮影時の露出と後処理の露出の違いである。ここにも写真という表現の面白さがある。写真家はこれを計算に入れて撮影時の露出を設定しているに違いない。写真というのは白とび(飽和)させなければいい絵が得られる訳ではない。光と影の中に自分の表現したいものをどうを織り込めるかが写真なのであろう。
だれかが、失敗のない写真は面白くないと言ったが、後処理で露出を調整するという行為からはなるべく早く脱却すべきなと思うのである。ただ銀塩でもネガの世界では後処理での露出補正や色温度調整は広く行われていることであるし、レタッチもこれと同意である。この辺に銀塩ポジ写真家のデジタル写真に対する優越感があるのかもしれない。
[2004/01/19]
「みなとみらい」から2枚追加アップした。先週撮影分で夕暮れの撮影とあって、色温度をいじってある。現像は、露出補正と色温度については個別に調整するというのが、私のこのところのやりかたである。露出を撮影時に最適化するという試みはまだまだ修行が足りないと認識させられた。色温度に関しては、雰囲気の表現ということで固定を試みたが、調整することによって表現のバラエティが加わることにきずいたからである。ポジの世界では不可能な2点であるが、デジタルにはデジタルの写真の撮り方があると当面割り切ることにした。
さて、Photoshop CSのACRが機能することになって、上記2点に関して操作が容易になったのであるが、この最新版のACRでの現像について、述べておきたい。
まず色温度の設定であるが、ACRには温度設定の他にtintと言うのとshadow tintというのがある。日本語版ではtintを色かぶりと訳しているようである。色温度は赤と青のバランスできまるが、WBを取るときこのバランスに対して緑の位置が中央になるとは限らない。この相対位置を変化させるのが、tintらしい。shadow tintによって暗部のtintも変化できるので、ひととおりこれらのつまみでグレーバランスはほぼ完璧に調整できるようだ。ACRの10Dディフォルトではなぜか、太陽光が5400Kでtintが+11となっているが、赤がマゼンタよりの傾向があり、Kodakの色調なのであろうか。私は晴れのディフォルトとして5200Kでtint=0で使用している。Shadow tintと各色ごとの色相の調整も可能であるが、それらはいじる必要性は感じていない。
その他のパラメータであるが、露出が適正であればディフォルトで現像して、とりあえずきれいな絵が出力できるが、私の場合、-1EVを適正露出値としているので、露出補正なしで、適正な明るさを得られるように「明るさ」を70程度に上げ適正露出での露出補正値が0となるようにしている。「露出補正」と「明るさ」の調整の違いは「明るさ」を調整したときは明部が詰まった感じで補正され、「露出補正」の場合は直線的に飽和すると感じている。ヒストグラムをみているとそう感じるが、出来た絵ではそんなに差が感じられる訳ではないので、便宜的に適正であれば露出補正0であるするには好都合でもある。
「コントラスト」と「彩度」に関してはAdobe RGBで出力するのであれば、ディフォルト値で十分良好である。しかし困ったことに出力をsRGBにすると彩度の高い絵では、暗部の飽和を起こすのである。明部の飽和は理論的にしかたのないことであるが、暗部の飽和は暗い部分の色純度を悪くする。常日頃デジタルの黒と銀塩の黒の純度を比べてデジタルでの問題を感じていた。暗部の飽和はヒストグラムでレベル0のところに線が出ることで、特定の色だけに発生し、これが起きると飽和した色の成分が暗部で失われ、いわゆる黒に締まりがなくなる。
実際にこの問題の解決はそう難しいものではない。ACRの設定値を「コントラスト」-27程度、「彩度」-20程度の眠い絵で現像を行い。トーンカーブをS字型として、コントラスト、彩度を戻すと良い。トーンカーブは寝たところでコントラストと彩度が減少し、45度より立ったところで、コントラストと彩度が増加するため、S字型とすることにより、暗部と明部の彩度を押さえ、中央部のコントラストと彩度を増加させる。これは図らずもD30現像法で述べた双曲線現像法と通じるところがある。
ACRには他にも色集差補正、ビネッティング補正などがあるが、これにはいまのところお世話にならないで、済んでいる。今回のバージョンは色温度と露出補正が絶対値で調整できるので、今後のライティングや露出の検討に役に立つのではないかと期待している。
[2004/01/18]
ちょっと更新があいてしまったが、MM21から2枚アップした。現像法はちょっと変えてある。注文していた、Photoshop CSが着いたので、現像法を調整していた。ダウンロードしていた、英語版の試用期限がぎりぎりの状態でハラハラした気持ちもあった。
付録のTipsは新機能の使用方法を詳しく説明している。デジタル写真の現像法とレタッチが一貫して処理できるPhotoshopは、このソフトがデジタル写真の処理のためにあるという気持ちに改めてさせられる。カメラも持っていなかった20年も前からこのソフトを使ってきた私には不思議な感じである。これまで、現像とレタッチは別物であると考えレタッチは加工であると考えてきたが、処理が容易になると写真というのはレタッチ終了までという感覚にさせられるようになる。しかし、今わたしの求めている現像法とは少し違う気もする。
それはともかく、タイでの写真をこの新しいACRで現像してみて、鮮やかな色彩に関心していたのであるが、ちょっと違う気もした。今回のバージョンでは常にヒストグラムで確認できるので、気をつけて見るとディフォルトでの設定では暗部の色飽和が見られる。これは彩度増加がすべてのレベルに同一に適用されているようで、プロファイル変換エンジンであるACEも前のバージョンとは動きが異なるような気がする。
ACRのみで、sRGBのJPEGを作成するのは無理があるようで、ACRでは薄めのコントラストと彩度で現像し、S字トーンカーブで、コントラストと彩度を増加することにした。どうも与えられたものの欠点を探して、自分独特のものを作りたいという気持ちが私には強すぎるのかもしれない。でも暗部の色調はこの方法でたいぶひきしまったと感じている。
ただ新しいACRは露出補正と色温度の調整において非常に便利に機能してくれることは、私の現像法に多大な効率化をもたらしてくれた。これだけでも、アップグレード料金に十分値すると満足している。
[2004/01/14]
今週月曜、成人の日に例によって「みなとみらい」に出かけてみた。曇りの日であったが、最近曇りの日の撮影がしばらくなかったので、ちょうど良い機会であった。色温度5200Kでの現像では青くなってしまうので、5800Kから6000Kで現像している。ところで桜木町駅は今月いっぱいで終了になるらしいが、いまだにみなとみらい駅がどこにできるのかはっきりしない。
さてNokia 6650用のメールCGIの作成を時間を見てやっているが、やっと一部のメールの送受信ができるようになった。最近のサーバーはセキュリティが厳しくなる一方で、自宅からならできるPOPとSMTPに対するSocket通信を容易に受付ない。CGIでサーバー外のメールサーバにアクセスすることはほぼ不可能のようで、メールサーバーのあるドメインにCGIを飛ばしてなんとかWeb-pだけは使用可能となった。
ところで、Nokia 6650も8万弱から6万弱に値下げされるようである。キャリアの用意する端末に興味がもてない向きには朗報である。いまはNokia 7600がほしいがまだ発売前である。PHSもタイでのローミングが開始されたようで、これも端末買い替えが必要である。
[2004/01/12]
今回のタイ旅行記も10Dのページにまとめて掲載し終え、KOIの写真の2枚のアップで終了したい。ここに上げた2枚は肌の色に他の絵とは違う色調がある。EXTIFには偏光フィルターの情報は残らないが、かなり開けて撮影してあるところを見ると、フィルターがかかって撮影してしまったらしい。
偏光フィルターの効果というのはまだはっきりとはわからないが直接光の反射をおさえ、本来の乱反射の色を引き出すのに効果があるらしい。室内や曇りの日の効果は期待できないはずであるが、なんらかの効果があるようだ。後処理でシュミレートできないフィルターであるので、なんとも経験を積むよりほか使いこなすことはできないようだ。
レンズ効果として、ソフトフォーカスレンズも興味があるところであるが、これは後処理ではシュミレートできないものであろうか。まだまだ試してみたいことはたくさんある。
[2004/01/11]
今日もタイの写真から。Bangkok南のデルタ地帯の運河のボートの旅から2枚ほどアップした。ただ今回の旅行の写真は10Dのページに3項目を更新して掲載したので、そちらを参照していただきたい。
今回の写真をプリントしてKOIへ発送した。PM-4000PXでA4サイズ20枚、2Lサイズ90枚程度のプリントになったが、プリント時間はともかくインクと紙の消費量もばかにならない。以前はネットプリントに出していたが、色調が気にいらないので、顔料プリンタにしてから、自分でプリントしている。
プリントにはPhotoshop用のプロファイルを使用しているが、色が薄く色調も異なるということで、現在はプリント前にトーンカーブと彩度増加をかけて、CRTとプリント上がりが同等となるように設定している。プロファイルを作り直せばよいのであろうが、作る道具もないということで、プリント前のバッチ処理ですべてすませている。
プロファイルに関してはこのようにCRTもプリンタも正式な方法で合わせているわけではないが、感覚的にあわせることにより、外界との互換性もほぼ問題はないと思っている。自分のページを他のモニタで見ても、他の人のページを見ても違和感はないので、正しいと思っている。これからもこの環境で現像法を検討していかなければならない。
[2004/01/08]
今日は、タイでの年末の日の3枚をアップした。一枚目のタイの寺院での撮影は偏光フィルターの効果がでているが、空の色がすっきりしない。2枚目の彼女の絵は日陰であるが、特にWBを変えていない。3枚目はホテルでの年末パーティでのショーであるが、WBはタングステンとしてある。
このとろろの数年はタイですごしている。年越しはいつもホテルのカウントダウンパーティであったが、今年はタイでも結構いなかのホテルということで、宿泊客も少なく静かな年越しになると思ったが、31日の夜は宿泊客全員をホテルがカウントダウンパーティに招待してくれた。内容もフルコースディナーの豪華さで、二人2泊で7000円程度という宿泊費では赤字に違いない。観光地ではないところへの旅行もいいものである。
話はいろいろ変わるが、昨日はPCとNokia携帯のデータ交換用にUSB赤外線ドングルを購入した。USBケーブルでよかったのだが、ケーブルが一万7千円という信じられない値段のためである。赤外線USBドングルは数千円である。携帯電話である6610は4万であるから、世の中の値段のつけかたというのはどうも腑に落ちない。
それはともかくとして、最近Docomoの携帯にも赤外線インターフェースがついたようであるが、PCやPDAの赤外線通信というのは海外ではかなり古典的である。これも日本の携帯電話がクローズであり、PCとの接続を考えたPDA的な使い方を無視してきた結果であると思う。ブラウザ、メール、カメラなど高機能化する携帯電話も日本ではPCの世界とは別の世界で進展してきたが、PCとの連携という点での発展が必要になってくるであろう。
[2004/01/05]
日記本文とは別にタイでの撮影を随時ギャラリーにアップしている。LOEIでの花畑での撮影を昨日4枚ほど追加し、今日は4枚追加した。最近タイでは、花の栽培が盛んなようで、広い面積の花畑が点在している。そういえばLOEIにはブドウ園もあり、ワインも作っていた。タイの農業といえば米であったが、最近はだいぶ多角的になっているようだ。
今日はタイの携帯電話事情について一言。日本では、以前に紹介したように、Nokia 6650をボーダフォンのSIMカードを挿して使用しているが、そのままタイに持ち込んで、GSMで順調に使えている。しかし、タイ国内での通話があまりに高すぎるので、AISのプリペード方式のSIMカードを購入してみた。500バーツで100バーツ分の通話(一ヶ月)がついている。次の訪タイの時には通話料金分のみの補充で使える。1コール5バーツ(15円)程度なので、タイ国内の通信であればそんなに出費しない。彼女へのお土産に日本でNokia 6610の花柄バージョンを4万円ほどで購入して持参した。SIMカードも今まで、使っていたものを入れ替えて問題なく動作したようである。6610はタイ語のサポートがなかったが、バンコクでタイ語サポートのソフトを300バーツで入れ替えて、これも簡単にタイ語化したようである。
ところで、前回までは使用できなかったのであるが、今回から、AISがGPRSをサポートし始めたようである。AISのカードではアクセスポイントの設定がわからなかったので、うまく動作できなかったが、ボーダフォンのカードではWAPの接続ができた。時代は常に進歩しているものである。そう言えば日本でのWAPのメールソフトがCOOLサーバーが更新されてから使用できなくなり、そのままになっていた。原因はDNSがうまく更新されないためであるが、それだけではなく、COOLサーバがsendmailやその他のアクセスを制限しているためでもあるようだ。そんな訳で以前から海外アクセスポイント用に使っているNiftyにホームページを開設することにした。これでまたメールチェックソフトが使用できるようになると思う。
WAPも事業者提供のボーダフォンライブなどもあるが、6650は日本語対応でないこととV1.4なので、使用できない。ただ事業者の思惑にのる使用は好きではないので、自分のWebサイトから、必要な情報を携帯電話に送れるサービスを開発して使おうと思っている。
[2004/01/04]
昨日のJL708でタイから帰国した。今年最初のアップは例年どおり、タイの撮影からである。今回はタイの田舎LOEIというところに3日ほど旅してきた。今週は順不同でタイでの撮影を紹介していきたい。
現像法はAdobe Photoshop CSのACRを使用している。色温度は5200°Kで統一した。これまでの検討から、どんなレタッチもトーンカーブひとつでこなすことができるようになったが、個別の現像において行うことはかなり困難である。現像法を統一することがこれまでのやりかたであった。ACRでは、露出補正やコントラストをヒストグラムをみながら調整できるようになった。これがなかなかすぐれもので、調整が直感的であるのと同時にこれらを調整しても、彩度が固定されている。極端な露出補正をしても色調が崩れることはない。
旅先のスナップは撮影に時間をかけることができない。フォーカスはAF後のマニュアルにしたが、露出は評価測光とした。しかし、これにレンズ交換とさらに偏光フィルターの取り付けと調整で、なかなか忙しいことになってしまった。それでも500枚ほど撮影して、400枚ほど保存した。
ACRの効果で個別調整を含めて現像処理は効率化され、昨日中に完了した。タイの旅は、今週紹介していきたい。
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